要点商業登記法 85 条は、吸収分割承継会社の変更登記に必要な添付書面を九号で列挙する。分割契約書に加え、承継会社と分割会社の双方の債権者保護手続の証明が必要になる。
Q · 吸収分割で会社を承継する側の登記、自分の会社の書類だけ揃えれば通りますか?
通りません。相手方である分割会社の書類も必要です
商業登記法 85 条は、吸収分割承継会社の変更登記の申請書に九号所定の書面を添付するよう求めています。1 号から 4 号は承継会社側の書類(吸収分割契約書、簡易・略式分割の該当証明、自社の債権者保護手続の証明、資本金計上の証明)ですが、5 号から 9 号は吸収分割会社側の書類です。登記事項証明書、株主総会の承認決議、合同会社なら総社員の同意、分割会社側の債権者保護手続の証明まで必要になります。登記は効力発生日から二週間以内(会社法 923 条)であり、相手方の書類の遅れが自社の登記懈怠につながる構造です。
会社の一部門を丸ごと他社に移す、いわゆる事業の切り出し。その最終工程で法務局の窓口に提出する書類の一覧が、この条文である。あなたが承継会社(受け皿になる側)の担当者だとすると、揃えるべきは吸収分割契約書、株主総会の承認を証する書面、債権者保護手続を踏んだ証拠、資本金の計上を証する書面、そして相手方である分割会社側の書類一式。ここで見落としがちなのが、承継会社は自社の書類だけでなく分割会社側の株主総会議事録や債権者保護手続の証明まで添付しなければならない点だ。相手の社内手続の不備が、あなたの登記申請を止める。しかも登記は分割の効力発生日から二週間以内。相手の議事録一枚が遅れれば、その遅延は過料の対象になりうる。書類リストは事務作業に見えて、実は「誰の手続不備が誰の責任になるか」を定義した配線図である。
商業登記法 85 条は、吸収分割承継会社がする吸収分割による変更の登記について、申請書に添付すべき書面を定める手続規定である。吸収分割契約書のほか、簡易・略式分割の該当性、承継会社および吸収分割会社それぞれの債権者保護手続、資本金の額の計上、分割会社の組織形態に応じた承認手続を証する書面を要求する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
吸収分割の効力発生日から二週間以内に変更登記を申請します(会社法 923 条)。この期限を過ぎると登記懈怠として過料の対象になり得ます(同法 976 条 1 号)。
1 号から 9 号までの九種類です。1 号〜4 号が承継会社側、5 号〜9 号が吸収分割会社側の手続を証する書面という構造になっています。
分割の効力自体は効力発生日に生じますが、登記懈怠として代表者個人に過料が科される可能性があります。また未登記の間は第三者への対抗にも支障が生じます。
会社分割は権利義務が包括的に移転するため個別の契約巻き直しが不要ですが、債権者保護手続が課されます。事業譲渡は個別承継で、契約ごとに相手方の同意が必要です。
商業登記法 84 条です。85 条は既存会社が受け皿になる吸収分割、84 条は新しく会社を作る新設分割と、条文が分かれています。
会社法 445 条 5 項と会社計算規則に従って資本金の額が計上されたことを示す書面です(商業登記法 85 条 4 号)。承継純資産額の算定根拠を含め、会計担当と早期に詰める必要があります。
異議申述期間は最低一か月必要です(会社法 799 条 2 項)。掲載申込から掲載までの日数も考慮すると、効力発生日の約二か月前には手配を始めるのが実務の目安です。
双方に登記が必要で、分割会社側の申請手続は商業登記法 87 条が定めます。本店所在地が異なる場合の経由申請など、両社の連携が前提になります。
株主総会議事録の代わりに、会社法七九六条一項本文または二項本文の場合に該当することを証する書面が必要になる(商業登記法八五条二号)。つまり簡易・略式の要件を満たす計算根拠を示す書面である。さらに反対通知をした株主がいる場合には、それでも株主総会決議が不要な範囲であることを証する書面まで求められる。業界裏話ヒント:この計算書面は取締役の作成した証明書という形で出すのが実務の定型だが、根拠となる純資産額の算定時点を誤ると法務局から補正が入る。算定基準日を司法書士と先に合わせておくと補正がほぼ消える
同じ登記所の管轄区域内に分割会社の本店がある場合は不要である(商業登記法八五条五号ただし書)。管轄が違う場合のみ必要になる。業界裏話ヒント:会社法人等番号を申請書に記載することで登記事項証明書の添付を省略できる取扱いが商業登記規則で認められている。紙の証明書を取りに走る前に、番号記載で足りるかを確認すると、有効期限切れによる取り直しの事故がなくなる
選択肢は四つある。弁済、相当の担保の提供、弁済目的の信託、そして「当該吸収分割をしても当該債権者を害するおそれがないこと」を証する書面の提出である(商業登記法八五条三号、会社法七九九条五項)。業界裏話ヒント:害するおそれがないことの証明は、財務諸表と承継債務額の比較で足りる場合が多く、代表者の証明書形式で出すのが通例。異議が出た瞬間に弁済資金を用意しようとする会社は、この第四の道を知らないだけで数千万円の資金拘束を自ら招いている
株主総会決議に代わり、総社員の同意(定款に別段の定めがあればその手続)を証する書面が必要になる(商業登記法八五条七号)。ただし事業に関して有する権利義務の一部を承継させる場合は、社員の過半数の一致を証する書面で足りる。業界裏話ヒント:合同会社は定款自治が広く、業務執行社員の決定で足りると定款に書いてあるケースがある。その場合は定款そのものを添付して根拠を示す必要があり、定款変更履歴が整理されていない合同会社は、ここで必ず止まる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる組織再編 | 商業登記法 85 条:吸収分割(既存会社が受け皿) | — |
| 相手方会社の書面の要否 | 5 号〜9 号で吸収分割会社側の書面が必須 | — |
| 株主総会省略の証明 | 会社法 796 条 1 項・2 項該当を証する書面(2 号) | — |
| 申請の相手方手続 | 分割会社側の登記手続は商業登記法 87 条が規律 | — |
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