商業登記法 第102条(清算結了の登記)
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清算結了の登記の申請書には、会社法第六百六十七条の規定による清算に係る計算の承認があつたことを証する書面(同法第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあつては、その財産の処分が完了したことを証する総社員が作成した書面)を添付しなければならない。
この条文の基本情報
清算結了の登記とは何ですか?
定義清算結了の登記とは、商業登記法第102条に定められた規定で、「清算結了の登記の申請書には、会社法第六百六十七条の規定による清算に係る計算の承認があつたことを証する書面(同法第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第102条(清算結了の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第102条の条文原文は「清算結了の登記の申請書には、会社法第六百六十七条の規定による清算に係る計算の承認があつたことを証する書面(同法第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合…」で始まります。
- 商業登記法第102条は第六節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第102条の前の条は商業登記法第101条です。
- 商業登記法第102条の次の条は商業登記法第103条です。
- 商業登記法第102条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第102条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第102条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/102
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法102条は、持分会社の清算結了登記に会社法667条の計算承認を証する書面の添付を求める。668条1項の定めがある場合は総社員作成の財産処分完了書面となる。
Q · 合同会社をたたむとき、清算結了の登記には何を付ければいいの?
定款の財産処分の定めの有無で添付書面が変わります
商業登記法102条により、清算結了の登記の申請書には、会社法667条の清算に係る計算の承認があったことを証する書面を添付します。ただし、定款または総社員の同意で会社法668条1項の財産の処分の方法を定めていた場合は、その処分が完了したことを証する「総社員が作成した書面」に置き換わります。書類の名前を選ぶ前に、自社が667条ルートか668条ルートかを定款で判定することが先です。ルートを取り違えると、書き直しではなく作り直しになります。
解説
会社をたたむ手続きは、最後の一枚の紙で止まる。持分会社(合名・合資・合同会社)の清算が終わったとき、登記所に「清算結了の登記」を出すが、そこに添付すべき書面を間違えると受理されない。商業登記法102条が要求するのは、会社法667条による決算報告(清算に係る計算)を社員が承認したことを証する書面である。そして見落とされがちなのが括弧書きだ。会社法668条1項に基づき、定款または社員全員の同意で「財産の処分の方法」を定めた場合、必要な書面はまったく別物になる。総社員が作成した、財産処分完了を証する書面である。あなたが合同会社を清算する立場なら、まず自社が667条ルートか668条ルートかを確定させないと、法務局の窓口で突き返される。書面の名前を間違えているのではなく、清算手続の入口を取り違えているからだ。
法的な位置づけ
商業登記法102条は、持分会社の清算結了の登記における添付書面を定める規定である。原則は会社法667条による清算に係る計算の承認があったことを証する書面であり、同法668条1項の財産の処分の方法が定められていた場合には、その処分の完了を証する総社員作成の書面がこれに代わる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.定款を開いて667条ルートか668条ルートかを判定する 最初の動作は書式探しではなく定款の確認。会社法668条1項の「財産の処分の方法」の定め(定款または総社員の同意)があるかを見る。ここで添付書面が丸ごと入れ替わるため、判定を飛ばすと後工程がすべて無駄になる
- 2.667条ルート:決算報告を作成し社員の承認を得る 清算人が清算事務の終了後に清算に係る計算(決算報告)を作成し、社員の承認を得る。承認の事実を証する書面を作成し、承認日が清算事務終了日より後になっているかを必ず確認する。日付の前後が逆転していると理屈が合わず補正になる
- 3.668条ルート:総社員が財産処分完了を証する書面を作成する 定めた方法による財産の処分が完了したことを証する書面を、総社員が作成して記名押印する。主体が「総社員」に限定されているため、一人でも欠けると書面が成立しない。海外在住や連絡不通の社員がいる場合は押印回収の日程を最優先で組む
- 4.清算結了の日から2週間以内に登記を申請する 本店所在地を管轄する法務局に、登記申請書と商業登記法102条所定の添付書面を提出する。登録免許税は1件2,000円が原則。登記官は添付書面を形式的に審査するため、実質的に清算が終わっていても書面が欠ければ補正・却下となる
よくある質問 AI による整理
Q1清算結了の登記とは何ですか?
