民事訴訟法 第278条(尋問等に代わる書面の提出)
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- 裁判所は、相当と認めるときは、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代え、書面の提出をさせることができる。
- 2.第二百五条第二項及び第三項の規定は前項の規定による証人又は当事者本人の尋問に代わる書面の提出について、第二百十五条第二項及び第四項の規定は前項の規定による鑑定人の意見の陳述に代わる書面の提出について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
尋問等に代わる書面の提出とは何ですか?
定義尋問等に代わる書面の提出とは、民事訴訟法第278条に定められた規定で、「裁判所は、相当と認めるときは、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代え、書面の提出をさせることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第278条(尋問等に代わる書面の提出)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第278条の条文原文は「裁判所は、相当と認めるときは、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見の陳述に代え、書面の提出をさせることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第278条は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第278条の前の条は民事訴訟法第277条の2です。
- 民事訴訟法第278条の次の条は民事訴訟法第279条です。
- 民事訴訟法第278条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第278条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第278条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/278
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法278条は、簡易裁判所で裁判所が相当と認めれば、証人や当事者本人の尋問、鑑定人の意見陳述に代えて書面提出を認める規定。地裁の205条と異なり当事者の同意を要しない。
Q · 簡易裁判所では、出廷しない証人の話を書面だけで証拠にできますか?
できます。相手の同意なしに裁判所判断で書面化できます
民事訴訟法278条により、簡易裁判所では裁判所が相当と認めれば、証人や当事者本人の尋問、鑑定人の意見陳述に代えて書面の提出をさせることができます。地方裁判所の通常手続(205条)が当事者の同意を要件とするのに対し、簡裁の278条は同意を要件にしていません。裁判官が相当と判断すれば足ります。ただし反対尋問を経ない書面は証明力が低く評価されやすく、客観証拠での裏付けが重要です。
解説
敷金30万円を返さない大家を相手に、あなたは簡易裁判所で本人訴訟を起こした。当時の様子を知る不動産仲介の担当者を証人にしたいが、相手は多忙を理由に出廷を渋っている。ここで効くのが民事訴訟法278条だ。簡易裁判所では、裁判所が相当と認めれば、証人や当事者本人の尋問、鑑定人の意見陳述を、出廷に代えて書面の提出で済ませられる。通常の地方裁判所の手続なら、証人の尋問を書面で代替するには相手方の同意が要る(205条)。だが簡裁の278条は、当事者の同意を要件にしていない。裁判官が相当と判断すれば足りる。つまり、相手が反対しても、担当者に陳述書を書いてもらうだけで、その証言を法廷に届けられる可能性がある。出廷できない人の言葉を、紙一枚で味方につける道がここにある。
法的な位置づけ
民事訴訟法278条は、簡易裁判所における書面尋問を定める規定であり、裁判所が相当と認めるときに、証人若しくは当事者本人の尋問又は鑑定人の意見陳述に代えて書面の提出をさせることを認める。通常手続の書面尋問(205条)と異なり、当事者の同意を要件としない点に特色があり、簡易迅速主義の表れである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出廷困難な証人に陳述書の作成を依頼 出廷を断られても諦めず、体験した事実を時系列で具体的に書いた陳述書の作成を依頼する。冒頭に作成者の立場や知っている経緯を記すと信用性が上がる
- 2.期日前に278条による書面提出を上申 証拠調べの期日より前に、裁判所へ証人尋問・本人尋問に代えて書面を提出したい旨を上申し、相当性の判断を求める。簡裁では相手の同意は不要
- 3.署名・押印と連絡先で信用性を担保 陳述書に作成者の署名・押印を求め、連絡先も添える。誰がどの立場で書いたかを明確にし、裁判官の心証形成での信用度を高める
- 4.客観証拠で陳述書を裏打ち 反対尋問を経ない書面は証明力が低く評価されやすいため、契約書・LINE・メール・振込記録など客観証拠を併せて提出し、陳述内容を補強する
よくある質問 AI による整理
Q1書面尋問とは何ですか?
証人や当事者本人の尋問、鑑定人の意見陳述に代えて、書面の提出で済ませる方法です。簡易裁判所では民事訴訟法278条が根拠で、出廷の負担を省けます。
Q2簡易裁判所で証人が出廷しないとどうなりますか?
出廷しなくても278条により書面(陳述書)の提出で証言を記録に残せる可能性があります。出廷を断られても、書面を書いてもらえれば諦める必要はありません。
Q3278条の書面提出に相手の同意は必要ですか?
不要です。地方裁判所の205条は当事者の同意を要件としますが、簡裁の278条は裁判所が相当と認めれば足り、相手が反対しても書面化できます。
Q4陳述書はどう書けばよいですか?
体験した事実を時系列で具体的に記し、なぜそれを知っているか(立場や経緯)を冒頭に書きます。署名・押印と連絡先を添えると信用性が高まります。
Q5書面で出した証言は法廷の尋問より弱いですか?
反対尋問を経ていない書面は証明力が低く評価されやすいです。契約書・LINE・振込記録など客観証拠で裏打ちすることが重要になります。
Q6鑑定人の意見も書面で済ませられますか?
できます。278条は証人・当事者本人の尋問だけでなく、鑑定人の意見陳述についても、裁判所が相当と認めれば書面提出での代替を認めています。
Q7相手が出してきた陳述書に反論するには?
争点について実際の証人尋問を求める意見を、書面が提出される前に述べるのが効果的です。提出後に異議を出すより先手を打つほうが通りやすいです。
Q8書面尋問はいつまでに申し立てればよいですか?
278条自体に期間制限はありませんが、証拠調べが行われる期日より前に陳述書の準備と上申を終える必要があります。時機に後れると却下されえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証人が『裁判所に行くのは嫌だけど書面なら書く』と言っています。簡裁なら本当にそれで通りますか?
