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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事再生法 第142条(法人の役員の財産に対する保全処分)

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  1. 裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この条から第百四十五条までにおいて「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、役員の財産に対する保全処分をすることができる。
  2. 2.裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、再生手続開始の決定をする前でも、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の保全処分をすることができる。
  3. 3.第一項に規定する場合において管財人が選任されていないとき、又は前項に規定する場合において保全管理人が選任されていないときは、再生債権者も、第一項又は前項の申立てをすることができる。
  4. 4.裁判所は、第一項又は第二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
  5. 5.第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
  6. 6.前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
  7. 7.第五項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

この条文の基本情報

法人の役員の財産に対する保全処分とは何ですか?

定義法人の役員の財産に対する保全処分とは、民事再生法第142条に定められた規定で、「裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者の理事、…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事再生法第142条(法人の役員の財産に対する保全処分)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
  2. 民事再生法第142条の条文原文は「裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者の理事、…」で始まります。
  3. 民事再生法第142条は第三節 法人の役員の責任の追及に置かれています。
  4. 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
  5. 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事再生法第142条の前の条は民事再生法第141条です。
  7. 民事再生法第142条の次の条は民事再生法第143条です。
  8. 民事再生法第142条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第142条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
  • 本サイト収録民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第142条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/142

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事再生法142条は、法人の再生手続開始後、裁判所が役員の損害賠償責任を確保するため、その個人財産に保全処分をかけられると定める。緊急時は開始決定前でも職権で発令できる。

Q · 会社が民事再生を申し立てたら、取締役の自宅や預金まで凍結されるって本当?

本当です。役員の損害賠償責任を確保するため個人財産に保全処分がかかります

民事再生法142条により、法人の再生手続が開始すると、裁判所は役員の任務懈怠に基づく損害賠償請求権を確保するため、その役員個人の財産に保全処分(処分禁止等)をかけられます。緊急の必要があれば開始決定の前でも職権で発令でき(2項)、管財人が選任されていない場面では再生債権者も申立てが可能です(3項)。これは仮の措置であり、本番は143条の役員責任査定手続で、確定すれば給付判決と同一の効力を持ちます(145条)。

解説

会社が傾いたとき、多くの取締役はこう考える。会社の借金は会社のもの、有限責任だから自分の財産は無事だ、と。民事再生法142条は、その思い込みを正面から崩す。法人の再生手続が始まると、裁判所は取締役や監査役の「責任に基づく損害賠償請求権」を確保するため、その役員の個人財産に保全処分(差押えや処分禁止の仮押さえ、つまり本人が勝手に売ったり移したりできなくする措置)をかけられる。しかも緊急の必要があれば、再生手続開始の決定が出る前でも、職権で凍結できる。さらに管財人がいない場面では、再生債権者、つまりお金を貸した側も自分でこの申立てができる。あなたが取締役として放漫経営や違法配当をしていたなら、会社が倒れる瞬間、自宅も預金も役員報酬も、裁判所の網の中に入る。会社の倒産はゴールではなく、あなた個人への責任追及のスタート地点だ。

法的な位置づけ

民事再生法142条は、法人の再生手続における役員財産の保全処分を定める規定である。裁判所は、取締役・執行役・監査役・清算人等の役員が負う責任に基づく損害賠償請求権を保全するため、職権または申立てにより役員個人の財産に処分禁止等の措置を講じることができる。緊急の必要があるときは再生手続開始決定の前でも発令が可能である。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.役員の任務懈怠と会社損害の因果を裏づける証拠を確保 取締役会議事録、会計帳簿、違法配当・放漫融資・粉飾の記録を集め、役員の任務懈怠と会社の損害、両者の因果関係を裏づける資料を確保する。保全処分の疎明の土台になる
  2. 2.保全処分を申立て、役員の対象財産を特定 管財人が選任されていなければ再生債権者として、選任されていれば再生債務者等を通じて142条の保全処分を申立てる。対象役員の不動産・預貯金・役員報酬債権を特定して疎明資料を添える
  3. 3.緊急なら開始決定前の申立て(2項)を検討 役員が資産を親族名義に移すなど散逸のおそれがあれば、再生手続開始決定の前でも142条2項による申立てを検討する。緊急の必要を疎明できれば早期凍結が可能で、一日の遅れが空振りを招く
  4. 4.143条の役員責任査定の申立てに進む 保全処分が通ったら、本案である143条の役員責任査定の申立てに進む。査定が確定すれば給付判決と同一の効力を持ち(145条)、凍結した財産に本執行できる

よくある質問 AI による整理

Q1民事再生法142条とは何ですか?

