商業登記法 第91条(同時申請)
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- 会社法第七百六十八条第一項第四号又は第七百七十三条第一項第九号に規定する場合において、株式交換完全子会社又は株式移転完全子会社がする株式交換又は株式移転による新株予約権の変更の登記の申請は、当該登記所の管轄区域内に株式交換完全親会社又は株式移転により設立する株式会社(以下「株式移転設立完全親会社」という。)の本店がないときは、その本店の所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。
- 2.会社法第七百六十八条第一項第四号又は第七百七十三条第一項第九号に規定する場合には、前項の登記の申請と第八十九条又は第九十条の登記の申請とは、同時にしなければならない。
- 3.第一項の登記の申請書には、第十八条の書面を除き、他の書面の添付を要しない。
この条文の基本情報
同時申請とは何ですか?
定義同時申請とは、商業登記法第91条に定められた規定で、「会社法第七百六十八条第一項第四号又は第七百七十三条第一項第九号に規定する場合において、株式交換完全子会社又は株式移転完全子会社がする株式交換又は株式移転による新…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第91条(同時申請)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第91条の条文原文は「会社法第七百六十八条第一項第四号又は第七百七十三条第一項第九号に規定する場合において、株式交換完全子会社又は株式移転完全子会社がする株式交換又は株式移転による新…」で始まります。
- 商業登記法第91条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第91条の前の条は商業登記法第90条の2です。
- 商業登記法第91条の次の条は商業登記法第92条です。
- 商業登記法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第91条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/91
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法91条は、株式交換・株式移転で子会社がする新株予約権の変更の登記を、親会社の本店を管轄する登記所を経由し、89条・90条の登記と同時に申請すべきものと定める。
Q · 株式交換で子会社の新株予約権が消える登記、どこの法務局に出せばいいの?
親会社の本店を管轄する登記所を経由して、親会社側の登記と同時に出します
商業登記法91条1項により、子会社側の新株予約権の変更の登記は、子会社の管轄登記所の区域内に親会社(株式交換完全親会社または株式移転設立完全親会社)の本店がないときは、親会社の本店所在地を管轄する登記所を経由して申請します。さらに2項により、89条(株式交換による変更の登記)または90条(株式移転による設立の登記)の申請と同時にしなければなりません。同時申請を欠く申請や管轄違いの申請は24条の却下事由にあたります。3項により、子会社側の申請書には18条の書面(委任状)以外の添付書面は不要です。
解説
「新株予約権の変更の登記」という地味な名前の裏で実際に起きているのは、子会社のストックオプションが効力発生日に丸ごと消滅し、親会社の新株予約権に置き換わるという事態である。商業登記法91条が定めているのは、その登記をどこへ、いつ出すかという一点だけ。子会社の本店を管轄する登記所へ持ち込んでも、親会社の本店が別管轄なら、あなたの申請は受理されない。親会社の本店所在地を管轄する登記所を経由させる。しかも89条または90条の親会社側の申請と同時でなければならない。ここでの「同時」は同じ日という意味ではなく、同じ窓口に一括でという意味だ。一件でも欠ければ、束ねられた申請は全部が一緒に却下される(商業登記法24条)。救いは3項にある。この子会社側の申請書には、委任状(18条の書面)以外の添付書面が一切要らない。審査の実体は、親会社側の書類束で既に尽きているからである。
法的な位置づけ
商業登記法91条は、会社法768条1項4号または773条1項9号の場合において、株式交換完全子会社および株式移転完全子会社がする新株予約権の変更の登記につき、経由申請・同時申請・添付書面の省略という三つの手続準則を定める規定である。子会社の管轄区域内に親会社の本店がないときは、その本店所在地を管轄する登記所を経由して申請することを要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.親会社・子会社の本店管轄を突き合わせる 株式交換完全親会社または株式移転設立完全親会社の本店所在地と、各子会社の本店所在地から、それぞれの管轄登記所を確定する。別管轄であれば91条1項の経由申請が確定し、以後の工程表は経由前提で組む
- 2.効力発生日から逆算して工程表を作る 株式交換は効力発生日、株式移転は会社法925条の起算日を基点に、2週間の登記期間から押印・郵送・経由の日数を差し引いた実質締切を算出する。子会社が複数ある場合は最も遅い一社が全体の締切になる
- 3.子会社側は委任状のみ、人手は親会社側へ集中 91条3項により子会社側の申請書には18条の書面以外の添付書面が不要である。書類収集のリソースは89条・90条の親会社側書面(株式交換契約書、株式移転計画書、株主総会議事録、株主リスト等)に振り向ける
- 4.全件を一括して経由先の登記所へ提出 親会社側の89条または90条の申請と、各子会社の91条1項の申請を一つの束にして、親会社の本店所在地を管轄する登記所へ同時に提出する。一件でも欠ける状態では提出しない
- 5.却下通知が来たら理由を切り分ける 却下された場合、管轄違いか、同時申請違反か、添付書面の不備かを最初に切り分ける。管轄違い・同時申請違反であれば束ね方と提出窓口を直して再提出する。登録免許税の還付または再使用証明の手続も並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1経由申請とは何ですか?
