民事訴訟法 第209条(虚偽の陳述に対する過料)
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- 宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。
- 2.前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
- 3.第一項の場合において、虚偽の陳述をした当事者が訴訟の係属中その陳述が虚偽であることを認めたときは、裁判所は、事情により、同項の決定を取り消すことができる。
この条文の基本情報
虚偽の陳述に対する過料とは何ですか?
定義虚偽の陳述に対する過料とは、民事訴訟法第209条に定められた規定で、「宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第209条(虚偽の陳述に対する過料)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第209条の条文原文は「宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 民事訴訟法第209条は第三節 当事者尋問に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第209条の前の条は民事訴訟法第208条です。
- 民事訴訟法第209条の次の条は民事訴訟法第210条です。
- 民事訴訟法第209条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第209条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第209条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/209
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法209条は、宣誓した当事者が虚偽の陳述をしたとき、裁判所が決定で10万円以下の過料に処すと定める。証人の偽証罪と違い刑事罰ではなく前科もつかない。
Q · 民事裁判で宣誓して嘘をついたら、偽証罪で逮捕されますか?
当事者なら最高10万円の過料だけ。刑事罰はつきません
あなたが原告・被告として当事者尋問で証言する場合、宣誓して虚偽の陳述をしても民事訴訟法209条の過料(10万円以下)にとどまり、前科はつきません。刑務所行きの偽証罪(刑法169条、最長10年の拘禁刑)が成立するのは、第三者である証人が嘘をついた場合だけです。ただし金額より重いのは心証への打撃で、一度嘘を見抜かれると供述全体の信用が崩れます。なお過料決定には即時抗告でき(同条2項)、訴訟係属中に自ら虚偽を認めれば取り消される余地もあります(同条3項)。
解説
民事裁判であなたが当事者尋問に呼ばれ、宣誓させられた。ここで嘘をついたらどうなるか。多くの人は偽証罪で逮捕されると思っている。違う。民事訴訟法209条が定めるのは、最高10万円の過料、つまり前科のつかない行政上の制裁だけだ。刑務所行きの偽証罪(刑法169条、最長10年の拘禁刑)が科されるのは、第三者である証人が嘘をついた場合に限られる。当事者は自分に有利なことを言うのが当然、という前提で法律が作られているからだ。この一点を知ると、裁判の風景が変わる。相手があなたに不利な証言をしても、それは過料リスクしか背負わない割引された証拠にすぎない。だからこそ日本の裁判官は、当事者の言い分より、契約書や LINE のスクショといった書証を重く見る。勝負は法廷での発言ではなく、事件発生時に何を記録したかで決まっている。
法的な位置づけ
民事訴訟法209条は、宣誓した当事者が当事者尋問において虚偽の陳述をした場合に、裁判所が決定で10万円以下の過料を科すことを定める規定である。証人の偽証罪と異なり刑事罰ではなく前科も生じない行政上の制裁であり、過料決定には即時抗告ができ、訴訟係属中に虚偽を自認すれば事情により決定が取り消される余地もある。
よくある質問 AI による整理
Q1当事者尋問とは何ですか?
裁判所が原告・被告本人に直接事実を尋ねる証拠調べです。宣誓したうえで虚偽を述べると民事訴訟法209条の過料の対象になりますが、刑事罰の偽証罪は適用されません。
Q2過料と罰金の違いは何ですか?
過料は前科のつかない行政上・訴訟上の制裁で、罰金は刑罰の一種で前科がつきます。民訴209条の虚偽陳述は過料であり、刑事手続ではなく裁判所の決定で科されます。
Q3なぜ当事者には偽証罪が成立しないのですか?
当事者は自分に有利に語るのが当然という前提で制度が作られているためです。重い刑事罰を科すと萎縮して尋問が形骸化するため、過料という軽い制裁にとどめています。
Q4民事裁判で嘘がばれたらどうなりますか?
