商業登記法 第1条の3(登記所)
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登記の事務は、当事者の営業所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。)がつかさどる。
この条文の基本情報
登記所とは何ですか?
定義登記所とは、商業登記法第1条の3に定められた規定で、「登記の事務は、当事者の営業所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第1条の3(登記所)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第1条の3の条文原文は「登記の事務は、当事者の営業所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(以下単に「登記所」という。」で始まります。
- 商業登記法第1条の3は第一章の二 登記所及び登記官に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第1条の3の前の条は商業登記法第1条の2です。
- 商業登記法第1条の3の次の条は商業登記法第2条です。
- 商業登記法第1条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第1条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第1条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/1_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法1条の3は、登記の事務を営業所の所在地を管轄する法務局・地方法務局とその支局・出張所(登記所)がつかさどると定める。管轄違いの申請は却下される。
Q · 会社の登記って、家から一番近い法務局に持って行けばいいんですか?
本店所在地を管轄する登記所だけが、その会社の登記を扱えます
商業登記法1条の3により、登記の事務をつかさどるのは当事者の営業所(会社なら登記簿上の本店)の所在地を管轄する法務局・地方法務局とその支局・出張所です。管轄を外して申請すると、内容の審査に入る前に却下されます(同法24条1号)。さらに法務大臣は登記事務を他の登記所に委任できるため(同法2条)、多くの都道府県で商業・法人登記は本局に集約されており、近所の出張所は不動産登記しか扱っていないことがあります。行く前に管轄一覧の確認、またはオンライン申請の利用が確実です。
解説
「登記所」という名前の役所は、日本のどこにも存在しない。商業登記法1条の3が、法務局・地方法務局とその支局・出張所をまとめて登記所と呼ぶと決めているだけである。つまりこの一文は定義であり、同時に管轄の設計図でもある。あなたの会社の登記を扱えるのは、営業所(会社なら登記簿上の本店)の所在地を管轄する登記所だけ。ここを外して申請すると、中身の審査に入る前に却下される(同法24条1号)。厄介なのは、家の近くに法務局の出張所があっても商業登記は扱っていない可能性が高いことだ。法務大臣は登記事務を他の登記所へ委任できるため(同法2条)、多くの県で商業・法人登記は本局に集約されている。同じ看板の建物で、不動産の登記はできるのに会社の登記はできない。その線引きの根拠が、この一条にある。
法的な位置づけ
商業登記法1条の3は、登記所の定義と管轄を定める規定であり、登記の事務を当事者の営業所の所在地を管轄する法務局、地方法務局およびこれらの支局・出張所がつかさどる旨を規定する。同時に、これらの官署を総称する「登記所」という法令用語の定義規定としても機能し、以後の各条における管轄の基準点となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記簿上の営業所(本店)所在地を確定する 管轄を決めるのは現在地でも実際の執務場所でもなく、登記簿に記載された営業所(会社なら本店)の所在地である。まず登記事項証明書または定款で、登記上の住所を正確に確認する
- 2.法務省の管轄一覧で管轄登記所を特定する 本店所在地の市区町村から管轄する法務局・地方法務局・支局・出張所を引く。商業・法人登記は法務大臣の事務委任(商業登記法2条)により本局へ集約されている場合が多く、最寄りの出張所が不動産登記しか扱わないことを前提に確認する
- 3.提出ルートと期限を先に決める 窓口持参・郵送・登記・供託オンライン申請システムのいずれかを選ぶ。変更登記なら2週間の期限(会社法915条1項)から逆算し、管轄外への本店移転であれば旧本店を管轄する登記所を経由する(商業登記法51条)ことを申請前に確認する
- 4.登録免許税を管轄の内外で試算してから納付する 同一管轄区域内の本店移転なら1件、管轄外なら旧新2件分の登録免許税がかかる。物件契約前にこの差額と印鑑届のやり直しコストを見積もり、納付方法(収入印紙・電子納付)を決めてから申請書に貼付する
- 5.却下された場合は理由と税の取扱いを同時に処理する 管轄違いで却下されたら、却下決定の理由を確認して正しい登記所を特定し、同時に納付済み登録免許税の還付または再使用証明の申出を申請先に確認する。書類の作り直しだけでは税は戻らない
よくある質問 AI による整理
Q1商業登記の管轄はどうやって調べますか?
法務省サイトの管轄一覧で、本店所在地の市区町村から管轄登記所を引きます。商業・法人登記は本局に集約されている例が多く、不動産登記の窓口と一致しない点に注意が必要です。
Q2登記事項証明書は他県の法務局でも取れますか?
