民事訴訟法 第271条(口頭による訴えの提起)
クイックジャンプ
訴えは、口頭で提起することができる。
この条文の基本情報
口頭による訴えの提起とは何ですか?
定義口頭による訴えの提起とは、民事訴訟法第271条に定められた規定で、「訴えは、口頭で提起することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第271条(口頭による訴えの提起)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第271条の条文原文は「訴えは、口頭で提起することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第271条は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第271条の前の条は民事訴訟法第270条です。
- 民事訴訟法第271条の次の条は民事訴訟法第272条です。
- 民事訴訟法第271条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第271条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第271条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/271
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法271条は、簡易裁判所では訴えを口頭で提起できると定める。訴額140万円以下に限られ、地方裁判所では原則どおり訴状の提出が必要となる。
Q · 訴状を書かなくても、弁護士なしで裁判を起こせるって本当?
簡易裁判所なら訴状なしで口頭でも訴えを起こせます
民事訴訟法271条により、簡易裁判所では訴えを口頭で提起できます。訴え提起は本来訴状の提出が原則(同法134条)ですが、訴額140万円以下を扱う簡易裁判所では、裁判所の窓口で書記官に事情を話し請求内容を聞き取ってもらうことで訴えを起こせます。ただし口頭で起こせるのは入口だけで、その後は期日が指定され、相手に呼出状が送られ通常どおり手続が進みます。勝つための立証は自分の責任として残ります。訴額が140万円を超えると地方裁判所の管轄となり、原則どおり訴状が必要です。
解説
バイト先が辞めた月の給料を払わない、退去したのに敷金が戻ってこない、友人に貸した20万円が返らない。こういうとき多くの人は「弁護士に頼む金もないし、訴状なんて書けない」と泣き寝入りする。だが140万円以下の争いなら、その前提が崩れる。民事訴訟法271条は、簡易裁判所では訴えを口頭で提起できると定めている。訴状という書面を一枚も書かず、裁判所の窓口に行って書記官に事情を話せば、それで訴え提起になる。本来、訴えは訴状の提出が原則(134条)だが、簡易裁判所はあえてその壁を取り払った。しかも書記官は、あなたが何を請求しているのかを聞き取って整理する役割を担う。法律の素人が、専門家なしで司法を動かせる、数少ない正面玄関がここにある。
法的な位置づけ
民事訴訟法271条は、簡易裁判所における訴えの提起方法に関する規定であり、訴状の提出によらず口頭で訴えを提起できる旨を定める。訴状提出を原則とする一般の訴え提起(同法134条)の特則であり、簡易迅速と本人訴訟の容易化を趣旨とする。対象は訴額140万円以下の事件に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求額が140万円以下か確認する 口頭提起が使えるのは簡易裁判所、つまり訴額140万円以下の事件に限られる。元本に遅延損害金などを加えて140万円を超えないか先に確認する。超える場合は地方裁判所で訴状が必要になる
- 2.相手の情報と証拠をまとめる 相手の氏名・住所、請求の内容と金額、証拠(契約書、LINE やメール、振込記録、領収書)を手元に整理する。口頭提起でも勝敗を決めるのは証拠なので、ここを省かない
- 3.管轄の簡易裁判所の窓口へ行く 相手の住所地または義務履行地などを管轄する簡易裁判所を調べ、窓口で書記官に口頭で訴えを提起したいと伝える。書記官が請求を聞き取って調書化する。多くの簡裁では定型訴状用紙の利用も案内される
- 4.申立手数料と郵券を納める 訴額に応じた申立手数料(収入印紙)と、相手への送達用の郵便切手を納める。これで訴え提起が完了し、後日の期日が指定される
- 5.指定された期日に出頭して立証する 後日指定される期日に出頭し、証拠で請求を立証する。出頭できない場合は早めに裁判所へ連絡する。和解を勧められることも多いため、和解条件もあらかじめ検討しておく
よくある質問 AI による整理
Q1口頭による訴えとは何ですか?
