民事訴訟法 第346条(再審開始の決定)
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- 裁判所は、再審の事由がある場合には、再審開始の決定をしなければならない。
- 2.裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方を審尋しなければならない。
この条文の基本情報
再審開始の決定とは何ですか?
定義再審開始の決定とは、民事訴訟法第346条に定められた規定で、「裁判所は、再審の事由がある場合には、再審開始の決定をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第346条(再審開始の決定)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第346条の条文原文は「裁判所は、再審の事由がある場合には、再審開始の決定をしなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第346条は第四編 再審に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第346条の前の条は民事訴訟法第345条です。
- 民事訴訟法第346条の次の条は民事訴訟法第347条です。
- 民事訴訟法第346条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第346条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第346条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/346
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法346条は、裁判所が再審事由を認めたとき再審開始の決定をすべきと定める。決定の前には相手方を審尋する必要があり、本案審理はこの段階を通過してから始まる。
Q · 再審を申し立てたら、いきなり判決の中身をやり直してもらえるの?
まず再審事由の有無だけ審理し、認められれば開始決定が出ます
いいえ。民事訴訟法346条により、裁判所はまず「再審事由(同法338条)があるか」だけを審理し、あれば再審開始の決定をします(1項)。判決の中身(本案)の審理は、この決定を経た第二段階(348条)でようやく始まります。また346条2項は、開始決定の前に相手方を審尋することを義務づけており、勝訴側は知らないうちに開始決定が出ることはありません。再審事由という入口を突破できなければ、判決がどんなに不当でも本案審理には進めない構造です。
解説
確定判決が出た。最高裁まで争って負けた。普通ならここで終わり、判決の内容はもう動かない。これが既判力だ。ところが法律は、たった一つだけ裏口を残している。再審である。そして民事訴訟法346条は、その裏口を二段階で開く構造になっている。第一段階、裁判所はまず「再審事由があるかどうか」だけを審理し、あれば再審開始の決定を出す(1項)。この段階では事件の中身(本案)はまだ審理しない。第二段階に進んで初めて、判決をひっくり返せるかが争われる。つまり、再審事由という関門を突破できなければ、どんなに判決が間違っていても中身の審理にすら入れない。さらに346条2項は、開始の決定を出す前に相手方を審尋(その言い分を聞く手続)せよと命じる。あなたが勝った側なら、知らないうちに蒸し返されることはない。あなたが負けた側なら、相手の言い分が出る前提で戦略を組む必要がある。
法的な位置づけ
民事訴訟法346条は、再審手続の第一段階を定める規定であり、裁判所が再審事由(同法338条)の存在を認めた場合に再審開始の決定をすべきこと、およびその決定に先立ち相手方を審尋すべきことを規律する。本案の審理(同法348条)に入る前の関門として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決の不満ではなく再審事由への該当を確認する まず判決の中身が不当かどうかではなく、自分のケースが民訴338条の再審事由(偽造文書・偽証・裁判所の構成違反・判断の遺脱など)の限定リストに当たるかを確認する。当たらなければ再審の入口に立てない
- 2.偽証・偽造系なら有罪判決の確定を押さえる 再審事由が偽証や文書偽造なら、原則としてその有罪判決が確定していることが必要(民訴338条2項)。刑事の確定日を弁護士と共有し、起算点の管理に備える
- 3.30日・5年の期間を計算して起算日を記録する 再審事由を知った日から30日の不変期間、判決確定から原則5年(民訴342条)の二重の縛りを確認。知った日を客観的に記録し、徒過していないかを真っ先に判定する
- 4.管轄裁判所に再審の訴えを提起する 原則として不服を申し立てる判決をした裁判所(民訴340条)に、再審事由を特定した訴状を提出する。第一段階で問われるのは判決の正誤ではなく再審事由の存在であることを意識して構成する
- 5.第一段階の審尋で再審事由を立証しきる 346条2項の審尋では、本案の中身ではなく『338条の事由に当たること』を集中的に主張・立証する。ここを突破できなければ本案審理(348条)には進めない。開始決定が出ても相手は即時抗告(347条)で争える点も想定しておく
よくある質問 AI による整理
Q1再審とは何ですか?