清算事務がすべて終わったことを登記記録に反映し、会社の法人格を消滅させる最後の登記です。持分会社の添付書面は商業登記法102条が定めています。
Q2合同会社の清算結了登記に必要な書類は?
原則は登記申請書と、会社法667条の計算の承認があったことを証する書面です。定款等で財産の処分の方法を定めていた場合は、総社員が作成した財産処分完了を証する書面に置き換わります。
Q3清算結了の登記はいつまでにすればいい?
清算結了の日から2週間以内が原則です(会社法929条)。期間を過ぎても登記自体は可能ですが、登記懈怠として過料の対象になりえます(同法976条1号)。
Q4清算結了の登記後に財産が見つかったらどうなる?
登記があっても清算は実質的に終わっていないと扱われ、法人格が残存すると解されます。追加の清算事務が必要になるため、残余財産の確認は登記前に完了させます。
Q5清算結了の登記をしないで放置するとどうなる?
法人格が消えないため、帳簿資料の保存義務(会社法672条)や申告義務が残ります。自治体によっては法人住民税の均等割が課され続けることがあります。
Q6清算結了の登記は自分でできますか?
本人申請は可能です。ただし667条ルートか668条ルートかの判定を誤ると補正になります。代理を依頼する場合、登記申請の代理は司法書士の業務範囲です。
Q7清算結了の登記の登録免許税はいくら?
1件につき2,000円が原則です。解散の登記や清算人の登記とは別に課されるため、解散から結了まで複数回の納付が生じます。最新額は法務局の案内で確認してください。
Q8解散の登記と清算結了の登記は違うの?
解散登記は清算の開始を公示するもので法人格は残ります。清算結了の登記は清算事務の終了を公示し法人格を消滅させます(商業登記法98条と102条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1決算報告書をそのまま出せばいいんじゃないんですか?
決算報告書そのものではなく、それについて社員の承認があったことを証する書面が必要である(会社法667条、商業登記法102条)。実務では決算報告書に社員の承認文言と記名押印を加えた一体の書面として作成することが多い。実務のポイント:司法書士は決算報告書と承認書を一枚に統合した雛形を使うが、承認の日付が清算事務終了より前になっていると理屈が合わず補正になる。日付の前後関係が最初に見られる。
Q2社員が全員身内なんですが、それでも書面は要りますか?
要る。登記官は当事者間の実質的な合意ではなく、添付書面の形式で判断する(商業登記法102条)。総社員が作成した書面(同条括弧書き)は、社員が一人であっても様式としては必要である。実務のポイント:身内会社ほど「後で押印もらう」で放置され、相続が発生して社員の地位が承継者に移った途端、誰の押印が必要かが一気に複雑になる。清算は関係が良好なうちに終わらせるのが実務の鉄則である。
間違えやすい点 AI による整理
- 「清算結了の登記は形式的な事後報告だから、多少書類が不足しても後で足せばいい」と考えられがちだが、登記官は添付書面の形式的審査権を持つ。要求された書面が欠ければ却下または補正であり、その間、会社は法人格を保ち続ける。放置している期間も帳簿保存義務や役員責任の射程は消えない
- 多くの人は「清算結了の登記に必要な書類は何か」と問うが、問いの立て方が既に誤っている。正しくは「自社の清算は667条ルートか668条ルートか」を先に確定させることであり、書類は結論であって出発点ではない。定款を開いて財産処分の定めの有無を見るのが第一動作である
- 株式会社の清算結了と同じ書類で足りると思っている人が多い。株式会社は会社法507条3項の決算報告承認(株主総会)に対応する書面(商業登記法75条)だが、持分会社は667条・668条の二本立てで、しかも668条ルートでは「総社員が作成した書面」という主体の限定がある。会社の種類を取り違えた雛形の流用が、補正の典型原因である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる会社 | 商業登記法102条:持分会社(合名・合資・合同)の清算結了 | 商業登記法75条:株式会社の清算結了 商業登記法98条:持分会社の解散 |
| 承認の主体 | 社員(667条ルート)/総社員(668条1項ルート) | 株主総会(会社法507条3項) 解散事由の発生を証する主体(社員の同意・定款事由等) |
| 添付書面 | 計算の承認を証する書面、または財産処分完了を証する総社員作成書面 | 決算報告の承認があったことを証する書面 解散の事由の発生を証する書面等 |
