感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第53条の16(生産に関する要請等)
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- 厚生労働大臣は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に必要な医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第一項に規定する医薬品をいい、専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)、医療機器(同条第四項に規定する医療機器をいい、専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)、個人防護具(着用することによって病原体等にばく露することを防止するための個人用の道具をいう。)その他の物資並びにこれらの物資の生産に必要不可欠であると認められる物資及び資材(以下「感染症対策物資等」という。)について、需要の増加又は輸入の減少その他の事情により、その供給が不足し、又は感染症対策物資等の需給の状況その他の状況から合理的に判断して、その供給が不足する蓋然性が高いと認められるため、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止することが困難になることにより、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある場合において、その事態に対処するため、当該感染症対策物資等の生産を促進することが必要であると認めるときは、当該感染症対策物資等の生産の事業を行う者(以下「生産業者」という。)に対し、当該感染症対策物資等の生産を促進するよう要請することができる。
- 2.厚生労働大臣は、前項の規定による要請をしようとするときは、あらかじめ、事業所管大臣(当該感染症対策物資等の生産の事業を所管する大臣をいう。以下この条及び次条第二項において同じ。)に協議するものとする。
- 3.第一項の規定による要請を受けた生産業者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該要請に係る感染症対策物資等の生産に関する計画(以下この条において「生産計画」という。)を作成し、厚生労働大臣及び事業所管大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
- 4.事業所管大臣は、自らがその生産の事業を所管する感染症対策物資等について、第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、前項の規定による届出をした生産業者に対し、その届出に係る生産計画を変更すべきことを指示することができる。
- 5.厚生労働大臣は、事業所管大臣に対して、前項の規定による指示を行うよう要請することができる。
- 6.第三項の規定による届出をした生産業者は、その届出に係る生産計画(同項後段の規定による変更の届出があったときは、その変更後のもの。次項において同じ。)に沿って当該生産計画に係る感染症対策物資等の生産を行わなければならない。
- 7.厚生労働大臣又は事業所管大臣は、第四項の規定による指示を受けた生産業者が正当な理由がなくその指示に従わなかったとき、又は前項に規定する生産業者が正当な理由がなくその届出に係る生産計画に沿って当該生産計画に係る感染症対策物資等の生産を行っていないと認めるときは、その旨を公表することができる。
この条文の基本情報
生産に関する要請等とは何ですか?
定義生産に関する要請等とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16に定められた規定で、「厚生労働大臣は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に必要な医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第一項に規定する医薬…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16(生産に関する要請等)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16の条文原文は「厚生労働大臣は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に必要な医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第一項に規定する医薬…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16は第九章の二 感染症対策物資等に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の15です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の17です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の16には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第53条の16 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第53条の16(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/53_16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法53条の16は、感染症対策物資の供給不足時に厚生労働大臣が生産業者へ増産を要請できる規定。要請を受けた業者は生産計画を届け出て、それに沿って生産する義務を負う。
