民事訴訟法 第348条(本案の審理及び裁判)
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- 裁判所は、再審開始の決定が確定した場合には、不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする。
- 2.裁判所は、前項の場合において、判決を正当とするときは、再審の請求を棄却しなければならない。
- 3.裁判所は、前項の場合を除き、判決を取り消した上、更に裁判をしなければならない。
この条文の基本情報
本案の審理及び裁判とは何ですか?
定義本案の審理及び裁判とは、民事訴訟法第348条に定められた規定で、「裁判所は、再審開始の決定が確定した場合には、不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第348条(本案の審理及び裁判)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第348条の条文原文は「裁判所は、再審開始の決定が確定した場合には、不服申立ての限度で、本案の審理及び裁判をする。」で始まります。
- 民事訴訟法第348条は第四編 再審に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第348条の前の条は民事訴訟法第347条です。
- 民事訴訟法第348条の次の条は民事訴訟法第349条です。
- 民事訴訟法第348条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第348条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第348条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/348
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法348条は、再審開始決定の確定後、裁判所が不服申立ての限度で本案を審理し、元の判決が正当なら再審請求を棄却すると定める。
Q · 再審開始決定が出たら、もう元の判決はひっくり返るんですか?
いいえ、本案審理で棄却されることがあります
民事訴訟法348条により、再審開始の決定が確定すると、裁判所は不服申立ての限度で本案を審理します。その結果、元の確定判決が結論として正当だと判断されれば、2項により再審の請求は棄却されます。正当でなければ3項で判決を取り消し、改めて裁判します。再審は二段階構造であり、開始決定はゴールではなくスタートラインにすぎません。
解説
再審開始の決定が出た。確定判決という、原則として二度と開かない鉄の扉が、こじ開けられた瞬間だ。多くの人はここで勝ったと錯覚する。だが348条が突きつけるのは、扉の奥にもう一つの戦場があるという冷たい事実である。再審は二段階構造だ。第一段階は『そもそも再審を開くか』の審査(345条、346条)、そして第二段階がこの348条、開かれた扉の奥での本案審理だ。しかも審理範囲は『不服申立ての限度』に縛られる。あなたが訴状で争った部分しか、裁判所は見直さない。さらに残酷なのが2項。本案を審理した結果『元の判決はやはり結論として正当だった』と判断されれば、せっかく開いた再審の請求は棄却される。再審開始イコール勝訴ではない。扉を開けることと、その奥で勝つことは、まったく別の作業なのだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法348条は、再審の本案審理を定める規定である。再審開始の決定が確定した場合に、裁判所が不服申立ての限度で本案を審理し、元の判決を正当とするときは再審請求を棄却し、正当でないときは判決を取り消して再度裁判する、再審二段階構造の後段を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再審事由が実際に存在するか精査する 本案審理に進む前提として、民事訴訟法338条各号の再審事由(判決の証拠が偽造だった、判断の遺脱があった等)が実際に存在するかを精査する。事由がなければ本案審理に入れず棄却される
- 2.再審の訴状で不服申立ての範囲を確定する 再審の訴状で『不服申立ての限度』を必要十分に設定する。348条1項の審理範囲はここで確定し、狭く書くと勝てる論点が審理対象から漏れ、後から広げるのは難しい
- 3.開始決定後に本案の主張立証を整える 再審開始決定(346条)が出ても気を抜かず、本案審理で元判決を覆す主張立証を準備する。開始決定段階の疎明と本案の立証は別物と心得て、新証拠は本案審理の場で提出できるよう整理する
- 4.本案審理で正当性を争い、2項・3項に備える 本案審理で、元判決が結論として正当か否かを争う。覆したい側は3項による取消し・再裁判を、維持したい側は2項による棄却を目指す。応じて主張立証の重点を切り替える
よくある質問 AI による整理
Q1再審の本案審理とは?
