民事訴訟法 第40条(必要的共同訴訟)
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- 訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。
- 2.前項に規定する場合には、共同訴訟人の一人に対する相手方の訴訟行為は、全員に対してその効力を生ずる。
- 3.第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人について訴訟手続の中断又は中止の原因があるときは、その中断又は中止は、全員についてその効力を生ずる。
- 4.第三十二条第一項の規定は、第一項に規定する場合において、共同訴訟人の一人が提起した上訴について他の共同訴訟人である被保佐人若しくは被補助人又は他の共同訴訟人の後見人その他の法定代理人のすべき訴訟行為について準用する。
この条文の基本情報
必要的共同訴訟とは何ですか?
定義必要的共同訴訟とは、民事訴訟法第40条に定められた規定で、「訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第40条(必要的共同訴訟)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第40条の条文原文は「訴訟の目的が共同訴訟人の全員について合一にのみ確定すべき場合には、その一人の訴訟行為は、全員の利益においてのみその効力を生ずる。」で始まります。
- 民事訴訟法第40条は第二節 共同訴訟に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第40条の前の条は民事訴訟法第39条です。
- 民事訴訟法第40条の次の条は民事訴訟法第41条です。
- 民事訴訟法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法40条は、必要的共同訴訟で判決を全員に統一する規定。共同訴訟人の一人の有利な行為は全員に及び、自白や取下げなど不利な行為は全員でしなければ効力を生じない。
Q · 相続人が五人いるのに、一番揉めている一人だけを訴えたらどうなるの?
訴えが却下される。全員を当事者にし直す必要がある
民事訴訟法40条が支配する必要的共同訴訟では、判決の結論が関係者全員について同じでなければ確定できません(合一確定)。遺産確認、共有物分割、株主総会決議取消しなどがこれに当たり、固有必要的共同訴訟では当事者を一人でも欠くと本案審理に入らず訴え却下になります。共同訴訟人の一人の有利な行為は全員に及びますが、自白や訴えの取下げなど不利な行為は全員が揃わなければ効力を生じません。提訴前に欠かせない当事者を戸籍・登記から確定することが勝敗の入口です。
解説
遺産分割でこじれて、いちばん話の通じない兄だけを相手に訴えを起こした。だが裁判所はあなたの言い分を一切聞かず、訴え却下。理由は「相続人全員を当事者にしていないから」。民事訴訟法40条が支配する「必要的共同訴訟」では、争いの結論が関係者全員について同じでなければ確定できない事件がある。遺産確認、共有物分割、会社の決議取消し。こうした事件では、当事者を一人でも欠くと中身に入る前に門前払いになる(固有必要的共同訴訟)。さらに40条は、当事者になった共同訴訟人の一人が有利な主張をすれば全員に効力が及び、逆に不利な行為(自白、訴えの取下げ)は全員が揃わなければ効力を生じないと定める。一人の足並みの乱れが、全員の勝敗を左右する構造だ。あなたが最初に問うべきは「誰を訴えたいか」ではなく「誰を欠いてはならないか」である。
法的な位置づけ
民事訴訟法40条は、必要的共同訴訟における共同訴訟人間の訴訟行為の効力を規律する規定である。訴訟の目的が全員について合一にのみ確定すべき場合に、有利な訴訟行為は一人でも全員の利益に及び、不利な行為は全員でしなければ効力を生じず、訴訟手続の中断・中止も全員に及ぶことで、判決の合一確定を担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.欠かせない当事者を確定する 提訴前に当事者として欠かせない者を確定する。相続なら戸籍を遡って相続人全員、共有物なら登記簿で共有者全員を一人ずつ洗い出す。固有必要的共同訴訟では一人でも漏らせば訴え却下になる
- 2.全員を揃えられない場合は原告・被告を振り分ける 協力しない相続人や共有者がいて全員を原告に揃えられない場合、その者を被告側に回す『原告・被告の振り分け』という実務手法を検討する。全員を原告にできなくても当事者は揃い、却下を免れる
- 3.行方不明者には公示送達を申し立てる 当事者の中に行方不明者がいても外せないため、公示送達(民訴110条)を申し立て、裁判所の掲示により送達したものとみなして手続を進める。当事者に加えたうえで送達の問題を技術的に解決する
- 4.被告側なら本案前に当事者適格の欠如を主張する 訴えられた側は、原告が必要な当事者を全員揃えているかをまず確認する。固有必要的共同訴訟で当事者を欠いていれば、本案の反論より先に『当事者適格の欠如』を主張し、訴え却下を狙う
よくある質問 AI による整理
Q1必要的共同訴訟とは何ですか?
