民事訴訟法 第272条(訴えの提起において明らかにすべき事項)
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訴えの提起においては、請求の原因に代えて、紛争の要点を明らかにすれば足りる。
この条文の基本情報
訴えの提起において明らかにすべき事項とは何ですか?
定義訴えの提起において明らかにすべき事項とは、民事訴訟法第272条に定められた規定で、「訴えの提起においては、請求の原因に代えて、紛争の要点を明らかにすれば足りる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第272条(訴えの提起において明らかにすべき事項)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第272条の条文原文は「訴えの提起においては、請求の原因に代えて、紛争の要点を明らかにすれば足りる。」で始まります。
- 民事訴訟法第272条は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第272条の前の条は民事訴訟法第271条です。
- 民事訴訟法第272条の次の条は民事訴訟法第273条です。
- 民事訴訟法第272条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第272条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第272条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/272
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法272条は、簡易裁判所では訴え提起の際、請求の原因に代えて紛争の要点を明らかにすれば足りると定める。法律構成がなくても少額紛争を訴えられる。
Q · 簡易裁判所なら、難しい法律の文章が書けなくても訴えを起こせるの?
はい。請求の原因に代えて紛争の要点を示せば足ります。
民事訴訟法272条により、簡易裁判所では訴え提起の際、請求の原因を法律的に特定する代わりに「紛争の要点」、つまり何がどうもめているのかを明らかにすれば足ります。「いつ・誰に・いくら貸して・期限を過ぎても返らない」程度で受理されます。さらに271条と組み合わせれば書記官に口頭で訴えを起こすことも可能で、定型訴状用紙や書記官の教示も用意されています。法律構成は、その後の口頭弁論で釈明を受けながら整えていけば足ります。
解説
敷金20万円が返ってこない。友人に貸した8万円が戻らない。いざ訴えようと思っても、「訴状には請求の原因を法律的にきちんと書かなければならないはずだ」という壁を勝手に想像して、多くの人が入口で諦める。だが140万円以下の事件を扱う簡易裁判所では、その壁が低く作られている。民事訴訟法272条は、訴えを起こすとき「請求の原因」(法律構成に沿った主張)の代わりに、「紛争の要点」、つまり何がどうもめているのかを明らかにすれば足りると定める。法律用語を並べる必要はない。「いつ、誰に、いくら貸して、約束の期限を過ぎても返ってこない」、この程度で裁判所は受け付ける。さらに271条と組み合わせれば、書記官に口頭で話して訴えを起こすこともできる。弁護士を雇わなければ裁判はできない、というその思い込みこそが、あなたを一番損させている本体だ。
法的な位置づけ
民事訴訟法272条は、簡易裁判所の訴え提起における要点主義を定める規定である。通常訴訟では訴状に請求の原因を法律的に特定する必要があるが、簡裁ではこれに代えて紛争の要点を明らかにすれば足り、訴えの入口の要件を緩和する特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求の核を一枚にまとめる 誰に・いくらを・どういう理由で求めるのかを一枚に書き出す。法律用語は不要で、「令和○年○月に8万円を貸し、期限を過ぎても返らない」程度で足りる
- 2.管轄の簡易裁判所を確認する 相手の住所地、または義務履行地を管轄する簡易裁判所を確認する(民訴4条、5条)。訴額が140万円以下であることもあわせて確認する
- 3.簡裁の窓口で定型訴状用紙を入手し記入する 簡裁の窓口で類型別の定型訴状用紙をもらい、紛争の要点を記入する。書記官に書き方を相談でき、口頭での訴え提起も可能(民訴271条)
- 4.印紙・切手を納め証拠を添えて提出する 訴額に応じた収入印紙と郵便切手を納め、契約書・やり取り・振込履歴など証拠の写しを添えて提出する
- 5.60万円以下なら少額訴訟も検討する 請求額が60万円以下なら少額訴訟(民訴368条)を選び、原則一回の期日での結審を狙う。年10回までの回数制限があるため使いどころを選ぶ
よくある質問 AI による整理
Q1紛争の要点とは何ですか?
