民事訴訟法 第276条(準備書面の省略等)
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- 口頭弁論は、書面で準備することを要しない。
- 2.相手方が準備をしなければ陳述をすることができないと認めるべき事項は、前項の規定にかかわらず、書面で準備し、又は口頭弁論前直接に相手方に通知しなければならない。
- 3.前項に規定する事項は、相手方が在廷していない口頭弁論においては、次の各号のいずれかに該当する準備書面に記載し、又は同項の規定による通知をしたものでなければ、主張することができない。
- 一相手方に送達された準備書面
- 二相手方からその準備書面を受領した旨を記載した書面が提出された場合における当該準備書面
- 三相手方が第九十一条の二第一項の規定により準備書面の閲覧をし、又は同条第二項の規定により準備書面の複写をした場合における当該準備書面
この条文の基本情報
準備書面の省略等とは何ですか?
定義準備書面の省略等とは、民事訴訟法第276条に定められた規定で、「口頭弁論は、書面で準備することを要しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第276条(準備書面の省略等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第276条の条文原文は「口頭弁論は、書面で準備することを要しない。」で始まります。
- 民事訴訟法第276条は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第276条の前の条は民事訴訟法第275条の2です。
- 民事訴訟法第276条の次の条は民事訴訟法第277条です。
- 民事訴訟法第276条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第276条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第276条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/276
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法276条は、簡易裁判所の口頭弁論を書面で準備しなくてよいと定める。ただし相手方が欠席した法廷では、送達済みの準備書面か事前通知をした事項しか主張できない。
Q · 簡易裁判所では、主張を書面に残さず口頭で言うだけでいいんですか?
原則は口頭でよいが、相手欠席時は書面分しか通らない
民事訴訟法276条1項により、簡易裁判所の口頭弁論は書面で準備する必要がなく、法廷で口頭で主張できます。ただし2項で、相手が準備なしに答えられない事項は書面化または事前通知が必要とされ、3項では、相手が在廷しない口頭弁論において、送達済みの準備書面に記載した事項か事前通知をした事項でなければ主張できません。相手が欠席すると、口頭でしか述べなかった主張は無効化されるため、重要な主張は必ず準備書面に残して送達しておくのが安全です。
解説
敷金が返ってこない、貸した数万円を踏み倒された。140万円以下のもめごとは簡易裁判所が舞台になり、ここでは弁護士をつけず自分一人で戦う人が大半だ。276条1項は、その人たちのために「口頭弁論は書面で準備しなくてよい」と定める。地方裁判所なら主張は準備書面に基づいて行うのが原則だが、簡裁ではその堅苦しさを外し、法廷で口頭で語ればよい。ここまでは敷居を下げる優しい条文に見える。だが2項と3項に罠がある。相手が即答できないような新しい主張は、書面にするか期日前に直接伝えておかねばならない。そしてもし相手が法廷に来なかった場合、あなたが書面に残さず口頭でしか言わなかった主張は、一切なかったことにされる。口で勝負できる自由と引き換えに、相手の欠席があなたの口頭主張を無効化する仕組みが埋め込まれている。
法的な位置づけ
民事訴訟法276条は、簡易裁判所における口頭弁論の準備を定める規定であり、地方裁判所で原則とされる準備書面による主張提出を不要とする。ただし相手方が準備なしには応答できない事項は書面化または事前通知を要し、相手方が在廷しない場合には送達済みの準備書面または通知済みの事項に限り主張が許される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.簡易裁判所に訴状を提出する 訴額140万円以下であることを確認し、相手方の住所地等を管轄する簡易裁判所に訴状を提出する。請求の趣旨・原因・主張は訴状に漏れなく書き込み、後で「書面に残していなかった」事態を防ぐ
- 2.重要な主張を準備書面にまとめる 簡裁では口頭で足りるが、相手が準備なしに答えられない事項や、相手が欠席しそうな事案では、言いたい主張を準備書面に書き切る。民訴276条3項の壁を避けるための保険になる
- 3.準備書面を期日前に送達しておく 準備書面は期日に間に合うよう相当の期間前までに裁判所へ提出し、相手方への送達を完了させる。相手欠席の法廷では送達済みの事項しか主張できないため、送達控えは必ず保管する
- 4.第一回期日で書面に沿って口頭陳述する 期日では準備書面に沿って要点を口頭で陳述する。新たに思いついた主張はその場で言い切らず、次回までに書面化して送達する。相手が口頭で出した不意打ちの新主張には、準備なしに答えられないと異議を述べる
よくある質問 AI による整理
Q1準備書面とは何ですか?
