保険業法 第44条の2(議決権の代理行使)
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- 総代は、定款に定めがある場合には、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合において、代理人は一人に限るものとし、かつ、当該総代又は代理人は、当該代理権を証する書面を相互会社に提出しなければならない。
- 2.前項の代理人となることができる者は、総代に限る。
- 3.会社法第三百十条(第一項及び第五項を除く。)(議決権の代理行使)の規定は、第一項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、及び同条第三項中「第一項」とあるのは「保険業法第四十四条の二第一項」と、同項中「株主」とあるのは「総代」と、「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同条第四項中「株主」とあるのは「総代」と、「第二百九十九条第三項」とあるのは「保険業法第四十九条第一項において読み替えて準用する第二百九十九条第三項」と、同項及び同条第六項中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同条第七項中「株主(前項の株主総会において決議をした事項の全部につき議決権を行使することができない株主を除く。次条第四項及び第三百十二条第五項において同じ。)」とあるのは「社員」と、同項及び同条第八項中「株式会社」とあるのは「相互会社」と、同項第一号及び第二号中「株主」とあるのは「社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
議決権の代理行使とは何ですか?
定義議決権の代理行使とは、保険業法第44条の2に定められた規定で、「総代は、定款に定めがある場合には、代理人によってその議決権を行使することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第44条の2(議決権の代理行使)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第44条の2の条文原文は「総代は、定款に定めがある場合には、代理人によってその議決権を行使することができる。」で始まります。
- 保険業法第44条の2は第二目 総代会に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第44条の2の前の条は保険業法第44条です。
- 保険業法第44条の2の次の条は保険業法第45条です。
- 保険業法第44条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第44条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第44条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/44_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法44条の2は、相互会社の総代が定款に定めがある場合に限り代理人によって議決権を行使できると定める。代理人は一人、かつ総代に限られる。
Q · 生命保険の総代会って、総代が委任状で代理投票できるんですか?
定款に定めがある場合のみ。代理人は総代一人に限られる
保険業法44条の2により、相互会社の総代が代理人によって議決権を行使できるのは、定款に定めがある場合に限られます。株主の代理行使を権利として保障する会社法310条1項は準用から除かれているためです。代理人は一人のみ、しかも総代に限定され(同条2項)、代理権を証する書面を相互会社に提出しなければなりません。提出された書面は総代会の日から3か月間本店に備え置かれ、社員すなわち保険契約者が閲覧・謄写を請求できます。
解説
生命保険の証券に「相互会社」と印字されているなら、あなたはその会社の客であると同時に社員、つまり構成員だ。ところが大手はほぼ全社が社員総会の代わりに総代会を置き、実際に票を投じるのは選ばれた数百人の総代だけである。保険業法44条の2は、その総代がさらに他人に票を託せるかを決めている。押さえるべきは三つ。第一に、代理行使は定款に定めがあって初めて認められる。株式会社の株主に代理行使を権利として保障する会社法310条1項は、ここでは準用からわざと外されている。第二に、代理人は一人、しかも総代に限る。外部の弁護士にも契約者団体にも家族にも託せない。第三に、提出された委任状は総代会の日から3か月だけ本店に備え置かれ、その間なら総代ではなく社員、つまり契約者であるあなたが閲覧・謄写を請求できる。誰が誰に票を預けたのかを覗く窓は、確かに開いている。ただし狭く、そして短い。
法的な位置づけ
保険業法44条の2は、相互会社の総代会における議決権の代理行使を定める規定である。代理行使は定款に定めがある場合にのみ認められ、代理人は一人かつ総代に限られる。会社法310条のうち1項および5項を除く規定が準用され、代理権を証する書面の提出、備置き、社員による閲覧請求が規律される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が相互会社かを確認する 保険証券および各社ウェブサイトの会社概要で、社名に「相互会社」が含まれるかを確認する。相互会社であれば保険契約者は社員であり、総代会に関する権利の主体となる
- 2.定款の代理行使条項を読む 各社が公開している定款で、総代の議決権の代理行使を認める定めがあるかを確認する。定めがなければ委任状は効力を持たず、総代は出席以外に議決権を行使する手段がない
- 3.総代の場合、委任状を総代会ごとに作成する 代理行使が認められている場合、代理人を総代の中から一人だけ選び、当該総代会についての代理権を証する書面を作成して相互会社に提出する。前回の包括委任は効かない
- 4.社員として本店に閲覧・謄写を請求する 総代会の日から3か月以内に本店へ請求書を提出する。請求の理由として「権利の確保又は行使に関する調査のため」と明記し、拒絶事由に当たらないことを書面上明確にする
- 5.拒否された場合の記録を残す 会社が閲覧を拒んだ場合は拒絶理由を書面で求め、日付とともに保存する。総代会決議の取消しの訴えの出訴期間は決議の日から3か月であり、備置期間と並走することを前提に動く
よくある質問 AI による整理
Q1保険業法44条の2とは何ですか?
