民事訴訟法 第203条の2(付添い)
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- 裁判長は、証人の年齢又は心身の状態その他の事情を考慮し、証人が尋問を受ける場合に著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判長若しくは当事者の尋問若しくは証人の陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の陳述中、証人に付き添わせることができる。
- 2.前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の陳述中、裁判長若しくは当事者の尋問若しくは証人の陳述を妨げ、又はその陳述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。
- 3.当事者が、第一項の規定による裁判長の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。
この条文の基本情報
付添いとは何ですか?
定義付添いとは、民事訴訟法第203条の2に定められた規定で、「裁判長は、証人の年齢又は心身の状態その他の事情を考慮し、証人が尋問を受ける場合に著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、その不安又は緊張を緩和する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第203条の2(付添い)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第203条の2の条文原文は「裁判長は、証人の年齢又は心身の状態その他の事情を考慮し、証人が尋問を受ける場合に著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、その不安又は緊張を緩和する…」で始まります。
- 民事訴訟法第203条の2は第二節 証人尋問に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第203条の2の前の条は民事訴訟法第203条です。
- 民事訴訟法第203条の2の次の条は民事訴訟法第203条の3です。
- 民事訴訟法第203条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第203条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第203条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/203_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法203条の2は、証人が著しい不安や緊張を覚えるおそれがあると裁判長が認めるとき、証言中に付添人を隣へ付き添わせることを認める証人保護の制度である。
Q · 裁判で証言するのが怖いとき、誰かにそばにいてもらえますか?
はい。付添人を隣に付き添わせる制度があります(民訴203条の2)
民事訴訟法203条の2により、証人が年齢や心身の状態その他の事情から著しい不安または緊張を覚えるおそれがあると裁判長が認めれば、その緩和に適した付添人を証言中に隣へ付き添わせることができます。付添人は代弁者ではなく、証人が自分の言葉で落ち着いて話せるよう支える存在で、尋問や証言を妨げたり内容に不当な影響を与えてはなりません(第2項)。相手方が異議を述べれば、裁判所が決定で判断します(第3項)。この制度は刑事だけでなく民事の証言でも利用できます。
解説
セクハラの加害者を相手に損害賠償を求める裁判。証言台に立つあなたの数メートル先に、加害者本人が座っている。声が震え、頭が真っ白になる。法律はこの状況を放置していない。民訴法203条の2は、証人が年齢や心身の状態などから著しい不安や緊張を覚えるおそれがあると裁判長が認めれば、それを和らげる付添人を証言中に隣へ付き添わせることを認める。誤解されがちなのは、これが刑事裁判だけの仕組みだと思われている点だ。実際には近年の改正で民事訴訟にも導入された(最新の改正状況をご確認ください)。条件は、付添人が尋問や証言を妨げず、証言内容に不当な影響を与えないこと。つまり付添人は代弁者ではなく、あなたが自分の言葉で落ち着いて話せるようにする存在だ。この一条を知っているかどうかで、被害者であるあなたが法廷で戦えるか、証言台を前に提訴を諦めるかが変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法203条の2は証人への付添いを定める規定であり、年齢や心身の状態その他の事情により尋問時に著しい不安または緊張を覚えるおそれがある証人に対し、裁判長がその緩和に適した者を証言中に付き添わせることを認める。付添人は尋問や証人の陳述を妨げず、内容に不当な影響を与えてはならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証人尋問の期日が決まったら早めに付添いを希望 当日その場で頼むのではなく、証人尋問の期日が決まった早い段階で、自分の代理人弁護士に付添いの希望を伝える。事前に申し出ておくほうが裁判長は準備をして認めやすい
- 2.著しい不安・緊張のおそれを書面で具体的に示す 年齢、心身の状態、加害者との関係など「著しい不安や緊張を覚えるおそれ」を裏付ける具体的事情を、弁護士を通じて裁判長に書面で示す。抽象的な不安ではなく具体的事情が鍵
- 3.中立的な付添人候補を選ぶ 尋問や証言を妨げず内容に影響しない中立的な人(被害者支援団体の支援員、心理職など)を付添人候補に選ぶ。付添人には事前に「何も言わず、ただ隣にいてもらう」ことを徹底する
- 4.遮へい措置・ビデオリンク方式も併せて検討 加害者の視線を遮りたいなら遮へい措置(203条の3)、同じ部屋にいたくないならビデオリンク方式(204条)を併せて検討し、最も負担の少ない組み合わせを名指しで申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1証人への付添いとは何ですか?