再審開始決定が確定した後、裁判所が不服申立ての限度で元の事件の中身を改めて審理し裁判することです。民事訴訟法348条1項が定める再審二段階構造の後段にあたります。
Q2不服申立ての限度とはどういう意味?
再審の訴えで当事者が争った範囲のことです。348条1項により、裁判所はこの範囲しか審理せず、確定判決の他の部分はそのまま動きません。訴状での範囲設定が決定的になります。
Q3再審で判決が取り消されるのはどんな場合?
本案審理の結果、元の判決が結論として正当でないと判断された場合です。348条3項により、裁判所は判決を取り消したうえ、改めて裁判をします。
Q4民事訴訟法348条2項とは?
本案審理で元の判決が結論として正当と認められるときは、再審の請求を棄却しなければならないと定める規定です。再審開始決定が出ても、奥で負ける道が法律上用意されています。
Q5再審開始決定が確定したら次は何をする?
348条1項に基づく本案審理に進みます。開始決定はゴールではなくスタートラインで、不服申立ての範囲内で元判決を覆す主張立証を準備する段階に入ります。
Q6再審の本案審理ではどこまで見直される?
不服申立ての限度に限られます。最初の裁判を丸ごとやり直すのではなく、再審の訴えで争った範囲だけが審理対象です。範囲外の確定判決部分は維持されます。
Q7再審請求が棄却されたらどうなる?
元の確定判決がそのまま維持されます。348条2項で棄却された場合、開いた再審の扉の奥で元判決が正当と確認された形になり、結論は変わりません。
Q8再審は何段階の手続ですか?
二段階です。第一段階は再審を開くかの審査(345・346条)、第二段階が本案審理(348条)です。開始決定で安心して本案を手薄にすると奥で負けます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1再審開始決定が出たのに、また棄却されることなんてあるんですか?
あります。再審は二段階構造で、開始決定(民事訴訟法346条)は『審理をやり直す扉を開く』だけです。348条2項により、本案審理の結果『元の判決は結論として正当』と判断されれば、再審請求は棄却されます。実務のポイント:弁護士は再審開始決定が出ても決して『勝った』とは言いません。本番は本案でどう元判決を覆すか。開始決定で力尽きて本案の主張立証を手薄にすると、せっかく開いた扉の奥で負ける
Q2再審って、最初の裁判を丸ごとやり直せるんですか?
いいえ。348条1項は『不服申立ての限度で』審理すると定めます。あなたが再審の訴えで争った範囲しか見直されず、確定判決の他の部分はそのまま残ります。実務のポイント:だからこそ再審の訴状で『何を不服とするか』の範囲設定が決定的です。狭く書きすぎると勝てる論点が審理対象から漏れ、後から広げるのは難しい。最初の一筆が勝負を分ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「再審開始決定が出れば、もう判決はひっくり返ったも同然」と思い込んでいる人が多い。実際は逆で、348条2項は『元の判決を正当とするときは再審の請求を棄却しなければならない』と定める。扉が開いても、奥でもう一度負ける道が法律上はっきり用意されている
- 「再審なら最初の裁判を全部やり直せる」という問いの立て方そのものが誤っている。348条1項は審理を『不服申立ての限度』に限る。あなたが争った範囲の外にある確定判決の部分は、再審を起こしてもそのまま動かない。全面やり直しという発想自体が、最初のボタンの掛け違いになる
- 再審のハードルが高いことは多くの人が知っている。だがその深刻さの本当の所在を見誤っている。難所は『開始決定をもらう』段階だけではない。開始決定後の本案審理(348条)で改めて元判決の正当性が問われ、ここで力尽きると、開いた扉の奥で棄却される。二回戦があることを知らない人ほど、一回戦で全力を使い果たす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 348条:再審開始決定確定後の本案審理(第二段階) | 345条:不適法な再審の訴えの却下・事由なき請求の棄却(入口) 346条:再審開始の決定(第一段階の出口) |
| 判断の対象 | 元判決が結論として正当か(本案の当否) | 訴えの適法性・再審事由の有無 本案審理を開始してよいか |
| 審理の範囲 | 不服申立ての限度に限定(1項) | 訴えの適法要件・事由の存否 再審事由の存否の最終判断 |
