受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第63条(訴訟を遅滞させた場合の負担)

クイックジャンプ

当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判所は、その当事者に、その勝訴の場合においても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部又は一部を負担させることができる。

この条文の基本情報

訴訟を遅滞させた場合の負担とは何ですか?

定義訴訟を遅滞させた場合の負担とは、民事訴訟法第63条に定められた規定で、「当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第63条(訴訟を遅滞させた場合の負担)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第63条の条文原文は「当事者が適切な時期に攻撃若しくは防御の方法を提出しないことにより、又は期日若しくは期間の不遵守その他当事者の責めに帰すべき事由により訴訟を遅滞させたときは、裁判…」で始まります。
  3. 民事訴訟法第63条は第一節 訴訟費用の負担に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第63条の前の条は民事訴訟法第62条です。
  7. 民事訴訟法第63条の次の条は民事訴訟法第64条です。
  8. 民事訴訟法第63条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第63条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第63条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/63

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法63条は、自己の責めに帰すべき事由で訴訟を遅滞させた当事者に、勝訴の場合でも遅滞で生じた訴訟費用の全部または一部を負担させられると定める。

Q · 裁判に勝ったのに、自分が訴訟費用を払わされることなんてあるの?

あります。遅滞させた分の費用は勝っても自己負担になりえます

民事訴訟法63条により、当事者が適時提出主義に反して証拠を小出しにしたり、正当な理由なく期日を欠席するなど、自己の責めに帰すべき事由で訴訟を遅滞させたときは、たとえ勝訴しても、遅滞によって生じた訴訟費用の全部または一部を裁判所が負担させることができます。敗訴者負担(民訴61条)はあくまで原則で、63条はその例外です。逆に相手が引き延ばしているなら、遅滞の事実を記録に残し、判決時に63条の適用を裁判所へ求めることもできます。

解説

民事裁判には「負けた側が訴訟費用を払う」という大原則がある(民訴61条、訴訟費用とは印紙代や証人の日当など手続にかかる公的費用のこと、弁護士費用は原則含まれない)。だがこの63条は、その原則に風穴を開ける。あなたが裁判で勝ったとしても、審理を不当に引き延ばした責任があれば、その遅れによって余計にかかった費用を、勝者であるあなたが負担させられる。証拠を小出しにする、期日に正当な理由なく欠席する、提出期限を守らない。こうした「自分の責めに帰すべき事由」で訴訟を遅らせると、裁判所はあなたに費用の全部または一部を負わせることができる。逆に、相手がこの手であなたを消耗させているなら、あなたから裁判所にこの条文の適用を促すこともできる。勝ち負けとは別の軸で、訴訟の進め方そのものにペナルティが用意されている。それを知る者と知らぬ者では、法廷での振る舞いが変わる。

法的な位置づけ

民事訴訟法63条は訴訟遅滞による費用負担を定める規定であり、当事者が適時提出主義に違反し、または期日・期間の不遵守その他自己の責めに帰すべき事由で訴訟を遅滞させたときは、勝訴の場合であっても遅滞により生じた訴訟費用の全部または一部を裁判所がその当事者に負担させうる旨を規定する。敗訴者負担の原則(61条)の例外として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.相手の遅滞行為を逐一記録に残させる 期日変更の回数と理由、書面提出の遅れ、欠席を、準備書面や口頭弁論調書に記録させる。遅滞が現に生じているその瞬間に残すことが重要で、後から主張しても記録がなければ裁判所は動かない
  2. 2.遅滞で余計にかかった費用を項目別に整理 弁護士に相談し、追加出頭の交通費、再準備の手間、空転した期日の関連費用などを項目別に整理する。63条で負担を求める対象を明確にしておく
  3. 3.判決を求める段階で63条の適用を主張 弁論終結に向けて、訴訟費用の負担について民訴63条の適用を主張する。時機に後れた攻撃防御方法があれば157条の却下も併せて申し立てる
  4. 4.裁判官に遅滞の事実を明確に認識させる 訴訟費用の負担は裁判所が職権で裁判する(民訴67条)ため、口頭弁論や書面で遅滞の経緯を裁判官に明確に認識させておく。申し立てること自体が訴訟指揮を引き締める効果も持つ

よくある質問 AI による整理

Q1訴訟費用には何が含まれますか?