証人が著しい不安や緊張を覚えるおそれがあるとき、裁判長の判断で支援者を証言中に隣へ付き添わせる制度です。民訴203条の2が根拠で、緊張を緩和する目的があります。
Q2証人の付添人は誰がなれますか?
緊張緩和に適し、尋問や証言を妨げず内容に不当な影響を与えない中立的な人です。被害者支援団体の支援員や心理職などが想定され、裁判長が適格性を判断します。
Q3証人への付添いは民事裁判でも使えますか?
使えます。付添いは刑事裁判だけの制度と誤解されがちですが、民事訴訟法203条の2にも定められ、損害賠償請求などで証言する被害者も利用できます。
Q4証人への付添いはどうやって申し立てますか?
証人尋問の期日が決まったら、できるだけ早く代理人を通じて裁判長へ希望を伝えます。年齢や心身の状態など必要性を具体的に示すと認められやすくなります。
Q5付添いと遮へい措置はどう違いますか?
付添い(203条の2)は支援者を隣に付ける緊張緩和の制度で、遮へい措置(203条の3)は加害者の視線を遮る制度です。目的が異なり、併用も可能です。
Q6付添人が認められないことはありますか?
あります。認めるかは裁判長の判断であり、必ず付けられるわけではありません。相手方が異議を述べれば裁判所が決定で判断します(第3項)。
Q7ビデオリンク方式と付添いは併用できますか?
できます。別室から映像で証言するビデオリンク方式(204条)に付添いや遮へいを組み合わせ、最も負担の少ない方法を申し立てられます。
Q8付添人が証言中に口出しするとどうなりますか?
第2項違反となり、相手方に「証言は付添人に操作された」と信用性を攻撃される隙を与えます。付添人は黙って支えるだけの存在です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1付添人って、証言中に助け舟を出してくれるんですか?
いいえ、それは禁止されています。付添人は証人が落ち着いて自分の言葉で話せるよう「そばにいる」存在で、発言を促したり内容を誘導すれば民訴法203条の2第2項違反です。実務のポイント:付添人が口を出すと、相手方に「証言は付添人に操作された」と信用性を攻撃される隙を与えます。だからこそ弁護士は事前に、付添人へ「何も言わず、ただ隣にいてください」と徹底します
Q2加害者と顔を合わせたくないんですが、付添いだけで足りますか?
付添いは緊張の緩和が目的で、加害者の視線を遮るものではありません。顔を合わせたくないなら遮へい措置(203条の3)、同じ部屋にいたくないならビデオリンク方式(204条)を組み合わせます。実務のポイント:この三つは別々の制度なので、一つ申し立てれば全部付いてくるわけではありません。必要なものを名指しで申し立てないと、付添いだけ認められて結局加害者と対面、という事態が起こり得ます
間違えやすい点 AI による整理
- 「付添いや遮へいといった証人保護は刑事裁判だけのもの」と思われているが、民事訴訟にも導入されており、損害賠償請求などで証言する被害者も使える。刑事が終わったら丸腰で民事に臨む、という思い込みで泣き寝入りする人がいる
- 付添人がいること自体は知っていても、その付添人が「何をしてはいけないか」まで知る人は少ない。付添人が証言中に発言を促したり内容を誘導すれば第2項違反となり、最悪その証言の信用性そのものが相手方に攻撃される。支えるはずの存在が、使い方を誤れば証言を台無しにする
- 「申し立てれば必ず付添人を付けられる」と考えるのは、前提が違う。付添いを認めるかどうかを決めるのは裁判長の判断であり、相手方が異議を述べれば裁判所が決定で判断する。申し立てる側であっても認められる保証はなく、なぜ必要なのかを具体的に説明する準備がいる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の内容 | 203条の2:付添人を隣に付け緊張を緩和 | 203条の3:遮へい措置で加害者の視線を遮る 204条:ビデオリンク方式で別室から証言 |
| 主な狙い | 証人の不安・緊張の緩和 | 加害者・傍聴人との視覚的遮断 加害者と同室にしない空間的分離 |
| 決定権者・異議 | 裁判長が許可、当事者の異議は裁判所が決定(第3項) | 裁判長が判断、相当性を考慮 裁判長が判断、要件は条文に明記 |
