民事訴訟法 第141条(呼出費用の予納がない場合の訴えの却下)
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- 裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じた場合において、その予納がないときは、被告に異議がない場合に限り、決定で、訴えを却下することができる。
- 2.前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
呼出費用の予納がない場合の訴えの却下とは何ですか?
定義呼出費用の予納がない場合の訴えの却下とは、民事訴訟法第141条に定められた規定で、「裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じた場合において、その予納がないときは、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第141条(呼出費用の予納がない場合の訴えの却下)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第141条の条文原文は「裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて原告に命じた場合において、その予納がないときは、…」で始まります。
- 民事訴訟法第141条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第141条の前の条は民事訴訟法第140条です。
- 民事訴訟法第141条の次の条は民事訴訟法第142条です。
- 民事訴訟法第141条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第141条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第141条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/141
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法141条は、原告が期日呼出費用を予納しないとき、被告に異議がない場合に限り、決定で訴えを却下できると定める。却下に対しては即時抗告ができる。
Q · 裁判所から来た「呼出費用を払え」という通知を無視したら、訴えはどうなるの?
被告に異議がなければ、決定で訴えが却下されます。
民事訴訟法141条により、裁判所が相当の期間を定めて原告に期日呼出費用の予納を命じたのに予納がないとき、被告に異議がない場合に限り、決定で訴えを却下できます。却下は門前払いにすぎず再訴は可能ですが、時効の進行や手数料の二重負担というリスクが残ります。却下決定には、告知から一週間以内に即時抗告ができます(民訴141条2項)。
解説
訴訟を起こした。だが裁判所から届いた「呼出費用を予納せよ」という通知を、専門用語だらけでよく分からないまま引き出しに放り込んだ。その瞬間、あなたの訴えは消滅の崖に立つ。民訴141条は、原告が期日の呼出しに必要な費用を相当の期間内に予納しないとき、裁判所が決定で訴えを却下できると定める。ただし、ここに玄人しか知らない仕掛けがある。却下できるのは「被告に異議がない場合に限り」だ。なぜ訴えられた側が、訴えを消す決定に口を挟めるのか。理由は単純で、却下は門前払いにすぎず、あなたは同じ訴えをもう一度起こせる。被告にしてみれば、何度も蒸し返されるより本案で決着をつけたい。だから被告は「却下するな、審理を続けろ」と主張できる。一枚の振込用紙を無視したことが、相手に主導権を渡す引き金になる。
法的な位置づけ
民事訴訟法141条は、原告が裁判所の定めた相当の期間内に期日呼出費用を予納しない場合に、被告に異議がないことを条件として、決定により訴えを却下できる旨を定める規定である。却下は訴訟要件を欠く門前払いであり、本案判決とは異なり再訴を妨げない。却下決定には即時抗告が認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.予納命令の期限を真っ先に確認 裁判所から呼出費用の予納命令が届いたら、専門用語に惑わされず「相当の期間」として指定された期限の日付を探し、カレンダーに記入する。この日付を読み飛ばすかどうかで案件の生死が決まる
- 2.書記官に予納額と方法を確認して納付 民事訴訟費用等に関する法律に基づく予納額と納付方法を、担当の裁判所書記官に電話で確認し、期限内に郵券等を予納する。印紙(手数料)とは別物なので、印紙を払ったから済んだと誤解しない
- 3.却下決定が出たら一週間以内に即時抗告 万一期限を過ぎて却下決定が出たら、決定の告知を受けた日から一週間以内に即時抗告を申し立てる(民訴141条2項、332条)。この不変期間を逃すと却下が確定する
- 4.再訴を選ぶ前に時効と手数料を試算 却下を受け入れて訴え直す場合は、時効の進行状況・相手の財産移転リスク・訴状手数料の二重負担を試算してから動く。甘く見ると再訴準備中に権利が消滅しうる
よくある質問 AI による整理
Q1呼出費用を予納しないと訴えはどうなりますか?
裁判所が定めた相当の期間内に予納がないと、被告に異議がない場合に限り、決定で訴えが却下されます(民訴141条)。手続が中断するのではなく訴え自体が消えます。
Q2訴えが却下されても、もう一度訴えられますか?
却下は本案に立ち入らない門前払いなので、再訴は可能です。ただし時効が迫っていれば再訴準備中に権利が消滅する危険があり、手数料も再度かかります。
Q3「相当の期間」とは何日くらいですか?
法律上一律の日数はなく、裁判所が事案に応じて予納命令の通知に明記します。通知に書かれた期限が起算点なので、日付を必ず確認し着金日から逆算して動く必要があります。
Q4予納する呼出費用はいくらくらいですか?
民事訴訟費用等に関する法律に基づく郵券(郵便切手)などの実費で、当事者数や送達方法により変わります。裁判所書記官に電話で予納額と方法を確認できます。
Q5被告が異議を述べると却下は止まりますか?
止まります。141条は被告に異議がない場合に限り却下できると定めるため、被告が審理続行を望めば裁判所は却下できず、本案審理が続きます。
Q6本人訴訟でも費用予納の通知は届きますか?
届きます。むしろ本人訴訟では印紙は払ったのに郵券の予納通知を見落として却下されるケースが多く、通知が来たら速やかに書記官へ確認するのが安全です。
Q7却下決定に納得できないときはどうすればいいですか?
決定の告知を受けた日から一週間の不変期間内に即時抗告を申し立てます(民訴141条2項、332条)。この一週間を過ぎると却下が確定します。
Q8国外にいる相手を訴えると呼出費用は高くなりますか?
