民事訴訟法 第273条(任意の出頭による訴えの提起等)
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当事者双方は、任意に裁判所に出頭し、訴訟について口頭弁論をすることができる。この場合においては、訴えの提起は、口頭の陳述によってする。
この条文の基本情報
任意の出頭による訴えの提起等とは何ですか?
定義任意の出頭による訴えの提起等とは、民事訴訟法第273条に定められた規定で、「当事者双方は、任意に裁判所に出頭し、訴訟について口頭弁論をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第273条(任意の出頭による訴えの提起等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第273条の条文原文は「当事者双方は、任意に裁判所に出頭し、訴訟について口頭弁論をすることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第273条は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第273条の前の条は民事訴訟法第272条です。
- 民事訴訟法第273条の次の条は民事訴訟法第274条です。
- 民事訴訟法第273条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第273条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第273条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/273
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法273条は、当事者双方が任意に裁判所へ出頭したとき、訴えの提起を口頭の陳述でできると定める。訴状を省ける簡裁の特則だが、出頭は双方の任意を要件とする。
Q · 相手と話がついた少額のもめ事、わざわざ訴状を書かずに裁判できないの?
双方で簡裁に出頭すれば口頭で訴えを起こせます
民事訴訟法273条により、当事者双方が任意に簡易裁判所へ出頭すれば、訴状を作らず口頭の陳述だけで訴えを提起できます。話がついた相手と一緒に窓口へ行けば、その場で訴訟が始まり、訴訟上の和解がまとまれば和解調書(確定判決と同一の効力)を同じ日に得られます。ただし対象は簡裁の管轄、原則140万円以下の事件に限られ、出頭はあくまで任意です。
解説
裁判を起こすには訴状という書面を作り、印紙を貼り、何週間も待つ。多くの人がそう思い込んでいる。だが簡易裁判所には抜け道がある。民事訴訟法273条だ。当事者双方が任意に裁判所に出頭すれば、訴えの提起そのものを口頭の陳述でできる。つまり、争っている相手と一緒に簡裁の窓口に行き、その場で口頭で「この件で裁判をお願いします」と告げれば、訴訟が始まる。140万円以下の金銭トラブル、敷金の返還、少額の貸し借り、こうした身近な争いで、書面作成の手間も時間も省ける。さらに双方が出向いている以上、その場で訴訟上の和解がまとまることも多く、和解調書は確定判決と同じ効力を持つ。強制執行できる債務名義が、同じ日に手に入るということだ。知っている人と知らない人で、紛争解決にかかる時間とコストが何倍も違ってくる。
法的な位置づけ
民事訴訟法273条は、当事者双方が任意に裁判所へ出頭した場合に、訴えの提起を口頭の陳述によってできると定める手続規定である。通常必要となる訴状の提出を省き、簡易裁判所における訴訟手続の簡便な特則として機能する。出頭は双方の任意を要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.簡裁の管轄内か確認する 争いが金銭支払や物の引渡しなど簡易裁判所の事物管轄か、訴額が原則140万円以下かを確認する。超える場合は275条の即決和解に切り替える
- 2.相手に任意出頭を打診する 相手に「書面で争うより、二人で簡裁に行って口頭で手早く片付けないか」と打診し、協力を取り付ける。出頭は双方の任意が要件のため同意が前提になる
- 3.双方で簡裁に出頭し口頭で訴えを提起する 管轄の簡易裁判所へ双方で出向き、任意出頭の意思を伝えて紛争の要点を口頭で陳述する。訴えの提起は口頭の陳述によってする
- 4.その場で訴訟上の和解をまとめ和解調書を取得する 分割払いや減額などの条件で訴訟上の和解が成立すれば和解調書を作成する。和解調書は確定判決と同一の効力を持つ債務名義になる(267条)
- 5.不履行があれば和解調書で強制執行する 相手が和解内容を守らない場合、和解調書を債務名義として給与や預金の差押えを申し立てる。改めて訴訟を起こす必要はない
よくある質問 AI による整理
Q1任意出頭とは何ですか?
