民事訴訟法 第215条の3(映像等の送受信による通話の方法による陳述)
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裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合において、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、意見を述べさせることができる。
この条文の基本情報
映像等の送受信による通話の方法による陳述とは何ですか?
定義映像等の送受信による通話の方法による陳述とは、民事訴訟法第215条の3に定められた規定で、「裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合において、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第215条の3(映像等の送受信による通話の方法による陳述)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第215条の3の条文原文は「裁判所は、鑑定人に口頭で意見を述べさせる場合において、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しな…」で始まります。
- 民事訴訟法第215条の3は第四節 鑑定に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第215条の3の前の条は民事訴訟法第215条の2です。
- 民事訴訟法第215条の3の次の条は民事訴訟法第215条の4です。
- 民事訴訟法第215条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第215条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第215条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/215_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法215条の3は、鑑定人が遠隔地に住むときなど、裁判所がウェブ会議で口頭の鑑定意見を述べさせることを認める規定。映像と音声で相互に状態を認識する方法が要件となる。
Q · 鑑定人が遠くに住んでいたら、ウェブ会議で意見を聞いてもらえるの?
原則は裁判所の裁量で、遠隔地などの事情があれば実施されます
民事訴訟法215条の3により、鑑定人が遠隔の地に居住するときその他相当と認めるとき、裁判所は最高裁判所規則の定めにより、映像と音声の送受信で相手の状態を相互に認識しながら通話できる方法で鑑定人に口頭の意見を述べさせることができます。これは証人の映像尋問(民訴204条)を鑑定手続に及ぼしたものです。ただし「述べさせることができる」という裁量規定であり、当事者の権利ではありません。実施されるかどうかは裁判所が判断するため、早い段階で進行協議の場で具体的に申し出ることが実務上の鍵となります。
解説
医療過誤、建築の欠陥、不動産の評価。これらの裁判では、専門家である鑑定人の意見が勝敗を分ける。だが、その専門家が札幌の大学教授で、あなたの裁判は福岡だったら、どうなるか。従来は教授に出廷を頼み、日当と旅費をあなたが負担し、日程調整に何か月もかかった。215条の3は、その壁を取り払う。鑑定人が遠隔の地に住むとき、あるいは裁判所が相当と認めるとき、ウェブ会議システムで、互いの状態を画面越しに認識しながら口頭で意見を述べさせられる。ここで見落としがちなのは、これが単なる効率化ではないという点だ。画面越しの専門家に、あなた(または代理人)は反対尋問をぶつける。その準備の質が、画面という制約の中で相手の鑑定意見を崩せるかどうかを決める。手段が変われば、戦い方も変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法215条の3は、裁判所が鑑定人に口頭で意見を述べさせる際の手続規定である。鑑定人が遠隔の地に居住するときその他相当と認めるときに、最高裁判所規則の定めにより、映像と音声の送受信で相手の状態を相互に認識しながら通話できる方法によって意見を述べさせることを認める。証人尋問の映像送受信方法(民訴204条)を鑑定手続に及ぼした規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.依頼したい鑑定人の所在と出廷可否を早期確認 鑑定意見を必要とする側は、依頼予定の専門家の居住地・勤務地と出廷の可否を早い段階で確認する。遠隔地居住や多忙で出廷を渋る場合は、ウェブ会議による意見陳述という選択肢を検討する
- 2.進行協議でウェブ会議による意見陳述を申し出る 鑑定人の所在地と多忙さを示す資料を添え、進行協議または書面で、民訴215条の3によるウェブ会議での意見陳述を裁判所に申し出る。期日が固まってからでは通りにくいため、最初の段階で具体的に提案する
- 3.鑑定書・図表の提示方法を書記官と詰める ウェブ実施が決まったら、鑑定書や図表をどう提示するか(事前送付・画面共有)を裁判所書記官と事前に調整する。当日もたつかないよう、提示順序とファイル形式まで決めておく
- 4.画面越しの鑑定人質問を簡潔に設計する 申出側は質問項目を簡潔に整理し鑑定人と事前打合せをする。反対側は鑑定書の矛盾点を洗い出し、画面越しでも崩せる順序で反対尋問を組み立てる。通信障害時の中断・再実施の扱いも期日前に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定人のウェブ会議による意見陳述とは何ですか?
