道路交通法 第108条の21(報告及び検査)
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- 国家公安委員会は、分析センターの事業の運営に関し必要があると認めるときは、分析センターに対し、その事業に関し必要な報告をさせ、又は警察庁の職員に分析センターの事務所に立ち入り、事業の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
- 3.第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
この条文の基本情報
報告及び検査とは何ですか?
定義報告及び検査とは、道路交通法第108条の21に定められた規定で、「国家公安委員会は、分析センターの事業の運営に関し必要があると認めるときは、分析センターに対し、その事業に関し必要な報告をさせ、又は警察庁の職員に分析センターの事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第108条の21(報告及び検査)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第108条の21の条文原文は「国家公安委員会は、分析センターの事業の運営に関し必要があると認めるときは、分析センターに対し、その事業に関し必要な報告をさせ、又は警察庁の職員に分析センターの事…」で始まります。
- 道路交通法第108条の21は第六章の三 交通事故調査分析センターに置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第108条の21の前の条は道路交通法第108条の20です。
- 道路交通法第108条の21の次の条は道路交通法第108条の22です。
- 道路交通法第108条の21には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第108条の21 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第108条の21(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/108_21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法108条の26は、国家公安委員会が交通事故調査分析センターに報告を求め、警察庁職員に立入検査をさせる権限を定める。職員は証票の提示義務を負い、この権限は犯罪捜査のために用いることができない。
Q · 役所の立入検査で見せた帳簿が、そのまま刑事事件の証拠になることってあるの?
行政監督のための検査であり、犯罪捜査には使えないのが原則です
道路交通法108条の26は、国家公安委員会が交通事故調査分析センターに必要な報告を求め、警察庁の職員に事務所への立入検査をさせることができると定めます。検査をする職員は身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があれば提示しなければなりません(第二項)。そして第三項は、この立入検査の権限を犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと明示します。行政監督のための調査であり、裁判官の令状に基づく刑事捜査とは目的も手続も異なります。
解説
道路交通法の末尾近く、交通事故調査分析センターという地味な組織への立入検査を定めた条文。ほとんどの人は一生読まない。だが第三項の一文に目を留めてほしい。「立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」。この一行は、実は日本中の行政立入検査、税務調査、労働基準監督、消防の立入りに、判で押したように置かれている。意味はこうだ。役所が行政目的で集めた帳簿やデータを、そのままあなたを刑事罰に問う証拠へ流用することは原則できない。なぜなら刑事捜査には裁判官の令状が要る(憲法35条)のに、行政調査は令状なしで踏み込めるからだ。もし令状なしの行政調査で集めたものが刑事証拠に化けるなら、令状主義は骨抜きになる。第三項は、その抜け穴を塞ぐ壁だ。あなたが立入検査を受ける側に回ったとき、この壁の存在を知っているかどうかで、身の守り方が変わる。
法的な位置づけ
道路交通法第108条の26は、国家公安委員会による交通事故調査分析センターへの監督手段を定める規定である。第一項は報告徴収および警察庁職員による立入検査の権限、第二項は検査職員の証票携帯・提示義務、第三項は当該立入検査の権限が犯罪捜査のために認められたものではない旨を規定し、行政調査と刑事手続の境界を条文上明示する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.検査官の証票を確認し記録する 職員が到着したら、第二項に基づき身分を示す証票の提示を請求し、氏名・所属・到着時刻をその場でメモする。提示がない場合はその事実も記録に残す
- 2.検査の根拠条文と目的を確認する 何法の何条に基づく検査か、報告徴収か立入検査か、対象範囲はどこまでかを口頭で確認し記録する。犯罪捜査ではない行政監督であることを相互に確認しておく
- 3.提出物の範囲を交渉し控えを残す 求められた帳簿・書類の範囲を確認し、範囲外は理由を述べて留保する。提出・提示したものは品目・日時・受領者を一覧化し、写しを必ず自社に残す
- 4.刑事責任に直結しうる資料は専門家に相談 提出資料が自らの刑事責任に直結しうると感じた場合、任意提出の前に弁護士へ相談する。提出後は行政調査と刑事捜査の分離を主張する足場が弱くなる
よくある質問 AI による整理
Q1行政調査とは何ですか?
行政機関が法令に基づき、監督や制度運営の目的で報告を求めたり立ち入って検査したりする活動です。裁判官の令状を必要としない代わりに、犯罪捜査への転用が制限されます。
Q2立入検査で提示される証票とは何ですか?
