商業登記法 第105条
クイックジャンプ
- 合名会社が会社法第六百三十八条第一項第一号又は第二号の規定により合資会社となつた場合の合資会社についてする登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
- 一定款
- 二有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面
- 三有限責任社員を加入させたときは、その加入を証する書面(法人である社員の加入の場合にあつては、第九十四条第二号又は第三号に掲げる書面を含む。)
- 2.合名会社が会社法第六百三十八条第一項第三号の規定により合同会社となつた場合の合同会社についてする登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
- 一定款
- 二会社法第六百四十条第一項の規定による出資に係る払込み及び給付が完了したことを証する書面
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第105条は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第105条の条文原文は「合名会社が会社法第六百三十八条第一項第一号又は第二号の規定により合資会社となつた場合の合資会社についてする登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第105条は第六節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第105条の前の条は商業登記法第104条です。
- 商業登記法第105条の次の条は商業登記法第106条です。
- 商業登記法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法105条は、合名会社が合資会社または合同会社へ種類変更した際の登記申請書の添付書面を定める。合同会社の場合は出資の払込み及び給付の完了を証する書面が必要である。
Q · 合名会社を合同会社に変えるとき、法務局には何を出せばいいの?
定款と、払込み・給付の完了を証する書面が要ります
商業登記法105条は、合名会社が会社法638条1項により合資会社または合同会社となった場合の登記申請書の添付書面を定めます。合資会社となるときは定款、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面、社員を加入させたときはその加入を証する書面。合同会社となるときは定款と、会社法640条1項の出資に係る払込み及び給付が完了したことを証する書面です。登記自体は変更前会社の解散の登記と変更後会社の設立の登記の二本立てで行われます(会社法919条)。
解説
老舗の合名会社を継いだ、あるいは家業の無限責任社員として名を連ねている。その状態から抜け出す出口は会社法638条1項にあり、出口を通った事実を法務局に証明する書類を定めるのが本条である。合資会社になるなら、定款、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面、社員を新たに加入させたならその加入を証する書面(法人が加入するなら94条2号3号の書面も)。合同会社になるなら、定款と、出資の払込み及び給付が完了したことを証する書面。多くの人が見落とすのは、この手続が「変更の登記」ではなく、変更前の会社の解散の登記と変更後の会社の設立の登記という二本立てで行われる点だ(会社法919条)。解散と書かれていても会社は消えない、法人格は同一のまま続く。そして本条2項の払込証明書が用意できない限り、合同会社という出口はそもそも開かない。
法的な位置づけ
商業登記法105条は、合名会社が種類変更により合資会社または合同会社となった場合の登記申請書の添付書面を定める規定である。合資会社の場合は定款、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面および社員の加入を証する書面が、合同会社の場合は定款および出資の払込み・給付の完了を証する書面が要求される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.総社員の同意で定款を変更し、効力発生日を確定する 会社法638条1項に基づき、総社員の同意で定款を変更し、合資会社となるのか合同会社となるのかを特定する。持分会社の定款に公証人の認証は不要だが、効力発生日を明記して以後の日程の起点を固定する
- 2.出資の払込み・給付を効力発生日までに完了させる 合同会社となる場合、会社法640条1項により出資に係る払込み及び給付は定款変更の効力が生ずる日までに完了していなければならない。銀行の入金日が効力発生日より後になると払込証明書が使えず補正となるため、入金→同意書の日付の順序を守る
- 3.商業登記法105条の添付書面を揃える 合資会社となるなら定款・有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面・社員を加入させたときは加入を証する書面(法人社員なら94条2号3号の書面を含む)。合同会社となるなら定款・払込み及び給付の完了を証する書面。代理申請なら委任状(商業登記法18条)も同時に用意する
- 4.効力発生日から2週間以内に解散の登記と設立の登記を申請する 会社法919条により、変更前の会社については解散の登記、変更後の会社については設立の登記を本店所在地で申請する。1件の変更登記ではなく二本立てである点を、費用見積もりと日程の両方に反映させる
- 5.登記完了後に責任の線引きと外部通知を処理する 登記事項証明書を取得し、登記の日を確定する。会社法583条3項の旧責任は登記前に生じた債務に限られるため、債務一覧と登記日の前後関係を表にする。許認可官庁への変更届、金融機関への個人保証見直しの申入れもこのタイミングで行う
よくある質問 AI による整理
Q1持分会社の種類変更とは何ですか?
合名会社・合資会社・合同会社という持分会社の類型を、定款変更によって他の類型へ移すことです。会社法638条が実体要件を定め、法人格は同一のまま続きます。
Q2商業登記法105条の添付書面は何が必要ですか?