判決を関係者全員について同じ内容で確定しなければならない共同訴訟です。民事訴訟法40条が訴訟行為の効力を規律し、合一確定が貫かれます。
Q2固有必要的共同訴訟と類似必要的共同訴訟の違いは?
固有は全員を当事者にしないと訴え却下になる類型、類似は一人でも提訴できるが判決は全員に合一確定する類型です。遺産確認は固有、決議取消しは類似の例です。
Q3遺産確認の訴えは相続人全員を当事者にする必要がありますか?
必要です。固有必要的共同訴訟に当たり、相続人を一人でも欠くと当事者適格を欠き訴えが却下されます。戸籍で全員を洗い出す必要があります。
Q4共有物分割の訴えは誰を当事者にしますか?
共有者全員を当事者にする必要があります。登記簿で共有者を確定し、一人でも欠けば固有必要的共同訴訟として却下されます。
Q5当事者を一人欠いて訴えるとどうなりますか?
固有必要的共同訴訟では、本案の中身を審理されずに訴えが却下されます。全員を揃えて再提訴する間に時効や出訴期間の壁に当たることもあります。
Q6株主総会決議取消しの訴えは共同訴訟になりますか?
複数株主が争えば類似必要的共同訴訟になります。一人が三か月以内(会社法831条)に提訴すれば足り、判決は全員に合一確定します。
Q7通常共同訴訟と必要的共同訴訟は何が違いますか?
通常共同訴訟は各人独立で判決もバラバラ可能(民訴39条)、必要的共同訴訟は判決を全員に統一する(民訴40条)点が違います。
Q8必要的共同訴訟で一人だけ控訴できますか?
一人が控訴すれば全員について判決の確定が止まり、控訴しなかった者まで第二審に引き上げられます。運命を共にする構造です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1兄弟が五人いるんですが、一人だけ行方不明で連絡が取れません。全員を訴えないとダメなら、永遠に裁判できないんですか?
行方不明でも当事者から外せませんが、公示送達(民訴110条)で裁判所の掲示により送達したものとみなし、手続を進められます。当事者として加えたうえで送達の問題を技術的に解決する形です。実務のポイント:固有必要的共同訴訟で協力しない相続人がいる場合、その人を被告側に回す『原告・被告の振り分け』という実務テクニックがある。全員を原告に揃えられなくても、非協力者を被告にすれば当事者は揃い、却下を免れる
Q2共同で訴えている相手の一人が、勝手に『負けを認めます』と言い出しました。私たちまで負けるんですか?
負けません。必要的共同訴訟では、自白や請求の放棄のような不利な行為は、共同訴訟人全員が揃ってしなければ効力を生じません(民訴40条1項)。一人の軽率な発言は、その一人についても全体についても効力を生じない。実務のポイント:逆に有利な行為は一人がやれば全員に及ぶ。だから戦略的には『一番準備の整った一人』が主張・立証を主導し、足並みの乱れやすい他の共同訴訟人は前に出さない、という役割分担が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 「誰を訴えるかは原告の自由だ」という前提が、この種の事件では崩れる。固有必要的共同訴訟では関係者全員を当事者にしなければ訴え自体が不適法になり、あなたが立てるべき問いは『誰を訴えたいか』ではなく『誰を欠いてはならないか』に変わる
- 共同訴訟という言葉は知っていても、その効力が非対称であることまでは知られていない。有利な行為は一人がやれば全員に及ぶが、不利な行為(自白、請求の放棄、訴えの取下げ)は全員が揃わなければ効力を生じない。この一方通行を知らないと、味方の一人の軽率な発言で全員が沈むと誤解し、無用に萎縮する
- 「共同訴訟人はそれぞれ別々に上訴や和解ができる」と思われがちだが、必要的共同訴訟では一人が上訴すれば判決の確定が全員について止まる。上訴しなかった者まで第二審に引き上げられ、運命を共にする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 判決の確定 | 民訴40条:全員について合一にのみ確定(合一確定) | 民訴39条:各共同訴訟人について別個に確定可 民訴38条:併合の要件を満たせば共同訴訟成立 |
| 一人の不利な行為の効力 | 民訴40条:全員が揃わなければ効力を生じない | 民訴39条:その一人についてのみ効力(独立の原則) — |
| 一人の上訴の効力 | 民訴40条:全員について確定が止まり全員が上級審へ | 民訴39条:上訴した者のみ上級審へ移審 民訴52条:共同訴訟参加で第三者が当事者に加入 |
