受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

商業登記法 第89条(株式交換の登記)

クイックジャンプ
  1. 株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(以下「株式交換完全親会社」という。)がする株式交換による変更の登記の申請書には、次の書面を添付しなければならない。
  2. 一株式交換契約書
  3. 二会社法第七百九十六条第一項本文又は第二項本文に規定する場合には、当該場合に該当することを証する書面(同条第三項の規定により株式交換に反対する旨を通知した株主がある場合にあつては、同項の規定により株主総会の決議による承認を受けなければならない場合に該当しないことを証する書面を含む。)
  4. 三会社法第七百九十九条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該株式交換をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
  5. 四資本金の額が会社法第四百四十五条第五項の規定に従つて計上されたことを証する書面
  6. 五株式交換をする株式会社(以下「株式交換完全子会社」という。)の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に株式交換完全子会社の本店がある場合を除く。
  7. 六株式交換完全子会社において会社法第七百八十三条第一項から第四項までの規定による株式交換契約の承認その他の手続があつたことを証する書面(同法第七百八十四条第一項本文に規定する場合にあつては、当該場合に該当することを証する書面及び取締役の過半数の一致があつたことを証する書面又は取締役会の議事録)
  8. 七株式交換完全子会社において会社法第七百八十九条第二項の規定による公告及び催告(同条第三項の規定により公告を官報のほか時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙又は電子公告によつてした場合にあつては、これらの方法による公告)をしたこと並びに異議を述べた債権者があるときは、当該債権者に対し弁済し若しくは相当の担保を提供し若しくは当該債権者に弁済を受けさせることを目的として相当の財産を信託したこと又は当該株式交換をしても当該債権者を害するおそれがないことを証する書面
  9. 八株式交換完全子会社が株券発行会社であるときは、第五十九条第一項第二号に掲げる書面
  10. 九株式交換完全子会社が新株予約権を発行している場合であつて、会社法第七百六十八条第一項第四号に規定する場合には、第五十九条第二項第二号に掲げる書面

この条文の基本情報

株式交換の登記とは何ですか?

定義株式交換の登記とは、商業登記法第89条に定められた規定で、「株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(以下「株式交換完全親会社」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 商業登記法第89条(株式交換の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
  2. 商業登記法第89条の条文原文は「株式交換をする株式会社の発行済株式の全部を取得する会社(以下「株式交換完全親会社」という。」で始まります。
  3. 商業登記法第89条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
  4. 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
  5. 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 商業登記法第89条の前の条は商業登記法第88条です。
  7. 商業登記法第89条の次の条は商業登記法第90条です。
  8. 商業登記法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第89条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125
  • 本サイト収録商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/89

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点商業登記法89条は、株式交換完全親会社の変更登記に必要な添付書面9種を定める。子会社側の総会承認や債権者保護手続を証する書面も、申請人である親会社が添付する。

Q · 株式交換の登記って、結局どっちの会社が何を出せばいいんですか?

9種類の添付書面が必要で、子会社側の書面も親会社が出します

商業登記法89条により、株式交換完全親会社の変更登記の申請書には9種類の書面を添付します。株式交換契約書、会社法796条の簡易・略式手続に該当することを証する書面、同法799条の債権者保護手続を証する書面、資本金計上証明書、株式交換完全子会社の登記事項証明書、子会社側の783条の承認手続と789条の債権者保護手続を証する書面、株券提出関係書面、新株予約権関係書面です。子会社は原則として登記を申請しないため、子会社側の手続が適法だったかも親会社の申請書一式の中でしか審査されません。登記申請は効力発生日から2週間以内です。

解説

株式交換の効力は、契約で定めた効力発生日にひとりでに生じる。親会社は子会社の株式を全部取得し、子会社の株主は親会社の株主に入れ替わる。ところがその瞬間、法務局には何一つ届いていない。商業登記法89条が並べる9種類の添付書面は、そのタイムラグを後から埋める証拠パッケージである。注目すべきは6号と7号、つまり「子会社側で株主総会の承認があったこと」「子会社側で債権者への公告と催告をしたこと」を、申請人である親会社が証明しなければならない点だ。子会社はこの株式交換では原則として登記を申請しない。だから子会社側の手続が適法だったかは、親会社が出す申請書一式の中でしか審査されない。子会社の総会議事録の原本を効力発生日までに受け取り損ねれば、止まるのはあなたの会社の登記のほうである。取引だけが先に完了し、登記簿だけが古い姿で残る。