訴状という書面を作らず、簡易裁判所の窓口で書記官に請求内容を話して訴えを起こす方法です。民事訴訟法271条が根拠で、訴額140万円以下に限られます。
Q2簡易裁判所はいくらまで扱えますか?
訴額140万円以下の民事事件を扱います(裁判所法33条)。これを超える事件は地方裁判所の管轄となり、口頭提起は使えません。
Q3訴状を書かずに裁判を起こす方法はありますか?
簡易裁判所なら民事訴訟法271条で口頭提起ができます。多くの簡裁では定型の訴状用紙や記入例も用意され、書記官に相談しながら埋める方法もあります。
Q4簡易裁判所への訴えはどこに行けばいいですか?
原則として相手の住所地、または義務履行地などを管轄する簡易裁判所の窓口です。事前に管轄をウェブや電話で確認してから行くとスムーズです。
Q5口頭提起の費用はいくらかかりますか?
申立手数料(収入印紙)と郵便切手代が中心で、訴額に応じて数千円程度から。弁護士を立てない本人訴訟なら弁護士費用はかかりません。
Q6本人訴訟は素人でもできますか?
できます。簡易裁判所は本人訴訟を前提に作られ、書記官が請求内容の整理を手伝います。ただし証拠の準備と立証は自分で行う必要があります。
Q7口頭提起したあとはどう進みますか?
書記官が請求を調書化したのち、期日が指定され相手に呼出状が送られます。指定された期日に出頭し、証拠で主張を立証します。
Q8請求額が140万円を超えたらどうなりますか?
簡易裁判所の事物管轄を超え、地方裁判所の管轄になります。地裁では原則どおり訴状の提出が必要で、口頭提起という入口は使えなくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本当に弁護士なしで、口で言うだけで裁判を起こせるんですか?
起こせます。民事訴訟法271条で、簡易裁判所(訴額140万円以下)に限り口頭での訴え提起が認められ、書記官が請求内容の整理を手伝います。ただし口頭で起こせるのは入口の話で、その後の立証は自分の責任です。実務のポイント:多くの簡易裁判所には定型の訴状用紙や記入例が窓口やウェブで用意されており、実務では完全な口頭より、この定型用紙を書記官に相談しながら埋める方がスムーズ。証拠だけは自分で揃えていくのが鉄則です
Q2少額訴訟と口頭提起って何が違うんですか?
少額訴訟は60万円以下の金銭請求を原則1回の期日で終える特別な手続(民事訴訟法368条)で、口頭提起は訴えの起こし方、つまり書面か口頭かの話です。次元が別なので、少額訴訟を口頭で提起することもできます。実務のポイント:少額訴訟は同一裁判所で年10回までという回数制限があり、相手が通常訴訟への移行を申し立てると普通の裁判になります。相手が移行を求めそうな複雑な事案なら、最初から通常の手続を選んだ方が二度手間になりません
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判を起こすには訴状という難しい書面を作り、弁護士を雇わないと無理」と思い込まれている。だが簡易裁判所では271条により口頭で提起でき、書記官が請求内容の整理を手伝う。書面作成能力は、訴え提起の条件ではない
- 口頭で訴えられること自体は知っていても、それが簡易裁判所、つまり訴額140万円以下の争いに限られることを知らない人は多い。地方裁判所では原則どおり訴状が必要で、金額が140万円を超えた瞬間、この正面玄関は使えなくなる
- 「口頭で起こせるなら、その場で言えば即座に裁判が進む」と考えるのは、問いの立て方が違う。口頭提起はあくまで入口であって、その後は期日が指定され、相手に呼出状が送られ、通常どおり手続が進む。簡単なのは入口だけで、勝つための立証はあなたの仕事として残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 提起の方法 | 271条:簡易裁判所で口頭により提起できる | 134条:原則は訴状(書面)の提出 368条:少額訴訟(書面・口頭いずれも可、特別手続) |
| 対象となる事件 | 簡易裁判所の事物管轄(訴額140万円以下) | 地裁・簡裁すべての通常訴訟 60万円以下の金銭支払請求に限定 |
| 手続の特徴 | 書記官が請求を聞き取り整理、本人訴訟に親和的 | 請求の特定を書面で厳格に固定 原則1回の期日で審理を終える |
