要点国税徴収法 89 条の 3 は換価執行決定の取消しを定め、剰余の見込みが消えたときは必要的に、三回公売に付しても入札等がないときは任意的に取り消される。
Q · 三回公売にかけても売れなかった不動産は、そのまま公売され続けるんですか?
三回入札ゼロなら換価執行決定を打ち切れます
国税徴収法 89 条の 3 は、参加差押えをした税務署長による換価執行決定を取り消す場面を定めます。1 項は必要的取消事由で、特定参加差押えや先行機関の差押えが解除されたとき、不動産の価額が滞納処分費と先立つ債権の合計額を超える見込みがなくなつたときは、取り消さなければなりません。2 項は任意的取消事由で、著しい超過、代替財産の提供、三回公売に付しても入札等がない場合が並びます。取消し後は 3 項の通知が行われ、4 項の制限が解けて先行差押機関が自ら売却できる状態に戻ります。
市役所が先に差押えをかけたあなたの家を、実際に公売にかけるのは市役所とは限らない。平成26年改正で入った換価執行決定という仕組みにより、あとから参加差押えをした税務署長が、先行機関の同意を得て換価を執行できるからだ。89条の3は、その決定を止めるためだけに置かれた条文である。1項は取り消さなければならない場合、2項は取り消すことができる場合を並べる。効き目が大きいのは1項3号と2項1号。売っても先順位の税金や債権で食い尽くされ、参加差押えに係る国税に一円も回らない見込みになったとき、税務署長は取り消す義務を負う。滞納額が減り、不動産の価額が債権総額を著しく超過するに至ったときも、打ち切りの対象になる。そして4項。換価執行決定が取り消されるまで、先に差し押さえた市役所は自分では公売できない。誰があなたの家を売る権限を握っているかは、この一条で入れ替わる。
国税徴収法 89 条の 3 は、換価執行決定の取消事由を定める規定である。1 項は特定参加差押えの解除、特定差押えの解除、換価による剰余の見込みの消滅等を必要的取消事由とし、2 項は著しい超過、代替財産の提供、三回公売不調等を任意的取消事由とする。3 項は関係者への通知義務を、4 項は取消し前における換価同意行政機関等の売却手続の禁止を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
先行する差押機関の同意を得て、あとから参加差押えをした税務署長が不動産の換価(公売)を執行できるようにする決定です。国税徴収法 89 条の 2 が要件を定めます。
1 項は参加差押えや先行差押えの解除、剰余の見込みの消滅など必要的取消事由。2 項は著しい超過、代替財産の提供、三回公売不調など任意的取消事由です。
形状・用途・法令の規制などから、さらに公売に付しても買受人がなく随意契約の見込みもないと認められれば、2 項 3 号で換価執行決定を取り消すことができます。
3 項により、滞納者・換価同意行政機関等・交付要求をした者に通知されます。1 項 2 号による取消しでは、滞納者と交付要求者が通知先です。
できません。4 項により、換価同意行政機関等が行う公売その他滞納処分による売却手続は、換価執行決定が取り消された後でなければ行えません。
不動産の見込価額から、滞納処分費と特定参加差押えに係る国税に先立つ他の国税・地方税その他の債権の合計額を差し引き、超える見込みがあるかで判断します。
2 項 2 号は、滞納者が他に差し押さえることができる適当な財産を提供し、その財産が差し押さえられた場合を任意的取消事由としています。提供だけでは足りません。
滞納処分に関する不服申立ての一般原則(国税通則法 77 条、原則 3 月)に加え、国税徴収法 171 条の期限特例が適用され得ます。期限は前倒しになる点に注意が必要です。
89条の3は職権による取消しを定めた条文で、申請権を認める規定ではない。ただし1項各号は「取り消さなければならない」と義務を課しているので、3号の該当事実(見込価額が滞納処分費と先立つ債権の合計を超えない)を疎明する資料を出せば、事実上は動かせる。業界裏話ヒント:徴収の現場が最も避けたいのは、後から「無益な換価だった」と蒸し返されることだ。査定書と残高証明を揃えて出す納税者は、口頭で訴えるだけの納税者と扱いが変わる
外れない。取り消されるのは税務署長が換価を執行する権限で、参加差押え(86条)も先行機関の差押えも残る。むしろ4項の縛りが解け、先行機関が自ら公売できる状態に戻る。業界裏話ヒント:取消しの通知は滞納者・換価同意行政機関等・交付要求者に送られる(3項)。この通知が届いた日が、交渉相手を税務署から先行差押機関へ切り替えるべき日である。通知の日付を控えておくこと
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 何が消えるか | 89 条の 3:換価を執行する権限(換価執行決定)のみが消え、差押え自体は残る | — |
| 裁量の有無 | 1 項=取り消さなければならない(義務)/2 項=取り消すことができる(裁量) | — |
| 無益・超過の扱い | 1 項 3 号:見込価額が滞納処分費+先立つ債権の合計を超える見込みなし/2 項 1 号:著しい超過 | — |
| 他機関への効果 | 4 項:取消し前は換価同意行政機関等が自ら売却できない | — |
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