裁判所が鑑定人に口頭で意見を述べさせる際、映像と音声の送受信で相互に状態を認識しながら通話する方法で意見を聴く制度です。民訴215条の3が根拠です。
Q2鑑定人質問はオンラインでもできますか?
できます。ウェブ会議で意見を述べた鑑定人に対し、当事者は双方向の映像を通じて鑑定人質問(民訴215条の2)を行えます。事前の書類提示の段取りが重要です。
Q3ウェブで鑑定意見を聞いてもらうにはどう申し出ますか?
鑑定人の所在地と多忙さを示す資料を添え、進行協議や書面で、ウェブ会議による意見陳述(民訴215条の3)を裁判所に早期に申し出ます。期日が固まる前が鉄則です。
Q4対面での鑑定人尋問を求めることはできますか?
実施方法が固まる前なら、争点が専門的・微妙で表情や即答性が重要だとして対面の必要性を主張できます。ウェブ実施が決まった後では覆しにくくなります。
Q5鑑定人がウェブ会議に応じない場合どうなりますか?
本条は裁判所が方法を定める手続であり、鑑定人の負担軽減を目的とします。鑑定人の都合や設備状況も考慮され、最終的な実施可否は裁判所が判断します。
Q6ウェブ会議中に通信障害が起きたらどうなりますか?
中断・再実施の扱いは裁判所の訴訟指揮によります。実務上は障害時の取扱いを期日前に確認し、再接続や続行の段取りを書記官と詰めておくのが安全です。
Q7海外在住の鑑定人もオンラインで意見を述べられますか?
国外からのウェブ陳述は主権や司法共助の論点があり、可否の解釈が分かれています。国内の遠隔地ほど単純ではなく、個別に裁判所と協議が必要です。
Q8民訴204条の証人ウェブ尋問と215条の3は何が違いますか?
204条は証人、215条の3は鑑定人が対象です。215条の3は204条の映像方法を鑑定手続に及ぼした規定で、鑑定人質問(215条の2)と一体で機能します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1鑑定人が遠くに住んでいるんですが、必ずウェブで意見を聞いてもらえるんですか?
必ずではありません。民訴215条の3は「述べさせることができる」という裁判所の裁量規定で、当事者の権利ではないからです。近年の改正で「遠隔の地」だけでなく「その他相当と認めるとき」も加わり、認められる場面は広がりました。実務のポイント:実務では、裁判所が動くかどうかは進行協議でどれだけ早く具体的に打診したかで変わります。期日が固まってから言い出しても通りにくい。鑑定人の所在と多忙さを示す資料を添えて、最初の段階で提案するのが効きます
Q2画面越しの鑑定人に、対面と同じように反対尋問できますか?証拠の書類は見せられますか?
