民事訴訟法 第405条(担保の提供)
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- この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
- 2.第七十六条、第七十七条、第七十九条及び第八十条の規定は、前項の担保について準用する。
この条文の基本情報
担保の提供とは何ですか?
定義担保の提供とは、民事訴訟法第405条に定められた規定で、「この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にし…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第405条(担保の提供)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第405条の条文原文は「この編の規定により担保を立てる場合において、供託をするには、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にし…」で始まります。
- 民事訴訟法第405条は第九編に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第405条の前の条は民事訴訟法第404条です。
- 民事訴訟法第405条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第405条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第405条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/405
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法405条は、執行停止等の担保を供託する場所を、担保を命じた裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所に限定する。
Q · 執行停止のための担保は、どこの供託所に積めばいいの?
担保を命じた裁判所等を管轄する地方裁判所の区域内の供託所に限られます
民事訴訟法405条により、担保を命じた裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内にある供託所(法務局・地方法務局)に供託する必要があります。近所の便利な供託所に積んでも、この管轄要件を外せば執行停止の効力が生じず、差押えは止まりません。第2項により76条以下が準用され、供託に代えて銀行との支払保証委託契約で担保を立てることもでき、勝訴確定後は79条の取消し手続で取り戻せます。
解説
一審で支払いを命じられ、判決の末尾に「仮に執行することができる」という一行が付いている。あなたは控訴すれば時間が稼げると思っている。だが相手は、控訴中のあなたの預金も給料も差し押さえられる。仮執行宣言付き判決は、確定を待たずに執行できるからだ。この流れを止める唯一のブレーキが「執行停止+担保供託」であり、405条はその担保金をどこに積むかを定める。積む場所は自由ではない。担保を命じた裁判所、または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内にある供託所(法務局・地方法務局)に限られる。近所の便利な法務局に積んでも要件を外せば、執行停止の効力が生じず、差押えは止まらない。さらに76条以下が準用され、担保は供託のほか銀行との支払保証委託契約でも立てられ、勝訴確定後は79条の取消し手続で取り戻せる。場所を一つ間違えるだけで、守れたはずの財産が運び出される。
法的な位置づけ
民事訴訟法405条は、同編の規定により担保を立てる際の供託所を定める規定であり、担保を命じた裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託すべきこと、および76条・77条・79条・80条の準用を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決末尾で仮執行宣言の有無を確認 受け取った判決の末尾に「仮に執行することができる」の文言があるか確認する。あれば控訴だけでは執行は止まらないと心得て、執行停止の準備に入る
- 2.強制執行停止の申立てと担保額の決定 原裁判所または控訴裁判所に強制執行停止の申立て(民訴403条)を行い、立てるべき担保額の決定を受ける。額が過大と思えば争う余地がある
- 3.管轄区域内の供託所を特定して供託 担保を命じた裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内にある供託所(法務局)を特定し、命じられた担保を供託する。職場近くなど管轄外に積むと効力につながらない(405条)
- 4.停止文書を執行裁判所へ提出 供託書または支払保証委託契約書を執行裁判所に提出し、執行停止の効力を発生させる(民執39条)。相手の差押え着手前に間に合わせる
- 5.勝訴確定後の担保取消しを予定に入れる 控訴が認められた、または担保の事由が消滅した後、担保取消しの申立て(79条準用)を行い供託金を取り戻す。担保を立てた時点でカレンダーに記録しておく
よくある質問 AI による整理
Q1執行停止の担保はどこに供託しますか?
担保を命じた裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所(法務局・地方法務局)に限られます。場所を誤ると執行停止の効力が生じません。
Q2仮執行宣言とは何ですか?
判決が確定する前でも執行できるようにする宣言です(民訴259条)。金銭の支払判決にはほぼ必ず付き、控訴中でも差押えが可能になります。
Q3強制執行を止めるにはどうすればいいですか?
控訴とは別に、強制執行停止の申立て(民訴403条)を行い、命じられた担保を405条の供託所に供託し、停止文書を執行裁判所に提出します(民執39条)。
Q4担保供託に代わる方法はありますか?
あります。76条準用により、現金の供託に代えて銀行などとの支払保証委託契約で担保を立てられます。現金を寝かせずに済む利点があります。
Q5供託所はどこにありますか?
供託所は法務局・地方法務局およびその支局・出張所が担います。405条が指定する地方裁判所の管轄区域内にある供託所を選ぶ必要があります。
Q6担保額はいくらになりますか?
裁判所の裁量で個別に決まり、相手が被る損害見込みを基準とします。過大と思えば争う余地があり、額が確定する前に動くほど拘束資金を抑えられます。
Q7執行停止の申立てはどの裁判所にしますか?
原裁判所または控訴裁判所に強制執行停止の申立て(民訴403条)を行います。担保額の決定を受けてから405条の供託所に供託します。
Q8明渡し判決でも執行停止できますか?
できます。仮執行宣言付き明渡し判決でも、執行停止決定を取り担保を供託すれば強制執行を止められます。供託所を誤ると数週間すら稼げません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴したのに、なんで差し押さえられるんですか?
