民事訴訟法 第208条(不出頭等の効果)
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当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる。
この条文の基本情報
不出頭等の効果とは何ですか?
定義不出頭等の効果とは、民事訴訟法第208条に定められた規定で、「当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認め…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第208条(不出頭等の効果)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第208条の条文原文は「当事者本人を尋問する場合において、その当事者が、正当な理由なく、出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認め…」で始まります。
- 民事訴訟法第208条は第三節 当事者尋問に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第208条の前の条は民事訴訟法第207条です。
- 民事訴訟法第208条の次の条は民事訴訟法第209条です。
- 民事訴訟法第208条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第208条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第208条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/208
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法208条は、当事者本人が正当な理由なく出頭・宣誓・陳述を拒んだとき、裁判所が尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができると定める。
Q · 裁判の当事者尋問で『答えたくない』と黙ったらどうなるの?
相手の主張が真実と認定されうる(民訴208条)
民事訴訟法208条により、当事者本人が正当な理由なく出頭せず、又は宣誓もしくは陳述を拒んだとき、裁判所は尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができます。証人のような勾引や過料はありませんが、その代わりに「真実擬制」という重い不利益が用意されています。なお民事訴訟に刑事の黙秘権はなく、また人事訴訟では職権探知主義により本条は適用されません(人事訴訟法19条)。沈黙は防御にならず、むしろ自爆になりうる構造です。
解説
裁判の最終盤、あなたは法廷の証言台に立つよう求められる。当事者尋問だ。ここで「答えたくない」と黙り込む、あるいは正当な理由なく出廷しない。多くの人は「不利なことを言わずに済む」と考える。それが致命的な勘違いである。民訴208条はこう定める。当事者が正当な理由なく出頭せず、宣誓や陳述を拒んだとき、裁判所は尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる。つまり、あなたが沈黙した瞬間、相手があなたに問おうとしていた事柄は、相手の言い分どおりに認定されうる。証人と違い、当事者本人には勾引も過料もない。その代わりに用意されているのが、この「真実擬制」という重い不利益である。黙秘は防御ではなく、自爆になりうる。
法的な位置づけ
民事訴訟法208条は当事者尋問における真実擬制を定める規定であり、当事者本人が正当な理由なく出頭せず、又は宣誓もしくは陳述を拒んだ場合に、裁判所が尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる旨を規定する。証人尋問における勾引・過料に代わる、当事者本人に対する間接的な協力確保の仕組みとして機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.当事者尋問の期日通知を受けたら原則出頭する 尋問期日の呼出しを受けたら、まず出頭を前提に準備する。黙秘や欠席は防御にならず、真実擬制を招く逆効果になる。出頭して何をどう答えるかを弁護士と詰める
- 2.やむを得ず欠席する場合は事前に正当な理由を立証 病気・入院など出頭できない事情があるときは、期日前または当日までに診断書・入院証明等の客観的資料を裁判所へ提出する。当日の電話一本だけでは『正当な理由』と認められにくい
- 3.申立側は尋問事項書を具体的・核心的に組む 当事者尋問を申し立てる側は、相手が欠席・陳述拒否したときその事項がそのまま認定対象になることを見込み、尋問事項を具体的かつ争点の核心に絞って作成する
- 4.相手の不出頭・陳述拒否を記録に残し208条適用を主張 相手が正当な理由なく欠席・宣誓拒否・陳述拒否した事実を調書に残し、呼出状の送達を確認したうえで、裁判所に対し民訴208条の真実擬制を適用すべき旨を明示的に意見として述べる
よくある質問 AI による整理
Q1当事者尋問とは何ですか?
当事者本人を証拠方法として尋問する手続です(民訴207条以下)。証人ではなく訴訟の当事者自身が宣誓のうえ陳述し、裁判所が事実認定の資料とします。
Q2真実擬制とは何ですか?
当事者が正当な理由なく尋問を拒んだ場合、裁判所が尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができる効果です(民訴208条)。証拠調べを拒んだ側への不利益として働きます。
Q3民事訴訟に黙秘権はありますか?