口頭弁論で主張する内容を期日前に裁判所と相手方へ提出する書面です。地裁では原則必要ですが、簡裁では民訴276条1項により省略できます。
Q2簡易裁判所で準備書面は必要ですか?
民訴276条1項により原則不要です。ただし相手が準備なしに答えられない重要な主張や、相手が欠席する場合は、書面化・送達しておかないと主張できません。
Q3少額訴訟のやり方は?
140万円以下なら簡裁に訴状を提出します。主張は訴状や準備書面に書き、証拠の写しを期日分用意し、第一回期日で口頭陳述するのが基本の流れです。
Q4簡易裁判所はいくらまで扱えますか?
訴額140万円以下の民事事件が簡易裁判所の事物管轄です(裁判所法33条)。これを超える事件は地方裁判所が扱います。
Q5準備書面はいつまでに出せばいいですか?
期日に間に合うよう、相当の期間前までに提出・送達します(民事訴訟規則79条参照)。相手欠席に備える主張は期日前の送達完了が必須です。
Q6相手が欠席したら準備書面なしでも勝てますか?
勝てるとは限りません。民訴276条3項により、相手欠席の法廷では送達済み準備書面か事前通知をした事項しか主張できず、口頭だけの主張は封じられます。
Q7簡易裁判所で弁護士は必要ですか?
必須ではありません。本人訴訟が想定されています。訴額140万円以下なら認定司法書士も代理人になれます(司法書士法3条)。
Q8簡裁の口頭主義と地裁の違いは何ですか?
地裁は準備書面による主張提出が原則ですが、簡裁は民訴276条で書面準備を不要とし、法廷での口頭陳述を認める点が大きく異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1簡易裁判所って、弁護士なしで本当に勝てるんですか?
勝てます。簡裁は本人訴訟を想定して作られ、276条1項で書面準備すら不要とされています。ただし負ける人の典型は、言いたいことを口頭だけで済ませ、相手が欠席して3項の壁にぶつかるパターンです。実務のポイント:裁判所書記官は手続の進め方は教えてくれますが、あなたに有利な主張を「書面に残しておけ」とまでは助言してくれません。口頭主義を額面どおり受け取らず、重要な主張は必ず準備書面に落とすのが、本人訴訟で勝つ人の共通点です。
Q2相手が裁判に来なかったら、自動的に私の勝ちですよね?