検査職員の身分と権限を示す公的な証明書です。道路交通法108条の26第二項は携帯を義務づけ、関係者の請求があれば提示しなければならないと定めています。
Q3「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」は他の法律にもありますか?
あります。国税通則法の質問検査権、労働基準監督、消防の立入検査など、多くの行政法に同趣旨の条項が置かれ、令状主義の潜脱を防ぐ共通の仕組みになっています。
Q4立入検査の日時は事前に通知されますか?
法律ごとに扱いが異なり、道路交通法108条の26には事前通知の明文はありません。実務では監督目的に応じて事前連絡がある場合と、通知なく実施される場合があります。
Q5交通事故調査分析センターの指定は取り消されますか?
取り消される仕組みがあります。報告徴収・立入検査による監督で是正されない場合、指定の取消し等が最終手段として控えており、監督体系の背骨になっています。
Q6川崎民商事件とはどんな判例ですか?
最高裁大法廷昭和47年11月22日判決です。行政調査にも憲法35条・38条の保障が及びうると認めつつ、当時の税務質問検査の合憲性を肯定しました。行政調査論の出発点とされます。
Q7違法収集証拠排除法則とは何ですか?
令状主義の精神を没却する重大な違法がある収集手続で得た証拠は、刑事裁判での証拠能力が否定されうるという法理です。行政調査の刑事転用を争う際の主要な武器になります。
Q8立入検査の結果は公表されますか?
道路交通法108条の26に公表の明文はありません。個別の検査結果は原則非公表ですが、行政文書として情報公開請求の対象になりうる点は別途検討が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の立入検査って、断ったら逮捕されるんですか?
逮捕はされません。立入検査は行政調査であって犯罪捜査ではなく(本条第三項)、令状に基づく強制捜査とは別物です。ただし正当な理由なく拒否・妨害すると、多くの法律で過料や罰金の対象になります(間接強制)。実務のポイント:「拒否できるか」より「どこまで断っても罰則に触れないか」が実務の勝負どころ。物理的に押し入る権限はないので、施錠部分の開錠を強制されることはない。まず証票(第二項)を確認し、範囲を見極めるのが正解。
Q2行政調査で出した資料が、後で刑事事件の証拠に使われることってあるんですか?
原則、行政調査は犯罪捜査のために使ってはならないとされます(本条第三項、税務なら国税通則法74条の8)。ただし絶対の遮断ではなく、最高裁(川崎民商事件、最大判昭和47.11.22)は行政調査にも憲法35条・38条の保障が及びうると判断しています。実務のポイント:調査の時点で既に刑事立件を狙っていた「捜査の潜脱」と評価できれば、違法収集証拠として排除を争える。提出前に「これは行政調査か」を確認した記録が、後の分かれ目になる。
Q3交通事故調査分析センターって何をしている団体で、なぜ警察庁が検査するんですか?
交通事故の科学的な調査分析を行う、国家公安委員会が指定した機関(通称ITARDA)で、事故データの分析や再発防止に使われます。本条は、その事業が適正に運営されているかを国家公安委員会が報告徴収・立入検査で監督する仕組みです。実務のポイント:この検査は犯罪捜査ではなく行政監督(第三項)。指定を受けた民間機関に公的機能を担わせる代わりに、監督と検査で公正さを担保する。指定法人モデルの典型例で、指定取消という最終手段が背後に控えている。
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入検査は拒否すればいい」と考える人がいるが、問いの立て方が違う。多くの行政調査は、正当な理由なく拒否すると罰則(過料や罰金)の対象になる(間接強制)。ポイントは拒否できるかではなく、令状なしの物理的強制まではできないという点、そして得られた資料の刑事転用に壁があるという点だ。
- 「行政調査と犯罪捜査は別物」とは知っていても、その壁がどれほど脆いかは知られていない。最高裁(川崎民商事件、最大判昭和47.11.22)は、行政調査にも憲法35条・38条の保障が及びうると認めつつ、当時の税務質問検査は合憲とした。つまり壁は絶対ではなく、調査の目的と刑事手続との近さで揺れる。
- 「証票なんて形式だろう」と思われがちだが、第二項は職員に証票の携帯と提示を義務づけている。関係者が請求したのに提示しない検査は、手続的瑕疵を帯びる。形式に見えるこの一手が、後で検査の適法性を争う足がかりになる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 108条の26:報告徴収・立入検査という日常的な監督手段 | 108条の25:監督命令(是正を命じる作為的手段) 108条の27:指定の取消し等(最終手段) |
| 発動の重さ | 事業運営に関し必要と認めるときに随時発動できる軽い手段 | 違反や不適正が判明した段階の中間的手段 監督が機能しない場合の終局的処分 |