過料10万円以下のリスクに加え、裁判官の心証が大きく悪化します。自由心証主義(民訴247条)のもとで供述全体の信用が崩れ、本案で負ける要因になります。
Q5過料の決定に不服があるときの期限は?
即時抗告で争えます(民訴209条2項)。即時抗告の期間は決定の告知を受けた日から1週間です(民訴332条)。期間を過ぎると確定します。
Q6当事者尋問で宣誓を拒否できますか?
正当な理由なく宣誓や陳述を拒むと、裁判所は相手方の主張を真実と認めることができます(民訴208条)。拒否そのものが不利益に直結する設計です。
Q7一度した虚偽の陳述を取り消せますか?
訴訟係属中に自ら虚偽であったと認めれば、裁判所は事情により過料決定を取り消せます(民訴209条3項)。訴訟が終わる前という時間的制約があります。
Q8当事者尋問の準備で一番大切なことは?
自分の証言の練習より、契約書・メール・LINE・領収書などの書証を時系列で整理することです。日本の裁判官は当事者供述より書証を重く評価します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判で嘘をついたら、偽証罪で捕まるって本当ですか?
あなたが原告や被告として証言する場合は捕まりません。当事者の虚偽陳述は過料10万円以下(民訴209条)で、前科はつきません。偽証罪(刑法169条、最長10年の拘禁刑)が科されるのは、第三者である証人が宣誓のうえ嘘をついた場合だけです。実務のポイント:弁護士はこの差を知っているので、当事者尋問では相手の供述を額面どおり受け取りません。本当に勝負を決めるのは書証で、尋問は書証との矛盾を炙り出す補助手段。だから経験ある弁護士ほど、法廷での弁論より証拠の収集に時間をかける
Q2相手が明らかに嘘の証言をしているのに、裁判官はなぜ止めないんですか?
裁判官はその場で真偽を断定せず、すべての証拠を見てから判断するからです。当事者の供述はもともと割り引いて評価される前提なので、嘘をその場で咎める実益が薄い。最後に書証と矛盾していれば、信用性ごと崩れます。実務のポイント:相手の嘘をその場で激しく否定すると、かえって感情的に見えて自分の心証を悪くする。ベテランは相手に嘘を言わせるだけ言わせ、最終準備書面で客観証拠との矛盾を淡々と並べる。裁判官に気付かせるほうが、こちらが主張するより効く
Q3過料10万円って、嘘をつき得じゃないですか?
金額だけ見ればそう見えますが、実際の打撃は別です。一度でも嘘を見抜かれると、その当事者の供述すべての信用性が失われ、立証全体が崩れます(民訴247条、自由心証主義)。判決でその差は数百万円になりうる。実務のポイント:過料が実際に科されるケース自体まれですが、それは嘘がバレても罰されないからではなく、嘘がバレた時点で本案で負けるので、過料を待つまでもないから。罰の軽さに安心するのは、勝敗の構造を読めていない証拠です
間違えやすい点 AI による整理
- 裁判で嘘をついたら偽証罪だと思っているが、当事者の虚偽陳述は過料止まり。偽証罪が成立するのは証人(第三者)だけ。あなた自身が原告・被告として証言する場合は、刑事罰の射程外にある
- 過料10万円なら軽い、と侮る人がいる。だが本当の打撃は金額ではない。裁判官にこの人は嘘をつくと一度でも見抜かれた瞬間、その後のあなたの主張すべての信用が崩れる。10万円より、心証の喪失が判決を左右する
- あなたから見れば法廷で堂々と主張すれば裁判官は信じてくれる。だが裁判官から見れば、当事者の供述は最初から割り引いて聞くもの。この温度差を知らずに尋問に臨むと、力を入れる場所を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 民訴209条:10万円以下の過料(行政上の制裁、前科なし) | 刑法169条:偽証罪(最長10年の拘禁刑、前科あり) 民訴207条:当事者尋問と宣誓の根拠規定(制裁ではない) |
