商業登記法 第126条(株式交換の登記)
クイックジャンプ
- 株式交換完全親会社がする株式交換による変更の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
- 一株式交換契約書
- 二第八十九条第五号から第八号までに掲げる書面
- 三会社法第八百二条第二項において準用する同法第七百九十九条第二項(第三号を除く。)の規定による公告及び催告(同法第八百二条第二項において準用する同法第七百九十九条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該株式交換をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
- 四法人が株式交換完全親会社の業務を執行する社員となるときは、第九十四条第二号又は第三号に掲げる書面
- 2.第九十一条及び第九十二条の規定は、合同会社の登記について準用する。
この条文の基本情報
株式交換の登記とは何ですか?
定義株式交換の登記とは、商業登記法第126条に定められた規定で、「株式交換完全親会社がする株式交換による変更の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第126条(株式交換の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第126条の条文原文は「株式交換完全親会社がする株式交換による変更の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第126条は第八節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第126条の前の条は商業登記法第125条です。
- 商業登記法第126条の次の条は商業登記法第127条です。
- 商業登記法第126条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第126条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第126条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/126
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法126条は、合同会社が株式交換完全親会社となる変更登記の添付書面を定める。株式交換契約書のほか、債権者への公告・催告を証する書面が条件なしで必要となる。
Q · 合同会社が株式会社を完全子会社にしたら、登記には何を出せばいいの?
四つの添付書面が必要。公告の証明は必須
商業登記法126条1項は、合同会社が株式交換完全親会社となる変更登記の申請書に、①株式交換契約書、②同法89条5号から8号までの書面、③会社法802条2項が準用する799条2項による債権者への公告・催告をしたことと異議への対応を証する書面、④法人が業務執行社員となるときは同法94条2号又は3号の書面、の添付を求めます。③は条件を付さずに列挙されているため、対価の内容にかかわらず債権者異議手続を前提に日程を組む必要があります。
解説
Apple も Google も Amazon も、日本での法人格は合同会社である。その合同会社が、別の株式会社を丸ごと買って完全子会社にできることは、あまり知られていない。会社法767条は株式交換の親会社になれる会社を株式会社と合同会社の二つに限っており、合名会社も合資会社も入れない。本条は、その合同会社が親会社になったときに法務局へ出す変更登記の添付書面を並べたものだ。並びを読むと、株式会社が親になる場合との決定的な違いが浮かび上がる。債権者に対する公告・催告をしたことの証明書面が、何の条件も付かずに列挙されている。株式会社が親会社で対価が自社株式だけなら債権者異議手続は原則不要だが、合同会社にはその逃げ道が用意されていない。持分の交付は債権者の引き当てを直接動かすからである。合同会社で買収を組むなら、日程表に官報公告の一か月を最初から埋め込まない限り、効力発生日が丸ごと後ろへずれる。
法的な位置づけ
商業登記法126条は、合同会社が株式交換完全親会社となる場合の変更登記の添付書面を定める手続規定である。株式交換契約書、第八十九条第五号から第八号までの書面、債権者への公告・催告と異議対応を証する書面、法人が業務執行社員となるときの第九十四条第二号又は第三号の書面を要求し、第二項は第九十一条・第九十二条を合同会社の登記に準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.効力発生日から逆算して公告日を確定する 株式交換契約で定める効力発生日を起点に、債権者異議期間の一か月と官報掲載までの待ち日数を差し引いて公告日を確定する。逆算が成り立たない日程なら、契約書に押印する前に効力発生日そのものを動かす
- 2.官報公告の掲載申込みと知れている債権者への個別催告 会社法802条2項が準用する799条2項に従い官報公告を行う。定款で日刊新聞紙または電子公告を定めている場合は799条3項の方法も検討する。知れている債権者には個別の催告を行い、発送記録を残す
- 3.異議を述べた債権者への対応と証明書面の作成 異議があれば、弁済、相当の担保提供、相当の財産の信託、または当該株式交換をしても害するおそれがないことの証明のいずれかを選ぶ。選んだ対応を証する書面をそのまま登記添付書面として整える
- 4.四束の添付書面を同時並行で揃える 株式交換契約書、商業登記法89条5号から8号までの書面、公告・催告および異議対応を証する書面、法人が業務執行社員となるときの94条2号又は3号の書面を同時並行で収集する。法人社員がいる設計では書面が一段増える点を最初に確認する
- 5.効力発生日から二週間以内に変更登記を申請する 本店所在地を管轄する法務局へ変更登記を申請する(会社法915条1項)。登録免許税と登記すべき事項を確認し、補正連絡に即応できる担当者を申請日から二週間は空けておく
よくある質問 AI による整理
Q1商業登記法126条とは?