| 相手方への効果 | 報告義務・受忍義務が生じるが、事業の地位自体は変わらない | 命令内容に従う義務が具体的に発生する 指定法人としての地位そのものを失う |
| 刑事手続との関係 | 第三項が犯罪捜査への転用を明文で否定 | 監督命令違反が別途制裁の前提となりうる 処分性が明確で行政訴訟の対象となりやすい |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も執行職務者に証明文件の提示を義務づけ、行政調査と刑事偵査を制度的に区別する。刑事転用の明文禁止は個別法に散在する点が日本と異なる
韓国は行政調査の一般法を単独で制定し、調査権の目的外行使の禁止と調査員の証票提示を法典レベルで統一。日本のように個別法へ同一条項を複製する方式と対照的
ドイツは Betretungsrecht を個別法で定めつつ、nemo-tenetur 原則により自己負罪につながる情報提供の強制を制限する構成をとる
米国は行政査察にも修正4条が及ぶとし、刑事令状より緩やかな administrative warrant を要求する。日本のように条文で刑事転用を禁じるのではなく、令状の種類を分ける設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 税務署から明日、事業所に調査に入ると連絡が来た。提出した帳簿のコピーが、後で脱税の刑事告発にそのまま使われたらどうなる? この不安の答えは、まさに「行政調査は犯罪捜査ではない」という原則の中にある。原則として、行政調査で得た資料の刑事転用には制約がかかる。
- 労働基準監督官が突然、工場に立入検査に来た。あなたは経営者として、まず何を確認すべきか。証票の提示を求めるのが第一歩だ。
- 消防の立入検査で防火設備の不備を指摘された。だがその場で作られた記録が、後日の業務上過失致死の刑事捜査にそのまま流れ込むとしたら、あなたは令状なしの捜索を受けたのと同じことになる。第三項と同じ構造の壁が、まさにこの流用を止めるために全国の法律に埋め込まれている。
- もし、あなたの所属する財団が国家公安委員会の指定を受けた分析機関で、警察庁の職員が帳簿検査に来たら? それは犯罪捜査ではなく行政監督だ。だが職員が証票を見せないなら、あなたが検査を受け入れる前提が欠けている。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検査官が来たら、まず第二項に基づき証票の提示を求め、提示がなければその旨を記録する2. 検査の根拠法と目的(何の行政調査か)を確認し、犯罪捜査ではないことを明示させる3. 令状がない以上、施錠された場所のこじ開けなど物理的強制はできない。ただし正当な理由のない拒否は罰則の対象になりうるので、拒否ではなく範囲の確認で対応する4. 提出資料は必ず控えを取り、いつ何を渡したか記録する
訴えられた側:1. 行政調査で提出した資料が刑事事件の証拠に使われそうな場合、第三項と憲法35条・38条を根拠に、実質は令状なしの犯罪捜査だったのではないかを争う2. 調査の時点で既に刑事立件の意図があったか、調査と捜査の主体・時期の近さを主張材料にする3. 違法に収集された証拠は排除される可能性がある(違法収集証拠排除法則)ため、早期に刑事弁護に強い弁護士へ相談する4. 川崎民商事件の判断枠組みを踏まえ、調査目的と刑事手続の距離を具体的に立証する
時効(請求できる期限):この監督権限そのものに特定の時効はない(国家公安委員会が必要と認めるときに随時行使できる)。検査で得た資料の刑事転用を争う場合は、当該刑事手続の中で証拠の適法性として主張する。行政調査拒否に対する罰則がある場合、その公訴時効は法定刑に応じて刑事訴訟法250条による(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」との条項は、行政調査の資料を刑事手続へ無制約に流用することを禁じる趣旨であり、令状主義の潜脱防止規定と理解される。もっとも遮断は絶対的ではなく、調査目的と刑事手続の距離により保障の及ぶ範囲が変動すると解されている。
有力説:刑事立件の意図が調査開始時点で既に存在した場合、当該行政調査は実質的な捜査であり、収集資料には違法収集証拠排除法則を適用すべきとする立場。主体・時期の近接性を具体的に審査すべきと主張する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成4年(1992年) 新設:交通事故の科学的な調査分析を担う機関を国家公安委員会が指定する制度が整備され、これに伴い報告徴収・立入検査による監督規定が置かれた。条番号はその後の道路交通法改正で繰り下げられている(詳細な改正沿革は e-Gov の改正履歴で要確認)
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