要点国税徴収法 73 条は、電話加入権など第三債務者等がある無体財産権等の差押えを差押通知書の送達により行うと定め、その効力は通知書が第三債務者等に送達された時に生じる。
Q · 電話加入権を差し押さえられたと NTT から聞いたのですが、まだ通知は何も届いていません。差押えはもう成立しているのですか?
成立しています。効力は第三債務者等に通知書が届いた時点で生じます。
国税徴収法 73 条 1 項は、第三債務者等がある無体財産権等の差押えを、第三債務者等に対する差押通知書の送達により行うと定めます。そして同条 2 項により、差押えの効力は通知書が第三債務者等に送達された時に生じます。滞納者本人への通知や到達は効力発生の要件ではないため、本人が知らない段階ですでに権利は凍結されています。争点は差押えの瞬間ではなく、その前後、すなわち督促からの 10 日(47 条 1 項)と、差押解除(79 条)や換価の猶予(151 条の 2)といった事後の窓に移ります。
差押えと聞いて浮かぶのは、玄関に立つ徴収職員と家財に貼られる赤い札だろう。だが本条が動くとき、誰もあなたの家には来ない。電話加入権なら NTT、合名会社の持分ならその会社、特許の専用実施権なら実施権者。税務署は「第三債務者等」と呼ばれる相手に差押通知書を一通送れば、それで差押えは完了する。しかも効力が生じるのは、あなたがその事実を知った時ではなく、通知書が第三債務者等に到達した瞬間である(2 項)。順序を整理するとこうなる。相手が先に知り、あなたが後で知る。さらに 5 項が 65 条と 67 条を準用するため、税務署はその財産から生じる金銭を自ら直接取り立てる権限まで手にする。無体財産の差押えは、物理的な音をひとつも立てずに終わる。
国税徴収法 73 条は、無体財産権等のうち第三債務者等がある財産の差押手続を定める規定である。差押えは第三債務者等に対する差押通知書の送達により行われ、その効力は送達時に生じる。権利の移転に登記を要する財産および特許権についての専用実施権には 72 条の規定が準用され、振替社債等は 1 項の括弧書きにより本条の対象から除外される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
電話加入権や合名会社の社員の持分など、第三債務者等がある無体財産権等の差押手続を定めた規定です。差押えは第三債務者等への差押通知書の送達により行われます。
差押通知書が第三債務者等に送達された時です(73 条 2 項)。滞納者本人への到達は効力要件ではないため、本人が知る前に権利が凍結されます。
差し押さえられた権利について義務を負う相手方です。電話加入権なら通信事業者、合名会社の持分ならその会社、専用実施権なら実施権者が典型例です。
換価見込額から滞納処分費を差し引いて残余が生じない場合は無益な差押えの禁止(48 条 2 項)を根拠に、差押解除(79 条)を書面で求める余地があります。
通知書到達後は滞納者本人への支払や払戻しを直ちに停止します。効力発生後に本人へ払っても国に対抗できず、会社が二重払いのリスクを負います。
できます。処分の制限につき登録が効力要件とされる権利には、73 条 4 項により 72 条 5 項が準用され、登録を要する形で差押えが行われます。
督促状を発した日から起算して 10 日を経過した日までに完納しないと、差押えの法律上の要件が満たされます(47 条 1 項 1 号)。実際の執行時期は事案により異なります。
差押えは徴収権の消滅時効を更新させる効果を持ちます。換価価値がほとんどない財産でも差押えが行われる実務上の理由の一つがここにあります。
公売での落札額は数千円という水準まで下がっている。それでも差押えが行われるのは、徴収権の消滅時効が更新される効果があるからだ(国税通則法 72 条 3 項)。業界裏話ヒント。換価価値のない財産だけを押さえられている状況は、実は交渉のカードになる。無益な差押えの禁止(国税徴収法 48 条 2 項)と解除要件(同 79 条)を具体的に挙げると、担当官の優先順位が動くことがある。
送達後は効力が確定するため、動けるのは前だけである。納税の猶予(国税通則法 46 条)か、申請による換価の猶予(国税徴収法 151 条の 2)を申請する。業界裏話ヒント。申請による換価の猶予には納期限から 6 か月という期限があり、これを過ぎると職権の換価の猶予(同 151 条)を担当官に判断してもらう立場に落ちる。申請書一枚のタイミングで、分割納付が権利になるか裁量になるかが分かれる。
同じではない。振替口座簿の記載または記録により権利の帰属が定まる社債・株式等は、1 項の括弧書きで本条の対象から除かれ、73 条の 2 の手続によることになる。業界裏話ヒント。実務上、証券口座は各種法定調書を通じて税務署が把握しやすい財産であり、換価も容易である。電話加入権より先に狙われる順序になりやすいという点を、資産の置き場所を考えるときに頭に入れておくとよい。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象財産 | 73 条:電話加入権・合名会社の社員の持分など第三債務者等がある無体財産権等(振替社債等を除く) | — |
| 差押えの方法 | 第三債務者等に対する差押通知書の送達 | — |
| 効力発生時期 | 差押通知書が第三債務者等に送達された時(2 項) | — |
| 取立て・付随手続 | 5 項により 65 条(債権証書の取上げ)・67 条(差し押えた債権の取立)を準用。登記・登録を要する権利は 3 項・4 項で 72 条を準用 | — |
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