合同会社が株式交換完全親会社となったときの変更登記について、申請書に添付する書面を定めた規定です。株式交換契約書、89条5号〜8号の書面、公告・催告の証明書面、法人社員関係書面の四つを求めます。
Q2合同会社の株式交換の登記に必要な書類は?
株式交換契約書、商業登記法89条5号から8号までの書面、債権者への公告・催告と異議対応を証する書面、法人が業務執行社員となる場合は94条2号又は3号の書面です。一つでも欠ければ補正になります。
Q3株式交換の登記はいつまでにする?
効力発生日から二週間以内に本店所在地で変更の登記を申請します(会社法915条1項)。効力自体は契約で定めた効力発生日に生じ、登記は事後の変更登記という位置づけです。
Q4合同会社の債権者異議手続の期間は?
会社法802条2項が準用する799条2項により、異議を述べることができる期間は一か月を下ることができません。官報掲載までの待ち日数も逆算に入れないと効力発生日が後ろにずれます。
Q5株式交換の登記を忘れるとどうなる?
株式交換の効力は効力発生日に生じるため取引自体は無効になりませんが、登記期間を徒過すると過料の対象になります(会社法976条1号)。登記簿の記載と実態がずれる不利益も残ります。
Q6業務執行社員が法人のときの添付書面は?
商業登記法126条1項4号が同法94条2号又は3号を引くため、法人側の資格を証する書面と職務執行者に関する書面が追加で必要になります。手配漏れは補正で数日を失う典型例です。
Q7株式交換で完全子会社側の登記は必要?
株式交換では完全子会社の株主が変わるだけで、原則として子会社側の登記事項に変更は生じません。ただし新株予約権を親会社が承継する場合など、子会社側にも登記が必要になる場面があります。
Q8親会社を合同会社にするメリットは?
内部関係を定款で自由に設計でき、持分会社なので決算公告の義務も負いません。一方で株式交換では債権者異議手続が前提となるため、設計自由度と日程コストのトレードオフになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1合同会社って、株式会社を子会社にできるんですか?
できる。会社法767条は株式交換の完全親会社になれる会社を株式会社と合同会社に限っており、合名会社と合資会社は含まない。合同会社が親になった場合の登記の添付書面を定めたのが本条である。実務のポイント:検討の初期に「合同会社だから無理」で切り捨てられる案は珍しくない。それが使えると分かるだけで、支配権設計と課税の選択肢が一段広がる
Q2対価を現金だけにすれば、債権者への公告は省けますか?
省けないと読むのが登記実務である。本条一項三号は公告・催告をしたことを証する書面を条件なしで並べており、合同会社が親会社となる株式交換で異議手続を飛ばす設計は通らない。株式会社が親会社で対価が自社株式のみなら原則不要となるのとは対照的だ(会社法799条1項3号)。実務のポイント:親を株式会社にするか合同会社にするかで、最短クロージングが一か月以上変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「合同会社は簡易な器だから組織再編には使えない」という前提で選択肢から外している人が多いが、問いの立て方そのものが違う。会社法767条は合同会社を株式交換の完全親会社として正面から認め、本条はその登記手続まで用意している。使えるかどうかではなく、債権者保護のコストと日数を飲めるかどうかが本当の分岐点である
- 債権者への公告が要ること自体は知っていても、その重さを見誤りやすい。異議期間は一か月を下れず、知れている債権者には個別の催告も要る。異議を述べる債権者が現れれば、弁済か、相当の担保提供か、信託か、あるいは害するおそれがないことの証明かを選び、その証明書面まで登記に添付しなければならない。公告を一本打って終わる作業ではない
- 「登記が通らないと株式交換は成立しない」と思われがちだが、効力は契約で定めた効力発生日に生じ、登記はその後始末としての変更登記である。ただし放置は別の話で、登記期間を徒過すれば過料の対象になる(会社法976条1号)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 商登法126条:合同会社が株式交換完全親会社となる変更登記 | 商登法89条:株式会社が株式交換完全親会社となる場合の添付書面 商登法94条:合同会社の登記で法人が社員となる場合の書面 |
| 債権者への公告・催告書面 | 1項3号として条件を付さずに列挙、原則として必須 | 会社法799条1項3号の要件に該当する場合に必要(対価が自社株式のみなら原則不要) 規定なし(社員資格に関する書面が対象) |