| 対象者 | 宣誓した当事者本人(原告・被告) | 宣誓した第三者の証人 当事者本人 |
| 救済・取消 | 即時抗告(2項)/訴訟係属中の自認で取消の余地(3項) | 裁判確定前の自白による刑の減免(刑法170条) — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も当事者尋問で虚偽陳述をした当事者に罰鍰(過料)を科す。刑事罰でなく秩序罰とする点で日本と共通する。
韓国も当事者尋問で宣誓した当事者の虚偽陳述を過태료(過料)で律し、刑事罰の偽証罪は証人に限る点が日本に類似する。
ドイツは当事者尋問を宣誓付きで行いうるが、虚偽の宣誓は StGB § 154の偽誓罪として刑事罰の対象になりうる点で、過料にとどめる日本と扱いが分かれる。
米国は当事者・証人を区別せず、宣誓下の虚偽供述を偽証罪として刑事処罰しうる。当事者を過料にとどめる日本とは制裁構造が根本的に異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 離婚調停がこじれて訴訟になり、あなたは当事者尋問で不倫はしていないと宣誓して証言した。だが相手がホテルの領収書とドライブレコーダーを出してきた。虚偽陳述の過料だけでなく、慰謝料の認定でこの人の供述は全部信用できないという致命的な心証が形成される
- 相手が宣誓したうえで、明らかに嘘の証言をしている。あなたはどうすればいい? その場で虚偽だと叫んでも意味はない。後で書証を突きつけ、裁判所に過料を促し、なにより裁判官の心証にこの人は嘘をつくと刻み込むのが正しい使い方だ
- 貸したお金を返せと訴えたら、相手が宣誓して借りていないと言い張る。だがあなたの手元には借用書がある。書証の前では、宣誓供述は紙くずになる。
- 明後日が当事者尋問の期日。あなたは記憶があいまいな部分をどう答えるか迷っている。宣誓した以上、断定的に嘘をつけば過料、だが覚えていないは嘘ではない。残り48時間で、答えられる事実と答えられない事実を仕分けしておかないと、法廷で墓穴を掘る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の宣誓供述で嘘だと思う部分を、その場で否定せず正確に記録(尋問調書を後で取り寄せる) 2. その証言と矛盾する書証(契約書、メール、LINE、領収書、登記)を整理3. 最終準備書面で矛盾を明示し、裁判所に虚偽陳述としての過料(民訴209条)を促す4. なにより、その矛盾で相手の供述全体の信用性を崩し、判決の心証を有利に動かす。過料そのものより心証への打撃が本命
訴えられた側:1. 宣誓した以上、断定的な虚偽は避ける。不確かな点は記憶にない、確認が必要と正直に答える、それは嘘ではない2. 自分に不利な事実も、書証で出る可能性があるなら隠さず認めたうえで説明を用意3. もし誤った供述をしてしまったら、訴訟係属中に訂正すれば過料決定を取り消してもらえる余地がある(民訴209条3項) 4. 過料の決定が出たら、即時抗告で争える(同条2項)
時効(請求できる期限):過料の決定に不服があれば即時抗告(民訴209条2項)、即時抗告期間は告知から1週間(民訴332条)。虚偽供述を訴訟係属中に自ら認めれば、裁判所は事情により過料決定を取り消せる(同条3項)、ただし訴訟が終わる前という時間的制約がある
学説
通説:当事者の虚偽陳述を刑事罰でなく過料にとどめるのは、当事者が自己に有利に陳述する本能を一定程度許容しつつ、過度な制裁による萎縮を避ける趣旨と解される。最終的な真偽判定は自由心証(民訴247条)と書証に委ねられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行209条が整備され、宣誓した当事者の虚偽陳述に対する過料、即時抗告(2項)、訴訟係属中の自認による取消(3項)の枠組みが置かれた。
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