ありません。黙秘権は刑事手続の権利です。民事の当事者尋問で正当な理由なく陳述を拒めば、民訴208条の真実擬制が適用される余地があります。
Q4当事者尋問を欠席するとどうなりますか?
正当な理由のない欠席は、尋問事項について相手の主張が真実と認定されうる原因になります。当事者本人には勾引・過料はない代わりに、この真実擬制が課されます。
Q5当事者尋問の『正当な理由』とは?
病気・入院・災害など、客観的に出頭・陳述が期待できない事情です。診断書など客観的資料を期日前または当日までに提出して立証する必要があります。
Q6人事訴訟でも真実擬制は適用されますか?
適用されません。離婚・認知などの人事訴訟は職権探知主義をとり、人事訴訟法19条により民訴208条の真実擬制は排除されます。
Q7当事者尋問と証人尋問の違いは?
証人は第三者で勾引・過料の対象になりますが、当事者本人は勾引・過料の対象外です。その代わり当事者には民訴208条の真実擬制という不利益が用意されています。
Q8宣誓を拒むとどうなりますか?
正当な理由のない宣誓拒否も、不出頭や陳述拒否と同様に民訴208条の真実擬制の対象です。宣誓した当事者の虚偽陳述には別途過料があります(民訴209条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判で証言台に立ちたくないんですが、出ないとどうなりますか?
正当な理由なく出頭しないと、民訴208条により、相手があなたに尋ねようとしていた事柄について相手の主張が真実と認定されうる。証人と違い当事者本人には勾引・過料はないが、この真実擬制の方がはるかに重い結末になりうる。実務のポイント:弁護士は依頼者本人の尋問を最重要視する。なぜなら、ここでの欠席や曖昧な拒否が、それまで積み上げた書面の主張を一瞬で崩すから。「出たくない」と相談されたら、まず出ない選択肢のリスクを徹底的に説明する
Q2尋問で『覚えていません』を連発したら、陳述拒否になりますか?
正直に記憶がないなら陳述拒否ではない。だが明らかに知っているはずのことを不自然に「記憶にない」で押し通すと、実質的な陳述拒否、または信用性なしと評価され、208条や自由心証主義(民訴247条)で不利に働く。実務のポイント:裁判官は不自然な「記憶にない」の連発を見抜く。鍵は、答えられない理由に合理性があるか。準備不足の丸暗記回答より、矛盾しない範囲で正直に答える方が、最終的な心証は良くなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「黙秘権があるから答えなくていい」と思い込んでいる人が多い。だが黙秘権は刑事手続の話。民事の当事者尋問に黙秘権はなく、正当な理由なく陳述を拒めば208条の真実擬制が待っている。問いの立て方そのものが誤っている
- 出廷拒否に罰金がないことは知っているかもしれない。だがその「罰がない」ことの本当の意味を知らない。証人なら過料・勾引で物理的に連れてこられるが、当事者本人は連れてこられない代わりに、出てこなければ相手の主張をまるごと認められる。罰がないのではなく、もっと重い結末が用意されている
- 「離婚や認知の訴訟で相手が尋問に出てこなければ、208条で相手の不利な事実を真実と認定できる」と考える人がいる。だが前提が誤っている。人事訴訟では職権探知主義が働き、人事訴訟法19条により208条の真実擬制は適用されない。同じ「当事者尋問の欠席」でも、通常の民事訴訟と身分関係訴訟では、結末がまるで違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民訴208条:当事者の不出頭・宣誓/陳述拒否に対する真実擬制 | 民訴207条:当事者尋問の手続そのもの(本条の前提) 民訴224条:文書提出命令違反に対する真実擬制 |
| 対象となる行為 | 当事者本人の不出頭・宣誓拒否・陳述拒否 | 当事者本人の尋問の申立て・実施 命じられた文書の不提出・使用妨害 |
| 効果の性質 | 尋問事項に関する相手方主張を真実と認めることができる(裁量) | 証拠調べの一方法(効果規定ではない) 当該文書の記載・主張を真実と認めることができる(裁量) |
| 近接する擬制 | 強制(勾引・過料)はなく不利益で間接的に協力を促す | — 民訴159条:自白の擬制(争わない事実の擬制)と同型の構造 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は当事者訊問を2000年改正で導入し、当事者が正当な理由なく陳述を拒んだ場合、法院が当該訊問事項に関する他造の主張を真実と認めうるとする点で日本と同型。