| 登記の効果 | 法人格が消滅し、登記記録が閉鎖される | 法人格が消滅し、登記記録が閉鎖される 法人格は存続し、清算手続へ移行する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は清算完結後に結算表冊を株主・社員の承認に付し、さらに法院へ聲報する。承認を要件とする点は日本と共通するが、登記所ではなく裁判所への報告が中核になる
韓国も計算書類の承認を経て一定期間内に清算終結登記を行う。計算の承認を登記の前提とする構造は日本と同型
ドイツは清算終了後に商号の消滅(Erlöschen der Firma)を商業登記簿に届け出る。人的会社(OHG・KG)を対象とする点で日本の持分会社に最も近い対照項
米国は州務長官に取消証書を提出して LLC の存在を終了させる。社員の承認書面の添付ではなく、州法所定の巻取り(winding up)完了の表明が中心となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一人で立ち上げた合同会社をたたむことにした。解散登記までは司法書士に頼まず自分でやれた。だが清算結了の登記で「決算報告の承認を証する書面」を添付したところ、定款に財産の処分方法の定めがあったため668条ルートだと指摘され、補正になった。社員が自分一人でも、書面の様式は変わる
- 合資会社の無限責任社員が二人。片方が「もう清算は終わったから登記だけ出しておいて」と言うが、決算報告の承認について書面が残っていない。清算結了の登記には承認の証明が要る。口頭の合意は登記所に通らない
- もし、清算結了の登記をしないまま何年も放置したら? 会社は法人格が消えない。帳簿保存義務(会社法672条)も続き、税務上の申告義務も残る可能性がある。「実質的に終わった」と「法的に終わった」の間には、この一枚の添付書面がある
- 決算期末に間に合わせたい。年内に清算結了させたいが、あと10日。財産処分の完了と総社員の書面作成、そこから登記申請まで逆算すると、社員全員の押印を揃える日程が最大のボトルネックになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 定款を開き、財産の処分の方法に関する定め(会社法668条1項)の有無を確認する。ここで添付書面が分岐する2. 定めがなければ、清算人が作成した決算報告について社員の承認(同法667条)を得た事実を書面化し、承認書または決算報告書+承認の記載を用意する3. 定めがあれば、財産処分が完了したことを証する書面を総社員が作成し、全員の記名押印を揃える4. 清算結了の登記は清算結了後2週間以内が原則(会社法929条)。押印回収の日程から逆算して着手する
訴えられた側:1. 登記官から補正の指摘を受けたら、まず指摘が「書面の不足」か「ルートの誤り」かを切り分ける。後者なら書き直しではなく作り直しになる2. 総社員の書面で一部社員の協力が得られない場合、決算報告の承認手続(667条)に立ち戻れないか、清算人と専門家で再検討する3. 期間経過による過料(会社法976条1号)が問題になる場合でも、登記自体は受理されうるため、まず登記を完了させてから対応する4. 判断が割れる論点は司法書士に相談する。登記手続の代理は司法書士の業務範囲であり、行政書士は取り扱えない
時効(請求できる期限):清算結了の登記は清算結了の日から2週間以内(会社法929条)。この期間を過ぎても登記は可能だが、登記懈怠として過料の対象になりうる(同法976条1号)。なお、登記申請自体に消滅時効はない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:商業登記法102条の添付書面要求は、登記官が形式的審査権しか持たないことの裏返しである。清算の実体的な適正さは社員の承認または総社員の書面に委ね、登記所は書面の形式のみを審査するという役割分担が採られている
通説:清算結了の登記がされても、実際には残余財産が存在するなど清算事務が終了していない場合には、清算は結了しておらず法人格は消滅しないと解される。登記は法人格消滅の公示であって創設的効力を持つものではない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商法から商業登記に関する規定を分離し、商業登記法(昭和38年法律第125号)として独立法典化。清算結了の登記の添付書面規定もこの体系に置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により「持分会社」の概念が導入され、本条は会社法667条・668条1項を引用する現行の二本立て構造に改められた
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