民事訴訟法 第204条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)
クイックジャンプ
- 裁判所は、次に掲げる場合であって、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人の尋問をすることができる。
- 一証人の住所、年齢又は心身の状態その他の事情により、証人が受訴裁判所に出頭することが困難であると認める場合
- 二事案の性質、証人の年齢又は心身の状態、証人と当事者本人又はその法定代理人との関係その他の事情により、証人が裁判長及び当事者が証人を尋問するために在席する場所において陳述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合
- 三当事者に異議がない場合
この条文の基本情報
映像等の送受信による通話の方法による尋問とは何ですか?
定義映像等の送受信による通話の方法による尋問とは、民事訴訟法第204条に定められた規定で、「裁判所は、次に掲げる場合であって、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第204条(映像等の送受信による通話の方法による尋問)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第204条の条文原文は「裁判所は、次に掲げる場合であって、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることが…」で始まります。
- 民事訴訟法第204条は第二節 証人尋問に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第204条の前の条は民事訴訟法第203条の3です。
- 民事訴訟法第204条の次の条は民事訴訟法第205条です。
- 民事訴訟法第204条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第204条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第204条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/204
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法204条は、遠隔地居住の証人、または対面では精神の平穏を著しく害されるおそれがある証人について、映像と音声を双方向でつなぐビデオリンク方式での尋問を認める。
Q · 証人として呼ばれたけど、加害者と同じ法廷に出ないと証言できないの?
いいえ、ビデオリンク方式で別室や遠方から証言できる場合があります
民事訴訟法204条により、裁判所は二つの場合にビデオリンク方式で証人尋問ができます。①証人が遠隔の地に居住するとき、②事案の性質・証人の年齢や心身の状態・当事者との関係などから、在席して証言すると圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあり相当と認めるときです。申立ては証人本人だけでなく、証人を申請する当事者からもでき、裁判所の職権でも判断されます。加害者と同室での対面証言が唯一の方法ではありません。
解説
DV を続けてきた相手を相手取った損害賠償訴訟で、あなたが証人として呼ばれた。法廷に行けば加害者と同じ部屋に座り、その視線を浴びながら証言しなければならない。多くの人はそう思い込み、証言台に立つこと自体に怯える。だが民訴204条は別の道を開けている。裁判所は二つの場合に、映像と音声を双方向でつなぐビデオリンク方式で証人尋問ができる。一つは証人が遠隔の地に住んでいるとき。もう一つが鍵で、事案の性質、証人の年齢や心身の状態、当事者との関係などから、その場で証言すると「圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれ」があると裁判所が認めるとき。あなたが知っておくべきは、これが証人本人だけでなく、証人を呼ぶ当事者からも申し出られるという点だ。加害者と同室で証言させられるのが当然ではない。別室から、あるいは遠方の裁判所から証言できる制度が、最初から法律に書き込まれている。
法的な位置づけ
民事訴訟法204条は証人尋問の方法に関する特則であり、証人が遠隔の地に居住する場合、または対面での証言により精神の平穏を著しく害されるおそれがあり相当と認められる場合に、映像と音声を相互に送受信する方法(ビデオリンク方式)で尋問を実施できる旨を定める。直接主義・口頭主義の例外として機能する規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対面証言が困難な理由を整理する 証人が遠隔地に居住するか(1号)、対面で圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあるか(2号)を確認する。2号なら事案の性質・証人の年齢や心身の状態・当事者との関係を具体的に書き出す
- 2.代理人弁護士にビデオリンク尋問を相談する 民訴204条の申立てを代理人と相談する。2号要件を使うなら、診断書・カウンセリング記録・被害経緯など「圧迫」の客観的裏づけを揃える。遮へい措置(203条の3)や付添い(203条の2)との比較も行う
- 3.争点整理手続の段階で申立てを出す 証拠調べ期日が固まる前、争点整理手続の段階でビデオリンク尋問を申し立てる。設備の手配や相手方への意見聴取に時間がかかるため、期日直前ではなく早めに動く
- 4.実施場所と設備を確認して当日に備える 別室か最寄りの裁判所か、中継装置や接続環境を裁判所と調整する。宣誓のうえで証言する点、偽証すれば偽証罪(刑法169条)の対象となる点は対面と同じであることを証人に説明する
よくある質問 AI による整理
Q1ビデオリンク尋問とは何ですか?