| 主な帰結 | 棄却(2項)または取消し・再裁判(3項) | 却下・棄却 開始決定(即時抗告は347条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も本案の言詞弁論・裁判を『声明不服の部分』に限定する点(505条)で日本348条1項と同趣旨。再審に理由がなければ棄却する504条も日本348条2項に対応する。
韓国も本案の弁論・裁判を再審請求理由の範囲内に限定し、日本の『不服申立ての限度』と同様の審理範囲限定を採る。
ドイツでは再審(Wiederaufnahme)が認められると本案について新たな口頭弁論(erneute Verhandlung)が開かれる。再審の許否と本案の再審理を区別する構造は日本と共通する。
米国は確定判決からの救済を Rule 60(b) が規律し、詐欺・新証拠等の事由で救済を認める。救済の可否判断と本案の再審理を分ける運用は日本の二段階構造に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 再審開始の決定が確定したと通知が届いたら、次に何をすべきか? 喜んでいる暇はない。348条1項の本案審理では、あなたが訴状で挙げた『不服申立ての限度』しか審理されない。範囲を狭く書いていたら、勝てたはずの論点が審理対象から丸ごと外れる
- あなたが何年も前に勝ち取った確定判決に対し、相手が再審を申し立て、開始決定まで出てしまった。だが諦めるのは早すぎる。348条2項により、本案審理で『元の判決はやはり正当』と裁判所が判断すれば、相手の再審請求は棄却され、あなたの勝訴は維持される。第二の戦場は、あなたの側にも開かれている
- 新証拠が出た。確定した財産分与の判決を覆したい。だが再審事由を知った日から30日というカウントダウンは既に始まっている。再審開始決定はゴールではなく、スタートラインにすぎない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず再審事由(民事訴訟法338条各号、例:判決の証拠が偽造だった、判断の遺脱があった)が実際に存在するか精査する2. 再審の訴状で『不服申立ての限度』を必要十分に設定、ここが348条1項の審理範囲を確定させる3. 再審開始決定(346条)が出ても気を抜かず、本案審理で元判決を覆す主張立証を準備4. 新証拠は本案審理の場で提出、開始決定段階の疎明と本案の立証は別物と心得て二段構えで動く
訴えられた側:1. 相手の再審事由が338条の要件を満たすか、まず適法性のレベルで争う(345条で却下・棄却の余地がある) 2. 開始決定が出ても348条2項という反撃カードが残る。本案審理で『元の判決は結論において正当』と立証すれば請求棄却に持ち込める3. 審理範囲は不服申立ての限度に限られるので、相手が範囲を広げようとする動きを牽制4. 開始決定に対しては即時抗告(347条)など不服申立ての手段も併せて確認する
時効(請求できる期限):348条自体に期間の定めはない。だが前提となる再審の訴えには厳格な期間制限がある。再審事由を知った日から30日の不変期間、かつ判決確定の日から5年(民事訴訟法342条)。この期間を過ぎると、再審事由があっても訴え自体が不適法として却下される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・実務:再審は二段階構造を採るとするのが通説・実務である。第一段階は再審の訴えの適法性と再審事由の存否を審査する段階(345・346条)、第二段階が348条の本案審理であり、開始決定の確定を経てはじめて本案の当否が審理される。開始決定は本案勝訴を意味しない点が強調される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の再審本案審理規定を現代語化のうえ現行348条として再編成。再審開始決定確定後に『不服申立ての限度』で本案を審理し、元判決が正当なら棄却、そうでなければ取消し・再裁判という二段階構造を明文で整理した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、旧法の再審本案審理規定を現代語化のうえ現行348条として再編成。再審開始決定確定後に『不服申立ての限度』で本案を審理し、元判決が正当なら棄却(2項)、そうでなければ取消し・再裁判(3項)という二段階構造を明文で整理した。
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