国外送達は費用が一気に跳ね上がり、予納額が想定外に高くなることがあります。払えずに却下されるケースもあるため、国際的な訴えでは事前に予納額を見積もるべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1呼出費用って、訴えるときに払う印紙代とは別なんですか?
別物だ。訴え提起時の手数料(印紙)は訴額に応じた裁判所手数料、呼出費用は期日ごとの郵券(郵便切手)などの実費で、民訴141条が問題にするのは後者である。民事訴訟費用等に関する法律に基づき予納する。実務のポイント:多くの本人訴訟の当事者が、印紙は払ったのに郵券の予納通知を見落として却下リスクを負う。裁判所書記官に電話一本で予納額と方法を確認できるので、通知が来たら即連絡するのが鉄則だ
Q2原告が費用を払わないのに、なぜ被告の私が口出しできるんですか?
却下は本案に立ち入らない門前払いで、原告は同じ訴えを再び起こせるからだ。被告として何度も蒸し返されたくない、本案判決で決着をつけたいなら、却下に異議を述べて審理続行を求められる(民訴141条1項)。実務のポイント:実務では被告が異議を出さず却下に同調するのが多数派で、早く解放されたいからだ。だが時効や相手の資力を考えると、あえて審理を続けて請求棄却を勝ち取る方が得な場面もある。被告側こそ却下か続行かを戦略的に選ぶべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「費用を払わなければ裁判所が勝手に手続を止めてくれる」と考えて放置する人がいるが、問いの立て方そのものが違う。放置の結末は「中断」や「保留」ではなく「却下」、つまり訴え自体が消える。あなたが守りたかった権利を主張する場が、審理に入る前にまるごと失われる
- あなたから見れば「たかが呼出費用の未納」だが、被告から見れば「主導権を奪い返す好機」だ。この視点の落差が、あなたの案件の行方を相手の判断に委ねさせる。同じ事実が、立つ位置で正反対の意味を持つ
- 「却下されても、また払って訴え直せばいい」と軽く考えがちだが、その甘さの深刻度を見落としている。時効が迫っていれば再訴を準備する間に権利が消滅し、相手には財産を移す時間を与え、訴状の手数料はもう一度かかる。一度の却下が、取り返しのつかない遅延を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 却下の原因 | 民訴141条:呼出費用の不予納(被告に異議がない場合に限る) | 民訴137条:訴状の不備を補正命令に従い補正しない 民訴140条:不適法でその不備を補正できない訴え |
| 被告の関与 | 被告の異議がないことが却下の絶対条件 | 被告の関与なし(裁判長の訴状審査) 被告の関与なし(口頭弁論を経ずに却下可) |
| 却下の主体・形式 | 裁判所が決定で却下 | 裁判長が命令で訴状を却下 裁判所が判決で却下 |
| 不服申立て | 即時抗告(民訴141条2項) | 即時抗告(民訴137条3項) 控訴・上告 |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾も訴訟要件を欠く訴えを裁定または判決で却下する制度を持つが、呼出費用の不予納を被告の異議を条件として却下する日本の141条と完全に同型ではない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 裁判所から「指定の期間内に呼出費用を予納せよ」という通知が来た。意味が分からず放置したら、どうなる? 期限を過ぎた瞬間、却下の決定が動き出す。残された猶予は通知に書かれた「相当の期間」だけ、その日付を読み飛ばすかどうかで案件の生死が決まる
- あなたは訴えられた被告だ。原告が費用を払わず、裁判所が「却下していいか」と意向を訊いてきた。ここで「異議あり、審理を続けてほしい」と表明すれば、却下を止められる。なぜなら本案で請求棄却まで勝ち切れば、その原告は二度と同じ件で訴えられなくなるからだ。早く解放されたいか、決着をつけたいか、あなたの一言が分岐点になる
- 却下の決定が出た。納得できない。即時抗告の期間は告知から一週間、この一週間を逃せば却下は確定する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 予納命令の通知が届いたら、まず「相当の期間」として指定された期限を確認し、カレンダーに記入2. 民事訴訟費用等に関する法律に基づく予納額と方法を裁判所書記官に電話で確認し、期限内に納付3. 万一期限を過ぎて却下決定が出たら、告知から一週間以内に即時抗告(民訴332条)を申し立てる4. 再訴を選ぶ場合は、時効の進行と手数料の二重負担を試算してから動く
訴えられた側:1. 原告が予納命令に応じていないと分かったら、却下を望むか審理続行を望むかを先に決める2. 早期に訴訟から解放されたいなら、裁判所からの照会に「異議なし」と回答し、決定で却下させる3. 本案判決で紛争を確定させ再訴を防ぎたいなら「異議あり」と表明して審理続行を求める4. いずれの選択も、再訴の可能性・相手の資力・訴訟コストを天秤にかけて判断する
時効(請求できる期限):予納の期限は裁判所が定める「相当の期間」(通知に明記される)。却下決定への即時抗告は、決定の告知を受けた日から一週間の不変期間内(民訴332条)。この一週間を過ぎると却下が確定する
学説
通説:本条による却下は訴訟要件を欠く門前払いであり、再訴を妨げない。被告の異議を要件とするのは、却下が本案的解決を遮断することへの配慮であり、被告に本案判決を得る利益を確保する趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正(平成8年法律第109号)。旧法下の費用予納・却下の規律を整理し、現行141条として呼出費用の不予納による訴え却下と即時抗告を規定した。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に関する改正(令和4年法律第48号)。電磁的方法の導入など手続のデジタル化が進められ、関連規定が整備された。
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