商業登記法 第40条(後見人登記の登記事項等)
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- 商法第六条第一項の規定による登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。
- 一後見人の氏名又は名称及び住所並びに当該後見人が未成年後見人又は成年後見人のいずれであるかの別
- 二被後見人の氏名及び住所
- 三営業の種類
- 四営業所
- 五数人の未成年後見人が共同してその権限を行使するとき、又は数人の成年後見人が共同してその権限を行使すべきことが定められたときは、その旨
- 六数人の未成年後見人が単独でその権限を行使すべきことが定められたときは、その旨
- 七数人の後見人が事務を分掌してその権限を行使すべきことが定められたときは、その旨及び各後見人が分掌する事務の内容
- 2.第二十九条の規定は、後見人の登記に準用する。
この条文の基本情報
後見人登記の登記事項等とは何ですか?
定義後見人登記の登記事項等とは、商業登記法第40条に定められた規定で、「商法第六条第一項の規定による登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第40条(後見人登記の登記事項等)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第40条の条文原文は「商法第六条第一項の規定による登記において登記すべき事項は、次のとおりとする。」で始まります。
- 商業登記法第40条は第三節 未成年者及び後見人の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第40条の前の条は商業登記法第39条です。
- 商業登記法第40条の次の条は商業登記法第41条です。
- 商業登記法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法40条は、後見人が被後見人のために営業をするときの登記事項を定める。後見人・被後見人の氏名住所、営業の種類、営業所、数人の後見人の権限行使方法など七項目が登記される。
Q · 後見人になった親の店を続けたら、登記って本当に必要なんですか?
はい。続けるなら40条の七項目が公開の登記簿に載ります
本人が個人事業主であれば、後見人が被後見人のために営業をする以上、商法6条1項により登記が必要です。その登記事項を定めるのが商業登記法40条で、後見人の氏名・住所と未成年後見人か成年後見人かの別、被後見人の氏名・住所、営業の種類、営業所、数人の後見人がいる場合の共同行使・単独行使・事務分掌の別とその内容の七項目が登記されます。商業登記簿は何人でも証明書を請求できるため(商業登記法10条)、被後見人の氏名・住所も公開されます。
解説
父が営んでいた町工場を、成年後見人になったあなたが畳まずに続ける。この選択をした瞬間に商法6条1項の登記義務が発生し、その中身を定めているのが商業登記法40条である。登記されるのは七項目。後見人の氏名・住所と、未成年後見人か成年後見人かの別、被後見人の氏名・住所、営業の種類、営業所。そして後見人が複数いる場合、共同で権限を行使するのか、単独か、事務を分掌するのか、分掌ならその内容までが載る。ここが実務の急所だ。取引相手はこの登記簿を見て、目の前の後見人ひとりと契約して有効かを判断する。裏を返せば、登記を怠れば相手は判断材料を持たないまま契約し、後で効力を争う余地が残る。もう一つある。成年後見の事実は本来、証明書を請求できる人を絞った登記で守られている。ところが営業を続けると決めた瞬間、被後見人の氏名と住所は誰でも取れる商業登記簿へ移る。事業を継ぐか畳むかの天秤には、この公開コストも載っている。
法的な位置づけ
商業登記法40条は、後見人が被後見人のために営業をする場合に商法6条1項が課す登記義務について、その登記事項を列挙する規定である。後見人と被後見人の氏名・住所、未成年後見人か成年後見人かの別、営業の種類、営業所に加え、後見人が数人ある場合の権限行使の方法と分掌する事務の内容が登記される。2項は変更等の登記に関する29条を準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.営業を継続するか判断し、登記の要否を確定する 本人が個人事業主(商人)かどうかを確認する。個人事業主で営業を続けるなら商法6条1項の登記義務が生じ、商業登記法40条の七項目が登記対象になる。本人が会社の代表者にすぎない場合、この登記は生じない
- 2.家庭裁判所の審判内容から登記事項を抜き出す 審判書を読み、後見人が数人いるか、共同行使・単独行使・事務分掌のいずれが定められているかを確認する。分掌の定めがあれば、各後見人が担当する事務の内容までそのまま登記事項になる(40条1項7号)
- 3.営業所所在地を管轄する登記所へ申請する 後見人の氏名・住所と後見の種別、被後見人の氏名・住所、営業の種類、営業所、権限行使の方法の七項目を記載した申請書を、営業所の所在地を管轄する法務局・地方法務局に提出する。添付書面や登録免許税は最新の登記所案内で確認する
- 4.取引先へ登記完了を示し、権限の疑義を先回りで消す 登記事項証明書を取得し、継続的な仕入先・金融機関に提示する。事務分掌がある場合は、営業に関する事務の担当者が誰かを個別に通知しておく。商法6条2項との関係で登記の効力範囲に議論があるため、個別通知の併用が堅い
- 5.変更・終了時に29条準用の登記を忘れない 住所・営業所・分掌内容の変更や、成年年齢到達・審判取消し・本人死亡による後見終了が起きたら、40条2項が準用する29条により変更または消滅の登記を申請する。放置すると古い権限が公示され続け、事情を知らない相手が発注を続ける
よくある質問 AI による整理
Q1後見人の登記とは何ですか?
