商業登記法 第93条(添付書面の通則)
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登記すべき事項につき総社員の同意又はある社員若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。
この条文の基本情報
添付書面の通則とは何ですか?
定義添付書面の通則とは、商業登記法第93条に定められた規定で、「登記すべき事項につき総社員の同意又はある社員若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第93条(添付書面の通則)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第93条の条文原文は「登記すべき事項につき総社員の同意又はある社員若しくは清算人の一致を要するときは、申請書にその同意又は一致があつたことを証する書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第93条は第六節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第93条の前の条は商業登記法第92条です。
- 商業登記法第93条の次の条は商業登記法第94条です。
- 商業登記法第93条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第93条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第93条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/93
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法93条は、登記すべき事項に総社員の同意または社員・清算人の一致を要するとき、その同意があったことを証する書面の添付を義務づける規定である。
Q · 合同会社の登記に「総社員の同意書」って、どんなときに必要なんですか?
定款変更を伴う登記事項では原則必要です。
商業登記法93条は、登記すべき事項につき総社員の同意またはある社員もしくは清算人の一致を要するとき、その同意または一致があったことを証する書面の添付を義務づけます。定款変更を伴う事項なら会社法637条により総社員の同意が必要で、その書面を添付します。定款変更を伴わない業務執行の決定であれば、会社法590条2項の社員の過半数の一致を証する書面で足ります。添付を欠いた申請は補正の対象となり、補正できなければ却下されます(商業登記法24条)。
解説
合同会社の設立を、ネットで拾った定款のひな形で済ませた人は多い。その瞬間に、数年後の登記が通るかどうかは決まっている。商業登記法93条は、登記すべき事項について総社員の同意、またはある社員もしくは清算人の一致が必要なとき、その同意や一致があったことを証する書面を申請書に添付せよと命じる。持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)には株主総会にあたる機関がなく、法律上作らねばならない議事録も存在しない。だから登記官は、あなたの会社の中で本当に意思決定があったのかを、この一枚の書面でしか確認できない。裏を返せば、社員が一人でも署名を拒めば、本店移転も社員の加入も、登記簿の上では何も起こらない。会社法637条と590条2項は、どちらも「定款に別段の定めがある場合を除き」という一句を抱えている。設立時にその別段の定めを書いたかどうかが、後の全部を左右する。
法的な位置づけ
商業登記法93条は、持分会社の登記申請における添付書面の通則規定である。登記すべき事項につき総社員の同意またはある社員もしくは清算人の一致を要する場合に、申請書へその同意または一致の存在を証する書面を添付すべき旨を定め、会社法上の実体的な決議要件を登記手続上の形式的審査に接続させる機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.その登記事項が定款変更を伴うかを判定する 社員・出資・商号・目的・本店所在場所など定款の記載事項に触れるかを確認する。触れるなら会社法637条の総社員の同意、触れないなら会社法590条2項の社員の過半数の一致となり、必要な書面の表題と署名者の範囲が変わる
- 2.定款の別段の定めを確認する 定款変更や業務執行の決定要件について「総社員の過半数の同意による」等の別段の定めが置かれていないかを読み直す。定めがあれば全員の署名を集める必要がなくなり、その定款の写しを添付資料として準備する
- 3.同意書または決定書を作成し署名を収集する 会社名、同意対象の登記事項、効力発生日、同意した旨を記載し、必要な社員全員から署名または記名押印を得る。社員が一人の会社でも省略できず、その一人が作成した書面を用意する。退社交渉と併せる場合は、持分の払戻しと署名を同時履行にする
- 4.効力発生から2週間以内に申請書へ添付して申請する 申請書に同意書・定款の写し等を添付し、管轄法務局へ提出する。変更登記の期限は効力発生から2週間で(会社法915条1項)、懈怠すると代表社員個人に過料が科されうる。原本を手元に残したい書面は原本還付の手続を併せて行う
- 5.補正連絡が来たら却下を待たず取下げを検討する 添付書面の不備を指摘されたら、補正で足りるかを確認する。補正できない場合は却下される前に取下げ、登録免許税の再使用証明を受けて次回申請に充てる。日付の食い違いや表題の誤りは補正の定番なので、書式を法務局窓口で突き合わせてから再申請する
よくある質問 AI による整理
Q1総社員の同意書には何を書けばいいですか?