| 併用 | 203条の3・204条と併用可 | 付添い・ビデオリンクと併用可 付添い・遮へいと併用可 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は性犯罪被害者の訊問に陪同人の在場を認め、別途証人保護法で証人保護措置を整備する。日本の付添いと同種の保護要請を個別立法で実現している点が近い。
韓国は信頼関係者の同席を認め、被害者・弱い立場の証人の負担を軽減する。日本の付添いと機能的に対応する。
米国は裁判所の尋問統制権限に基づき証人を harassment から保護し、州レベルでは support person や付添犬の運用がある。明文の単一規定ではなく運用と個別立法で対応する点が日本と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 性被害を理由に損害賠償を求める裁判で、いよいよ証人尋問の日が来る。加害者と同じ部屋で証言すると思うと声が出ない。もしパニックになったら証言は失敗してしまうのか。事前に付添いを申し立てておけば、信頼できる支援者を隣に座らせ、自分のペースで話せる
- 認知機能が衰え始めた高齢の親が、遺産をめぐる訴訟で証人として呼ばれた。一人では緊張で記憶を語れない。付添人がいれば、落ち着いて自分の知っていることを話せる可能性が上がる。年齢や心身の状態は、まさに条文が想定する付添いの理由だ
- 虐待を受けた子どもが、関連する民事手続で証言する。たった一人で、大人の弁護士に囲まれる。付添人は、その子の唯一の味方として隣に座る
- あなたが被告側で、相手方証人に付き添う人物が証言中に口を挟んでいるように見えた。第3項に基づき異議を述べれば、裁判所が決定でその是非を判断する。付添人はあくまで黙って支えるだけの存在で、誘導は許されない
- 証人尋問の期日まであと数日。付添いの希望は期日の前に裁判長へ伝えておかないと、当日いきなり頼んでも付添人の適格性審査が間に合わず、認められないことがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証人尋問の期日が決まったら、できるだけ早く自分の代理人弁護士に付添いの希望を伝える2. 弁護士を通じて、年齢、心身の状態、加害者との関係など「著しい不安や緊張のおそれ」を裏付ける具体的事情を裁判長に書面で示す3. 付添人候補は、尋問や証言を妨げず内容に影響しない中立的な人(被害者支援団体の支援員、心理職など)を選ぶ4. 同時に遮へい措置(203条の3)やビデオリンク方式(204条)も検討し、最も負担の少ない組み合わせを申し立てる
訴えられた側:1. 相手方証人に付添人が認められた場合、付添人が証言中に発言を促したり誘導していないかを注視する2. 付添人の言動が第2項に反し、証言内容に不当な影響を与えていると見たら、その場で異議を述べる3. 異議を述べれば裁判所が決定で判断するので(第3項)、どの言動が問題かを具体的に指摘できるよう記録を残す4. ただし付添い自体は正当な被害者保護制度であり、必要性を頭から否定するだけの異議は、かえって裁判所の心証を悪くしうる点に注意する
時効(請求できる期限):付添いの申立てに法定の期限はないが、証人尋問の期日より前に裁判長へ申し出ておく必要がある。当日その場で求めても、付添人の適格性審査や準備が間に合わず認められないことがある(最新の運用は担当裁判所にご確認ください)
学説
通説:付添い・遮へい・ビデオリンクは、弱い立場の証人の保護と、反対尋問による真実発見との均衡を図る制度群と理解される。付添人は黙して支える存在に限られ、第2項の枠と第3項の異議権により当事者の手続保障が確保されるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正。現行民訴法の基本構造が整備される。
- 2.平成19年(2007年) 新設:犯罪被害者等の権利利益の保護を図る趣旨で、証人への付添い・遮へい措置・ビデオリンク方式といった証人保護規定が民事訴訟手続に導入された(最新の改正状況は e-Gov でご確認ください)。
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