民事訴訟法 第277条の2(映像等の送受信による通話の方法による尋問)
クイックジャンプ
裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人又は当事者本人の尋問をすることができる。
この条文の基本情報
映像等の送受信による通話の方法による尋問とは何ですか?
定義映像等の送受信による通話の方法による尋問とは、民事訴訟法第277条の2に定められた規定で、「裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第277条の2(映像等の送受信による通話の方法による尋問)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第277条の2の条文原文は「裁判所は、相当と認めるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、証人…」で始まります。
- 民事訴訟法第277条の2は第八章 簡易裁判所の訴訟手続に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第277条の2の前の条は民事訴訟法第277条です。
- 民事訴訟法第277条の2の次の条は民事訴訟法第278条です。
- 民事訴訟法第277条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第277条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第277条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/277_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法277条の2は、裁判所が相当と認めるとき、映像と音声の送受信で相互に状態を認識しながら通話できる方法により、証人又は当事者本人の尋問ができると定める。音声のみの電話会議は不可である。
Q · 証人が遠方に住んでいるとき、裁判所に行かずにオンラインで証言してもらえますか?
裁判所が相当と認めればウェブ会議で尋問できます
民事訴訟法277条の2により、裁判所が相当と認めるときは、映像と音声の送受信で相互に相手の状態を認識しながら通話できる方法によって、証人又は当事者本人の尋問ができます。音声のみの電話会議は認められず、映像が必須です。実施を決めるのは当事者ではなく裁判所であるため、遠隔地居住、健康状態、就労事情などの具体的事情を疎明資料とともに示し、なぜ相当なのかを説得する必要があります。手続の詳細は最高裁判所規則に委ねられています。
解説
証人尋問のために、わざわざ半日休んで裁判所まで行く。この常識が、この条文で崩れる。民事訴訟法277条の2は、裁判所が相当と認めるとき、映像と音声を双方向で送受信して互いの状態を認識しながら通話できる方法、つまりウェブ会議で証人尋問・当事者尋問ができると定める。あなたが知っておくべき核心は二つ。第一に、これは「電話会議」ではない。映像が必須である。相手の表情、視線、口ごもり、その全部を裁判官が観察できることが前提だから、映像なしの方法は本条の対象外だ。第二に、実施するかどうかを決めるのは当事者ではなく裁判所である。「相当と認めるとき」という一文が、裁判所の裁量を留保している。だからあなたの側でできることは、なぜウェブ会議が相当なのかを、具体的な事情とともに裁判所に説得することだけだ。この申出書の質が、遠方の証人を法廷に立たせられるかどうかを決める。
法的な位置づけ
民事訴訟法277条の2は、映像等の送受信による尋問を定める規定である。裁判所が相当と認めるときに限り、最高裁判所規則の定めるところにより、映像と音声の送受信によって相手の状態を相互に認識しながら通話できる方法で、証人又は当事者本人の尋問を実施できる旨を規律する。直接主義の例外として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証人の出頭困難事情を具体化する 証人候補の所在地、年齢、健康状態、就労状況を整理し、法廷出頭が困難な事情を「単に遠い」ではなく移動時間・費用・身体的負担として数値で書き出す
- 2.相当性を裏付ける疎明資料を集める 診断書、勤務先の証明書、介護の状況を示す資料、居住地から裁判所までの所要時間の資料など、裁判所が「相当」と判断できる客観資料を揃える
- 3.尋問期日の指定前に証拠申出書と併せて申し出る 証拠申出書に、映像等の送受信による尋問を求める旨と相当性の理由、接続予定場所を具体的に記載して提出する。期日直前の申出は技術的準備が間に合わず却下されやすい
- 4.接続場所と同席者の扱いを裁判所と調整する 証人がどこから接続するか、同じ部屋に誰がいるか、手元に書面を置けるかについて裁判所の指示を仰ぎ、書記官と事前接続テストの日程を決める
- 5.尋問当日の中断リスクに備える 回線が途切れた箇所はその場で指摘して調書に残すよう求める。予備回線と連絡手段を用意し、証言が中断した場合の再開手順を事前に確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1ウェブ会議尋問とは何ですか?