会社名、同意の対象となる登記事項の内容、同意が成立した年月日、総社員が同意した旨を記載し、社員全員が署名または記名押印します。効力発生日と矛盾しない日付にすることが実務上の要点です。
Q2合同会社の本店移転に同意書は必要ですか?
定款に本店の所在場所まで記載していれば定款変更となり総社員の同意書が必要です。最小行政区画までしか記載していない会社が同一市区町村内で移転する場合は、社員の過半数の一致を証する書面で足りることがあります。
Q3同意書に押印や印鑑証明書は必要ですか?
登記の種類によって取扱いが異なります。代表社員の就任や本人確認が問題となる場面では印鑑証明書が求められることがあるため、申請前に管轄法務局の登記相談で書式と要否を確認するのが確実です。
Q4同意書の日付はいつにすればいいですか?
同意が実際に成立し、登記事項の効力が発生した日を記載します。後から作成した書面で効力発生日と食い違う日付を入れると、補正を求められる典型例になります。
Q5添付書面を忘れて申請したらどうなりますか?
まず補正を求められ、補正できなければ申請は却下されます(商業登記法24条)。却下を待たずに取下げれば登録免許税の再使用証明を受けられ、納めた税を次の申請に回せます。
Q6合資会社や合同会社にも93条は適用されますか?
商業登記法は合名会社の登記に関する規定を合資会社・合同会社の登記に準用する構造を採っており、93条の添付書面ルールは持分会社三類型に共通して働きます。適用条文は現行法で確認してください。
Q7清算人の一致を証する書面はいつ必要ですか?
解散後の清算持分会社で、清算人が複数いて業務の決定に一致を要する登記事項がある場合です。清算人の過半数または全員の一致を証する書面を添付します(会社法650条参照)。
Q8社員の加入や退社の登記に同意書は要りますか?
社員は定款の絶対的記載事項であり、加入・退社は定款変更を伴うのが通常です。したがって総社員の同意を証する書面、または定款所定の別段の定めに従った決定書面の添付が必要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員が自分一人の合同会社でも、同意書っているんですか?
要る。商業登記法93条は総社員の同意があったことを証する書面を求めており、社員が一人ならその一人の同意書がそれにあたる。付けずに出せば補正、直せなければ却下の対象になる(同24条)。実務のポイント:一人社員の会社でも、書面の表題を「同意書」とするか「決定書」とするかは、その登記事項が定款変更を伴うかで変わる。管轄法務局の登記相談で先に書式を見せて確認すると、往復が一回減る
Q2共同経営者が同意書に判を押してくれません。もう登記できないんですか?
定款に別段の定めがなく、その事項が定款変更を伴うなら、総社員の同意が要る以上は署名拒否がそのまま登記不能につながる。ただし定款変更を伴わない業務執行の決定なら、社員の過半数の一致で足りる(会社法590条2項)。実務のポイント:本店移転でも、定款に最小行政区画までしか書いていない会社が同一市区町村内で移る場合は定款変更が不要になりうる。どちらの箱に入る登記事項かを先に見極めるのが実務の勝負どころである
間違えやすい点 AI による整理
- 合同会社は株式会社より手続が楽だから書類も少ないと思われている。少なくて済むのは決算公告や役員の任期の話であって、登記の添付書面はむしろ手作りを強いられる。株主総会議事録という定型の受け皿がない分、登記のたびに「誰が何に同意したか」を自前の書面で証明しなければならない
- 総社員の同意が要ることは知っていても、その拒否権の重さまでは想像していない人が多い。出資比率が99対1でも、持分会社の意思決定は原則として頭数で数える(会社法590条2項、637条)。1% しか出していない社員が、99% を出した社員の登記を止められる
- 「どうすれば同意書なしで登記できるか」という問いの立て方が、そもそも誤っている。正しい問いは「この登記事項は定款変更を伴うのか、それとも業務執行の決定にすぎないのか」である。後者なら総社員の同意ではなく社員の過半数の一致で足り、添付する書面の名前も署名者の数も変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる会社類型 | 商業登記法93条:持分会社(合名・合資・合同) | 商業登記法46条:株式会社等の添付書面通則 商業登記法24条:全類型に共通する申請却下事由 |
| 求められる書面 | 総社員の同意または社員・清算人の一致があったことを証する書面 | 株主総会議事録・取締役会議事録など機関の決議を証する書面 書面の種類を定めるのではなく、必要書面の欠缺を却下事由と定める |