印紙代(手数料)、書類の送達費用、証人や鑑定人の日当・旅費など手続にかかる公的費用です。弁護士費用は原則として訴訟費用に含まれません(民事訴訟費用等に関する法律)。

Q2適時提出主義とは何ですか?

攻撃防御方法を訴訟の進行に応じて適切な時期に提出しなければならないという原則です(民訴156条)。これに反すると157条の却下や63条の費用負担の引き金になります。

Q3時機に後れた攻撃防御方法はどうなりますか?

民訴157条により、相手方の申立てまたは職権で却下されることがあります。さらに63条で遅滞分の費用負担まで重なり、二重の不利益になりえます。

Q4訴訟費用の負担は誰が決めるのですか?

裁判所が職権で、判決等と同時に裁判します(民訴67条)。当事者の申立ては不要ですが、63条の適用を促したい場合は遅滞の事実を記録化しておくことが重要です。

Q5期日変更を申し出ると費用を負担させられますか?

正当な理由(病気、証拠収集の客観的困難など)があり疎明できれば、責めに帰すべき事由にあたらず費用負担は生じません。正当な理由を欠く繰り返しが問題になります。

Q6民訴63条と61条はどう違いますか?

61条は『負けた側が訴訟費用を払う』敗訴者負担の原則です。63条はその例外で、勝訴しても自ら訴訟を遅滞させた当事者に遅滞分の費用を負担させられる規定です。

Q7弁護士費用は訴訟費用として相手に請求できますか?

原則できません。訴訟費用は手続上の公的費用に限られ、弁護士費用は各自負担が原則です。不法行為など一部の例外で損害として一部請求できる場合があります。

Q8相手の引き延ばしの証拠はどう残せばいいですか?

期日変更の回数と理由、書面提出の遅れ、欠席を準備書面や口頭弁論調書に記録させておきます。遅滞が生じているその時に残すのが鍵で、判決後では遅すぎます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判で勝ったのに、なんで自分が費用を払わされることがあるんですか?

原則は敗訴者負担(民訴61条)ですが、63条はその例外です。あなたが正当な理由なく期日を飛ばしたり証拠を小出しにして審理を遅らせると、その遅れで生じた費用は勝っても自己負担になりえます。実務のポイント:実務で63条が単独で発動する例は多くないが、遅滞の常習は確実に裁判官の心証を悪くする。費用負担まで至らずとも、和解勧告や訴訟指揮で不利に働く。「勝てばいい」ではなく「どう勝つか」を弁護士が重視する理由はここにある

Q2相手が明らかにわざと裁判を引き延ばしてます。何かできませんか?

遅滞の事実を記録に残したうえで、判決時に63条による費用負担を裁判所に求められます。また時機に後れた主張は157条で却下を申し立てられます。実務のポイント:63条の費用負担は金額的に大きくないことが多い。だが本当の効き目は、申し立てること自体が裁判官へ「相手が引き延ばしている」と印象づける点にある。費用の回収より、訴訟指揮を引き締めさせる効果を狙って使う弁護士が多い

間違えやすい点 AI による整理

  • 「勝てば訴訟費用は全額相手持ち」と信じている人が多い。だが民訴61条の敗訴者負担はあくまで原則で、63条という例外がある。勝者でも、自分の責めで訴訟を遅らせた分の費用は自腹になりうる
  • 「証拠を遅れて出すと却下されることがある」とは知っていても、却下(157条)だけで終わると思っている人が多い。実際はそれに加えて遅延分の費用負担(63条)まで乗る。一つの遅れが、証拠の喪失と金銭負担の二重の打撃になる。その深刻さを多くの人は見落としている
  • あなたから見れば「念のため期日変更を願い出る」「慎重に証拠を精査する」は当然の用心に見える。だが裁判所から見れば、正当な理由を欠く引き延ばしは「当事者の責めに帰すべき遅滞」だ。この見え方の落差が、勝訴したあなたに思わぬ費用負担を呼び込む
比較の観点この条文ほかの条文
費用負担のルール民訴63条:遅滞させた当事者が勝訴でも遅滞分を負担民訴61条:原則として敗訴者が訴訟費用を負担
民訴157条:時機に後れた攻撃防御方法を却下
発動の要件適時提出主義違反・期日不遵守等、自己の責めに帰すべき事由による遅滞訴訟の勝敗が確定すること
故意・重過失により時機に後れて提出されたこと
効果遅滞で生じた訴訟費用の全部または一部を負担訴訟費用の全部を敗訴者が負担
当該攻撃防御方法そのものが審理から排除される
勝訴者への影響勝訴しても費用負担を免れない勝訴すれば費用は相手持ちが原則
勝訴の決め手となる証拠でも却下されうる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第82条