取れます。管轄が縛るのは申請であって情報の入手ではありません。登記事項証明書は全国どこの登記所の窓口でも、オンライン請求でも取得でき、相手方への通知も行きません。
Q3商業登記はオンラインで申請できますか?
登記・供託オンライン申請システムから申請できます。ただし提出先として指定するのは管轄登記所であり、オンラインでも管轄そのものは動きません。窓口通いが不要になるだけです。
Q4管轄違いで却下されたら登録免許税はどうなりますか?
自動では戻りません。却下後に還付を受けるか、却下前に取り下げて再使用証明の申出をするかの別手続が要ります(登録免許税法31条)。具体的な取扱いは申請先の登記所に確認してください。
Q5本店移転の登記が遅れるとどうなりますか?
移転の日から2週間以内に登記しないと、代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法915条1項、976条1号)。起算点は決議日ではなく現実に移転した日です。
Q6支店の所在地でも登記は必要ですか?
支店所在地における登記制度は廃止されたため、現在は本店所在地の登記所での手続に一本化されています。支店の設置・移転も本店の管轄登記所へ申請します。
Q7会社の本店住所は自宅でもいいですか?
自宅を本店とすることは可能ですが、その住所が登記の管轄登記所、訴えられる裁判所(民事訴訟法4条4項)、法人住民税の納付先まで同時に決めます。住所選びは手続の宛先選びでもあります。
Q8法人の印鑑証明書はどこの登記所で取れますか?
印鑑カードがあれば全国どこの登記所の窓口でも取得できます。ただし印鑑の届出自体は管轄登記所に対して行い、管轄外へ本店移転すると印鑑届もカードも作り直しになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記って、近くの法務局ならどこでも受け付けてくれるんじゃないんですか?
申請は本店所在地を管轄する登記所に限られ、外れると24条1号で却下される。一方、証明書の取得は全国どこの登記所でも可能で、ここが混同されやすい。実務のポイント:多くの都道府県で商業・法人登記は法務大臣の事務委任(同法2条)により本局へ集約済みで、近所の出張所は不動産登記しか扱わない。行く前に管轄一覧を見るか、オンライン申請にすれば窓口通いそのものが要らなくなる。
Q2本店を引っ越したら、新しい住所の法務局に行けばいいんですよね?
逆である。管轄区域外への本店移転は、旧本店を管轄する登記所を経由して申請する(商業登記法51条)。新旧2件分で登録免許税6万円、印鑑の届出もやり直しになる。実務のポイント:移転先を同一管轄区域内から選べば、費用は3万円で済み手続も一式軽くなる。オフィス探しの段階で管轄区域図を開く経営者はほとんどおらず、契約後に差額を知ることになる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「近くの法務局はどこか」という問いの立て方が、そもそもずれている。管轄を決めるのはあなたの現在地ではなく登記簿上の営業所所在地であり、しかも申請の大半は登記・供託オンライン申請システムで完結する。探すべきは近い窓口ではなく、正しい窓口である
- 管轄違いだと却下される、ここまでは多くの人が知っている。知られていないのはその先で、却下されても納付済みの登録免許税は自動では戻らないという点だ。還付を受けるか、却下前に取り下げて再使用証明の申出をして貼り直すか、いずれも別途の手続が要る(登録免許税法31条、具体的な取扱いは申請先の登記所に確認すること)。書類だけ作り直せば済む話ではない
- あなたから見れば本店の住所は名刺に刷る一行にすぎない。法律から見れば、それは登記の管轄だけでなく、会社が訴えられる裁判所(民事訴訟法4条4項)、法人住民税を納める自治体、労働保険・社会保険の管轄までまとめて指定する座標である。この落差に気付かないまま住所を選ぶと、後から全部が付いてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を決める規定か | 商業登記法1条の3:登記所の定義と、営業所所在地による管轄 | 商業登記法2条:法務大臣が登記事務を他の登記所へ委任できる根拠 商業登記法10条:登記事項証明書の交付請求 |
| 場所の縛り | 申請は営業所所在地の管轄登記所に限定される | 委任により本来の管轄登記所以外(本局)が事務を扱う 全国どこの登記所でも請求でき、管轄の縛りがない |
| 外したときの効果 | 管轄違いとして却下される(同法24条1号) | 委任先を誤れば実質的に管轄違いとなり却下される 誤りという概念がなく、窓口を選び直せば足りる |
| 本店移転時の動き | 本店が動けば管轄も動く | 移転先の集約状況により提出先の本局が変わる 移転後も証明書取得の自由度は変わらない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は裁判所系の登記所ではなく、経済部および直轄市政府という行政官庁が登記の主管機関となる。管轄は事業所所在地で決まる点は共通するが、機関の系統が根本的に異なる
