要点商業登記法115条は、合資会社の登記に108条を、合併の登記に110条を準用する規定である。手続の中身は準用先と会社法にあり、吸収合併の登記は効力発生日から2週間以内に申請する。
Q · 商業登記法115条を読んでも手続が分からないのは、なぜですか?
条文が108条と110条を準用するだけの案内規定だからです
商業登記法115条は、1項で合資会社の登記に108条を、2項で吸収合併による変更の登記および新設合併による設立の登記に110条を準用すると定めるだけの規定です。したがって申請人・添付書面・登記期間といった具体的な内容は、準用先の条文と会社法(748条以下、921条、922条)を読み継いで初めて確定します。吸収合併は効力発生日から2週間以内の登記、新設合併は設立登記そのものが効力発生要件という違いも、115条の文言からは直接読み取れません。
条文を開いても、手続の中身は一文字も書かれていない。115条が言うのは「108条を準用する」「110条を準用する」の二行だけである。だが、この二行があなたの会社の合併を最後まで支配する。祖父の代から続く合資会社を、あなたの株式会社に吸収させるとしよう。合併契約を結び、社員全員の同意を取り、債権者への官報公告を一か月出し、効力発生日を迎える。ここで終わったと思った瞬間に期限が走り出す。吸収合併なら効力発生日から二週間、新設合併に至っては設立登記そのものが効力の発生要件で、登記が完了するまで新しい会社は法律上どこにも存在しない。しかも消滅する合資会社の解散登記は、あなた自身では申請できない。存続会社の代表者が、あなたの会社を代表して同時に申請する。この構造を知らないまま丸投げすると、いまどこで何が止まっているのかが最後まで見えないままになる。
商業登記法115条は、合資会社に関する登記手続の準用規定である。第1項は合名会社の登記に関する108条を合資会社の登記に準用し、第2項は110条を吸収合併による変更の登記および新設合併による設立の登記に準用する。登記事項・申請人・添付書面・登記期間といった実体的要件は、準用先の各条および会社法に置かれる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
合資会社の登記について合名会社の規定である108条を、合併の登記について110条を準用する規定です。条文自体に手続の中身は書かれていません。
ある事項の規定を、性質の似た別の事項に必要な読み替えをして当てはめることです。条文の重複は避けられますが、読み手は準用先まで追う必要があります。
吸収合併は効力発生日から2週間以内に存続会社の変更登記と消滅会社の解散登記を申請します。新設合併は設立登記によって新会社が成立します(会社法921条、922条)。
存続会社の代表者が、消滅する会社を代表して変更登記と同時に申請します。消滅会社側が自分で別に出すのではない点が、実務で最も誤解されます。
合併契約書、総社員の同意書、債権者保護手続を行ったことを証する書面(官報公告と各別催告の記録)、代表者の資格を証する書面などです。不備は却下事由になります。
掲載まで1週間から10日程度かかり、債権者の異議申述期間は原則1か月以上必要です。効力発生日から逆算し、契約書に日付を書く前に日程を押さえます。
刑罰ではありませんが、会社法976条1号により100万円以下の過料の対象です。名宛人は会社ではなく、業務を執行する社員など個人になります。
いいえ。株式会社への組織変更、持分会社の種類変更、解散と清算という出口もあります。合併には相手方の会社が必要なため、単独での整理には使えません。
会社法976条1号により100万円以下の過料です。名宛人は会社ではなく、業務を執行する社員など個人になります。実務上は数万円程度に収まることが多いものの、裁判所から自宅に過料決定の通知が届きます。業界裏話ヒント:過料は刑罰ではないので前科にはなりませんが、会社の経費で落とすものでもありません。司法書士が期限を執拗に念押しするのは、最後に払うのが依頼者本人だと知っているからである
なれます。会社法748条は会社どうしの合併を広く認めており、合資会社は消滅会社にも存続会社にもなれます。だからこそ115条が合名会社の規定を準用して手続を用意している。ただし持分会社側は原則として総社員の同意が必要です。業界裏話ヒント:実務で合資会社を存続会社にする合併はほとんど組まれません。無限責任社員の存在が金融機関の与信で嫌われるため、先に種類変更や組織変更を挟む設計が定番になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 商業登記法115条:合資会社の登記全般(1項)と合併の登記(2項) | — |
| 条文の性質 | 準用規定。条文の文言だけでは手続内容にたどり着けない | — |
| 読む順序 | 115条 → 108条・110条 → 会社法748条以下・921条・922条 | — |
| 不備があった場合 | 準用先が求める添付書面を欠けば却下(商業登記法24条) | — |
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