| 回数・移行の制約 | 特段の回数制限なし | 制限なし 同一簡裁で年10回まで、被告の申立てで通常訴訟へ移行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も簡易訴訟程序と小額訴訟程序を設け、簡易事件では言詞起訴を認めるなど、本人による簡易な提起を許容している点で日本と方向性が共通する
韓国は小額事件審判法で口頭による訴え提起を明文で認める。少額事件の本人訴訟を容易にする趣旨で日本の271条と近い
ドイツは書記課への口頭による申立て(§ 129a)と低額事件の簡易手続(§ 495a)を別個に規定し、機能を分担させている
米国の少額裁判所は州ごとに制度が分かれるが、弁護士なしの本人主導・簡易な申立てを前提とする点で口頭提起の理念に通じる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退去して半年、敷金8万円が返ってこない。督促しても無視される。弁護士を雇えば8万円より費用がかさむ。ならどうする? 簡易裁判所に行き、書記官に口頭で敷金返還の訴えを起こせばいい。かかるのは申立手数料の数千円だけだ
- あなたが個人で小さな店をやっていて、取引先から「20万円払え」と簡易裁判所の呼出状が届いた。相手は弁護士もつけず口頭で訴えてきた。だが素人の訴えだからと侮ってはいけない。書記官が請求をきちんと整理しているので、答弁書を出さず欠席すれば、そのまま負ける
- 給料未払いで簡裁に訴えたい。だが相手の会社が来週にも資産を移すという噂が立っている。今日中に窓口へ行き、口頭で訴えの提起と保全の相談をする。動きの速さが、そのまま回収率になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求額が140万円以下か確認、超えるなら地裁で訴状が必要2. 相手の氏名・住所、請求の内容と金額、証拠(契約書、LINE、振込記録)を手元にまとめる3. 相手の住所地または義務履行地を管轄する簡易裁判所の窓口へ行き、書記官に口頭で訴えを提起したいと伝える4. 書記官が請求を聞き取って調書化、申立手数料(収入印紙)と郵券を納める5. 後日指定される期日に出頭し、証拠で立証する。入口は口頭でも、勝敗を決めるのは証拠だ
訴えられた側:1. 簡易裁判所から呼出状や訴状(口頭提起なら調書の写し)が届いたら、まず期日と請求内容を確認2. 反論があるなら答弁書を期日前に提出、欠席すると擬制自白で相手の主張がそのまま認められ敗訴する3. 請求が過大、または事実と違うなら証拠を揃えて争う4. 和解の余地があれば、簡裁は和解を勧めやすいので早期和解も選択肢5. 訴額が小さくても放置は禁物、確定判決は強制執行の根拠になる
時効(請求できる期限):口頭提起そのものに期限はないが、請求できる権利には時効がある。賃金は5年(当面は経過措置で3年、労働基準法115条、最新の改正状況をご確認ください)、敷金返還や貸金など一般債権は権利を行使できると知った時から5年または行使可能時から10年(民法166条)。時効が完成すると、口頭で訴えても相手に時効を主張されれば負ける
学説
通説:271条の口頭提起は、簡易裁判所の簡易・迅速の理念と本人訴訟による司法アクセスの保障を具体化した特則と解されている。口頭提起はあくまで訴え提起の方式の問題であり、提起後は通常の訴訟手続に従って審理が進む点に争いはない。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法を全面改正して現行法を制定。簡易裁判所の訴訟手続に関する特則を第2編第8章に整理し、口頭による訴えの提起を271条として規定した。口頭提起という庶民向けの簡易な入口は旧法下の制度を引き継いでいる
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:旧民事訴訟法を全部改正して現行法を制定。簡易裁判所の訴訟手続に関する特則を第2編第8章に整理し、口頭による訴えの提起を271条として規定した。口頭提起という庶民向けの簡易な入口は旧法下の制度を引き継いでいる。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める