申請書を最終的な管轄登記所へ直接持ち込まず、別の登記所を窓口として提出し、そこから管轄登記所へ送付してもらう方式です。商業登記法91条1項は、子会社側の新株予約権の登記について親会社本店所在地の登記所を経由先と定めています。
Q2商業登記法91条の同時申請とはどういう意味ですか?
同じ日に別々に出すことではなく、親会社側の89条または90条の申請と一つの束にして同じ窓口へ一括提出することを意味します。片方だけの提出は同時申請の要件を満たさず、受理されません。
Q3親会社と子会社の本店が同じ管轄なら経由は必要ですか?
不要です。91条1項は「当該登記所の管轄区域内に親会社の本店がないとき」に経由を義務づけているため、同一管轄なら通常どおりその登記所へ申請します。ただし2項の同時申請は同一管轄でも必要です。
Q4新株予約権の変更の登記はいつまでにすればよいですか?
親会社側の登記期間に完全に連動します。株式交換なら効力発生日から2週間以内の変更登記(会社法915条1項)、株式移転なら会社法925条の起算日から2週間以内の設立登記と同時に申請します。
Q5同時申請を怠るとどうなりますか?
商業登記法24条の却下事由に該当し、束ねた申請がまとめて却下される可能性があります。整え直している間に登記期間を経過すれば、代表者個人に過料(会社法976条1号)のリスクが残ります。
Q6商業登記法89条と90条の違いは何ですか?
89条は株式交換による親会社の変更の登記、90条は株式移転による親会社の設立の登記を規律します。91条の子会社側の登記は、事案に応じてこのどちらかと同時に申請することになります。
Q7子会社側の申請書に株主リストは必要ですか?
91条3項が18条の書面(委任状)を除き他の書面の添付を要しないと定めているため、子会社側の申請書に株主リスト等を添える必要はありません。実質審査は親会社側の書類束で完結する構造です。
Q8登記が却下されたら登録免許税はどうなりますか?
納付済みの登録免許税は還付請求または再使用証明の手続が必要になり、事務負担が生じます。実務で「揃うまで一枚も出さない」と言われるのは、この手戻りコストを避けるためです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1子会社の分だけ先に地元の法務局に出しちゃダメなんですか?
だめである。91条1項は親会社の本店所在地を管轄する登記所を経由すると定め、2項は89条または90条の申請と同時にすることを求める。窓口違いは商業登記法24条の却下事由にあたる。実務のポイント:却下されると登録免許税の還付手続まで発生し、実務では時間より事務コストの方が痛い。だから経験を積んだ司法書士は、全部揃うまで一枚も出さない
Q2添付書類が委任状だけって、本当にそれで通るんですか?