後見人が被後見人のために営業をするときに必要な商業登記です。商法6条1項が登記義務を課し、商業登記法40条が七つの登記事項を定めています。
Q2後見人の登記はどこに申請しますか?
営業所の所在地を管轄する法務局・地方法務局(登記所)に申請します。後見の審判をした家庭裁判所ではなく登記所である点が間違えやすいところです。
Q3成年後見の登記と後見人の登記は同じですか?
別物です。後見開始の審判は後見登記等に関する法律の登記、営業を続ける場合は商業登記法40条の商業登記で、申請先も登記簿も別に存在します。
Q4後見人が複数いる場合も登記しますか?
します。共同行使・単独行使・事務分掌の別が40条1項5号から7号の登記事項で、分掌の場合は各後見人が担当する事務の内容まで登記されます。
Q5被後見人の氏名や住所は誰でも見られますか?
商業登記簿は何人でも登記事項証明書を請求できます(商業登記法10条)。営業を続ける決断は、被後見人の氏名・住所を公開する決断でもあります。
Q6後見が終わったら登記はどうなりますか?
自動では消えません。40条2項が29条を準用しており、変更や消滅の登記を申請する必要があります。放置すると古い権限が公示され続けます。
Q7会社の代表取締役に後見が開始した場合も登記が要りますか?
この登記は不要です。商人は会社であって本人ではないため、商法6条1項の登記は生じません。必要になるのは本人が個人事業主である場合です。
Q8後見人の登記の申請には何の書類が必要ですか?
一般に、後見人の資格と権限を証する家庭裁判所の審判書謄本等が必要です。共同行使や事務分掌の定めがある場合はその内容が分かる書面も添えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認知症の父の会社、後見人になったら登記が要るって本当ですか?
登記が要るのは父が個人事業主の場合です。商法6条1項が後見人による営業に登記義務を課し、その登記事項を定めるのが商業登記法40条。父が株式会社の代表取締役なら、商人は会社であって父個人ではないので、この登記は出てきません。実務のポイント:令和元年の会社法改正で成年被後見人の取締役欠格条項は削除され、成年後見人が本人の同意を得て就任承諾すれば取締役になれます(会社法331条の2)。「後見が始まったら役員は自動的に終わり」と書いた古い解説がまだ大量に残っている
Q2登記しなかったら罰金でも取られるんですか?
個人商人の登記懈怠に過料を科す一般規定は見当たりません(最新の改正状況をご確認ください)。効いてくるのは商法9条1項で、登記していない間はその事実を善意の第三者に対抗できず、営業の主体や後見人の権限を主張しにくくなります。実務のポイント:逆に登記があれば分掌の事実などを相手方に示しやすくなるものの、商法6条2項が後見人の代理権制限を善意の第三者に対抗できないと定めている関係で、登記の効力がどこまで及ぶかは実務上、解釈が分かれている。争いになる前に、相手方への個別通知という原始的な手段を併用しておくのが堅い
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば、これは家庭裁判所に選ばれた後見人が身内の店を守るだけの内輪の話である。法律から見れば、判断能力に制限のある人を主体とする営業が世に出る場面であり、取引の安全のために本人の氏名・住所と後見人の権限範囲を公開させる必要がある。この落差を知らないまま登記を怠ると、後で契約の効力を争われて損をするのはあなたの側になる
- 後見人が複数いるとき、権限の行使方法が登記事項になること自体は、条文を読めば分かる。見落とされているのはその深さで、7号は各後見人が分掌する事務の内容まで登記させる。つまり、営業に関する事務を担当しない後見人が誰なのかまで公開される。分掌が登記されている以上、担当外の後見人が結んだ契約は、相手方から効力を争われる余地が残る
- 「後見人の登記は成年後見の登記と同じものか」という問いの立て方自体が誤っている。両者は別の法律に基づく別の登記簿であり、後見開始の審判を受ければ後見登記等に関する法律の登記はされるが、商業登記法40条の登記は営業を続ける場合に別途申請しなければ載らない。片方が済んでいるから他方も済んでいる、という関係にはない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記の主体 | 商業登記法40条:後見人が被後見人のために営業をする場合 | 商業登記法35条:未成年者が自ら営業する場合の未成年者登記(現行効力は要確認) 後見登記等に関する法律:後見開始の審判そのものの公示 |
| 登記される内容 | 後見人・被後見人の氏名住所、後見の種別、営業の種類、営業所、権限行使方法と分掌事務 | 未成年者本人の氏名住所、営業の種類、営業所など 後見開始の事実、成年後見人の氏名、代理権の範囲など |