韓国は法院(裁判所)の登記所が商業登記を管掌する。日本の明治期商法を経由した制度継受の名残であり、営業所所在地で管轄を決める構造は日本と近い
ドイツの Handelsregister は裁判所(区裁判所)が管掌し、土地管轄も裁判所の管轄区域で決まる。日本が明治期に受け継いだ原型だが、日本は戦後に行政官署管掌へ移行した
米国は州務長官が受理機関であり、設立準拠州を会社が自由に選べる。所在地で管轄が自動的に決まる日本と異なり、デラウェア州選択のような管轄の戦略的選択が制度前提となっている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本店を隣の県へ移した。何日以内に、どこの登記所へ出せばいいのか? 答えは移転から2週間以内(会社法915条1項)、しかも提出先は新住所ではなく旧本店を管轄する登記所を経由する(商業登記法51条)。新しい街の法務局に意気揚々と持ち込むと、管轄違いで突き返される。期限を過ぎれば代表者個人に100万円以下の過料(会社法976条1号)が飛ぶ可能性が残る
- 取引先の登記事項証明書がほしい。これは全国どこの登記所の窓口でもオンラインでも取れる。管轄が縛るのは申請であって、情報の入手ではない
- 起業したとき、あなたはレンタルオフィスの住所を本店として登記した。数年後、実際の業務は別の県に移っているが、役員変更のたびに書類はその区の登記所へ向かう。本店を実態に合わせて動かせば管轄も動くが、管轄が変われば登記記録は新しく起こし直され、印鑑の届出も印鑑カードも作り直しになる。最初の住所選びが、その後何年ぶんもの手続の宛先を決めていた
取るべき行動
被害を受けた側:管轄違いで却下されたら、まず却下決定の理由を確認し、法務省サイトの管轄一覧で正しい登記所を特定する。次に納付済み登録免許税の扱いを申請先に確認する(却下なら還付、却下前の取下げなら再使用証明の申出、登録免許税法31条、取扱いは要確認)。そのうえで2週間の登記期限を過ぎているなら、日付を整理して速やかに再申請する。過料は登記官の通知を受けて裁判所が決める仕組みで、遅れが短いほど傷は浅い。
訴えられた側:これから本店を置く側なら、順序を逆にする。物件を決める前に、候補地が今の管轄区域の内か外かを確認する。管轄外なら登録免許税は旧新2件で6万円、登記記録は新たに起こされ、印鑑届と印鑑カードも新規、代表者の印鑑証明書も改めて必要になる。相手方の管轄を知りたいときは登記事項証明書を取れば本店が分かり、相手に通知は行かない。契約前の与信確認はここから始める。
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。時間圧が生じるのは管轄が動くとき、すなわち本店移転である。移転の日から2週間以内に登記申請(会社法915条1項)、管轄外への移転は旧所在地を管轄する登記所を経由する(商業登記法51条)。懈怠は100万円以下の過料(会社法976条1号)。起算点は取締役会で決議した日ではなく、現実に移転した日である。
学説
通説(教科書的理解):本条は「登記所」という法令用語の定義規定であると同時に、商業登記の土地管轄を営業所所在地に固定する管轄規定でもあると理解されている。登記記録の唯一性を確保するため管轄は一元的であり、申請者の便宜は事務委任とオンライン申請という別の手段で調整される構造とされる
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備(要検証) 会社法制定に伴う整備法により商業登記法の冒頭に目的規定と定義規定が置かれ、従来の登記所に関する規定が1条の3へ繰り下げられたとされる。条番号の移動時期と当時の文言については一次資料での確認が必要
- 令和元年(2019年)会社法改正、令和4年(2022年)9月1日施行(要検証) 支店所在地における登記制度が廃止され、支店所在地の登記所が関与する場面が消滅した。本条の文言自体は変更されていないと解されるが、管轄が働く実務上の場面が本店側へ一本化された点で影響は大きい
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)が制定され、それまで商法および非訟事件手続法に散在していた商業登記の手続規定が単行法に集約された。登記所の管轄に関する規定も本法に置かれた
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う整備により本法冒頭に目的規定・定義規定が置かれ、登記所に関する規定が1条の3に位置付けられたとされる。条番号の移動時期と当時の文言は一次資料での確認が必要
- 3.令和元年(2019年)改正・令和4年(2022年)9月1日施行 改正:会社法改正により支店所在地における登記制度が廃止され、支店所在地の登記所が関与する場面が消滅した。本条の文言自体に変更はないと解されるが、管轄が働く実務上の場面が本店側へ一本化された
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