相互会社の総代会における議決権の代理行使を定める条文です。定款に定めがある場合にのみ代理行使が認められ、代理人は一人かつ総代に限られます。
Q2相互会社の総代会で委任状は使えますか?
定款に代理行使の定めがあれば使えます。定めがなければ委任状を書いても効力はなく、総代の欠席はそのまま議決権の消滅になります。
Q3総代会の代理人は誰でもなれますか?
なれません。保険業法44条の2第2項により代理人は総代に限られます。弁護士、契約者団体、家族に票を託すことはできません。
Q4委任状の閲覧はいつまで請求できますか?
総代会の日から3か月以内です。代理権を証する書面は相互会社の本店に備え置かれ、この期間内に限り社員が閲覧・謄写を請求できます。
Q5保険契約者でも委任状を閲覧できますか?
できます。準用される会社法310条7項の「株主」は「社員」と読み替えられ、相互会社の社員である保険契約者が閲覧請求の主体となります。
Q6会社は委任状の閲覧を断れますか?
断れる場合があります。準用される会社法310条8項が拒絶事由を定め、権利の確保・行使に関する調査以外の目的などに該当すれば拒否できます。
Q7総代会の代理行使は株主総会と同じですか?
違います。株主の代理行使を権利として保障する会社法310条1項が準用から外れており、相互会社では定款の定めが前提条件になります。
Q8代理人を二人立てることはできますか?
できません。保険業法44条の2第1項が「代理人は一人に限る」と明記しています。複数選任された委任状の扱いは会社の検票基準の問題になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生命保険に入ってるだけなのに、会社の「社員」って本当ですか?
本当である。相互会社では保険契約者が社員、つまり構成員になる。議決権は社員一人につき一個で(保険業法44条)、保険金額の大小では変わらない。ただし大手はほぼ全社が社員総会に代えて総代会を置いているため、直接投票する場面はない。実務のポイント:総代の選び方は各社の定款と総代候補者選考の手続次第で、公募や推薦の窓口を公開している会社もある。誰でもなれないと思い込む前に、自社の総代選考手続を読むところから始まる。
Q2総代が委任状で投票するのって、株主総会と同じ仕組みですよね?
同じではない。株式会社では会社法310条1項が株主の代理行使を権利として保障するが、保険業法44条の2はその1項を準用から外し、「定款に定めがある場合には」という条件を付けた。しかも代理人は一人、かつ総代に限られる(同条2項)。実務のポイント:定款に定めのない相互会社では、総代の欠席はそのまま議決権の消滅になる。出席率が決議の成否に直結するため、僅差が予想される議案では日程調整そのものが票読みの作業になる。
Q3委任状って、契約者でも見せてもらえるんですか?
見られるのは社員、つまり契約者である(保険業法44条の2第3項が読み替えて準用する会社法310条7項)。場所は本店、期間は総代会の日から3か月。2021年3月施行の改正で、権利行使以外の目的や業務妨害目的などは会社が拒める(同条8項)。実務のポイント:請求書に目的を一行書くかどうかで対応が変わる。「権利の確保又は行使に関する調査のため」と明記すれば、拒絶事由の第一号に当たらないことが書面上はっきりする。
Q4委任状に不備があったら、決議そのものはどうなりますか?
無効な委任状を有効票に算入した場合、決議の方法が法令・定款に違反したとして決議取消しの訴えの対象になり得る(会社法831条1項1号)。ただし違反が重大でなく決議に影響を及ぼさないときは、裁判所が請求を棄却できる裁量棄却の道もある(同条2項)。実務のポイント:裁量棄却が効くのは票差が開いているときだけ。僅差の議案ほど委任状一枚の瑕疵が致命傷になるので、検票記録の作り方が結論を左右する。
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主が委任状で議決権を行使できるのだから、総代も当然できるはずだ」という問いの立て方自体が誤っている。代理行使を株主の権利として保障する会社法310条1項は、この準用から意図的に除かれている。相互会社では、代理行使は定款が認めて初めて生まれる。定款を確認せずに委任状を書いても紙切れにしかならない。
- 代理人が総代に限られること自体は、条文を読めば誰でも分かる。深刻なのはその帰結のほうだ。外部の専門家にも、契約者団体にも、家族にも票を託せない。つまり反対意見を外部の力に接続する経路が、制度の設計段階で断たれている。少数派の総代が孤立しやすいのは運用の問題ではなく、条文の構造から来ている。
- あなたから見れば保険は買った商品だが、法律から見れば相互会社との社員関係である。この落差があるために、契約者の多くは自分に代理権証明書面の閲覧請求権があることも、その窓が3か月で閉じることも知らないまま総代会の季節が過ぎていく。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 保険業法44条の2:総代会における議決権の代理行使 | 保険業法44条:社員一人につき一個の議決権 保険業法42条:社員総会に代わる総代会の設置 |
| 権利の発生根拠 | 定款に定めがある場合にのみ代理行使が生じる | 法律上当然に社員一人一議決権が認められる 定款の定めにより総代会を設置できる |
| 主体 | 総代(代理人も総代に限る) | 社員(保険契約者) 社員および総代 |