韓国も当事者が正当な事由なく出席・宣誓・陳述を拒んだとき、裁判所が尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることができるとし、条文構造が日本208条とほぼ同一。
ドイツでは当事者尋問の拒否について、裁判所が全事情を考慮し当該事実を証明済みとみなすか自由心証で判断する。日本のような擬制の体裁ではなく自由心証の問題として処理する点が異なる。
米国では当事者はディスカバリで証言を強制され、拒否すれば事実を確定したものとみなす制裁や不利益推認が課される。証拠開示制度を前提とする点で構造が大きく異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸金返還請求で被告になったあなた、相手方の当事者尋問が怖くて出廷をためらったら、どうなる? 正当な理由なく欠席すれば、裁判所は「あなたが金を借りた」という相手の主張を真実と認定できる。逃げが、そのまま最大の敗着になる
- 売買代金請求の被告であるあなたが、尋問で核心を突かれるたびに「記憶にない」「答えたくない」と陳述を拒み続ける。裁判所はこれを実質的な陳述拒否とみなし、相手の主張を真実と認定できる。沈黙は盾にならない
- 当事者尋問の期日、あなたは体調不良で欠席した。だが診断書も出さず、当日の電話一本だけ。「正当な理由」と認められなければ、真実擬制が発動する
- 尋問期日まであと5日。あなたは出るか黙るか迷っている。だが「黙れば不利な発言を避けられる」という発想そのものが罠だ。出頭して堂々と反論する方が、208条のリスクを断てる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 当事者尋問を申し立てる際、尋問事項書を具体的に組む。相手が欠席・陳述拒否したとき、その事項がそのまま認定対象になる2. 相手が正当な理由なく欠席したことを記録に残す(呼出状の送達確認、不出頭の事実を調書に) 3. 裁判所に208条の真実擬制を適用すべき旨を明示的に意見として述べる4. 相手が後から診断書等の欠席理由を出してきたら、その正当性を具体的に争う
訴えられた側:1. 原則として出頭する。黙秘は防御にならず逆効果2. やむを得ず欠席するなら、期日前に診断書・出張証明など客観的資料を裁判所へ提出し「正当な理由」を立証3. 尋問では分からないことを正直に「記憶にない」と答えるのは問題ないが、明白に知る事柄を不自然に拒み続けると実質的な陳述拒否と評価される4. 不利な事実があっても、弁護士と尋問のリハーサルをして、矛盾なくどう答えるかを事前に固める
時効(請求できる期限):真実擬制は当事者尋問の期日における不出頭・宣誓拒否・陳述拒否で発動する。特定の出訴期間のような時効はないが、欠席する場合の「正当な理由」を示す資料は、期日前または期日当日までに提出する必要がある。事後の言い訳は通りにくい(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:民訴208条の真実擬制は、当事者本人に証言を物理的に強制しない代わりに、不出頭・宣誓拒否・陳述拒否という非協力に対して訴訟上の不利益を課す間接的な仕組みと理解される。『真実と認めることができる』との文言から効果は裁判所の裁量であり、自由心証主義(民訴247条)の枠内で運用される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正(平成10年施行) 旧民事訴訟法の当事者尋問規定を整理・現代語化し、現行208条として、当事者の不出頭・宣誓拒否・陳述拒否に対する真実擬制を明文化した。真実擬制の実質は旧法から引き継がれた移動・改正であり、新設ではない
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正(平成10年施行)。旧法の当事者尋問規定を整理・現代語化し、当事者の不出頭・宣誓拒否・陳述拒否に対する真実擬制を現行208条として明文化した。真実擬制の実質は旧法から引き継がれた移動・改正であり、新設ではない。
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