Q · 国から医療物資の増産要請が来たら、会社は何をしなければならない?
生産計画を作り、厚労大臣と事業所管大臣に届け出る
感染症法53条の16第1項の要請自体は増産を強制しません。しかし要請を受けた生産業者は、厚生労働省令に従って生産計画を作成し、厚生労働大臣と事業所管大臣に届け出る義務を負います(3項)。計画を変更したときも届出が必要です。届出後は計画に沿って生産しなければならず(6項)、事業所管大臣から計画変更の指示を受けることもあります(4項)。正当な理由なく指示や計画に従わない場合は、その旨を公表されることがあります(7項)。
解説
マスク工場だけの話ではない。対象は医薬品、医療機器、防護服などの個人防護具に加え、それらの生産に欠かせない物資や資材まで含む。不織布の原反、樹脂、ゴム手袋の原料を作る会社も、条件がそろえば厚生労働大臣から生産を増やすよう要請を受けうる。要請そのものに強制力はない。ただ、要請を受けた生産業者には、生産計画を作り、厚生労働大臣と事業所管大臣(その業界を所管する大臣、例:経済産業大臣)に届け出る法的義務が生じる(3項)。届け出た後は、その計画に沿って生産しなければならない(6項)。計画の変更を指示されることもある(4項)。正当な理由なく指示に従わない、または計画どおり生産しない場合は、会社名を公表されうる(7項)。つまり、拘束されるのは国が決めた数字ではない。自社が書いた数字である。要請を受けたその日から、計画書の一行一行が、後で自社を縛る約束になる。
法的な位置づけ
感染症法53条の16は、感染症対策物資等(医薬品、医療機器、個人防護具その他の物資及びその生産に必要不可欠な物資・資材)の供給不足又はその蓋然性が高い場合に、厚生労働大臣が生産業者に生産促進を要請する権限、要請を受けた生産業者の生産計画届出・遵守義務、事業所管大臣の計画変更指示権、及び正当な理由のない不遵守の公表を定める規定である。
手順
- 1.要請文書の受領と内容の記録 要請文書の受領日、対象となる感染症対策物資等の品目、要請内容を記録し、法務・生産・調達部門で共有する。自社が要請対象の「生産業者」に当たるかもこの段階で確認する
- 2.生産能力と制約条件の洗い出し 原料調達、人員、設備稼働、既存顧客への供給契約など、増産の制約となる条件を数値で整理する。後に「正当な理由」を示す根拠になる
- 3.前提条件つきの生産計画を作成・届出 実現可能な数量で生産計画を作成し、前提条件を明記したうえで、厚生労働省令の定めに従い厚生労働大臣と事業所管大臣に届け出る(3項)
- 4.実績のモニタリングと事前の変更届 計画と実績の乖離を定期的に確認し、前提が崩れたら実績が下回る前に変更届を出す(3項後段)。6項の遵守基準は変更後の計画になる
- 5.計画変更の指示への対応 事業所管大臣から計画変更の指示(4項)を受けた場合、対応可否を検討する。応じられない場合は正当な理由を文書化し、所管省庁と協議した記録を残す
よくある質問 AI による整理
Q1感染症対策物資等とは何ですか?
医薬品、医療機器、個人防護具その他の物資と、それらの生産に必要不可欠な物資・資材の総称です。感染症法53条の16第1項で定義されています。
Q2感染症法53条の16はいつから施行されていますか?
令和4年法律第96号の改正で新設され、令和6年(2024年)4月1日に施行されました。コロナ禍のマスク・防護具不足が立法の背景です。
Q3生産計画はどこに届け出ればいいですか?
厚生労働大臣と事業所管大臣の両方に届け出ます(3項)。届出の様式や時期は厚生労働省令の定めに従います。
Q4事業所管大臣とは誰のことですか?
その物資の生産事業を所管する大臣です。例えば化学素材なら経済産業大臣が該当しえます。厚生労働大臣は要請前に事業所管大臣と協議します(2項)。
Q5計画変更の指示に従わないとどうなりますか?
正当な理由なく指示に従わない場合、厚生労働大臣または事業所管大臣がその旨を公表できます(7項)。指示の根拠は4項です。
Q6生産要請はどんなときに出されますか?
需要増や輸入減で供給が不足し、または不足の蓋然性が高く、国民の生命・健康に重大な影響を与えるおそれがあるときです。実際の不足前でも出せます。
Q7動物用の医薬品や医療機器も対象ですか?
対象外です。1項は、専ら動物のために使用されることが目的とされている医薬品・医療機器を明文で除外しています。
Q8届け出た生産計画を変えたら再届出が必要ですか?
必要です。3項後段により変更時も届出が求められ、6項の遵守義務は変更後の計画が基準になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国から増産を頼まれたら、本当に断れるんですか?
1項の要請は、生産量を増やすこと自体を強制するものではありません。ただし要請を受けた時点で、生産計画を作って届け出る義務が生じます(53条の16第3項)。計画の数字は自社が決めるので、実現できる範囲で書くのが実際の防御になります。実務のポイント:「増産しない」ではなく、「現有設備ではこの数量が上限」と根拠つきで届け出る方が、所管省庁とのその後の関係も公表リスクもずっと安定します
Q2計画どおり作れなかったら、罰金を取られますか?
本条が定める制裁は、正当な理由なく計画どおり生産しない場合の公表です(53条の16第7項)。罰則の有無は最新の改正状況をご確認ください。重要なのは「正当な理由」の有無で、原料途絶や設備故障などは主張の材料になります。実務のポイント:実績が計画を下回りそうになった段階で変更届を出しておけば、6項の基準は変更後の計画になります。事後の言い訳より、事前の変更届の方が強いのです
Q3うちは部品メーカーなんですが、対象になることってあります?