| 準用される会社法 | 会社法310条(1項・5項を除く) | 準用なし(保険業法固有の一人一票原則) 保険業法49条を通じた招集手続規定の準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司法177条は株主の代理行使を権利として認め、代理人資格を株主に限定しない。相互保険会社の規律も日本ほど代理人資格を絞っていない点が対照的
韓国商法は株主の代理行使を権利として認める。相互会社の総代会についても、代理人資格を総代に限る日本型の閉鎖性は一般的でない
ドイツの相互保険組合(VVG に対する VVaG)は定款自治の幅が広く、代表員会(Mitgliedervertretung)の構成と代理の可否は定款に委ねられる。日本の総代会制度の源流にあたる
米国は州法ごとに規律が分かれ、proxy solicitation については保険監督当局の規則が及ぶ。相互会社の株式会社化(demutualization)手続で議決権の集約が争点になる点は日本と共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 総代に選ばれたが、総代会の当日に出張が重なった。定款に代理行使の定めがなければ、欠席はそのまま議決権の消滅を意味する。委任状を書いても一票にはならない。
- 総代会の議案に組織変更(相互会社から株式会社への転換)が上がったとしたら、票はどう動くか。賛成派は事前に委任状を集めて回るが、代理人になれるのは総代だけなので、票は数人の総代の手元に積み上がる。その数人の判断が、数百万人の契約者の会社形態を決める。
- 決議の内容に納得がいかない契約者。代理権を証する書面の備置期間は総代会の日から3か月しかなく、決議取消しの訴えの出訴期間も決議の日から3か月(会社法831条1項)。同じ砂時計が二つ同時に落ちている状態で、閲覧請求を後回しにすると証拠と出訴期間を同時に失う。
- 保険会社の総務担当として、あなたが委任状を受け取り検票する側に立つ。定款に根拠がない、代理人が総代でない、授権が当該総会のものでない、この3つのいずれかに当たる委任状を有効票に数えれば、決議取消しの火種を自分の手で作ることになる。
- 契約者として委任状の閲覧を請求したら、会社側から「権利の確保・行使に関する調査以外の目的だ」として拒まれた。2021年3月に施行された改正で拒絶事由が法定されており、請求書に目的をどう書いたかで通るか通らないかが分かれる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 保険証券と各社サイトの定款で、自社が相互会社か、代理行使の定めがあるかを確認2. 総代なら委任状は総代会ごとに作り直し、代理人は総代の中から一人だけ選ぶ3. 契約者として決議に疑問があれば、総代会の日から3か月以内に本店へ代理権証明書面の閲覧・謄写を請求し、請求書に「権利の確保又は行使に関する調査のため」と目的を明記4. 拒否されたら理由を書面で求め、決議取消しの出訴期間3か月と並走させる
訴えられた側:1. 受け取った委任状を、定款根拠・代理人が総代か・授権が当該総会のものか、の3点で検票し記録を残す2. 代理人は一人限りなので、複数選任された委任状の処理基準を総会前に文書化しておく3. 総代会の日から3か月は本店に備置し、社員からの閲覧請求は会社法310条8項の拒絶事由に当たるか個別に判断、一律拒否はしない4. 疑義票は決議取消しの直撃点なので、賛否が僅差の議案では顧問弁護士を当日待機させる
時効(請求できる期限):代理権の授与は総代会ごとに必要(会社法310条2項の準用)。代理権を証する書面の本店備置は総代会の日から3か月(同条6項の準用)で、社員の閲覧・謄写請求はこの期間内に限られる。総代会決議の取消しの訴えは決議の日から3か月以内(会社法831条1項)。特定の時効規定はないが、金銭請求が絡む場合は一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
学説
通説:会社法310条1項が準用から除外されていることから、相互会社の総代の代理行使権は法律上当然に認められる権利ではなく、定款の定めによって初めて創設されると解される。代理人を総代に限定する2項は、議決権が外部者へ流出することを防ぐ趣旨と理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)会社法改正(2021年3月1日施行) 会社法310条に、代理権を証明する書面の閲覧・謄写請求を会社が拒める事由が新設された。本条3項の読替え規定を通じて相互会社にも及び、社員による委任状閲覧の可否判断が個別審査へ変わった。なお本条の新設時期および改正回数は未検証であり、人的確認が必要
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により相互会社に関する規定が整備され、総代会における議決権の代理行使に関する規律が置かれた。ただし本条の新設時期および条文番号の変遷は未検証であり、人的確認を要する
- 2.令和元年(2019年) 改正:会社法310条に代理権を証する書面の閲覧・謄写請求を会社が拒める事由が新設され(2021年3月1日施行)、本条3項の読替え準用を通じて相互会社にも及んだ。社員による委任状閲覧の可否判断が個別審査へ移行した
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