法的な位置づけ

商業登記法89条は、株式交換完全親会社がする株式交換による変更の登記の添付書面を定める規定である。株式交換契約書、親会社側の簡易・略式手続および債権者保護手続を証する書面、完全子会社の登記事項証明書、子会社側の承認手続と債権者保護手続を証する書面など計9種を申請人に添付させ、当事会社間で完結した株式交換の適法性を登記官が事後に審査できるようにする。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.効力発生日から逆算表を作る 株式交換契約で定めた効力発生日を起点に、債権者保護手続の異議申述期間1か月以上(会社法799条2項・789条2項)と株券提出公告の1か月前(同法219条1項)を最長工程として先頭に置き、株主総会・取締役会の日程をその後ろに並べる
  2. 2.子会社の定款・株主名簿・新株予約権原簿を先に取り寄せる 子会社の定款から株券発行の定めと公告方法の2行を確認し、株券提出公告の要否と個別催告を省略できるかを確定させる。新株予約権原簿で、会社法768条1項4号の承継を契約に定めるかどうかも同時に決める
  3. 3.公告・催告と承認手続を並行して走らせる 親会社側は会社法799条、子会社側は同法789条の公告および知れている債権者への催告を行い、その証明資料を保存する。親会社の簡易・略式該当性、子会社の783条承認手続をそれぞれ議事録として確定させる
  4. 4.効力発生日に子会社側書面の原本を受領する 89条6号7号の子会社側書面は親会社の申請書に添付する。原本を効力発生日までに受け取る段取りを株式交換契約または覚書に書き込み、受領チェックリストで9号分すべての充足を確認する
  5. 5.効力発生日から2週間以内に変更登記を申請する 本店所在地を管轄する法務局に、株式交換契約書ほか9種の添付書面と資本金計上証明書を添えて変更登記を申請する。添付書面に不備があれば補正または却下となるため(商業登記法24条)、申請前に登記官への事前相談を活用する

よくある質問 AI による整理

Q1株式交換の登記に必要な書類は?

商業登記法89条が9種を列挙します。株式交換契約書、簡易・略式該当性の証明書面、親会社側の債権者保護手続書面、資本金計上証明書、子会社の登記事項証明書、子会社側の承認手続書面、子会社側の債権者保護手続書面、株券関係書面、新株予約権関係書面です。

Q2株式交換の登記期限はいつまで?

効力発生日から2週間以内に本店所在地で変更の登記を申請します(会社法915条1項)。起算点は登記事由の発生日、つまり株式交換契約で定めた効力発生日です。書類の到着待ちは理由になりません。

Q3株式交換の登記を怠るとどうなる?

登記懈怠として、代表者個人に100万円以下の過料が科される対象になります(会社法976条1号)。会社への罰金ではなく代表者個人への過料である点が、実務で見落とされがちなポイントです。

Q4株式交換完全子会社の登記事項証明書は必ず必要?

89条5号は原則として必要としますが、申請先の登記所の管轄区域内に子会社の本店がある場合は不要です。管轄が違えば必要になるため、子会社の本店所在地を最初に確認してください。

Q5株式交換で資本金計上証明書はいつ必要?

89条4号により、資本金の額が会社法445条5項に従って計上されたことを証する書面が必要です。計算過程は会社計算規則に従うため、申請直前ではなく会計担当と事前に数字を固めておくのが実務です。

Q6株式交換の債権者保護手続はどんなときに必要?

親会社側は対価に金銭等を交付する場合など会社法799条1項所定の場合に必要です。子会社側は同法789条1項所定の場合です。該当すれば異議申述期間1か月以上が必要で、日程上の最長工程になります。

Q7株式交換で株券提出公告は必要?