ほぼそうですが、落とし穴があります。相手の欠席で擬制自白(民訴159条)が働くのは、あなたが書面で主張し送達済み、または事前通知済みの事項だけ。276条3項により、口頭でしか言わなかった主張は相手不在の法廷では主張できません。実務のポイント:欠席判決を確実に取りたいなら、訴状や準備書面に主張を漏れなく書き切り、送達まで済ませておくこと。「当日、口頭で補足すればいい」という発想が、欠席というチャンスを取りこぼす最大の原因です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「簡裁は書面準備が不要だから、何も用意せず口で言えばいい」と受け取りがちだが、それは相手が出席している前提での話。相手が欠席した瞬間、書面化も事前通知もしなかった主張は3項で使えなくなる
- 「口頭で済ませてよい」という1項は知っていても、その自由が相手の出席を暗黙の前提にしていることまで知る人は少ない。相手の欠席は普通あなたに有利な事情のはずなのに、276条3項の下では、準備の足りないあなたの口頭主張をむしろ封じる方向に働く。自由の深刻な裏面を見落としている
- 「相手が欠席すれば自動的に全面勝訴」と思い込んでいる人が多いが、欠席で擬制自白(民訴159条)が成立するのは、あなたが書面で主張し送達済み、または事前通知済みの事項に限られる。あなたの認識している「全面勝訴」と、法廷が認める範囲には落差がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主張の提出方式 | 民訴276条:簡裁では書面準備不要、口頭で主張可 | 民訴161条:地裁は準備書面による主張が原則 民訴368条:少額訴訟(簡裁の特則、一期日審理) |
| 相手欠席時の扱い | 民訴276条3項:送達済み準備書面・通知済み事項しか主張できない | 民訴158条:欠席当事者の訴状・準備書面は陳述擬制 民訴159条:争わない事実は自白擬制 |
| 制度趣旨 | 本人訴訟のアクセス容易化と相手方への不意打ち防止の両立 | 争点整理の充実と審理の計画化 少額紛争の簡易・迅速な解決 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も簡易訴訟程序で言詞起訴を認め、準備の簡略化により本人訴訟のアクセスを容易にする点で日本と共通する
韓国は少額事件審判法により口頭での簡易審理を認め、当事者本人による迅速な解決を志向する点で類似する
ドイツは少額事件について区裁判所が裁量で手続を定められ、書面主義を緩和できる点で本条の趣旨に通じる
米国の少額裁判所は formal pleading を要さず口頭・略式の手続を採り、弁護士なしの本人参加を前提とする点で発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退去後に敷金10万円が返ってこない。大家は連絡を無視。あなたは簡裁に少額訴訟を起こすが、法廷で口頭で説明すればいいと思い込み、主張を書面に残さなかった。当日、大家は欠席。普通なら勝ちのはずが、書面化も事前通知もしなかった新しい主張は3項で封じられ、請求の一部が認められない事態になる
- もしあなたが携帯料金の未払いで簡裁に呼び出されたら、どうなる。答弁書も出さず欠席すれば擬制自白(民訴159条)で即敗訴の方向だ。だが相手が法廷で持ち出してきた新主張に事前通知も書面化もなければ、それはあなたの反撃の糸口になる
- 貸した5万円が返らない。少額訴訟の訴状に主張を全部書き込み、送達も済ませた。相手が来なくても、あなたの主張はそのまま判決の土台になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴状とは別に、言いたい主張を準備書面にまとめ、期日の相当期間前までに裁判所と相手方へ提出・送達する2. 相手が欠席しそうなら特に、口頭で済ませず必ず書面化する(3項の壁の回避) 3. 契約書・領収書・LINE履歴などの証拠は写しを期日数分用意し、原本も持参4. 第一回期日では書面に沿って要点を口頭で陳述、新たに思いついた主張はその場で言い切らず次回までに書面化する
訴えられた側:1. 呼出状を無視して欠席すると擬制自白(民訴159条)で負ける、必ず答弁書を出すか出頭する2. 相手の主張に事前通知も書面化もない新主張があれば、準備なしには答えられないと異議を述べる3. 反論は答弁書・準備書面に書いて事前に送達し、口頭だけで戦わない4. 訴額140万円以下なら認定司法書士の代理も選択肢、弁護士より費用を抑えられる(司法書士法3条)
時効(請求できる期限):276条自体に時効はない。簡易裁判所の事物管轄は訴額140万円以下(裁判所法33条)。準備書面は期日に間に合うよう、遅くとも期日の相当期間前(民事訴訟規則79条参照)に提出・送達しておく必要がある。相手の不意打ち主張に異議を述べる機会は、その期日中に限られる
学説
通説:276条1項は簡易裁判所の口頭主義を徹底し本人訴訟のアクセスを容易にする趣旨だが、2項・3項は相手方の手続保障(不意打ち防止)を担保するための例外であり、両者は対立ではなく機能分担と理解される。特に3項は相手不在の法廷における防御不能を防ぐ安全弁とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により現行276条として整理。簡易裁判所手続の特則として口頭弁論の書面準備不要を明文化し、相手方保護の例外を2項・3項に置いた
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