民事訴訟法273条に基づき、当事者双方が一緒に裁判所へ出向くことです。訴状を作らず、その場で口頭の陳述により訴えを提起できます。簡易裁判所の手続で利用できます。
Q2簡易裁判所の管轄はいくらまで?
簡易裁判所の事物管轄は、訴額が原則140万円以下の民事事件です(裁判所法33条)。これを超える争いは地方裁判所の管轄となり、任意出頭による口頭提訴は使えません。
Q3任意出頭と即決和解の違いは?
任意出頭(273条)は140万円以下の簡裁事件が対象です。即決和解(275条)は金額制限がなく、起訴前に和解調書という債務名義を作れます。話がついた高額案件では即決和解が選ばれます。
Q4口頭で訴えを起こすには何が必要?
当事者双方が任意に同じ簡易裁判所へ出頭し、紛争の要点を陳述すれば足ります(272条)。詳細な訴状は不要で、本人確認書類や証拠があると手続がスムーズです。
Q5和解調書には強制執行できる効力がありますか?
あります。訴訟上の和解が成立して和解調書が作られると、確定判決と同一の効力を持ちます(267条)。相手が約束を破れば、改めて裁判をせず給与や預金を差し押さえられます。
Q6任意出頭を相手が断ったらどうなる?
出頭は双方の任意が要件なので、相手が応じなければ利用できません。その場合は通常どおり訴状を提出して訴えを提起することになります(民事訴訟法134条)。
Q7敷金返還トラブルでも任意出頭は使えますか?
金額が140万円以下で大家と返還額の話がついていれば、双方で簡裁に出頭し口頭で訴えを起こして和解調書化できます。合意に法的拘束力を持たせる手段として有効です。
Q8弁護士なしでも任意出頭できますか?
できます。簡易裁判所は本人訴訟を前提とした簡便な手続で、口頭での陳述が認められています。不安があれば法テラスや簡裁の手続案内を利用できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴状を書かなくていいって本当ですか。簡裁なら誰でも口頭で訴えられるんですか。
簡易裁判所では口頭での訴え提起が認められています(民事訴訟法271条)。さらに273条は、当事者双方が一緒に任意出頭すれば、その場で口頭の陳述で訴えを起こせると定めます。請求の原因も「紛争の要点」を述べれば足ります(272条)。実務のポイント:実は273条の任意出頭は実務ではあまり使われず、同じ目的なら275条の即決和解(起訴前の和解)が選ばれることが多い。即決和解は金額制限がなく、和解調書という債務名義が作れる。窓口で「即決和解を使いたい」と言える人は、選択肢を一つ多く持っている
Q2口頭で和解しても、相手が後で約束を破ったらどうなりますか。
双方出頭の場で訴訟上の和解が成立し和解調書が作られると、これは確定判決と同一の効力を持ちます(民事訴訟法267条)。つまり相手が破れば、改めて裁判をせずに給与や預金を差し押さえられます。実務のポイント:口約束や普通の念書では、相手が払わないとき改めて裁判を起こし勝訴判決を取らないと差押えできない。和解調書はその裁判の手間をまるごと省く債務名義です。同じ合意でも、紙の種類で差押えまでの距離が何ヶ月も違う
間違えやすい点 AI による整理
- 簡裁で口頭で訴えられることは聞いたことがあっても、273条の任意出頭の本当の威力を知らない人が多い。その場で訴訟上の和解までまとめれば、確定判決と同じ効力の和解調書が同じ日に手に入る。知識として知っているのと、債務名義まで取れると知っているのでは、行動が全く変わる
- 「裁判所に行く=相手と全面戦争」という前提で身構える人が多い。だが273条が想定するのは、すでに話がついた双方が協力して出向く場面だ。問いの立て方が逆で、争うために使うのではなく、固まった合意に法的拘束力を持たせるために使う制度である
- 「簡裁の手続だから金額に制限はない」と思いがちだが、273条の任意出頭は簡裁の事物管轄、原則140万円以下の事件に限られる。これを超える争いは、275条の即決和解という金額制限のない別ルートに切り替える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 273条:双方の任意出頭による口頭提訴 | 271条:簡裁での口頭による訴え提起 275条:起訴前の和解(即決和解) |