できます。本条は「相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法」と定め、双方向の映像で互いの反応を見ながら質問できる仕組みです。書類は事前送付や画面共有で提示します。実務のポイント:画面越しは沈黙や表情の圧力が伝わりにくく、対面より相手を崩しにくい。だからこそ、鑑定書の矛盾点を事前に送付した上で、その箇所をピンポイントで突く準備をしておくと、対面の臨場感がなくても実質的な追及ができます
間違えやすい点 AI による整理
- 鑑定人が遠方に住んでいれば必ずウェブで意見を聞いてもらえる、と思いがちだが違う。条文は「述べさせることができる」という裁判所の裁量規定であって、当事者の権利ではない。実施するかどうかは裁判所が決める。だからこそ、早い段階で進行協議の場で打診し、裁判所に動いてもらう働きかけが要る
- ウェブ会議は電話と同じようなもので、結局は対面に劣ると考える人は、本条の核心を見誤っている。条文がわざわざ「相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法」と定めているのは、単なる音声ではなく、双方向の映像で互いの表情や反応を確認できることを要件にしているからだ。心証形成の質を担保するための、計算された設計である
- これは法律家だけの手続論で自分には関係ない、と一般の当事者は思う。だが本人訴訟であなたが当事者なら、あなた自身が画面越しの専門家に質問をぶつける側になる。手続の選択を裁判所任せにした人と、自ら最適な実施方法を申し出た人とでは、同じ専門家から引き出せる証言の質が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 民訴215条の3:鑑定人の口頭意見陳述 | 民訴204条:証人の尋問 民訴215条:鑑定人の口頭意見(原則・場所無限定) |
| 方法の要件 | 映像と音声で相互に状態を認識しながら通話する方法(ウェブ会議) | 映像と音声の送受信による方法(証人版の母型規定) 口頭での意見陳述(実施方法の特則なし) |
| 発動の前提 | 遠隔の地に居住 その他相当と認めるとき(裁判所の裁量) | 遠隔地居住等、相当と認めるとき(裁判所の裁量) 鑑定人に口頭意見を述べさせる場合一般 |
| 当事者の関与 | ウェブ実施の申出・対面の必要性主張・画面越しの鑑定人質問 | 証人への反対尋問を映像経由で実施 鑑定人質問(民訴215条の2)と一体で運用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は科技設備による証人訊問を認め、鑑定に準用する。遠距訊問作業辦法が運用を定める点で日本と類似
韓国はビデオ等中継装置による鑑定人尋問を明文化。映像재판の整備が日本と並行して進んだ
ドイツは映像・音声伝送による期日参加を一般的に認め、鑑定人にも及ぶ。当事者の同意要件の扱いが議論されてきた
米国は good cause と適切な保障があれば同時伝送による証言を認める。専門家証人のリモート証言も実務上広く行われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの医療過誤訴訟で意見を頼みたい第一人者が、遠方の大学病院にいて多忙すぎて出廷を渋っていたら、どうするか。出廷依頼を諦める前に、ウェブ会議での意見陳述を裁判所に申し出る道がある。専門家の負担が下がれば、引き受けてもらえる確率は跳ね上がる
- 相手方の鑑定人が画面越しに証言する場面。あなたは反対尋問でその意見の弱点を突きたいが、対面と違って空気感が伝わりにくい。鑑定書の矛盾点をどう画面越しに突きつけるか、事前準備で勝負が決まる。証拠書類の提示方法を期日前に詰めておかないと、当日もたつく
- 建築紛争で鑑定人質問の期日が近い。あと数日で実施方法が固まる。対面でなければ心証形成に不十分だと考えるなら、いま裁判所に主張しないと手遅れになる。期日当日では遅い
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが鑑定意見を必要とする申出側のとき。1. 依頼したい専門家の所在地と出廷可否を早期に確認する2. 遠隔地居住など事情があれば、進行協議や書面で、ウェブ会議による意見陳述(民訴215条の3)を裁判所に申し出る3. 実施が決まったら、鑑定書や図表の提示方法(事前送付・画面共有)を裁判所書記官と詰めておく4. 画面越しでも要点が伝わるよう、質問項目を簡潔に整理し、専門家と事前に打合せをする
訴えられた側:あなたが相手方の鑑定人の証言を吟味する側のとき。1. 争点が専門的・微妙で表情や即時の反応が重要なら、対面尋問の必要性を実施決定前に主張する2. ウェブ実施が避けられないなら、鑑定書の矛盾点を事前に洗い出し、画面越しでも崩せる順序で反対尋問を設計する3. 提示したい証拠書類は事前送付か画面共有の段取りを確保する4. 通信障害時の中断・再実施の扱いも期日前に確認しておく
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。手続上の論点として、ウェブ実施の申出や対面尋問の必要性の主張は、鑑定人質問の期日が指定される前、遅くとも期日前の進行協議の段階で行うのが実務上の鉄則。期日当日に述べても、すでに実施方法が固まっていることが多い(最新の運用は裁判所ごとに異なるためご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟手続のIT化を進める改正で、証人の映像尋問(民訴204条)に対応する形で鑑定人のウェブ会議による口頭意見陳述を整備。「遠隔の地」に加え「その他相当と認めるとき」を要件として、実施場面を広げた(施行時期は段階的)
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