映像と音声を双方向で送受信し、互いの状態を認識しながら通話する方法で行う尋問です。民事訴訟法277条の2が根拠で、裁判所が相当と認めた場合に実施されます。
Q2電話会議で証人尋問はできますか?
できません。本条は映像と音声の送受信を要求しており、音声のみの電話会議は対象外です。表情や態度の観察が信用性判断に必要だという前提があります。
Q3ウェブ会議尋問は申し出れば必ず認められますか?
認められません。「裁判所が相当と認めるとき」が要件であり、遠隔地居住や健康上の理由など具体的事情を疎明できなければ却下されます。
Q4ウェブ会議尋問はいつまでに申し出るべきですか?
本条自体に期限はありませんが、尋問期日の指定前が安全です。技術的準備の時間が必要で、時機に後れた申出は民訴157条で却下されうるためです。
Q5オンライン証言でも偽証罪になりますか?
なります。宣誓した証人が虚偽の陳述をすれば偽証罪(刑法169条)の適用があり、証拠としての効力も法廷での証言と差はありません。
Q6ウェブ会議尋問の場所はどこになりますか?
手続の詳細は最高裁判所規則に委ねられ、実務上は他の裁判所など適切な場所が指定されるのが一般的です。証人が一人で証言できる環境の確保が重視されます。
Q7海外に住んでいる証人もウェブ会議で尋問できますか?
国際的なウェブ会議尋問は相手国の主権との関係で扱いが難しく、外国所在者への実施の可否は解釈が分かれています。国内の遠隔地とは別問題です。
Q8相手方のウェブ会議尋問の申出に反対できますか?
できます。相当性の疎明が不十分である点や、証人の手元・同席者を確認できない点を具体的に指摘すれば、裁判所の相当性判断に影響します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ウェブ会議で証言する場合、自宅からでもいいんですか?
実施場所や方法の詳細は最高裁判所規則に委ねられており(本条の委任)、実務上は他の裁判所や適切な場所が指定されることが一般的である。証人が一人で証言できる環境の確保が重要視される。実務のポイント:どこから接続するかは裁判所との事前調整事項であり、申出の段階で「この場所から可能です」と具体的に示せる側の方が、相当性の判断で有利に働く
Q2映像越しの証言って、法廷での証言より軽く見られませんか?
証拠としての効力に差はなく、宣誓や偽証罪(刑法169条)の適用も同じである。ただし裁判官が表情や態度から心証を取る度合いは、画面越しだと変わりうるという指摘が実務上ある。実務のポイント:重要な証人ほど、可能なら法廷に来てもらう方が良いと考える弁護士は今も多い。制度があることと、その事案で使うべきかは別の判断である
間違えやすい点 AI による整理
- 「オンラインでやるなら電話でもいいのでは」と考える人がいるが、本条は映像と音声の双方向送受信を明文で要求している。表情や態度を観察することが証言の信用性判断に不可欠だという前提があるからで、音声だけの電話会議では証人尋問はできない。手段の選択肢を誤解すると、申出そのものが的外れになる
- 「制度があるのだから申し出れば通る」と思っている当事者は多いが、実際の争点はそこではない。裁判所が「相当と認める」かどうかがすべてであり、遠隔地居住、健康上の理由、証人の負担といった具体的事情を疎明できなければ却下される。制度の存在を知っているだけでは足りず、疎明資料を揃えられるかが分水嶺になる
- あなたから見ればウェブ会議は「便利な代替手段」だが、裁判所から見れば「直接主義という民事訴訟の基本原則の例外」である。この落差を理解していないと、申出書の書き方を間違える。裁判所が知りたいのは便利さではなく、なぜこの事案では例外を認めても心証形成に支障がないかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 民訴277条の2:手形・小切手訴訟等に関する編中の映像等送受信による尋問 | 民訴204条:証人尋問における映像等送受信の一般規定 民訴170条:争点整理手続におけるウェブ会議の活用 |
| 対象者 | 証人又は当事者本人 | 証人(210条により当事者本人に準用) 当事者(証拠調べではなく主張整理の場面) |
