要点民事再生法 120 条の 2 は、社債管理者等の管理事務費用や報酬を、裁判所の許可により共益債権にできると定める。共益債権は再生債権に先立ち随時・満額で弁済される。
Q · 社債を持っていた会社が民事再生に入ったら、社債管理者の手数料は私の配当より先に払われるの?
許可があれば社債権者の配当より先に満額弁済されます
民事再生法 120 条の 2 により、社債管理者・社債管理補助者の管理事務の費用や報酬は、裁判所の許可を得れば共益債権となります。共益債権は再生計画による減額を受けず、再生債権(社債はこちら)に先立って随時・満額で弁済されます(民再法 121 条)。つまり社債権者への配当原資から、管理者の費用が先に天引きされる構造です。1 項は費用支出前の事前許可、2 項は無許可でも事業再生への貢献に応じた事後許可、3 項は手続開始後の報酬を対象とします。
退職金の一部で大企業の社債を買った。安全だと思っていたその会社が、ある日民事再生を申し立てる。あなたの社債は再生債権となり、配当は大幅にカットされる。ここまでは多くの人が想像できる。だが見落とされているのは、社債を管理する社債管理者(多くは信託銀行)が、その管理にかかった費用や報酬を、裁判所の許可一枚で「共益債権」(手続全体の利益のために随時かつ優先して支払われる別格の債権)に格上げできるという点だ。共益債権は再生計画によらず随時、しかも再生債権に先立って満額弁済される。つまり管理者の費用は、あなたへの配当より先に、削られずに抜かれていく。1 項は費用発生前の事前許可、2 項は許可なく動いた場合でも事業再生に貢献したと認められれば事後的に、3 項は手続開始後に生じた報酬を対象とする。この優先順位の階段の存在を知る投資家と知らない投資家とでは、再生手続での身の処し方がまるで違う。
民事再生法 120 条の 2 は、社債管理者・社債管理補助者等が再生債権である社債の管理事務につき負担する費用および報酬の請求権を、裁判所の許可を要件として共益債権に格上げする規定である。事前許可、無許可でも貢献度に応じた事後許可、手続開始後の報酬を対象とし、担保付社債や投資法人債・社会医療法人債等にも準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
社債権者のために社債の管理・回収・保全を行う会社(多くは信託銀行)です。会社法 702 条が原則設置義務を定め、再生局面ではその管理費用が本条で共益債権化されます。
社債は再生債権(民再法 84 条)となり、再生計画で減額された配当を受けるのが原則です。元本満額の回収は期待できず、配当率は共益債権を控除した残余から決まります。
共益債権は再生計画によらず、随時かつ再生債権に先立って弁済されます(民再法 121 条)。減額を受けない別格の債権であり、社債権者の配当より先に払われます。
会社法改正(令和元年)で社債管理補助者制度が新設され、本条にも同者が追加されました。管理者より権限が限定された、より簡易な担い手です。
対象です。本条 6 項により投資法人債管理者の費用にも準用されます。J-REIT が発行する投資法人債を持つ人も、同じ共益債権化のルールに組み込まれます。
最終的には再生債務者の財団が負担します。共益債権化されると財団から優先弁済され、その分だけ他の再生債権者に配られる原資が減少します。
事案により大きく異なり一律ではありません。配当率は共益債権や優先債権を控除した残余を再生債権で按分した数字で、天引き後の値である点に注意が必要です。
及びます。本条 6 項は担保付社債信託法の受託会社が管理する社債にも準用され、その管理費用・報酬の請求権が共益債権化の対象になります。
守られません。社債は再生手続では再生債権(民再法 84 条)になり、再生計画で大幅に減額された配当しか受けられないのが原則です。むしろ社債を管理する社債管理者の費用のほうが、本条の許可で共益債権に格上げされ、あなたより先に満額弁済されます。業界裏話ヒント:投資家が見る「配当率」は、共益債権を抜いた後の残りを再生債権者で分けた数字。配当率が低い背景に、こうした優先弁済の積み上がりがあることは表に出てこない
共益債権は手続全体の利益のための費用とされ、再生計画によらず随時かつ再生債権に先立って弁済されるからです(民再法 121 条)。社債管理者が動かないと社債の管理が回らず再生が進まないため、本条はその費用にインセンティブを与えています。業界裏話ヒント:1 項の事前許可だけでなく、2 項では許可なしで動いた場合でも『事業再生に貢献した』と認められれば事後的に共益債権化できる。後出しの道が残されている点が、他の優先制度と違う
言えます。1 項から 3 項の許可決定に対しては 5 項で即時抗告が認められており、財団が削られる再生債務者・監督委員・他の再生債権者などが争えます。業界裏話ヒント:問題は期間の短さ。即時抗告は告知から原則 1 週間(公告がある場面では 2 週間のことも)で、迷っているうちに確定する。決定が出た瞬間に抗告するか否かを即断できるよう、争点をあらかじめ用意しておくのが実務の鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 債権の性質 | 120 条の 2:社債管理者等の費用・報酬を許可で共益債権化 | — |
| 弁済の順位・時期 | 共益債権として随時・再生債権に優先して満額 | — |
| 成立の要件 | 裁判所の許可(事前・事後・報酬の各許可) | — |
| 争う手段 | 5 項:許可決定への即時抗告 | — |
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