確定判決を例外的にやり直す非常手段です。民事訴訟法338条の限定された再審事由がある場合に限り認められ、346条で再審開始の決定を経て本案審理に進みます。
Q2再審事由とは何ですか?
民事訴訟法338条が列挙する限定リストで、裁判所の構成違反、判決の証拠となった文書の偽造、証人の偽証、判断の遺脱などです。単なる判決への不満は含まれません。
Q3再審の申立てはいつまでにできますか?
再審事由を知った日から30日の不変期間、かつ判決確定から原則5年以内です(民訴342条)。どちらか過ぎると原則として申立てできません。
Q4再審開始の決定とは何ですか?
再審事由があると認めて再審手続を始める旨の裁判所の決定です(民訴346条1項)。本案で勝ったわけではなく、土俵に上がる許可にあたります。
Q5再審で相手方の審尋とは何ですか?
開始決定の前に相手方の言い分を聞く手続です(民訴346条2項)。勝訴側は知らないうちに開始決定が出ることがなく、手続保障が確保されます。
Q6再審開始の決定に不服があるとき争えますか?
争えます。再審の申立てを却下・棄却する決定にも、開始する決定にも、即時抗告ができます(民訴347条)。
Q7偽証や偽造を理由に再審するには何が必要ですか?
原則としてその偽証・偽造について有罪判決が確定していることが必要です(民訴338条2項)。民事の再審が相手の刑事事件の結末と連動します。
Q8行政訴訟でも再審はできますか?
できます。民訴346条は行政事件訴訟法7条で準用されます。さらに自分の知らない判決には行政事件訴訟法34条の第三者再審という別ルートもあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決が明らかに間違ってると思うんですが、再審でやり直せますか?
「間違っている」だけでは再審できません。民訴338条が定める再審事由(裁判所の構成違反、偽造文書、偽証、判断の遺脱など)の限定リストに当たる場合に限られ、単なる事実認定や法律解釈の不満は対象外です(346条1項はこの事由がある場合のみ開始決定)。実務のポイント:弁護士が再審相談で最初に見るのは判決の中身ではなく『338条のどの号に乗せられるか』です。乗らないと判断すれば、どんなに判決が不当でも引き受けない。相談時はまず事由該当性から聞くのが玄人の入口です
Q2再審開始の決定が出たら、もう勝ったと思っていいですか?
まだです。再審は二段階構造で、開始の決定(346条)は『再審事由がある』と認められただけ。相手はその決定に即時抗告(347条)でき、さらに第二段階の本案審理(348条)で改めて勝敗が決まります。実務のポイント:開始決定は『土俵に上がる許可』に過ぎず、ここで気を抜くと本案で足元をすくわれる。逆に勝った側は、開始決定が出ても即時抗告と本案の二段構えで巻き返せる。開始決定イコール終局ではないと知っているかどうかで、その後の戦い方が変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決の内容が間違っているから再審で勝てる」と考える人が多いが、その問いの立て方自体がずれている。346条の第一段階で問われるのは判決の正誤ではなく、338条が列挙する再審事由(偽造文書、偽証、裁判所の構成違反など)に当たるか否かだけ。「不当な判決だ」という主張は、再審事由という限定リストに乗らない限り、入口で弾かれる
- 再審という制度の存在は知っていても、その期間制限の厳しさを知る人は少ない。再審事由を知った日から30日、判決確定から原則5年で権利は消える(民訴342条)。「いつかやり直せる」と思っているうちに、扉そのものが閉じる
- 「再審開始の決定が出れば勝ったも同然」と思われがちだが、開始決定は二段階のうち手前の扉が開いただけ。相手方は即時抗告(民訴347条)で開始決定そのものを争えるし、第二段階の本案審理で改めて勝敗が決まる。開始決定は勝利ではなく、土俵に上がる許可にすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 346条:再審事由を認めて再審開始の決定をする(第一段階の入口) | 345条:再審事由がない場合の却下・棄却(346条の裏返し) 348条:開始決定後の本案審理(第二段階) |