| 書面の性質 | 法定の議事録が存在しないため、会社が自前で作成する証明書面 | 会社法上作成義務のある議事録をそのまま利用できる 審査基準としての受け皿規定 |
| 欠いた場合の帰結 | 補正、補正不能なら却下(24条経由) | 補正、補正不能なら却下(24条経由) 却下決定そのものの根拠となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも無限公司・兩合公司・有限公司の変更登記には全體股東同意書の添付が求められ、機関決議書面の代替として同意書を用いる構造は日本と共通する
韓国も商法から登記手続を分離した単行法を持ち、합명회사・유한책임회사の登記申請に사원の同意を証明する첨부서면を要求する点で日本と近い
ドイツは人的会社の登記申請そのものを全社員が共同して行う建付けを採り、同意書という別個の添付書面ではなく申請行為自体に全員関与を要求する。制度の到達点は近いが技術構成が異なる
米国は州務長官への届出書(Statement / Articles of Amendment)に授権された者の署名を求める簡易な構成で、内部の同意の存否は原則として届出者の表明に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 共同経営者と喧嘩別れした翌週、本店を移す必要が出たとしたら? 相手はまだ社員として登記簿に残っている。定款に別段の定めがなければ、その相手の同意書がない限り登記は一歩も進まない。変更登記の期限は効力発生から2週間、過ぎれば代表社員個人に過料の通知が届く
- 一人で合同会社を作り、自宅から借りた事務所へ本店を移した。法務局の窓口で「総社員の同意書は」と聞かれ、社員は自分だけだと答えた。それでも書面は要ると言われて、手が止まる
- 父が一人で回していた合同会社を、あなたが引き継ぐつもりで法務局に行く。だが定款に相続人の加入を認める定めがなければ、社員は死亡によって退社し(会社法607条1項3号)、社員が欠けたことは解散事由になる(同641条4号)。同意書に署名できる社員が、この世に一人も残っていない状態から手続が始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. その登記事項が定款変更を伴うかを最初に判定する。伴わないなら会社法590条2項の社員の過半数の一致で足り、対立相手の署名が不要になる場合がある2. 定款を読み直し、決議要件の別段の定めが入っていないか確認する3. それでも全員の同意が必要なら、退社(会社法606条、607条)や持分譲渡と抱き合わせて交渉し、署名と払戻しを同時履行にする4. 期限は効力発生から2週間。間に合わないと判断した時点で司法書士に振る
訴えられた側:1. 補正の連絡が来たら、却下されるのを待たずに取下げを検討する。取下げなら登録免許税の再使用証明を受けられ、納めた税を次の申請に回せる2. 同意書の日付は、登記事項の効力発生日と矛盾しない日を入れる。後から作った書面の日付の食い違いは補正の定番である3. 押印や印鑑証明の要否は登記の種類と管轄で運用に差があるので、申請前に管轄法務局の登記相談で書式を突き合わせる
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。ただし登記事項に変更が生じたときは効力発生から2週間以内に変更登記が必要で(会社法915条1項)、懈怠すると代表社員個人に100万円以下の過料が科されうる(同976条1号)。起算点は同意や一致が成立して効力が生じた日であり、法務局に行った日ではない
学説
実務通説:本条の添付書面は登記官の形式的審査権を前提とした証明手段であり、書面の表題が同意書か決定書かではなく、当該登記事項が定款変更を伴うか業務執行の決定にとどまるかによって、要求される決議要件と署名者の範囲が定まると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商法から商業登記に関する手続規定を分離して商業登記法が制定され、合名会社の登記における添付書面の通則として本条が置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、持分会社の一類型として合同会社が創設され、その登記についても本条を含む合名会社の登記の規定が準用される構造となった
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