法人の再生手続で、裁判所が役員の損害賠償責任を確保するため、その個人財産に保全処分をかけられる制度です。管財人がいなければ再生債権者も申立てできます。

Q2役員の保全処分はどんな財産にかかりますか?

役員個人の不動産・預貯金・役員報酬債権などが対象です。損害賠償請求権を担保する範囲で、処分禁止や仮差押えの形で凍結されます。

Q3再生手続開始前でも役員財産を凍結できますか?

できます。142条2項により、緊急の必要があると認められれば、再生手続開始決定の前でも裁判所が職権または申立てで保全処分を発令できます。

Q4役員責任査定と保全処分の違いは何ですか?

142条の保全処分は財産を仮に凍結する前哨戦、143条の役員責任査定が責任の存否と額を確定する本戦です。査定確定で給付判決と同一の効力を持ちます(145条)。

Q5役員の保全処分に不服がある場合どうしますか?

即時抗告ができます(142条5項)。ただし執行停止の効力はなく(6項)、抗告中も凍結自体は続きます。

Q6監査役も142条の対象になりますか?

対象になります。142条は取締役だけでなく監事・監査役・清算人等も「役員」に含めており、名目的就任でも監視義務の懈怠を理由に保全されうります。

Q7破産手続にも同じ制度がありますか?

あります。破産法177条が役員財産の保全処分を定め、民事再生法142条と対応する規定です。倒産手続共通の役員責任追及の仕組みです。

Q8会社の借金は有限責任なのに、なぜ役員個人の財産が凍結されるのですか?

凍結されるのは会社の借金ではなく、役員自身の任務懈怠に基づく損害賠償責任(会社法423・429条)です。有限責任とは別枠の個人責任だからです。

この条文についての質問 AI による整理

Q1取締役を辞めて逃げれば、保全処分はかけられないですよね?

いいえ、辞任しても在任中の任務懈怠による損害賠償責任は消えません。142条の「役員」には在任中に責任を負った者が含まれ、辞任後でも保全処分の対象になりえます。実務のポイント:会社が傾いた直後に駆け込みで辞任登記をする経営者は多いですが、登記の日付より「いつ任務懈怠があったか」が問われます。辞任は責任逃れにならず、むしろ資産隠しの準備では、と疑われる材料にすらなる。

Q2名前を貸しただけの監査役でも、財産を凍結されるんですか?

対象になりえます。142条は監事・監査役も「役員」に含めており、名目的な就任でも監視義務を負った以上、その懈怠を理由に保全処分が申立てられることがあります。実務のポイント:親族や知人に頼まれてハンコだけ押す監査役・取締役になっている人は要注意。報酬ゼロでも法律上の責任は実質的な役員と変わらず、会社が倒れたとき、何もしていないつもりの人の自宅が真っ先に狙われるケースがある。就任を断るか、早めに辞任しておくのが唯一の予防策。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「有限責任だから取締役個人は会社の借金を負わない」と信じられているが、それは契約上の債務の話。役員の任務懈怠による損害賠償責任(会社法423条・429条)は全くの別物で、これは個人の財産で負う。142条は、その責任を倒産局面で取りこぼさないよう確保する道具だ
  • 保全処分は「差押え」だと知っている人でも、その射程の深刻さを見落とす。これは仮の押さえにすぎず、本番は143条の役員責任査定決定。査定が確定すれば給付判決と同じ効力を持ち(145条)、あなたの財産は本執行される。保全はあくまで前哨戦であり、本戦が控えている
  • あなたから見れば「申立てるのは裁判所か管財人」だが、法律から見れば、管財人がいない場面では一債権者でも申立人になれる(142条3項)。つまり、あなたに貸した取引先の一社が、単独であなたの個人財産を狙って動ける。この落差が、安心していた役員を不意打ちする
比較の観点この条文ほかの条文
手続の役割142条:役員財産の保全処分(仮の凍結・前哨戦)143条:役員責任査定の申立て(責任と額の確定・本戦)
145条:確定した査定決定=給付判決と同一の効力
申立権者再生債務者等、緊急時は再生債務者、管財人未選任なら再生債権者も可再生債務者等(役員責任査定の申立て)
—(査定確定の効果規定)
不服申立て即時抗告可(5項)、ただし執行停止の効力なし(6項)査定決定に異議の訴え(144条)
—
効果の強さ財産の仮の凍結にとどまる(処分禁止等)責任の存否・額を裁判所が判断
本執行できる確定的効力