合資会社となる場合は定款、有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面、社員を加入させたときはその加入を証する書面。合同会社となる場合は定款と払込み及び給付の完了を証する書面です。
Q3合名会社から合同会社への変更登記はいつまでですか?
定款変更の効力発生日から2週間以内に本店所在地で申請します(会社法919条)。懈怠すると代表社員個人が100万円以下の過料の対象になり得ます。
Q4種類変更の登記は変更登記1件ではないのですか?
違います。変更前の会社の解散の登記と、変更後の会社の設立の登記の二本立てです(会社法919条)。旧登記記録は閉鎖され、新しい登記記録が起こされます。
Q5払込証明書はどうやって作るのですか?
出資の払込みがあった預金口座の通帳の写し等と、代表者が払込み及び給付の完了を証明する書面を組み合わせるのが実務です。入金日が定款変更の効力発生日以前であることが要点です。
Q6労務出資は有限責任社員の出資になりますか?
なりません。有限責任社員が出資できるのは金銭その他の財産に限られます(会社法576条1項6号)。労務や信用は「既に履行した出資の価額を証する書面」に計上できません。
Q7種類変更すると建設業許可はどうなりますか?
法人格は同一なので許可自体は原則として継続します。ただし許認可官庁への変更届は別途必要で、届出漏れは更新審査の段階で露見します。登記と届出はセットで管理してください。
Q8登記を怠るとどうなりますか?
登記懈怠は100万円以下の過料の対象です(会社法976条1号)。さらに旧無限責任社員の責任は登記の日を基準に区切られるため、遅れた期間に生じた債務まで無限責任の範囲に入ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1定款を作り直すんですけど、公証人の認証っているんですか?
不要である。公証人の定款認証が要求されるのは株式会社の原始定款だけで(会社法30条)、持分会社の定款にその規定はない。種類変更に伴う定款も同じく認証不要で、総社員の同意で足りる。実務のポイント:認証がない分、日付を後から都合よく作れると考える人がいるが、合同会社化では払込みが定款変更の効力発生日までに終わっている必要があるため、通帳の入金日と同意書の日付の前後関係が登記官の目に触れる。日付は入金より後に置くのが実務の鉄則である
Q2合同会社に変えたら、これまでの会社の借金について自分が払う義務はなくなりますか?
すぐには消えない。無限責任社員だった者は、定款変更の登記をする前に生じた会社の債務について、なお無限責任社員としての責任を負う(会社法583条3項)。この責任は登記後2年以内に請求または請求の予告がなければ、2年の経過で消滅する(同条4項)。実務のポイント:債権者側は内容証明で「請求の予告」を一通送るだけで責任を生かし続けられる。だから社員側は登記から2年間、督促の到達記録を保存し、どの債務がいつ発生したかを表にしておく。この表があるかどうかで、2年経過後の交渉の強さが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社の種類を変えるだけだから変更登記が一件」という前提そのものが誤っている。実際は変更前の会社の解散の登記と、変更後の会社の設立の登記の二本立てだ(会社法919条)。だから費用感の見積もりも、「登記事項証明書に会社の履歴がそのまま続くだろう」という期待も同時に崩れる。旧登記記録は閉鎖され、新しい記録が起こされる
- 無限責任が一定期間残ることを知っている人でも、その線引きの起算点までは知らないことが多い。会社法583条3項は「定款の変更の登記をする前に生じた債務」と定める。登記を一か月放置すれば、その一か月に発生した仕入代金まで無限責任の対象に加わる。責任の線を引くのは総社員が同意した日ではなく、登記の日である
- あなたから見れば合同会社化は身軽になる話だが、銀行から見れば担保が一つ外れる話だ。既存融資に社員個人の連帯保証がついていれば、その保証契約は登記とは無関係に生き続ける。会社法上の無限責任が2年で消えても、保証契約上の債務は契約が続く限り消えない。この落差を理解せずに「有限責任になったから安心」と考えるのが、最も高くつく誤解である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 商業登記法105条:合名会社が合資会社・合同会社となった場合の登記申請書の添付書面 | 商業登記法94条:法人が社員となる場合に要する資格関係の添付書面 商業登記法24条:添付書面の不備等がある申請の却下 |
| 要求される中身 | 定款+出資の履行または払込み・給付の完了を証する書面(+加入を証する書面) | 法人社員の登記事項証明書や職務執行者の選任に関する書面等 書面そのものを要求せず、欠けた場合の処理を定める |
| 適用場面 | 合名会社の種類変更のときだけ働く特則 | 法人社員が関与するあらゆる持分会社の登記 すべての商業登記申請に共通 |