適切な時期に攻撃防御方法を提出しない等、責めに帰すべき事由で訴訟を遅滞させた当事者には勝訴でも遅滞分の費用を負担させうる。日本63条とほぼ同一の構造

韓国
대한민국 민사소송법 제100조

原因を提供した当事者の費用負担を定め、不要な行為や遅滞による費用を勝訴者にも負わせうる点で日本と類似

ドイツ
ZPO § 95

当事者の帰責事由・懈怠により生じた費用はその当事者の負担とする。本条の継受元にあたる費用法理

アメリカ
28 U.S.C. § 1927

手続を不合理かつ執拗に増大させた弁護士に、それにより生じた超過費用を個人負担させうる。当事者ではなく代理人を対象とする点で構造が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 相手が証人尋問のたびに「次回また補充します」と引き延ばし、半年で終わるはずの裁判が二年目に突入したとしたら? その遅れであなたが余計に負担した期日関連費用を、相手の勝敗とは別枠で相手へ負わせるよう裁判所に求められる。黙って消耗する必要はない
  • あなたが被告で、不利な証拠を最後まで隠し持ち、判決直前に切り札として出した。たとえその証拠で逆転勝訴しても、「時機に後れた」と判断されれば(民訴157条)却下されるうえ、引き延ばし分の費用をあなたが負担させられる(63条)。小出し戦術は二重に損をする
  • 提出期限まであと三日。書類が間に合わず期日が一回飛んだ。その一回の空転で生じた費用が、後であなたの側から精算されることになる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 相手の遅滞行為を逐一記録:期日変更の回数と理由、書面提出の遅れ、欠席を準備書面や口頭弁論調書に残させる2. 弁護士に相談し、遅滞で余計にかかった費用(追加出頭、再準備の手間など)を項目別に整理3. 判決を求める段階で、訴訟費用の負担について63条の適用を主張4. 裁判所は職権で費用負担を裁判する(民訴67条)ため、遅滞の事実を裁判官に明確に認識させておくことが鍵

訴えられた側:1. 期日変更や提出遅延には必ず正当な理由(病気、証拠収集の客観的困難など)を疎明し記録に残す。「責めに帰すべき事由」でないと示すのが防御の核心2. 不利な証拠の温存は危険:時機に後れた攻撃防御方法として却下(157条)され、費用負担(63条)も招く。出すべき証拠は早期に出す3. やむを得ない遅滞だったと立証できれば、勝訴した場合の費用負担は回避できる

時効(請求できる期限):特定の時効はない。訴訟費用の負担は判決等と同時に裁判所が職権で裁判する(民訴67条)。63条の適用を求めるなら、遅滞が現に生じている訴訟係属中に、その事実を準備書面や調書へ記録化しておく必要がある。判決が出てから「あの時遅れていた」と主張しても遅い

学説

通説:63条の適用には『当事者の責めに帰すべき事由』による遅滞が必要であり、やむを得ない事情による遅れは含まれない。費用負担の範囲は遅滞と相当因果関係のある費用に限られると解される。157条の却下と並ぶ訴訟促進の担保手段と位置づけられる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の遅滞費用負担規定を再編し、現行63条として整理。条文を現代語化し「当事者の責めに帰すべき事由」による訴訟遅滞を費用負担の要件として明示した

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の遅滞費用負担規定を再編し現行63条として整理。条文を現代語化し『当事者の責めに帰すべき事由』による訴訟遅滞を費用負担の要件として明示した

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 訴訟費用の負担

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›