| 金額制限 | 簡裁の事物管轄、原則140万円以下 | 簡裁の事物管轄、原則140万円以下 金額制限なし |
| 双方出頭の要否 | 双方の任意出頭が必要 | 原告のみでも可(口頭起訴) 双方の出頭が必要 |
| 得られる効果 | その場で訴訟係属、和解で和解調書 | 訴状なしで訴訟係属 和解調書(確定判決と同一の効力) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も簡易訴訟程序で言詞による起訴を認める。少額紛争の簡便な提訴という機能で本条と対応する
韓国は少額事件審判法で口述による訴え提起を認める。本人訴訟・簡便化の趣旨が本条と類似する
ドイツは書記課の調書に対する陳述で申立てを認める。書面によらない簡便な手続入口という点で対応する
米国の少額裁判所は本人訴訟を前提とした非定型・口頭中心の手続で、少額紛争への低コストアクセスという機能が共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、貸した30万円を相手が「返すが分割にしてほしい」と言ってきたら、口約束で信じるしかないのか。いや、二人で簡裁に出向けば、その場で分割払いの和解調書が作れる。一回でも滞れば残額を一括で差し押さえられる紙が、同じ日に手に入る
- アパートを退去したら敷金が一部しか戻らない。大家とは「この金額で手を打とう」と話がついた。双方で簡裁に行けば、その合意を法的拘束力のある形に固められる
- あなたは相手から「一緒に簡裁に行って和解しよう」と誘われた。引っ越しまであと5日、早く片をつけたい気持ちは分かる。だが出頭は任意であり、不利な条件を急いで飲む前に、分割や減額の条件を一つでも準備してから臨むべきだ
- 個人事業主として納品した代金を、相手が「払う」と認めているのに振込がずるずる遅れている。140万円以下なら、双方で簡裁に出向き口頭で訴えを起こして即日和解にすれば、次に遅れたとき裁判をやり直さずに預金を押さえられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 争いが140万円以下の金銭支払や物の引渡しなど、簡裁の管轄内か確認する2. 相手に「書面で争うより、二人で簡裁に行って口頭で手早く片付けないか」と打診し、協力を取り付ける3. 双方で管轄の簡易裁判所に出向き、任意出頭の意思を伝えて口頭で訴えを提起する4. その場で訴訟上の和解がまとまれば和解調書を作成、これは確定判決と同じ効力を持つ債務名義になる5. 相手が約束を破ったら、この和解調書で給与や預金の差押えができる
訴えられた側:1. 相手から任意出頭を持ちかけられたら、争点が本当に整理されているか、不利な内容で和解を急がされていないか冷静に確認する2. 出頭はあくまで任意であり、納得できなければ応じる義務はない3. 分割払いや減額など、自分に有利な和解条件を事前に準備して臨む4. 和解調書にサインすると確定判決と同じ効力が生じ、後から覆せない。内容を一字一句確認してから署名する5. 不安があれば、事前に簡裁の手続案内や法テラスに相談する
時効(請求できる期限):273条の任意出頭そのものに期限はない。ただし請求の対象となる権利には時効がある(民法166条、債権は権利を行使できると知った時から5年または行使できる時から10年)。時効が完成する前に手続をとる必要がある。和解調書が成立すれば、その権利の時効は確定判決と同じく10年に更新される(民法169条)
学説
通説:273条の任意出頭は、簡易裁判所における口頭主義・本人訴訟の簡便化を体現する特則であり、双方の任意出頭を要件とすることで手続的保護と司法アクセスの均衡を図ると解されている。実務では同じ目的をより広く達成できる275条の即決和解が選択される場面が多いと指摘される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、簡易裁判所手続の特則として現行273条に整理された(平成10年施行)。口頭主義・簡便化の趣旨を明確化した
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