| 誰が見られるか | 何人でも登記事項証明書を請求できる(商業登記法10条) | 何人でも登記事項証明書を請求できる(商業登記法10条) 本人・一定の親族など請求権者が限定される |
| 変更・終了時の扱い | 40条2項が29条を準用し、変更・消滅の登記が必要 | 同じく変更・消滅の登記が必要 審判の取消し・本人死亡等により終了の登記がされる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は法定代理人が制限行為能力者に営業を許可する構成が中心で、後見人が本人のために営業する場合の専用登記事項は置かれていない。公示は一般の商業登記の登記事項でまかなわれる
法定代理人が未成年者・被限定後見人・被成年後見人のために営業をするときに登記を要求する点で日本商法6条と同型。日本商法の継受に由来する構造が残っている
ドイツは法定代理人の許諾によって未成年者に営業能力を与える構成を採り、商号は HGB § 29により商業登記簿へ登記される。後見人自身の権限分掌を商業登記簿に載せる日本型の規律とは公示の焦点が異なる
フランスは後見人が被保護者の名で商業や自由業を営むこと自体を制限する方向を採る。営業を認めたうえで公示で取引の安全を確保する日本とは、そもそもの調整手法が異なる
連邦統一の商業登記制度がなく、conservator の権限は裁判所の letters of conservatorship で証明される。事業名は州の fictitious business name 登録で公示される点が機能的な対応物にあたる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が倒れ、成年後見人に選ばれたあなたの手元に、父が四十年続けた個人商店が残った。もし、たたまずに続けると決めたらどうなる? 商法6条1項の登記義務が発生し、40条1項の七項目が公開の登記簿に載る。仕入先との取引を止めれば店は死ぬので、判断に使える時間は現実には数週間しかない
- 取引先に「後見人です」と名乗る人が現れ、まとまった額の発注書を出してきた。商業登記簿を取れば、後見人が複数いるか、事務を分掌しているかまで分かる。取らずに契約すれば、後で権限を争われたとき、知らなかったことに正当な事由があったと説明する側に回るのはあなたである
- 未成年後見人として甥の飲食店を三年守ってきた。甥が18歳の誕生日を迎えた瞬間、未成年後見は終了する。ところが登記簿は放っておけば古い権限を示したままで、事情を知らない取引相手は、まだあなたに決定権があると信じて発注を続ける
取るべき行動
被害を受けた側:後見人と名乗る相手と取引し、後から「その権限はなかった」と言われた場合。まず営業所所在地を管轄する登記所で後見人の登記を取得し、40条1項5号から7号の共同・単独・分掌の記載を確認する。登記がなければ、商法9条1項により相手はその事実をあなたに対抗しにくい。登記があり、あなたが確認せずに契約していたなら、争点は正当な事由の有無に移る。契約書、名刺、やり取りの記録を時系列で固め、弁護士に相談する段階である
訴えられた側:後見人として営業を続けると決めたら、営業所所在地を管轄する登記所へ速やかに申請する。40条1項の七項目、特に家庭裁判所が共同行使や事務分掌を定めているならその内容を漏らさない。登記後に住所や営業所、分掌の内容が変わったり後見が終了したりしたら、40条2項が29条を準用しているとおり、変更等の登記の手当てを忘れない。迷う部分は家庭裁判所の後見監督窓口と司法書士に同時に当たるのが早い
時効(請求できる期限):本条自体に申請期限の定めはない。ただし商法9条1項により、登記すべき事項は登記の後でなければ善意の第三者に対抗できないため、実質的な期限は「取引が始まる前」である。未成年後見は被後見人が18歳に達した時点で終了し(成年年齢は2022年4月1日から18歳)、成年後見は審判の取消しや本人の死亡で終了するので、その時点から遅滞なく消滅の登記が必要になる。金銭の請求が絡む場合は、特定の時効はないが一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)の制定により、それまで商法および関係法令に置かれていた商業登記の手続規定が単行法へ整理され、後見人の登記の登記事項も本法に置かれた
- 2.平成11年〜平成12年(1999〜2000年) 改正:禁治産・準禁治産制度に代わる成年後見制度の導入(2000年4月1日施行)に伴い、後見人の類型が未成年後見人と成年後見人に整理された。1項1号がこの別を登記事項とし、5号・6号が数人の後見人の権限行使方法を書き分ける現在の構造は、この改正以降のものである(条文単位の改正経緯は e-Gov の沿革で要確認)
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