| 法人が経営を担う場合 | 1項4号で94条2号又は3号の書面を引用 | 取締役等の就任承諾書面等が別途問題となる 法人の資格を証する書面と職務執行者関係書面の本体規定 |
| 準用構造 | 2項で91条・92条を合同会社の登記に準用 | 株式会社の章内で完結 合同会社の登記に関する規定として126条から引用される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では企業併購法が股份轉換を定め、対価の柔軟化も認める。日本のように持分会社型の器を完全親会社に据える設計が可能かは台湾法固有の論点となる
韓国の包括的株式交換は株式会社(주식회사)間を想定した制度設計であり、日本のように合同会社型の会社を完全親会社に据える構造とは前提が異なる
ドイツには日本の株式交換に完全に対応する類型はなく、持分の現物出資や組織変更の組み合わせで同様の効果を目指す。登記は Handelsregister に集約される点は共通
米国は州法により share exchange 制度を持つ州がある。LLC を親会社に据える設計の可否と手続は州ごとに異なり、債権者保護は主に fraudulent transfer 法理で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 効力発生日を三週間後に設定した株式交換契約書に、もう双方の代表が押印してしまっていたとしたら? 合同会社側の債権者異議期間は一か月を下ることができない。効力発生日を変更する合意書を作り直すか、官報の掲載申込みを今日中に入れるか、道は二つしかない。しかも掲載申込みから実際に官報へ載るまでの待ち日数まで逆算に入っていなければ、どちらを選んでも間に合わない
- 取引先の合同会社が官報に株式交換の公告を出した。あなたが債権者なら、異議を述べられる窓は一か月だけである
- 法人を親合同会社の業務執行社員に据える設計にしたところ、添付書面が一段増えた。本条一項四号が第九十四条の書面を引いてくるためで、法人側の資格を証する書面と職務執行者まわりの書面を揃え直すことになる。手配を落とすと登記官の補正で数日が飛び、決済と登記を同日で組んだクロージングでは、その数日が資金の条件成就にまで波及する
取るべき行動
被害を受けた側:取引先の合同会社が株式交換の公告を出したら、まず官報の公告日を確認し、異議期間の末日を手帳に書く。一か月を下ることはできない。自分が「知れている債権者」なのに個別の催告が届いていなければ、催告漏れ自体を主張できる。異議を述べれば、会社は弁済、相当の担保提供、信託のいずれか、または害するおそれがないことの証明を迫られる。異議は内容証明で出し、控えを必ず残す
訴えられた側:申請側は逆算から入る。効力発生日を決めたら、そこから一か月の異議期間と官報掲載までの待ち日数を引き、公告日を確定させる。株式交換契約書、第八十九条五号から八号までの書面、公告・催告と異議対応を証する書面、法人が業務執行社員となるならその関係書面、この四束を同時並行で集める。効力発生日から二週間が登記期間であり、書面の一束でも遅れれば期間を割る
時効(請求できる期限):効力発生日から二週間以内に本店所在地で変更の登記(会社法915条1項)。債権者の異議申述期間は公告・催告から一か月を下ることができない(同法802条2項が準用する799条2項)。登記を怠れば過料の対象となる(同法976条1号)
学説
登記実務の一般的理解:本条1項3号は公告・催告を証する書面を条件なく列挙しているため、合同会社が完全親会社となる株式交換では対価の種類にかかわらず債権者異議手続を経ることが前提となる、と読むのが登記実務上の一般的な理解である
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 合同会社という会社類型自体が会社法によって創設されたため、商業登記法における合同会社の登記に関する規定群は同時期に新設されたものである。個別の改正回数と各改正の内容については人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法が制定され、商法から登記手続に関する規定が分離独立した
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備。合同会社という会社類型が創設され、合同会社の登記に関する規定群が商業登記法に整備された。個別の改正回数と各改正内容は人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める