誰に・いくらを・どういう理由で求めるのかという、もめごとの中身のことです。法律的な構成(請求の原因)まで書く必要はなく、簡裁ではこれを示せば訴えを受理されます(民訴272条)。
Q2簡易裁判所で訴えられる金額はいくらまでですか?
訴額140万円以下の民事事件が簡易裁判所の事物管轄です(裁判所法33条)。これを超える場合は地方裁判所が管轄になります。
Q3本人訴訟は弁護士なしでできますか?
できます。簡裁では要点主義(272条)や口頭提起(271条)が整い、敷金・貸金など争点が単純な類型は本人でも十分戦えます。140万円以下なら司法書士も代理できます。
Q4簡易裁判所への訴え提起の費用はいくらですか?
訴額に応じた収入印紙と、当事者に送達する郵便切手が主な実費です。少額事件なら印紙・切手で数千円程度に収まることが多く、想定より低額です。
Q5少額訴訟と通常訴訟の違いは何ですか?
少額訴訟(民訴368条)は60万円以下の金銭請求に限り、原則一回の期日で結審します。回数は年10回までで、複雑な事案には向きません。
Q6簡易裁判所の訴状はどこでもらえますか?
管轄の簡易裁判所の窓口に、貸金・敷金返還など類型別の定型訴状用紙が備え付けてあり、書記官が書き方の相談にも応じます。
Q7請求の原因がうまく書けないときはどうすればいいですか?
簡裁では紛争の要点を書けば足ります(272条)。記載が不十分でも、裁判所や書記官の釈明を受けながら口頭弁論で主張を補充できます。
Q8簡易裁判所で訴えられたら何をすればいいですか?
まず第一回期日と答弁書の提出期限を確認します。放置して欠席すると擬制自白(民訴159条)で敗訴に直結するため、事実を時系列で整理し答弁書を提出します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本当に口で言うだけで裁判を起こせるんですか?
起こせます。簡易裁判所では口頭で訴えを提起できます(民訴271条)。裁判所書記官の面前で誰に・いくらを・なぜ請求するのかを述べれば、書記官が調書を作って訴え提起になります。さらに272条で、法律的な請求の原因まで組み立てる必要はなく紛争の要点で足ります。実務のポイント:多くの簡裁には定型の訴状用紙が備え付けてあり、書記官が書き方の相談にも乗ってくれます。弁護士に連絡する前に、まず管轄簡裁の窓口に電話するのが一番安上がりです
Q2要点だけで訴えて、あとから詳しく主張を足せますか?
足せます。272条は訴え提起の入口を軽くするだけで、その後の口頭弁論で主張も証拠も補充していきます。請求の内容そのものを変える場合は訴えの変更(民訴143条)の手続を取ります。実務のポイント:要点しか書かないと、裁判所や相手から請求の趣旨を特定してくださいと求められることがあります。少なくともいくらを・どういう理由で請求するかという核(請求の趣旨)だけは最初に固めておくと、その後の進行が一気にスムーズになります
間違えやすい点 AI による整理
- 「請求の原因を法律的に組み立てられないと訴えは起こせない」と思い込んでいるが、簡裁では紛争の要点を明らかにすれば足りる。法律構成は、裁判所や書記官の釈明を受けながら後から整えていけばよい
- 「簡裁は手続が簡単」とは知っていても、その簡単さがどこまで及ぶかを知らない人が多い。要点主義(272条)だけでなく、口頭での訴え提起(271条)、定型訴状用紙の備え付け、書記官による書き方の教示まで一式そろっている。簡単さの射程を知らないと、結局その恩恵を使い切れない
- 「弁護士に頼まないと負ける」という問いの立て方そのものが、この場面では的を外している。140万円以下の簡裁事件は司法書士も代理でき、敷金・貸金・未払いのような争点の単純な類型なら本人訴訟でも十分に戦える。問うべきは「誰に頼むか」ではなく「この紛争は要点が明確か」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 訴え提起時の記載要件 | 民訴272条:請求の原因に代えて紛争の要点で足りる | 民訴134条:請求の趣旨と請求の原因を訴状に記載(一般原則) 民訴368条:少額訴訟も要点主義を前提に簡素化 |
| 適用される裁判所 | 簡易裁判所(訴額140万円以下) | 地方裁判所・簡易裁判所の通常手続 簡易裁判所(60万円以下の金銭請求) |
| 提起の方式 | 書面のほか口頭でも可(271条と併用) | 原則として訴状(書面) 原則一回の期日で結審・年10回まで |