子会社が株券発行会社であれば必要で、効力発生日の1か月前までに公告します(会社法219条1項)。89条8号でその証明書面が添付書面になります。子会社の定款に株券発行の定めが残っていないか先に確認してください。

Q8簡易株式交換なら株主総会は不要?

会社法796条2項本文の要件を満たせば親会社の株主総会決議は不要ですが、反対通知をした株主が一定数に達した場合は決議が必要です。89条2号は、その要件充足を証する書面の添付を求めています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1株式交換したのに、子会社の登記簿には何も出てこないんですか?

原則として何も出ません。株主が誰かは登記事項ではないためです。子会社側で登記が必要になるのは、新株予約権を承継させて消滅させる場合など限られた場面だけです(会社法768条1項4号関係)。実務のポイント:だから謄本を何通取っても、その会社が100%子会社かどうかは分かりません。取引先の資本関係を確かめたいなら、登記簿ではなく計算書類や有価証券報告書、株主名簿の閲覧謄写請求(会社法125条)へ回るのが実務の常道です

Q2債権者への催告って、知っている取引先全員に郵送しないとダメなんですか?

原則は知れている債権者への個別催告が必要です(会社法799条2項)。ただし定款で日刊新聞紙または電子公告を公告方法と定め、官報とあわせて二重に公告すれば個別催告を省略できます(同条3項)。実務のポイント:この省略のために慌てて定款変更をしようとしても、定款変更には株主総会が要ります。再編を見据える会社が半年以上前から公告方法を電子公告へ切り替えておくのは、この一手を効かせるための仕込みです

間違えやすい点 AI による整理

  • 「株式交換の登記はどちらの会社が、どこの法務局に出すのか」という問いの立て方自体がずれている。株式交換で申請されるのは原則として親会社の変更登記だけで、子会社は株主が総入れ替えになっても登記事項が変わらないため申請しない(新株予約権を承継させる場合などは別)。子会社の登記簿を何度取り寄せても、100%子会社になった事実はそこに現れない
  • 債権者保護手続が要る場合があることは知っていても、その工程の重さを見誤っている人が多い。異議を述べる期間は1か月を下ることができない(会社法799条2項)。効力発生日から逆算したとき、株主総会よりも先に走らせるべき最長工程がここであり、1日足りないだけで効力発生日そのものを動かす結果になる
  • 「子会社側の書類は子会社の司法書士が出す」と役割分担で考えがちだが、6号と7号の書面は親会社の申請書に添付される。子会社側の手続の瑕疵は、子会社ではなく親会社の登記が却下される形で跳ね返ってくる(商業登記法24条)
比較の観点この条文ほかの条文
登記の種類商業登記法89条:株式交換完全親会社の変更の登記商業登記法85条:吸収合併存続会社の変更の登記
商業登記法90条:株式移転による設立の登記
相手方会社の登記完全子会社は原則として登記申請なし(新株予約権承継等の場合を除く)消滅会社の解散の登記が同時に必要
完全子会社は原則として登記申請なし、新設親会社の設立登記が必要
相手方側手続の証明責任子会社側の承認手続・債権者保護手続も親会社が6号7号で証明消滅会社側の承認手続・債権者保護手続も存続会社が証明
完全子会社側の承認手続を新設親会社の設立登記で証明
効力発生時点契約で定めた効力発生日に当然に発生し、登記は事後の公示契約で定めた効力発生日に当然に発生し、登記は事後の公示
設立登記の時に効力が発生(登記が効力要件)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
企業併購法第29条以下(股份轉換)、公司登記辦法

台湾も株式転換により完全親子会社関係を作る制度を持ち、変更登記時に転換契約書と株主会決議録の提出を求める。債権者保護の重さは日本より軽い設計

韓国
대한민국 상법 제360조의2 이하(주식의 포괄적 교환)

韓国は日本の株式交換をほぼ同型で継受し、完全親会社の変更登記で子会社側の承認手続書面を添付させる構造も類似する

ドイツ
AktG §§ 319 ff.(Eingliederung)

ドイツは100パーセント支配関係の創出を編入(Eingliederung)で行い、商業登記簿への登記が効力発生要件である点が日本と決定的に異なる。日本では効力発生日が先行し登記は事後公示