判決に仮執行宣言(民事訴訟法259条)が付いていると、確定を待たずに執行できるからです。金銭の支払い判決にはほぼ必ず付きます。止めるには控訴とは別に強制執行停止の申立て(同403条)が必要で、その条件として担保が命じられます。実務のポイント:多くの人が「控訴すれば自動で止まる」と思い込み、何もしないまま預金や給与を差し押さえられる。仮執行宣言の有無を判決末尾でまず確認する人だけが、財産を守る初動に入れる
Q2担保のお金は、最後に戻ってくるんですか?
戻せますが自動ではありません。控訴が認められた、または担保の事由が消滅した後、担保取消しの申立て(民事訴訟法79条準用)をして初めて返還されます。供託のほか銀行との支払保証委託契約(76条準用)で立てる方法もあります。実務のポイント:勝訴確定後も取消し手続を忘れて供託金を塩漬けにする人は珍しくない。担保を立てた瞬間にカレンダーへ「取消し申立て」を書き込んでおくだけで、数十万円から数百万円を自分のもとへ戻せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴すれば差押えは止まる」と信じて動かない人が多い。だが、その問いの立て方自体が誤っている。仮執行宣言付きの判決は、控訴中でも執行できる。止めるには別途、執行停止の申立て(民事訴訟法403条)と担保供託という能動的な手続が必要になる。控訴と執行停止はまったく別の手続だ
- 担保はどこの供託所に積んでもいいと思われがちだが、405条は供託所を限定している。担保を命じた裁判所、または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所でなければならない。職場の近くの法務局に積んでも、要件を外せば執行停止の効力につながらないことがある
- 担保は積んでしまえば終わりと思われている。実際は、勝訴して相手の控訴が退けられた後、その担保を取り戻すには別の取消し手続が要る(民事訴訟法79条準用)。積んだ金は自動では戻ってこない。担保を立てる本当のコストは、戻すまでの時間と手間まで含めて計算すべきだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 405条:担保を供託する供託所の場所を限定 | 403条:執行停止と担保を命じる根拠手続 76条:担保提供の方法(供託・支払保証委託) |
| 規律する局面 | 担保を「どこに」積むか | 執行を止めるか・担保を立てさせるか 担保を「どう」立てるか |
| 誤ると起きること | 管轄外供託で執行停止の効力が生じない | 申立て自体をしないと執行は止まらない 認められない方法では担保不成立 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も執行停止等の担保を提存所への提存で立てる構造をとり、提存所の管轄が問題となる点で日本と類似する
ドイツは担保提供の種類・方法を定め、原則として供託または銀行保証によるが、場所の限定の建付けは日本と異なる
米国は上訴中の執行停止に supersedeas bond(保証)を要する。供託所の管轄ではなく、裁判所の承認する保証の形で担保を立てる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一審で300万円の支払いを命じられ、判決には仮執行宣言が付いていた。控訴状を準備しているうちに、相手が給与口座の差押えを申し立てたら、どうなる? 控訴中でも口座は凍結される。止めるには執行停止の決定を取り、命じられた担保を指定の供託所へ今すぐ積むしかない
- あなたが勝訴した債権者で、相手が控訴し執行停止を申し立てた。相手が担保を供託した。この担保は、控訴が棄却されてもなお相手が支払わないとき、あなたが優先的に取り立てられる原資になる。供託先が405条の管轄を満たしているか、確認する価値がある
- 家賃滞納で明渡し判決を受けた借主。引っ越し先はまだ決まっていない。控訴と執行停止で数週間を稼ぐには、担保供託が条件。供託所を間違えれば、来週には強制執行が玄関に来る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決の末尾に仮執行宣言があるか確認。あれば控訴だけでは執行は止まらないと心得る2. 原裁判所または控訴裁判所に強制執行停止の申立て(民事訴訟法403条)を行い、担保額の決定を受ける3. 命じられた担保を、担保を命じた裁判所または執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の区域内の供託所へ供託する(405条)。場所の取り違えは効力に直結する4. 供託書(または支払保証委託契約書)を執行裁判所に提出して執行停止の効力を発生させる(民事執行法39条)。差押え着手前に間に合わせること
訴えられた側:1. あなたが勝訴した債権者側なら、相手の執行停止申立てと担保供託の有無を監視する2. 供託先が405条の管轄区域内か確認、外れていれば執行停止の効力を争える余地がある3. 控訴が棄却・確定したら、供託された担保物について質権者と同一の権利(民事訴訟法77条準用)を行使し、未回収分の優先弁済原資にする4. 担保額が損害をカバーしないと見れば、増担保や別途の保全を検討する
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。時間的急所は執行の進行そのものである。仮執行宣言付き判決は確定を待たず執行できるため、執行停止決定と供託は差押え着手前に完了させる必要がある。勝訴確定後の担保取消し(民事訴訟法79条準用)は権利消滅後に申立て可能だが、放置すると供託金が長期間拘束される(最新の手続をご確認ください)
学説
通説:405条の供託所の管轄は、担保権利者が担保へ確実にアクセスできるようにするための要件であり、供託者の便宜よりも担保の実効性を優先する趣旨と解されている。管轄区域外の供託は要件を欠き、執行停止の効力に結びつかないと整理される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により現行の条文体系に整理。担保供託の場所を関係裁判所の管轄区域内の供託所に限定する規律が置かれた。
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