| 欠けたときの効果 | 補正を求められ、放置すれば申請却下。その間も登記懈怠の期間は進む | 同じく補正または却下の対象 登記官が却下する根拠規定そのもの |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は無限公司から兩合公司・有限公司・股份有限公司への組織変更を全体股東の同意で認め、変更登記の申請書類は公司登記辦法が定める。日本のように解散登記と設立登記を分ける構成ではない点が異なる
韓国も総社員の同意で合名会社から合資会社への組織変更を認め、旧無限責任社員の責任が登記後一定期間存続する構造は日本と近い
ドイツは組織変更(Formwechsel)を Umwandlungsgesetz で一括して規律し、法人格の同一性維持と登記による効力発生を明文化する。人的会社から資本会社への転換では債権者保護のため旧社員の追及責任(Nachhaftung)が5年間存続する点が日本の2年より長い
米国はパートナーシップから LLC への conversion を州法で認め、certificate of conversion の提出で効力が生じる。無限責任からの離脱と既存債権者の保護は州ごとに扱いが分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 総社員の同意で合同会社になると決めた日から、法務局に書類を出すまで何日あると思うか。2週間だ(会社法919条)。しかも出資の払込みは定款変更の効力が生ずる日までに完了していなければならない(会社法640条1項)。銀行の入金日が一日ずれただけで払込証明書は使えず、登記官から補正を求められ、その間も過料の対象期間は進んでいく
- 取引先の合名会社が、いつの間にか合同会社に変わっていた。売掛金の相手方である社員の無限責任は、登記の日から2年で消える(会社法583条4項)。回収に動ける残り時間は、その2年しかない
- 三代続いた合名会社を継ぐことになり、有限責任社員に回ろうと考えた。だが父の出資は現場に立つこと、つまり労務だった。合資会社の有限責任社員が出資できるのは金銭その他の財産に限られる(会社法576条1項6号)ため、労務は「既に履行した出資の価額を証する書面」に一円も書けない。証明書面を作る段になって初めて、現金を用意し直す必要に気付く
取るべき行動
被害を受けた側:取引先が持分会社の種類変更をしたと知ったら、まず登記事項証明書と閉鎖登記簿を取り、定款変更の登記日を特定する。その日より前に生じた債権であれば、元の無限責任社員に対して会社法583条3項の責任を追及できる。ただし登記後2年以内に請求または請求の予告をしないと責任は消える(同条4項)。内容証明郵便で相手社員個人に請求の予告を送り、到達日を記録に残す。会社本体への請求と個人への予告は別々に打つこと
訴えられた側:登記懈怠を指摘された、あるいは債権者から個人責任を追及されている場合、争点は二つに分かれる。第一に登記の日、第二に当該債務の発生日。債務が登記後に生じたものなら583条3項の責任は及ばない。契約書と納品書の日付を洗い出し、登記日との前後関係を一覧化する。登記自体が遅れているなら、直ちに定款と払込証明書等を揃えて申請する。放置期間が長いほど無限責任の範囲も過料の額も膨らむ
時効(請求できる期限):定款変更の効力発生日から2週間以内に、本店所在地で変更前会社の解散の登記と変更後会社の設立の登記を申請する(会社法919条)。懈怠は代表社員個人に100万円以下の過料(会社法976条1号)。合同会社となる場合の出資の払込み及び給付は、定款変更の効力が生ずる日までに完了していることが必要(会社法640条1項)。無限責任社員だった者の責任は、定款変更の登記後2年以内に請求または請求の予告がなければ2年経過時に消滅(会社法583条4項)
学説
通説:持分会社の種類変更は、解散の登記と設立の登記という二本立ての公示形式をとるものの、法人格の同一性は維持される。したがって清算手続を要せず、債権債務・契約上の地位・許認可は原則として当然に存続し、本条の添付書面はその公示の正確さを担保する入口検査として位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 会社法により持分会社という上位概念と合同会社の類型が設けられ、合名会社が定款変更で合資会社または合同会社となる場合の添付書面が整理された。合同会社に関する第2項は、この整備の中で登場したものである(改正年次と新設改正の別は要人的検証)
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法が商法から分離して制定され、会社の種類ごとの登記手続と添付書面が体系化された(本条の原型に相当する規律の位置づけは要人的検証)
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により、持分会社という上位概念と合同会社の類型が設けられ、合名会社が定款変更で合資会社または合同会社となる場合の添付書面が整理された。合同会社に関する第2項はこの整備の中で現れたものである(改正年次と新設・改正の別は要人的検証)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める