映像と音声を双方向で送受信し、相手の状態を相互に確認しながら証人を尋問する方法です。民事訴訟法204条が根拠で、別室や遠方の裁判所から証言できます。
Q2ビデオリンク尋問はどんな場合に認められますか?
①証人が遠隔の地に居住するとき、②対面証言で圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあり相当と認めるとき、の二つです(民訴204条1号・2号)。
Q3ビデオリンク尋問は誰が申し立てられますか?
証人本人だけでなく、証人を申請する当事者の側からも申し出られます。さらに裁判所の職権でも判断されます。自分側の脆弱な証人を守るために動けます。
Q4遮へい措置とビデオリンク尋問の違いは何ですか?
遮へい措置(民訴203条の3)は同じ法廷内で視線を遮る方法、ビデオリンク(204条)は別室や遠隔地から映像で証言する方法です。保護の強さが異なります。
Q5ビデオリンク尋問の申立てはいつまでにすべきですか?
証拠調べ期日が指定される前、争点整理手続の段階で申し出るのが実務上の鉄則です。期日直前だと設備手配や相手方への意見聴取が間に合わず却下されやすいです。
Q6海外に住む証人もビデオで尋問できますか?
令和4年の IT 化改正で整備されたウェブ会議の枠組みのもと、現実的な選択肢になりつつあります。証人が国外にいるから証言は無理と諦める前に確認すべきです。
Q7ビデオリンク尋問でも反対尋問はできますか?
できます。映像越しに反対尋問が実施され、相手方の反対尋問権は失われません。表情や態度を画面で確認し、書面と矛盾する供述を突くことが可能です。
Q8ビデオリンク尋問が却下されるのはどんな場合ですか?
1号・2号の要件を満たさない場合や、相当性を欠くと判断される場合です。2号は主観的な怖さだけでは弱く、圧迫の客観的裏づけがないと認められにくいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証人が怖がっているんですが、ビデオで証言させてもらえますか?
可能性があります。民訴204条2号は、証人の年齢・心身の状態や当事者との関係から、その場で証言すると圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあり、かつ相当と認められる場合にビデオリンク尋問を認めます。実務のポイント:裁判所は「相当性」を慎重に判断するので、怖いという主観だけでは弱い。診断書や具体的な被害経緯など、圧迫の客観的裏づけを揃えた側が通りやすい
Q2ビデオでの証言って、法廷で直接話すのと比べて証拠として弱くなりませんか?
弱くなりません。204条のビデオリンク尋問も宣誓の上で行われ、虚偽の証言をすれば偽証罪(刑法169条)に問われます。反対尋問も映像越しに実施され、証拠としての効力は対面と同じです。実務のポイント:むしろ遠隔地の証人を諦めて証言なしで進める方がはるかに不利。出頭困難を理由に重要証人を欠くより、ビデオでも生の証言を取る方が立証上は強い
間違えやすい点 AI による整理
- 「証人は法廷に出頭して、当事者の目の前で証言するもの」と誰もが思い込んでいる。だが204条は、遠隔地居住か、または精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合に、ビデオリンク方式を正面から認めている。対面が原則であって唯一の方法ではない、という落差を知らない人は、使える保護を自ら手放している
- 「ビデオリンク尋問は証人本人が頼むもの」と思われがちだが、実際には証人を申請する当事者の側からも申し出られる。さらに裁判所の職権でも判断される。あなたが当事者として、自分の側の脆弱な証人を守るために動けるという視角が抜け落ちている
- 「ビデオなら証言の重みが下がって不利になる」と心配する人がいるが、誤りだ。204条のビデオリンク尋問は、宣誓の上で行われ、偽証すれば偽証罪(刑法169条)の対象になる。法廷での対面証言と法的効力は変わらない。形式が違うだけで、証拠としての価値が割り引かれるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の方法 | 204条:別室・遠隔地からビデオリンク方式で証言 | 203条の3:同一法廷内で遮へい(視線を遮る) 205条:尋問に代えて書面を提出 |
| 証人の所在 | 別室または最寄りの裁判所など法廷外 | 法廷内(仕切りで遮る) 出頭不要(書面のみ) |
| 適用要件 | 遠隔地居住、または圧迫のおそれ+相当性 | 圧迫のおそれ等+相当性 相当と認め当事者に異議がないとき |
| 反対尋問 | 映像越しに可能(反対尋問権は維持) | 可能(同一法廷で実施) 原則できない(書面のみ) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も科技設備(ビデオ)による遠隔・隔離訊問の運用がある。証人の出頭困難や保護の必要性を要件とする点で日本と方向性が近い
