民事訴訟法 第359条(口頭弁論を経ない異議の却下)
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異議が不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、異議を却下することができる。
この条文の基本情報
口頭弁論を経ない異議の却下とは何ですか?
定義口頭弁論を経ない異議の却下とは、民事訴訟法第359条に定められた規定で、「異議が不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、異議を却下することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第359条(口頭弁論を経ない異議の却下)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第359条の条文原文は「異議が不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、口頭弁論を経ないで、判決で、異議を却下することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第359条は第五編 手形訴訟及び小切手訴訟に関する特則に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第359条の前の条は民事訴訟法第358条です。
- 民事訴訟法第359条の次の条は民事訴訟法第360条です。
- 民事訴訟法第359条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第359条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第359条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/359
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法359条は、手形判決への異議が不適法で補正できないとき、裁判所が口頭弁論を経ずに判決で却下できると定める。二週間の期間経過などが典型例である。
Q · 手形判決に異議を出したのに、口頭弁論もなしに却下されることって本当にあるの?
本当。不適法で補正できない異議は口頭弁論なしに却下されます
民事訴訟法359条により、手形判決への異議が不適法で、その不備を補正できないときは、裁判所は口頭弁論を経ずに判決で異議を却下できます。典型例は二週間の不変期間(民訴357条)を過ぎた異議や、申立権のない者の異議です。これらは法廷で内容を主張する機会がないまま却下され、手形判決が確定します。一方、補正できる不備であれば裁判所は補正を促し、いきなり却下はしません。却下判決には控訴で争う道が残されています。
解説
取引先から受け取った約束手形が不渡りになった。あなたは手形訴訟という特急レーンで判決を取り、相手の口座を差し押さえる寸前まで来た。ところが相手から「異議」が届く。これで通常の裁判に逆戻りか、と身構える。だが待ってほしい。その異議、本当に有効か。手形判決への異議は、判決書の送達を受けた日から二週間の不変期間内でなければならない(民訴357条)。一日でも過ぎていれば、もう取り返しがつかない。第359条は、こうした不適法でしかも補正できない異議について、裁判所が口頭弁論すら開かずに、判決で却下できると定める。相手は法廷で一言も主張できないまま、手形判決が確定する。逆にあなたが異議を出す側なら、この二週間と方式を一つでも外せば、内容がどれだけ正しくても門前払いだ。勝負は中身の前に、手続で半分決まっている。
法的な位置づけ
民事訴訟法359条は手形訴訟における異議の却下を定める規定であり、手形判決に対して申し立てられた異議が不適法で、かつその不備を補正できない場合に、裁判所が口頭弁論を経ずに判決でこれを却下できる旨を規律する。355条の訴えの却下と並ぶ、口頭弁論を省略する終局判断の一類型である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.手形判決の送達日を確定し二週間をカレンダーに記入 手形判決の判決書または調書を受け取ったら、まず送達を受けた日を確定し、二週間後の不変期間の最終日を赤で記入する。内容を読むより先に期限を押さえることが最大の防御
- 2.相手の異議が届いたら中身より先に適法性を点検 相手から異議が届いたら、内容に反論する前に、送達日からの二週間経過、申立権の有無、申立書の方式の不備を点検する。補正できない不備があるかを見極める
- 3.補正不能の不備があれば359条の異議却下を申し立てる 期間経過や申立権欠缺など補正できない不備が見つかったら、口頭弁論を経ない359条の異議却下を裁判所に求める。これで相手を通常訴訟に入れず、手形判決を一気に確定させる
- 4.自分が異議を出す側なら方式を整え期間内に提出 手形判決を受け取った側なら、異議申立書を判決をした裁判所へ、方式不備がないか専門家に確認してから二週間以内に提出する。提出日を証明できる受付印・郵便記録を必ず残す
- 5.期間を徒過したら追完(97条)の可否を検討 自分の責めに帰せない事由で二週間を過ぎてしまった場合は、事由が消滅した後一週間以内に訴訟行為の追完(民訴97条)を申し立てる。ただし認められるのは極限的な場合のみと心得る
よくある質問 AI による整理
Q1手形訴訟の異議とは何ですか?