通る。91条3項が、18条の書面を除き他の書面の添付を要しないと明記している。子会社の新株予約権が消滅した事実は、同時に提出される親会社側の株式交換契約書や株式移転計画書で確認できるからだ。実務のポイント:軽いのは書面だけで、責任は軽くない。新株予約権者への交付内容の説明と社内記録の整備を怠ると、登記が通った後に権利者との紛争が残る
間違えやすい点 AI による整理
- 同時申請が要ることは知っている、という段階で止まっている人が多い。本当の怖さは却下が連鎖する点にある。商業登記法24条の却下事由に一件でも触れれば、束ねた申請は全部が戻ってくる。取り下げて整え直す頃には登記期間を過ぎ、代表者個人に100万円以下の過料(会社法976条1号)のリスクだけが残る
- 「子会社の登記だから子会社の管轄登記所へ」という前提そのものが誤っている。91条1項が定めているのは申請先ではなく経由先だ。物理的に持ち込む窓口は親会社の本店所在地を管轄する登記所であり、そこから子会社の管轄登記所へ送られる。窓口を誤れば、中身がどれだけ正確でも審査されない
- 添付書面が委任状だけと聞けば、あなたには軽い一件に見える。登記官から見れば、この申請書は単独では何一つ確認できない紙であり、親会社側の株式交換契約書や株式移転計画書と束になって初めて意味を持つ。この見え方の落差が、分けて出せるはずだという誤解を生み続けている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記の主体 | 91条:株式交換完全子会社・株式移転完全子会社 | 89条:株式交換完全親会社 90条:株式移転設立完全親会社 |
| 登記の内容 | 新株予約権の変更(消滅)の登記 | 株式交換による変更の登記 株式移転による設立の登記 |
| 提出窓口 | 親会社の本店所在地を管轄する登記所を経由(別管轄の場合) | 親会社の本店所在地を管轄する登記所 設立する親会社の本店所在地を管轄する登記所 |
| 添付書面 | 18条の書面(委任状)のみ、他は不要(3項) | 株式交換契約書、議事録、株主リスト等が必要 株式移転計画書、議事録、株主リスト等が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社登記が経済部(商業司)の一元的な管理下にあり、日本のような登記所の管轄区域を前提とする経由申請の仕組み自体が存在しない。同時性の担保は登記機関側の内部処理で行われる
韓国も株式の包括的交換・移転制度を持ち、親子会社の登記の整合を要求する点は共通するが、経由申請の要否と窓口指定の細目は日本と同一ではないため個別確認を要する
ドイツの組織再編では、消滅会社側の登記が先行し、承継会社側の登記により効力が発生するという順序制御で整合を確保する。日本の同一窓口一括提出とは技術が異なる
米国は州務長官への単一の書面提出により share exchange の効力が発生する設計で、複数の登記所をまたぐ経由という発想がない。権利の消長は提出書類の記載で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 経由申請を飛ばして、子会社の管轄登記所へ直接出したらどうなるか。子会社の本店が大阪、親会社の本店が東京というよくある構図で、先に大阪へ出しておけば時間を稼げそうに見える。だが91条1項は経由を義務づけており、直接申請は管轄違いとして却下される。出し直しの郵送往復の間に、会社法915条1項の2週間が静かに削られていく
- 効力発生日が来週の月曜、子会社2社の新株予約権を親会社が承継する設計で、あなたが登記申請の取りまとめ役を任されている。親会社側の登記と子会社側の新株予約権消滅の登記を一つの束にして、親会社本店の管轄登記所へ一括で持ち込むしかない。子会社1社の委任状の押印が一日遅れれば、揃っている他の書類も出せない。残り時間は逆算すると実質3日
- 「添付書類は委任状だけでいいんですか」と依頼者から念を押される場面。91条3項がそう書いている。実質審査は親会社側の申請書類で終わっているからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 親会社と子会社の本店所在地から管轄登記所を洗い出し、別管轄なら経由申請と確定させる2. 登記期間を効力発生日から逆算し、郵送と押印の日数を含めた工程表を作る3. 子会社側の申請書は委任状(商業登記法18条)のみ用意し、収集の人手は親会社側の89条・90条書面へ集中させる4. 提出は必ず一括、揃うまで一枚も出さない
訴えられた側:1. 却下通知が届いたら、理由が管轄違いか添付書面の不備かを最初に切り分ける。管轄違いなら経由先を直して出し直すだけで治る2. 登記期間を過ぎても登記申請自体は受理されるので、まず登記を完了させる3. 過料は裁判所からの通知後に意見を述べる機会があるため、遅延の経緯を疎明できる資料を残す4. 新株予約権者への説明と社内記録の整合を並行して固める
時効(請求できる期限):株式交換は効力発生日から2週間以内に親会社の変更登記(会社法915条1項)。株式移転は会社法925条が定める起算日(株主総会決議の日、債権者異議手続の終了日、計画で定めた日などのうち最も遅い日)から2週間以内に設立の登記であり、株式移転の効力は設立登記により生じる(同法774条1項)。91条の子会社側の登記はこれと同時に申請するため、期限は親会社側と完全に連動する。懈怠は100万円以下の過料(同法976条1号、最新の改正状況をご確認ください)
学説
登記実務上の通説:91条の経由・同時申請は、親子会社の登記記録が同一時点で整合することを担保するための構造であり、複数の申請は一体として審査される。3項の添付書面免除は、実質審査が親会社側の申請書類で完結することの手続的な帰結と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)商法改正(要検証) 株式交換・株式移転制度の創設に伴い、商業登記法に組織再編登記の規定群が整備された。本条の原型はこの時期に由来するが、当時の条番号は現行と異なる可能性がある
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備(要検証) 会社法制定と関係法律の整備により、引用先が商法から会社法768条1項4号・773条1項9号へ改められた。条番号の移動と文言の整理を含むため、改正か新設かの区別は人的検証を要する
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