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第23条・破產法(重整・清算)

台湾は倒産局面の役員個人財産保全を一本の条文で規律せず、負責人責任(公司法23条)と民事訴訟法の假扣押を組み合わせて対応する点で日本と設計が異なる

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률

韓国は統合倒産法(채무자회생법)の中で役員責任に関する保全処分・査定を定め、日本の民事再生法・破産法に近い構造を持つ

ドイツ
InsO § 21・GmbHG § 43 / AktG § 93

ドイツは倒産手続の保全措置(InsO § 21)と機関の責任規定(GmbHG・AktG)を分けて規律し、役員責任は原則として管財人が通常訴訟で追及する

アメリカ
11 U.S.C.(Bankruptcy Code)

米国は役員の受託者責任を trustee が追及し、財産保全は個別の avoidance・injunction で対応。査定手続のような簡易確定制度は持たない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたは中小企業の取締役で、資金繰りが行き詰まり民事再生を申し立てた。ホッとしたのも束の間、裁判所から自宅と個人口座への保全処分通知が届く。再生債権者が「あなたの放漫経営が損害を広げた」と主張し、142条3項で自ら申立てをしていた。会社の手続と、あなた個人の責任追及は、別の線路を同時に走り出している
  • もし会社の決算を粉飾して銀行から融資を引き出していたとしたら、会社が再生手続に入った瞬間どうなる? 監査役を含む役員の個人財産が、損害賠償請求権を担保するため凍結の対象になりうる。署名押印しただけの社外役員も「役員」に含まれる
  • 取引先が民事再生を申し立てた。回収はほぼ絶望、と諦める前に。管財人が選任されていなければ、債権者であるあなた自身が役員の個人財産に保全処分を申立てられる
  • 再生手続開始の決定はまだ出ていない。だが役員が今まさに自宅を売却して資産を逃がそうとしている。緊急の必要があれば、開始決定の前でも142条2項で凍結できる。動くのは今日、明後日では引当て財産が消えている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 役員の任務懈怠と会社の損害、両者の因果関係を裏づける資料(取締役会議事録、会計帳簿、違法配当・放漫融資の記録)を確保2. 管財人がいなければ再生債権者として、いれば再生債務者等を通じて142条の保全処分を申立て、対象役員の不動産・預金・報酬債権を特定3. 緊急性があれば開始決定前の申立て(2項)を検討、疎明資料を揃える4. 保全が通ったら143条の役員責任査定の申立てに進み、本執行できる決定を取りに行く

訴えられた側:1. まず即時抗告(5項)の可否を検討、ただし執行停止の効力はない(6項)ので凍結自体は続く点に注意2. 損害賠償請求権の存否・範囲を争う準備、任務懈怠がなかった、または損害との因果関係がないという反証材料を集める3. 保全処分は仮の措置で、本番は143条の査定手続。そこでの主張を見据えて弁護士と防御を組む4. 安易な財産移転は否認権や詐害行為取消しの対象となり逆効果、絶対に避ける

時効(請求できる期限):保全処分の申立て自体に法定の期限はないが、即時抗告は裁判書の送達を受けた日から原則1週間以内(民事再生法9条、民事訴訟法332条参照、公告がある場合は別途特則あり)。役員の責任追及は、本案である役員責任査定の申立てが再生手続中に行われる必要がある(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:142条の保全処分は、役員の任務懈怠に基づく損害賠償請求権(会社法423・429条)を責任財産の散逸から守る仮の措置と理解される。責任の存否・額は本条ではなく143条の役員責任査定で判断される二段構えであり、保全は前哨戦にすぎないとされる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧和議法に代わる簡易迅速な再建型倒産手続の中で、役員責任の早期保全と査定の仕組みを整備した

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民事再生法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 法人の役員の責任の追及

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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