民事訴訟法 第279条(司法委員)
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- 裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。
- 2.司法委員の員数は、各事件について一人以上とする。
- 3.司法委員は、毎年あらかじめ地方裁判所の選任した者の中から、事件ごとに裁判所が指定する。
- 4.前項の規定により選任される者の資格、員数その他同項の選任に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
- 5.司法委員には、最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。
この条文の基本情報
司法委員とは何ですか?
定義司法委員とは、民事訴訟法第279条に定められた規定で、「裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第279条(司法委員)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第279条の条文原文は「裁判所は、必要があると認めるときは、和解を試みるについて司法委員に補助をさせ、又は司法委員を審理に立ち会わせて事件につきその意見を聴くことができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第279条は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第279条の前の条は民事訴訟法第278条です。
- 民事訴訟法第279条の次の条は民事訴訟法第280条です。
- 民事訴訟法第279条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第279条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第279条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/279
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法279条は、簡易裁判所が必要と認めるとき、和解の補助や審理での意見陳述のために司法委員を関与させられると定める。司法委員は選任された一般市民で、判決の評決権はない。
Q · 簡易裁判所の和解室で隣に座って話を進めてくる人、裁判官じゃないなら誰?
裁判官ではなく、選任された一般市民の司法委員です
簡易裁判所の和解室で隣に座り話を進めるのは、裁判官とは別の司法委員であることが多いです(民事訴訟法279条)。地方裁判所が毎年選んだ一般市民の中から事件ごとに指定される非常勤の存在で、和解の補助と審理での意見陳述を担当します。判決の評決権はありませんが、和解の場では「この条件が妥当」と促すことで事実上の影響力を持ちます。本人訴訟では、この人の心証を取れるかどうかで提示される和解条件が変わります。
解説
敷金が返ってこない。貸した十万円を踏み倒された。こうした百四十万円以下の揉め事で簡易裁判所に立つと、法廷や和解室で裁判官の隣に、もう一人誰かが座っていることがある。黒い法服も着ていない、弁護士バッジもつけていない。それが司法委員だ。地方裁判所が毎年あらかじめ選んでおいた一般市民の中から、事件ごとに指名される非常勤の存在である。役割は二つ。一つは和解の補助、当事者の間に入って話をまとめる役。もう一つは審理に立ち会い、事件について意見を述べる役。あなたが知っておくべきは、裁判官はその意見を聞くという点だ。判決を下すのは裁判官だが、和解の流れを実際に動かしているのは、しばしばこの司法委員である。あなたが「あの人は書記官か何かだろう」と無視して裁判官だけに話していると、和解の主導権を握っている相手を取りこぼすことになる。
法的な位置づけ
司法委員とは、簡易裁判所の民事手続において、裁判所が和解を試みる際の補助、または審理への立会いと事件についての意見陳述を担う非常勤の関与者をいう。地方裁判所が毎年選任した者の中から事件ごとに指定され、判決の評決権を持たず、専門家である裁判官だけでは拾いにくい市民の生活感覚を手続に反映する役割を果たす。
よくある質問 AI による整理
Q1司法委員はどうやって選ばれるのですか?
地方裁判所が毎年あらかじめ候補者を選任し、その中から事件ごとに裁判所が指定します(民訴279条3項)。資格や員数の細目は最高裁判所規則で定められます。
Q2司法委員に報酬はありますか?
報酬という形ではなく、最高裁判所規則で定める額の旅費・日当・宿泊料が支給されます(民訴279条5項)。非常勤の市民協力者という位置づけです。
Q3司法委員と調停委員の違いは何ですか?
司法委員は簡易裁判所の訴訟で和解補助や意見陳述を担い、調停委員は民事調停で調停を進めます。どちらも一般市民ですが、関与する手続が訴訟か調停かで異なります。
Q4簡易裁判所の和解では司法委員が必ず立ち会いますか?
必須ではありません。裁判所が必要と認めるときに関与させられる制度で(民訴279条1項)、すべての事件に司法委員がつくわけではありません。
Q5司法委員は一件につき何人つきますか?
員数は各事件について一人以上とされています(民訴279条2項)。事件の内容に応じて裁判所が指定します。
Q6司法委員の資格は弁護士に限られますか?
限られません。多くは地域の有識者や実務経験者などの一般市民で、法律家である必要はありません。資格の細目は最高裁判所規則が定めます。
Q7司法委員の意見に裁判官は拘束されますか?
拘束されません。司法委員は意見を述べるだけで評決権はなく、判決を下すのは裁判官です。ただし和解の局面では事実上の影響力があります。
Q8司法委員制度はどの裁判所にありますか?