手形判決に不服な側が二週間以内に申し立て、同じ裁判所で通常訴訟へ移行させる手続です(民訴357条)。控訴とは別物で、適法であれば本格的な審理に切り替わります。
Q2手形判決への異議の期限はいつまでですか?
判決書または調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内です(民訴357条)。原則延長されず、一日でも過ぎると359条で却下される危険があります。
Q3異議却下と異議申立ての違いは何ですか?
異議申立ては当事者が通常訴訟への移行を求める行為、異議却下は裁判所がその異議を不適法として退ける判決です。却下されると手形判決が確定します。
Q4不変期間とは何ですか?
法律が特に「不変期間」と定めた期間で、当事者の合意や裁判所の裁量でも原則延長できません。徒過すると追完(民訴97条)が認められる極限的場合を除き回復不能です。
Q5手形訴訟で異議が認められるとどうなりますか?
適法な異議があると、事件は同じ裁判所で通常訴訟に移行します(民訴361条)。手形に限られていた立証が、本格的な攻防に切り替わります。
Q6異議の追完は認められますか?
自分の責めに帰せない事由で期間を徒過した場合のみ、事由消滅後一週間以内に追完できます(民訴97条)。認められるのは天災級の極限的な場合に限られます。
Q7手形訴訟と支払督促はどちらが有利ですか?
手形訴訟は仮執行宣言が付き判決まで進む点が強み、支払督促は手数料が安く簡便です。相手が確実に争ってくるなら手形訴訟、無反応が見込めるなら支払督促が向きます。
Q8異議却下の判決に不服があるときはどうすればいいですか?
359条の異議却下は終局判決なので、控訴で争えます。ただし控訴期間も限られるため、却下判決を受け取ったら直ちに弁護士へ相談すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1手形訴訟って普通の裁判と何が違うんですか?
手形や小切手の金銭支払いを求める専用の特急レーンです。証拠は原則として書証(手形そのものなど)に限られ、審理が一回で終わり、勝訴判決には自動で仮執行宣言が付きます(民訴350条以下)。その分、負けた側は二週間以内に異議を出して通常訴訟でやり直せます。実務のポイント: 債権者があえて手形訴訟を選ぶのは、スピードと仮執行で相手にプレッシャーをかけるため。相手が異議を出して通常訴訟に移っても、その間に仮執行で回収を進められるので、手形訴訟を選ぶこと自体が交渉カードになる
Q2異議を出したのに口頭弁論もなく却下されました。おかしくないですか?
異議が不適法で、その不備を補正できない場合は、裁判所は口頭弁論を経ずに判決で却下できます(民訴359条)。期間経過や申立権のない者の異議が典型例で、法廷で主張する機会はありません。却下判決(終局判決)には控訴で争う道があります。実務のポイント: 却下されると手形判決が確定するので、実務では「異議が適法か」の入口審査が決定的。期限ギリギリで出すなら、内容より先に方式と期間を専門家に確認しておかないと、中身を見てもらえないまま終わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「異議さえ出せば必ず通常訴訟でやり直せる」と思われているが、不適法で補正できない異議は359条で口頭弁論なしに却下される。やり直しの権利は、二週間の不変期間と適法な方式を満たして初めて手に入る
- 異議の期限が二週間であることは知っていても、それが「不変期間」である重さを知らない人が多い。不変期間は当事者の合意でも裁判所の裁量でも原則延長できず、過ぎれば追完(民訴97条)が認められる極限的な場合を除いて回復不能。普通の期限とは硬さが違う
- あなたから見れば「異議を出した、これで対等な裁判だ」だが、裁判所から見れば「適法な異議か、まず入口で審査する」。この入口審査の存在を見落とすと、中身を準備している間に却下判決が来て足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何を退けるか | 359条:不適法で補正不能な「異議」を却下 | 355条:不適法で補正不能な「訴え」を却下 361条:適法な異議があれば却下せず通常訴訟へ移行 |