| 想定利用者 | 弁護士を雇わない本人・司法書士代理の少額紛争 | 代理人を立てる一般の民事事件 確実に少額の金銭債権を早く回収したい人 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も簡易訴訟手続・小額訴訟手続を設け、起訴の方式を簡素化して本人による少額紛争の提起を容易にしている
韓国は少額事件審判法で口頭による訴え提起を認め、簡易・迅速な救済を図る点で日本の要点主義・口頭提起と類似する
ドイツは少額事件について裁判所が手続を裁量で簡略化できるとし、当事者の負担軽減を図る。要件緩和の発想は共通する
米国の少額裁判所は弁護士なしの本人手続を前提に、簡易な請求陳述で足りる運用が広く採られている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 貸した8万円が返ってこない。弁護士に頼めば着手金だけで足が出る。では諦めるしかないのか。簡裁なら、訴状に「令和○年○月に8万円を貸し、約束の期限を過ぎても返らない」と紛争の要点を書くだけで受理される。費用は印紙代と切手代で数千円、あなたが想像していた桁とは違う
- 退去したのに敷金15万円が返らない。大家は連絡を無視し続ける。簡裁に「敷金返還」の要点だけを書いて訴える。やることはこれだけだ
- ある日、簡裁から訴状が届いた。相手の言い分は要点しか書かれておらず、何を争えばいいのか分かりにくい。第一回期日まであと3週間。答弁書も出さず期日に欠席すると、相手の主張がそのまま認められて敗訴する(擬制自白、民訴159条)。要点しか書いていないからと油断した側が、一番危ない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求の核(誰に・いくらを・どういう理由で求めるか)を一枚にまとめる、法律用語は不要2. 相手の住所地または義務履行地を管轄する簡易裁判所を確認(民訴4条、5条) 3. 簡裁の窓口で定型訴状用紙をもらい、紛争の要点を記入、書記官に書き方を相談(口頭での提起も可、271条) 4. 印紙・郵便切手を納め、契約書・LINE・振込履歴など証拠の写しを添える5. 60万円以下なら少額訴訟も検討し、一回結審を狙う
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、まず期日と答弁書の提出期限を確認、放置は擬制自白で敗訴に直結する2. 相手の主張が要点しか書いていなくても、こちらは事実関係を時系列で整理し答弁書にまとめる3. 反論の根拠資料(領収書、契約書、やり取りの記録)を集め、第一回期日前に提出4. 少額訴訟で訴えられた場合は通常訴訟への移行を申し述べる権利がある(民訴373条)、争点が複雑なら通常手続を選ぶ
時効(請求できる期限):訴えの提起自体に一般的な期限はないが、請求権そのものに消滅時効がある。一般の債権は権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年(民法166条)。時効完成前に訴え提起や催告で時効の完成を止める必要がある(最新の改正状況をご確認ください)。手続上は、訴え提起後の第一回口頭弁論期日が最初の山場
学説
通説:272条の要点主義は、簡易裁判所における司法アクセスの保障を目的とし、訴え提起の入口要件を緩和するものと理解される。法律構成(請求の原因)の特定は、その後の口頭弁論における裁判所の釈明と当事者の主張補充によって確保され、被告の防御権は審理過程で担保されると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行民事訴訟法(平成8年法律第109号、平成10年施行)への全部改正に伴い、簡易裁判所の訴訟手続に関する特則の一つとして、訴え提起の際に請求の原因に代えて紛争の要点を明らかにすれば足りるとする要点主義を整理・明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:現行民事訴訟法(平成8年法律第109号、平成10年施行)への全部改正に伴い、簡易裁判所の訴訟手続の特則として、請求の原因に代えて紛争の要点を明らかにすれば足りるとする要点主義を整理・明文化した。
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