司法委員は簡易裁判所の民事手続の制度です。地方裁判所には専門的事項を扱う専門委員などの別制度があり、混同しないよう注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1簡易裁判所で隣に座ってた人、裁判官じゃなかったみたいなんですが、誰なんですか?
司法委員です(民事訴訟法279条)。地方裁判所が毎年あらかじめ選んでおいた一般市民の中から、事件ごとに指定される非常勤の存在で、和解の補助や審理での意見陳述を担当します。法律家とは限りません。実務のポイント:本人訴訟だと当事者は裁判官にばかり話しがちですが、和解の現場を実際に回しているのは司法委員であることが多い。最初にこの人の心証を取れるかどうかで、提示される和解条件が変わってきます
Q2司法委員の意見って、判決にどこまで影響するんですか?
司法委員は意見を述べるだけで、判決の評決権はありません(民事訴訟法279条1項)。最終的に判決を下すのは裁判官です。ただし和解の局面では、司法委員が「この条件が妥当」と促すと裁判官もそれを後押しすることが多く、事実上の影響力は小さくありません。実務のポイント:だからこそ判決で勝ちにいくより、和解の場で司法委員を味方につける方が、時間も費用もかからず実利が大きいケースが多い。簡易裁判所は和解で終わる事件が非常に多い、という前提を知っておくべきです
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば司法委員は「隣に座っているだけの人」だが、裁判官から見れば、市民の生活感覚と現場常識を補ってくれる相談相手である。この温度差を知らないまま「判決を下す人ではないから」と軽視すると、和解の場で最も影響力を持つ人物を敵に回すことになる
- 「司法委員に好印象を与えれば判決で勝てる」と考える人がいるが、問いの立て方そのものが違う。司法委員は判決の評決権を持たない。効くのは和解の局面であって判決そのものではない。狙うべきは判決での味方化ではなく、和解条件の誘導だ
- 司法委員は裁判所の常勤職員だと思われがちだが、違う。多くは地域の有識者や実務経験者などの一般市民で、地方裁判所が毎年選んだ候補の中から事件ごとに指名される非常勤の存在である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 正体 | 司法委員(民訴279条):選任された一般市民の非常勤関与者 | 裁判官:判決を下す常勤の法律家 裁判所書記官:調書作成等を担う常勤職員 |
| 判決への権限 | 評決権なし、意見陳述のみ | 判決の評決権を持つ 判断権限なし(手続事務) |
| 和解での役割 | 和解の補助、流れを実際に動かすことが多い | 和解を試み最終決定する 和解調書の作成等 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は訴訟前・訴訟中の調解で素人の調解委員が紛争解決を補助する点で発想が近いが、簡易裁判所訴訟内の和解補助という日本の枠組みとは制度位置が異なる。
韓国は民事調停で一般市民の調停委員が関与する。訴訟ではなく調停手続を担う点で日本の司法委員とは置かれる手続が異なる。
フランスは無償のボランティア市民である調停人が紛争解決を補助する。素人市民を活用する思想は共通するが、裁判所附属の独立機能として整備されている。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 敷金返還で大家を簡易裁判所に訴えた。第一回期日、裁判官に「では和解室で話しましょう」と促され別室に通されると、そこで主に話を回していたのは裁判官ではなく司法委員だった。この人に向かって話していいのか、無視すべきか判断できずに固まる。実はこの場の流れは、その人が握っている
- もし相手方が「司法委員の意見なんて聞く必要があるのか」と突っぱねたら、どうなる。司法委員に判決の評決権はなく、裁判官が意見に拘束されることもない。だが和解の場で司法委員が「この条件が妥当」と言えば、裁判官もそれを後押しすることが多い。突っぱねた側が、結局は心証で損をする
- 貸金返還の本人訴訟。司法委員が「半額で和解しては」と促してくる。あなたが事情をうまく説明できなければ、その提案がそのまま和解案になる。
学説
通説:司法委員制度は、専門家である裁判官だけでは拾いきれない市民の生活感覚や現場常識を和解・審理に反映するための仕組みと理解される。司法委員に評決権を与えず意見陳述と和解補助に役割を限定することで、判決の専門性は裁判官に残しつつ和解局面でのみ市民感覚を取り込む線引きがなされている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行民事訴訟法への全部改正に伴い、旧法下の司法委員制度を承継して本条に再編。以後の改正の有無・内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正に伴い、旧法下の司法委員制度を承継して本条に再編。以後の改正の有無・内容は人的検証が必要。
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