| 口頭弁論 | 経ないで判決できる | 経ないで判決できる 通常訴訟として口頭弁論が開かれる |
| 結果 | 異議却下→手形判決が確定 | 訴え却下→本案審理に入らず終了 手形判決失効→通常手続で改めて審理 |
| 不服申立て | 却下判決に対し控訴 | 却下判決に対し控訴 通常訴訟の終局判決に対し控訴 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には日本の手形訴訟に正対する特別手続はないが、金銭支払を簡易に命じる督促程序(支払命令)の異議処理が機能的に近い。不適法な異議の扱いも入口審査による。
韓国も支払命令(지급명령)の督促手続を持ち、異議の適法性審査を経て通常訴訟へ移行する構造を採る。手続の骨格は日本と類似する。
ドイツは証書・手形訴訟(Urkunden-/Wechselprozess)を持ち、不適法な異議(Einspruch)は § 341によって口頭弁論を要しない判決で却下できる。本条の母法的構造に最も近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が売掛先から受け取った手形が不渡りになり、手形訴訟で勝訴判決を得た直後、相手が異議を申し立ててきた。だが送達日を数えると二週間を三日超過している。あなたは359条で異議の却下を求められ、相手は通常訴訟への移行を阻まれて、手形判決のまま確定する
- あなたが手形判決を受け取った側だとしたら? 残された猶予は二週間。しかも不変期間だから、原則として延びない。異議申立書の方式を一つ間違え、補正できないまま期間が過ぎれば、359条であなたの異議は法廷を経ずに却下される
- もし異議申立書に必要な記載が抜けていたら? 補正できる不備なら裁判所は補正を促す。だが申立権のない者の異議や期間経過後の異議のように補正不可能な不備は、その場で359条により却下される。補正できる不備かどうかが生死の分かれ目
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手形判決の判決書(または調書)を受け取ったら、送達を受けた日を確定し、二週間の不変期間の最終日を即計算2. 異議申立書は判決をした裁判所へ、方式不備がないか弁護士・司法書士に確認してから提出、補正できる不備なら早期に補正3. 期間内提出を証明できるよう、提出日の記録(受付印・郵便の記録)を残す4. 自分の責めに帰せない事由で期間を徒過した場合は、事由消滅後一週間以内の追完(民訴97条)を検討、ただし認められるのは極限的な場合のみ
訴えられた側:1. 相手の異議が届いたら、中身に反論する前に適法性を点検、送達日からの二週間経過、申立権の有無、方式の不備を確認2. 補正できない不備があれば、口頭弁論を経ない359条の異議却下を裁判所に求める3. 異議が適法なら通常訴訟へ移行(民訴361条)するので、手形に限られていた立証から本格的な攻防に切り替える準備をする4. 手形判決には職権で仮執行宣言が付くため、異議審理中でも執行を進める選択肢を検討
時効(請求できる期限):異議申立ては、判決書または調書の送達を受けた日から二週間の不変期間内(民訴357条)。不変期間のため原則延長不可。徒過した場合の追完は、自分の責めに帰せない事由が消滅した後一週間以内に限られる(民訴97条)
学説
通説:異議の適法性は職権調査事項であり、期間経過・申立権の欠缺など補正不能の不備がある異議は、口頭弁論を経ずに判決で却下できる。補正可能な不備の場合は却下せず補正を促すべきとされ、審尋機会の保障と迅速性の均衡が図られる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の手形訴訟に関する規定を現行法へ再編し、現行359条として整理。不適法で補正できない異議を口頭弁論を経ずに判決で却下できる枠組みを引き継いだ
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の手形訴訟に関する規定を現行法へ再編し、不適法で補正できない異議を口頭弁論を経ずに判決で却下できる枠組みを現行359条として整理した。
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