あります。1項は、医薬品や医療機器、個人防護具だけでなく、「これらの物資の生産に必要不可欠であると認められる物資及び資材」も対象にしています。実務のポイント:有事にまず声がかかるのは完成品メーカーですが、ボトルネックが素材や部品にあると分かれば、要請は上流へさかのぼります。主要顧客が医療機器メーカーなら、平時から自社の増産余力を把握しておくと慌てずに済みます
間違えやすい点 AI による整理
- 「要請」は行政指導なのだから無視しても問題ない、と考えがちである。確かに生産を増やすこと自体は強制されない。しかし、要請を受けた生産業者は生産計画を作って届け出る義務を負い(3項)、届け出た計画に沿って生産する義務も負う(6項)。要請は入口にすぎず、その先は義務の領域である
- 社名公表は罰金より軽いと受け止められやすいが、その重さを過小評価している。感染症が広がる中で「国の要請に応じなかった会社」と報じられれば、医療機関や行政との取引、採用、株価にまで影響しうる。行政処分(役所が直接下す決定)ほど法的手続が整っていない分、事後に取り返す手段も限られる
- 「うちは医療メーカーではないから関係ない」という問い自体がずれている。本条の対象は「物資の生産に必要不可欠な物資及び資材」にまで広がっている。問うべきは自社の業種ではない。自社の製品が感染症対策物資のサプライチェーンのどこにあるかである
- 経営者は増産能力を前向きに語りたい。しかし法律から見れば、届け出た計画の数字は、守らなければ公表につながる基準線になる。営業資料の感覚で書いた数字が、有事には自社を縛る
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は中央流行疫情指揮中心の設置期間中、防疫器具・医療器材等の民間物資を徴用・調度できる。日本の要請・計画届出型より直接的な強制手段を採る
韓国は2020年のマスク不足時に緊急需給調整措置を用い、生産・出荷の届出等を求めた。感染症法とは別の物価安定法制による対応である
米国は国防生産法に基づき、大統領が契約の優先履行や物資配分を命じられる。2020年には人工呼吸器やマスクの生産に発動された。日本より強制力が強い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし自社が医療用ガウンの部材メーカーで、ある朝、厚生労働省から生産促進の要請文書が届いたらどうなる? 「お願い」に見えるが、生産計画の作成と届出はこの時点で義務になる。返事をしない、という選択肢は法律上用意されていない
- あなたは中堅の化学メーカーの生産管理部長である。要請を受けて、社長の意向どおり楽観的な増産計画を届け出た。三か月後、原料輸入が止まり計画を大きく下回った。事前に変更届を出していなければ、「正当な理由なく計画に沿って生産していない」として社名公表のリスクを負う
- 主要な輸入元の国が医療用手袋の輸出を止めた。病院の在庫はあと二週間分しかない。この「供給が不足する蓋然性が高い」段階で、実際に不足が起きる前に要請を出せるのが本条の設計である
- 取引先の医療機器メーカーから「国の要請で増産するので、部品の納期を前倒ししてほしい」と頼まれた。自社は直接の要請先ではない。それでも「生産に必要不可欠な物資及び資材」の生産業者として、次に要請を受けるのは自社かもしれない
- 新興感染症が広がる中、他社は増産しているのに、自社だけが事業所管大臣から計画変更の指示を受けた。既存顧客への供給契約がある。この契約を「正当な理由」として主張できるかどうか、法務部門に残された検討時間は数日しかない
取るべき行動
被害を受けた側:物資不足で困っている医療機関や自治体の立場なら:1. 不足している物資の品目と在庫が尽きる日数を数値で記録し、所管の都道府県や厚生労働省に具体的に伝える2. 生産要請や計画届出の状況は、国の需給対策を判断する材料になる。業界団体を通じて需給情報を共有する3. 新型インフルエンザ等対策特別措置法55条など、別の法律による物資確保の仕組みも並行して確認する
訴えられた側:要請を受けた生産業者の立場なら:1. 要請文書の受領日、対象品目、要請内容を記録する2. 原料、人員、設備の制約を洗い出し、実現できる生産計画を前提条件つきで作成して届け出る3. 前提が崩れたら、実績が下回る前に変更届を出す4. 計画変更の指示に応じられない場合は、既存の供給契約や安全性など「正当な理由」を文書で整理し、事業所管大臣と協議する5. 公表前の意見陳述の機会について、所管省庁に確認する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。生産計画の届出時期や様式は厚生労働省令の定めによる。4項の指示が行政処分に当たる場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)だが、指示に処分性があるかは実務上解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)
学説
公表の二面性論:行政上の公表には、国民への情報提供という側面と、違反者への制裁という側面がある。制裁的機能が強い公表については、事前の手続保障や比例原則の観点から慎重な運用が求められるとする議論がある
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正(令和4年法律第96号)、令和6年(2024年)4月1日施行 新型コロナ禍のマスク・防護具不足を受け、第9章の2「感染症対策物資等」を設けた際に新設された。生産要請、生産計画の届出・遵守義務、計画変更の指示、公表の仕組みを導入した
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:令和4年法律第96号により、第9章の2「感染症対策物資等」の一部として新設。生産要請、生産計画の届出・遵守義務、計画変更の指示、公表の仕組みを導入。令和6年(2024年)4月1日施行
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