| 実施の決定権 | 裁判所が「相当と認めるとき」(裁量) | 裁判所が要件充足を判断 裁判所が当事者の意見を聴いて決定 |
| 手段の限定 | 映像と音声の双方向送受信が必須、電話会議は不可 | 映像等の送受信による方法 音声のみの電話会議も許容される場面がある |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も法院が適当と認める場合に科技設備(映像設備)による証人尋問を認める。裁判所の裁量に係らしめる構造は日本と同じ
韓国はビデオ等中継装置による証人尋問を明文化。遠隔地居住や証人保護の必要性を要件とする点で日本より要件が具体的
ドイツは口頭弁論全体および証拠調べについて映像・音声伝送を認める。当事者の申立てと裁判所の許可という構造で、近年の改正で活用範囲が拡大している
米国は good cause と compelling circumstances があり適切な保護措置が取れる場合に、別の場所からの同時伝送による証言を認める。要件が判例で具体化されている点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 北海道に住む唯一の目撃者に証言してもらいたいが、東京地裁までの往復交通費と宿泊費を自腹で負担する余裕がない。証人が「そこまでは行けない」と言った瞬間、その証言は諦めるしかないと思っていた。本条があれば、証人は自宅近くの場所からウェブ会議で証言できる可能性がある
- 介護中の高齢の親族が重要な証人。長時間の移動が身体的に無理で、法廷での証言は現実的でない。裁判所に対して健康状態の診断書を添えてウェブ会議尋問を申し出れば、証拠として使える可能性が開ける
- もし相手方の証人が海外在住だったら、どうなる? 国際的なウェブ会議尋問は、相手国の主権との関係で扱いが難しく、実務上、外国所在者への実施の可否は解釈が分かれている。国内の遠隔地とは全く別の問題である
- あなたが被告側で、原告が「証人はウェブ会議で」と申し出てきた。あなたは異議を出すか。ウェブ会議では証人の手元が見えず、カンニングペーパーや第三者の同席を完全には排除できない。この点を具体的に指摘できるかどうかが、裁判所の「相当性」判断を動かす分岐点になる
- 尋問期日まであと3週間。証人が「その日は仕事を休めない」と言い出した。ウェブ会議での実施を申し出るなら、裁判所の判断と技術的準備の時間を逆算して、今週中に動かないと期日が飛ぶ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証人候補の所在地・年齢・健康状態・就労状況を整理し、法廷出頭が困難な事情を具体化する2. 診断書、勤務先の証明、居住地からの移動時間の資料など、相当性を裏付ける疎明資料を集める3. 尋問期日の指定前に、証拠申出書と併せてウェブ会議による実施を申し出る。期日直前の申出は技術的準備が間に合わず却下されやすい4. 証人には所在場所の確保と接続環境を事前に確認し、当日の立会いや同席者の扱いについて裁判所の指示を仰ぐ
訴えられた側:1. 相手方がウェブ会議尋問を申し出てきたら、まず相当性の疎明が十分かを検討する。単に遠いというだけで負担の具体性がなければ意見を述べる余地がある2. 実施が決まった場合、証人の所在場所、同席者の有無、書面の持込みの可否を明確にするよう求める3. 反対尋問では映像越しの表情や間の取り方も記録に残るため、通常の法廷尋問と同じ準備をする4. 接続不良で証言が途切れた箇所は、その場で指摘して記録に残す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし証拠調べの申出は、民事訴訟法156条により訴訟の進行状況に応じ適切な時期にしなければならず、時機に後れた攻撃防御方法は却下されうる(同法157条)。実務上は尋問期日の指定前に申し出るのが安全である
学説
通説:本条は直接主義の例外規定であり、映像と音声の双方向送受信という条件によって裁判官の観察可能性を維持しつつ、物理的出頭という形式要件のみを緩和したものと理解されている。相当性判断では証人の負担と心証形成への影響が比較衡量される。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める