要点商業登記法 89 条は、株式交換完全親会社の変更登記に必要な添付書面 9 種を定める。子会社側の総会承認や債権者保護手続を証する書面も、申請人である親会社が添付する。
Q · 株式交換の登記って、結局どっちの会社が何を出せばいいんですか?
9 種類の添付書面が必要で、子会社側の書面も親会社が出します
商業登記法 89 条により、株式交換完全親会社の変更登記の申請書には 9 種類の書面を添付します。株式交換契約書、会社法 796 条の簡易・略式手続に該当することを証する書面、同法 799 条の債権者保護手続を証する書面、資本金計上証明書、株式交換完全子会社の登記事項証明書、子会社側の 783 条の承認手続と 789 条の債権者保護手続を証する書面、株券提出関係書面、新株予約権関係書面です。子会社は原則として登記を申請しないため、子会社側の手続が適法だったかも親会社の申請書一式の中でしか審査されません。登記申請は効力発生日から 2 週間以内です。
株式交換の効力は、契約で定めた効力発生日にひとりでに生じる。親会社は子会社の株式を全部取得し、子会社の株主は親会社の株主に入れ替わる。ところがその瞬間、法務局には何一つ届いていない。商業登記法89条が並べる9種類の添付書面は、そのタイムラグを後から埋める証拠パッケージである。注目すべきは6号と7号、つまり「子会社側で株主総会の承認があったこと」「子会社側で債権者への公告と催告をしたこと」を、申請人である親会社が証明しなければならない点だ。子会社はこの株式交換では原則として登記を申請しない。だから子会社側の手続が適法だったかは、親会社が出す申請書一式の中でしか審査されない。子会社の総会議事録の原本を効力発生日までに受け取り損ねれば、止まるのはあなたの会社の登記のほうである。取引だけが先に完了し、登記簿だけが古い姿で残る。
商業登記法 89 条は、株式交換完全親会社がする株式交換による変更の登記の添付書面を定める規定である。株式交換契約書、親会社側の簡易・略式手続および債権者保護手続を証する書面、完全子会社の登記事項証明書、子会社側の承認手続と債権者保護手続を証する書面など計 9 種を申請人に添付させ、当事会社間で完結した株式交換の適法性を登記官が事後に審査できるようにする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
商業登記法 89 条が 9 種を列挙します。株式交換契約書、簡易・略式該当性の証明書面、親会社側の債権者保護手続書面、資本金計上証明書、子会社の登記事項証明書、子会社側の承認手続書面、子会社側の債権者保護手続書面、株券関係書面、新株予約権関係書面です。
効力発生日から 2 週間以内に本店所在地で変更の登記を申請します(会社法 915 条 1 項)。起算点は登記事由の発生日、つまり株式交換契約で定めた効力発生日です。書類の到着待ちは理由になりません。
登記懈怠として、代表者個人に 100 万円以下の過料が科される対象になります(会社法 976 条 1 号)。会社への罰金ではなく代表者個人への過料である点が、実務で見落とされがちなポイントです。
89 条 5 号は原則として必要としますが、申請先の登記所の管轄区域内に子会社の本店がある場合は不要です。管轄が違えば必要になるため、子会社の本店所在地を最初に確認してください。
89 条 4 号により、資本金の額が会社法 445 条 5 項に従って計上されたことを証する書面が必要です。計算過程は会社計算規則に従うため、申請直前ではなく会計担当と事前に数字を固めておくのが実務です。
親会社側は対価に金銭等を交付する場合など会社法 799 条 1 項所定の場合に必要です。子会社側は同法 789 条 1 項所定の場合です。該当すれば異議申述期間 1 か月以上が必要で、日程上の最長工程になります。
子会社が株券発行会社であれば必要で、効力発生日の 1 か月前までに公告します(会社法 219 条 1 項)。89 条 8 号でその証明書面が添付書面になります。子会社の定款に株券発行の定めが残っていないか先に確認してください。
会社法 796 条 2 項本文の要件を満たせば親会社の株主総会決議は不要ですが、反対通知をした株主が一定数に達した場合は決議が必要です。89 条 2 号は、その要件充足を証する書面の添付を求めています。
原則として何も出ません。株主が誰かは登記事項ではないためです。子会社側で登記が必要になるのは、新株予約権を承継させて消滅させる場合など限られた場面だけです(会社法768条1項4号関係)。業界裏話ヒント:だから謄本を何通取っても、その会社が100%子会社かどうかは分かりません。取引先の資本関係を確かめたいなら、登記簿ではなく計算書類や有価証券報告書、株主名簿の閲覧謄写請求(会社法125条)へ回るのが実務の常道です
原則は知れている債権者への個別催告が必要です(会社法799条2項)。ただし定款で日刊新聞紙または電子公告を公告方法と定め、官報とあわせて二重に公告すれば個別催告を省略できます(同条3項)。業界裏話ヒント:この省略のために慌てて定款変更をしようとしても、定款変更には株主総会が要ります。再編を見据える会社が半年以上前から公告方法を電子公告へ切り替えておくのは、この一手を効かせるための仕込みです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 登記の種類 | 商業登記法 89 条:株式交換完全親会社の変更の登記 | — |
| 相手方会社の登記 | 完全子会社は原則として登記申請なし(新株予約権承継等の場合を除く) | — |
| 相手方側手続の証明責任 | 子会社側の承認手続・債権者保護手続も親会社が 6 号 7 号で証明 | — |
| 効力発生時点 | 契約で定めた効力発生日に当然に発生し、登記は事後の公示 | — |
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