| 当事者を欠いた場合 | 民訴40条(固有):当事者適格欠如で訴え却下 | 民訴39条:欠けても残る当事者で審理続行 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も必要共同訴訟人の一人の有利な行為は全員に及び、不利な行為は全員でなければ効力を生じないとする非対称構造で、日本40条とほぼ同型
韓国も必須的共同訴訟で合一確定を要求し、有利・不利の効力の非対称や上訴の全員への波及を規定。日本法を母体とする近接した規律
ドイツは必要的共同訴訟人を『訴訟共同が必要な者』として扱い、欠席した共同訴訟人も出席者により代理されたものとみなすなど合一確定を技術的に担保。日本法の母法
米国は Required(Indispensable)Party の法理で、欠かせない当事者を加えられない場合は訴え却下もありうるとする。合一確定の発想は共通だが、衡平裁量の比重が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、相続人が五人いるのに、あなたが一番揉めている一人だけを相手取って遺産確認の訴えを起こしたら? 裁判所は中身を判断せず却下する。全員を当事者にし直して再提訴、その間に時間と弁護士費用が二重にかかる
- あなたが共有物分割訴訟で被告にされたが、共有者の一人が訴えられていない。あなたはこの一点を突いて「当事者適格を欠く」と主張できる。手続上の急所を握っているのは、被告であるあなたの側だ
- 株主総会決議取消しの訴えは、決議の日から三か月以内(会社法831条)。あなたを含む複数の株主が原告に名を連ねる類似必要的共同訴訟だが、一人が期間内に提訴すれば足りる。あと数日でこの三か月が切れる、誰が原告に立つかを今夜決めなければ間に合わない
- 友人が、亡き親の不動産をめぐって兄弟の一部だけを相手に訴えると言い出した。あなたが40条を知っていれば、「全員を当事者にしないと門前払いになるよ」と一言で止められる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提訴前に、当事者として欠かせない者を確定する。相続なら戸籍を遡って相続人全員、共有物なら登記簿で共有者全員を洗い出す2. 全員を原告に揃えられない場合、協力しない者を被告側に回す(原告・被告の振り分け)という実務手法を検討する3. 行方不明者がいれば公示送達(民訴110条)で手続を進める4. 一人でも欠けば訴え却下になるため、提訴前のこの確認が勝敗の入口。弁護士に戸籍・登記の収集を依頼する段階で漏れを潰す
訴えられた側:1. 訴状を受け取ったら、まず原告側が必要な当事者を全員揃えているか確認する2. 固有必要的共同訴訟で当事者を欠いていれば、本案の反論より先に『当事者適格の欠如』を主張し、訴え却下を狙う3. 却下を取れれば相手は全員を揃えて出直すしかなく、その間に出訴期間や時効の壁が立ちはだかることもある4. 自分が複数被告の一人でも、不利な行為は全員が揃わなければ効力を生じない(民訴40条1項)ので、一人の失言で全体が沈むことはない
時効(請求できる期限):40条自体に固有の時効はない。基礎となる実体的請求権や出訴期間に従う(例:株主総会決議取消しの訴えは決議の日から3か月、会社法831条)。上訴については判決送達から2週間の控訴・上告期間(民訴285条、313条)が共同訴訟人全員にとって意味を持ち、一人の上訴で全員の確定が止まる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:必要的共同訴訟は、関係者全員を当事者にしなければ訴えが不適法となる『固有必要的共同訴訟』と、各人が単独提訴できるが合一確定が要求される『類似必要的共同訴訟』に区別される。40条はいずれにも適用され、合一確定を効力面から担保する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正。必要的共同訴訟における訴訟行為の効力に関する規律を現行40条に整理し、有利・不利の非対称な効力、相手方の行為の効力、中断・中止の全員への波及を明文化
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正。本条の実体的内容に大きな変更はないが、訴訟手続全体のデジタル化に整合する形で運用が更新
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