| 判断の対象 | 再審事由(338条)の有無のみ。判決の正誤は判断しない | 適法性・再審事由の不存在 確定判決を取り消すべきか(本案の勝敗) |
| 相手方の手続 | 決定前に必ず審尋(346条2項) | 却下・棄却にも即時抗告で対応可 本案として通常の口頭弁論で争う |
| 不服申立て | 開始決定に即時抗告できる(347条) | 却下・棄却決定に即時抗告できる(347条) 本案判決に通常の上訴 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も確定判決に対する再審を限定事由で認める。日本の二段階構造に対し、台湾は再審の訴えとして一体的に審理する点に手続上の差がある
韓国も再審事由を限定列挙し、偽造・偽証系は有罪確定を要する点が日本と類似。再審の枠組みは日本法の影響を受けている
ドイツは再審を Nichtigkeitsklage(無効の訴え)と Restitutionsklage(原状回復の訴え)に分け、日本の再審事由・二段階構造の源流にあたる
米国は確定判決からの救済を Rule 60(b) で柔軟に扱い、詐欺・新証拠・手続瑕疵などを理由とする。大陸法系の限定列挙とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続をめぐる訴訟で負けて確定した一年後、相手が遺言書を偽造していた証拠が出てきた。だが再審事由を知った日から30日(民訴342条)でカウントが回り始める。証拠を握ってから弁護士を探し、有罪判決の要否を確認し、申立書を書く、その全部を一ヶ月で。時計はもう動いている
- もしあなたが勝訴判決を確定させた数年後、ある日突然「再審開始の決定をするか審尋する」という裁判所の呼出しが届いたら? あなたは負けた相手にもう一度引きずり戻されかけている。346条2項のおかげで、あなたの言い分を聞かずに開始決定が出ることはない。この審尋であなたが何を言うかが、蒸し返しを止められるかを左右する
- 前訴で偽証した証人が、偽証罪で有罪になった。これが再審事由(民訴338条1項6号、同2項の有罪確定要件)の典型だ。刑事と民事が一本の線でつながる瞬間である
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず判決の不満ではなく、民訴338条の再審事由リストに自分のケースが当たるかを確認する。当たらなければ再審の入口に立てない2. 偽証・偽造系の事由なら、その有罪判決が確定しているか(338条2項)を押さえる3. 再審事由を知った日を記録、30日の不変期間(342条)が起算する4. 管轄裁判所(原則として不服を申し立てる判決をした裁判所、340条)に再審の訴えを提起5. 第一段階の審尋で再審事由の存在を立証しきること、ここが本案より先の関門だ
訴えられた側:1. 裁判所から審尋の呼出し(346条2項)が来たら、それは相手が再審事由を主張している合図、無視せず必ず対応する2. 審尋では本案の中身ではなく『338条の事由に当たらない』ことを集中的に主張3. 期間徒過(30日・5年、342条)があれば不適法却下を狙う4. 万一再審開始の決定が出ても即時抗告(347条)で開始決定自体を争える5. 第二段階に進んでも本案で改めて勝てる余地は残る、二段階あることを逆手に取る
時効(請求できる期限):再審の訴えは、再審事由を知った日から30日の不変期間内(民訴342条1項)、かつ判決確定の日から原則5年以内(同2項)。再審事由が判決確定後に生じた場合はその日から5年。30日と5年の二重の縛りがあり、どちらか過ぎれば原則として申立てできない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から全面改正され現行の条文番号体系に移行。再審手続の二段階構造(再審開始の決定と本案審理の分離)および相手方審尋の規律が現行の形に整理されたが、本条個別の改正履歴は人的検証を要する
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