通る可能性が高いです。簡易裁判所では民事訴訟法278条により、裁判所が相当と認めれば証人尋問に代えて書面提出ができ、地裁の205条と違って相手方の同意は要件になっていません。実務のポイント:陳述書は事実を並べるだけでなく、作成者がなぜそれを知っているか(立場や体験の経緯)を冒頭に書くと、裁判官の信用度が跳ね上がる。実務家は説得力を『誰が、どういう立場で書いたか』の一文で作る
Q2相手が出してきた陳述書、反対尋問もできないのに証拠になるって不公平じゃないですか?
反対尋問を経ていない書面は、実際の尋問より証明力が低く評価されるのが通常です。あなたは裁判所に対し、争点について実際の証人尋問を求める意見を述べられます(278条の『相当と認めるとき』の判断に影響します)。実務のポイント:書面が出る前に『この点は反対尋問が不可欠だ』と先に釘を刺しておくと、裁判官は書面のみで済ませることに慎重になる。提出されてから文句を言うより、提出前の一言が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「証人が出廷してくれなければ、その人の話は裁判で一切使えない」と思い込んで諦める人が多い。だがその前提が誤っている。簡裁では278条により、出廷しない証人でも書面で陳述を提出できる。立てるべき問いは『来てくれるか』ではなく『書いてくれるか』だ
- 278条で書面提出が認められること自体は知っていても、その書面に反対尋問の重みが乗らないことまで意識している人は少ない。法廷で揺さぶられていない証言は、裁判官の心証形成で実際の尋問より軽く扱われやすい。出せることと、それがどれだけ効くかは別問題である
- 「簡裁でも証人尋問を書面に代えるには当事者の同意が要る」と思っているなら、それは地裁の205条の話だ。簡裁の278条は当事者の同意を要件にしていない。裁判所が相当と認めれば、相手が反対しても書面化できる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用裁判所 | 278条:簡易裁判所の手続 | 205条:通常手続(地方裁判所) 190条:証人尋問の原則(全手続) |
| 当事者の同意 | 不要(裁判所が相当と認めれば足りる) | 必要(当事者の同意が要件) 出廷尋問が原則で書面代替の規定なし |
| 代替できる対象 | 証人・当事者本人の尋問、鑑定人の意見陳述 | 証人尋問に代わる書面(尋問の代替) 証人による口頭の証言 |
| 趣旨 | 簡易迅速主義による負担軽減 | 迅速性と反対尋問権の調和 口頭・直接審理による真実発見 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も証人の書状陳述を一定要件で認め、小額・簡易手続で出廷負担の軽減を図る点で日本と類似する
韓国も尋問に代わる書面(증인진술서)を認め、少額事件審判法で簡易迅速な処理を制度化している
ドイツは証人に対し書面での証言回答を求めることができ、争点が単純な場合に出廷尋問を省略できる
米国は書面質問による証言録取や宣誓供述書を用い、少額訴訟では宣誓した書面陳述が広く活用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 敷金返還の簡裁訴訟で、唯一の証人が遠方へ転勤して出廷できない。証言なしで諦めるしかないのか? 278条なら、その証人に陳述書を書いてもらい裁判所に提出することで、出廷なしに証言を記録へ残せる可能性がある。問題は来てもらえるかではなく、書いてもらえるかに変わる
- あなたが被告として訴えられた側。原告が証人の陳述書だけを出してきた。反対尋問の機会がないまま不利な証言が証拠になるのは納得いかない。あなたは裁判所に、書面ではなく実際の証人尋問を求める意見を述べられる
- 次回期日まであと10日。仕事を休めず出廷できない当事者本人の言い分を、どう裁判所に届けるか。本人尋問に代わる書面を278条で提出すれば、欠席のリスクを下げられる。準備書面とは別物の陳述書を、期日前に整えておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出廷が難しい証人や当事者には、まず陳述書(体験した事実を時系列で具体的に書いた書面)の作成を依頼2. 期日前に裁判所へ278条による書面提出を上申し、相当性を裁判官に判断してもらう3. 陳述書には署名・押印と作成者の連絡先を添え、信用性を高める4. 反対尋問を経ない書面は心証上軽くなりやすいので、契約書・LINE・振込記録など客観証拠で裏打ちする
訴えられた側:1. 相手が証人や当事者の陳述書だけを出してきたら、内容に争いがある部分を特定2. 反対尋問の必要性を裁判所に主張し、書面での提出が相当でない旨の意見を述べる(提出される前が勝負) 3. 書面の信用性を崩す客観証拠を準備し、矛盾点を突く4. 自分側に有利な証人が出廷を渋るなら、こちらも278条で陳述書提出を検討する。武器は双方が使える
時効(請求できる期限):278条自体に特定の期間制限はない。ただし書面提出や尋問方法の申立ては、その証拠調べが行われる期日より前に行う必要がある。期日が指定されたら、それまでに陳述書の準備と上申を終えること。手続の進行に応じた時機を逃すと、時機に後れた攻撃防御方法(民事訴訟法157条)として却下されうる
学説
通説:278条の書面尋問は簡易迅速主義の表れであり、当事者の同意を要件とせず裁判所の相当性判断に委ねられる点で205条と区別される。もっとも反対尋問の機会を欠くため、書面の証明力は口頭尋問より低く評価されるのが一般的な理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により現行の簡易裁判所手続の特則として整備。証人・当事者本人尋問・鑑定人意見陳述を書面で代替できる簡易迅速の規定として位置づけられた。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う一連の改正。書面提出を含む手続の電子化が進められ、簡裁手続でも電磁的方法の活用が拡大した。
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