韓国はビデオ等中継装置による証人尋問を明文化。遠隔地や証人保護の場面で活用される点が日本204条と類似
ドイツは映像と音声の送信による審理・尋問を一般的に認める。当事者の申立てや裁判所の判断で実施され、手続全体のデジタル化が進む
米国は『good cause』と『appropriate safeguards』があれば公開法廷での同時中継による証言を認める。対面が原則だが例外的に遠隔証言を許容する構造が日本と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ハラスメント被害の損害賠償訴訟で、あなたが目撃者として証人申請された。加害者である元上司と同じ法廷に立つと思うと声が出ない。証人を申請した側の弁護士を通じて204条2号の申立てをすれば、別室からビデオリンクで証言できる可能性がある。同室で対面するのが唯一の選択肢ではない
- もし重要な証人が北海道に住んでいて、訴訟は福岡地裁で進んでいるとしたら? 往復の交通費と宿泊費、丸一日の拘束を理由に証人が出頭を渋っている。204条1号の遠隔地要件を使えば、証人は最寄りの裁判所からビデオリンクで証言でき、証言が空中分解せずに済む
- あなたが被告側で、相手方が高齢の証人をビデオリンク尋問にかけたいと申し立ててきた。対面でないと表情や態度が読み取りにくく、反対尋問で揺さぶりにくいと感じる。この申立てに「相当性」があるか、裁判所の判断前に意見を述べる機会がある
- 性被害をめぐる民事訴訟で、被害者が加害者の在席する法廷での証言を求められている。あと数日で証拠調べ期日。遮へい措置(203条の3)かビデオリンク(204条)か、どちらの保護を求めるかを今夜のうちに弁護士と詰めないと、対面尋問のまま期日を迎えてしまう
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証人として呼ばれ、対面証言が精神的に耐え難い、または遠隔地居住なら、まず代理人弁護士に204条のビデオリンク尋問の申立てを相談する2. 申立ては証拠調べ期日が指定される前、争点整理手続の段階で。遅くとも期日前の打合せまでに3. 2号要件(精神の平穏を著しく害されるおそれ)を使うなら、診断書・カウンセリング記録・関係性を示す資料で「圧迫」の具体性を裏づける4. 遮へい措置(203条の3)や付添い(203条の2)と、どれが自分に合うかも併せて検討する
訴えられた側:1. 相手方がビデオリンク尋問を申し立ててきたら、要件(遠隔地、または精神の平穏を害するおそれと相当性)を満たすか精査する2. 反対尋問の実効性が損なわれると考えるなら、相当性を争う意見を裁判所に述べる3. ビデオリンクが認められても反対尋問権自体は失われない。映像で表情・態度を確認し、書面と矛盾する供述を突く準備をする4. 過度に拒むより、証言内容そのものへの反論に資源を振り向ける方が合理的なことも多い
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただしビデオリンク尋問の申立ては、証人尋問の期日が指定される前、遅くとも争点整理手続での打合せ段階で申し出るのが実務上の鉄則。期日直前の申立ては設備手配・相手方への意見聴取が間に合わず却下されやすい(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:204条のビデオリンク尋問は直接主義・口頭主義の例外であり、遠隔地要件(1号)または精神的圧迫のおそれと相当性(2号)を満たす場合に限り認められる。宣誓と偽証罪の適用がある点で証拠価値は対面尋問と同等と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 要検証 平成8年(1996年)民訴法全部改正で遠隔地証人のビデオリンク尋問が導入され、令和4年(2022年)の IT 化改正でウェブ会議方式や精神的圧迫を理由とする尋問の範囲が整備されたと見られるが、本条2号の追加時期・施行日・新設か改正かの区別に確信がないため人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、遠隔地に居住する証人についてビデオリンク方式の尋問が導入された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:IT 化改正により、ウェブ会議方式の活用や精神的圧迫を理由とする尋問など、映像等の送受信による証人尋問の範囲が整備された(条文の構成・施行日は人的検証が望ましい)。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める