アメリカ
Model Business Corporation Act § 11.03, § 11.06

米国は share exchange の Articles of Share Exchange を州務長官に提出する方式で、州によっては提出時に効力が生じる。債権者異議手続を一律に課さない点が日本と大きく異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 効力発生日は来週月曜。子会社の株主総会議事録の押印がまだ揃わない。効力は発生日に生じ、登記申請の期限は2週間、書類が揃わないまま日数だけが減っていく
  • もし子会社の定款に株券発行の定めが残っていたらどうなる? 株券提出公告(会社法219条1項)が必要になり、効力発生日の1か月前までに出さなければならない。これに気付いたのが3週間前なら、クロージング日そのものを動かすしかない。基本合意で日付を先に約束していれば、その約束を壊しに行く役はあなたである
  • 登記官から補正の電話が入る。3号の債権者保護手続について、官報公告は出ているが知れている債権者への個別催告の証明が足りない、と言われる。催告を省略できるのは、定款で日刊新聞紙または電子公告を公告方法と定め、官報とあわせて二重に公告した場合だけである(会社法799条3項)。定款を確認しないまま公告方法を選んだ時点で、この補正は確定していた

取るべき行動

被害を受けた側:買収側(親会社)として登記を通す立場なら、1. 効力発生日から逆算表を作り、債権者保護手続と株券提出公告の各1か月を最長工程として先頭に置く2. 子会社の定款・株主名簿・新株予約権原簿を先に取り寄せ、株券発行の定めと新株予約権の有無を確定させる3. 6号7号の子会社側書面は、効力発生日に原本を受領する段取りまで株式交換契約または覚書に書き込む4. 4号の資本金計上証明書は会社計算規則の計算過程を会計担当と事前に固めておく

訴えられた側:売却側(子会社)として書類を求められる立場なら、1. 親会社の登記完了が資金決済の条件になっていないか契約書で確認する2. 783条の承認手続、789条の債権者保護、株券提出公告の各証明書は原本を引き渡す運用が通常であり、原本は1部しかない。自社控えの写しと発送記録を必ず残す3. 親会社が略式手続(会社法784条1項)を使う場合は、支配関係を証する書面と取締役会議事録の準備を求められる。誰がいつまでに作るかを先に決めておく

時効(請求できる期限):効力発生日から2週間以内に本店の所在地で変更の登記(会社法921条、915条1項)。起算点は登記事由の発生日、すなわち株式交換契約で定めた効力発生日である。懈怠は代表者個人に対する100万円以下の過料の対象(会社法976条1号)。前提工程として、債権者が異議を述べる期間は1か月以上(会社法799条2項)、株券提出公告は効力発生日の1か月前まで(会社法219条1項)

学説

通説(形式的審査主義):登記官の審査権限は申請書および添付書面の形式面に限られ、実体関係の実質調査には及ばない。本条が添付書面を9号にわたり厳格に法定しているのは、この審査構造を前提に、書面の充足をもって適法性の担保とする設計である。

実務通説(子会社側手続の証明責任):株式交換では完全子会社の登記事項が変動しないため子会社は原則として登記を申請せず、6号7号により子会社側の承認手続および債権者保護手続の適法性は親会社の申請書で審査される。子会社側の瑕疵は親会社の登記却下として顕在化する。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法が制定され、それまで商法および非訟事件手続法に分散していた商業登記の手続規定が単行法に統合された
  2. 2.平成11年(1999年) 改正:商法改正により株式交換・株式移転制度が導入され、これに対応する登記手続および添付書面の規定が整備された
  3. 3.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、添付書面の引用条文が会社法の条番号(796条・799条・783条・789条・768条1項4号等)へ全面的に置き換えられ、現行の9号構成となった
  4. 4.令和元年(2019年) 改正:会社法改正により株式交付制度が新設され、株式交換とは別類型の組織再編として登記手続が整備された。株式交換の添付書面構造そのものは維持されている

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

商業登記法の全文を見る所属する編章節を開く:第五節 株式会社の登記

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›