要点民事再生法240条は、給与所得者等再生で裁判所が届出再生債権者の意見を聴く決定をすると定める。債権者は反対票を投じられず、不認可事由を指摘する意見を述べられるにとどまる。
Q · 給与所得者等再生だと、借りている相手(債権者)は返済計画に反対できないって本当?
反対はできないが、可処分所得2年分の弁済義務を負う
本当です。民事再生法240条により、給与所得者等再生では裁判所が届出再生債権者の「意見を聴く」決定をするにとどまり、小規模個人再生(230条)のような書面決議はありません。したがって債権者が何社反対しても計画を否決できません。代わりに債務者は可処分所得2年分(241条2項7号)という別の最低弁済基準を負い、返済総額が小規模個人再生より高くなることが珍しくありません。また債権者が不認可事由を具体的に指摘すれば、裁判所は認可しないことがあります。
カードローンと消費者金融で借金が膨らみ、毎月の返済日が来るたびに通帳とにらめっこしている。自己破産はしたくない、家も仕事も失いたくない。そんなあなたに、民事再生法は『給与所得者等再生』という道を用意している。240条はその手続の心臓部だ。通常、借金の返済計画を立て直すには債権者の同意がいる。ところが給与所得者等再生では、債権者は反対票を投じられない。裁判所は債権者の『意見を聴く』だけで、計画を認可するかどうかは裁判所が判断する。つまり、サラ金やカード会社がいくら『減額など認めない』と息巻いても、あなたの計画を多数決で潰すことはできない。240条が定めるのは、この『債権者から拒否権を取り上げる』仕組みである。代わりにあなたは可処分所得の2年分を返済に充てる義務を負う。文句は聞くが、決めるのは裁判所。安定収入のあるあなたに与えられた切り札が、ここにある。
民事再生法240条は、給与所得者等再生における意見聴取の決定を定める規定である。裁判所は、原則として、再生計画案を認可すべきか否かについて届出再生債権者の意見を聴く旨の決定をしなければならない。小規模個人再生の書面決議(同法230条)と異なり債権者に決議権はなく、不認可事由を指摘する意見を述べる手続的機会が与えられるにとどまる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
安定した定期収入がある個人が、債権者の決議を経ずに借金を圧縮できる個人再生手続です。民事再生法239条以下が定め、240条が意見聴取の決定を規律します。
「給与又はこれに類する定期的な収入」があり、その額の変動幅が小さいことが要件です(239条)。会社員のほか、収入が安定していれば認められる余地があります。
裁判所が定める期間内です(240条2項)。不認可事由を主張する債権者は、その期間内に事由を具体的に記載した書面を提出する必要があります。過ぎると主張できません。
年収から所得税・住民税・社会保険料と政令基準の最低生活費を差し引いた「可処分所得」の2年分です(241条2項7号)。収入が高いほど弁済額が増えます。
小規模個人再生で大口債権者の反対が確実視される、安定収入がある人です。反対で否決されるリスクを避けたい場合の保険的な選択肢という位置づけです。
載ります。開始決定や意見聴取決定などが官報に公告されます(240条2項)。ただし一般の閲覧率は低く、勤務先に直接通知されるわけではありません。
申立てから認可決定まで通常6か月前後とされます(最新の運用状況をご確認ください)。認可後は原則3年(最長5年)で分割弁済します。
可処分所得2年分という追加基準で返済総額が膨らみやすい点、官報公告、信用情報への登録(いわゆるブラック)などです。要件も小規模個人再生より厳しめです。
それは小規模個人再生の話です。小規模個人再生は債権者の書面決議(民事再生法230条)があり、頭数の半数または債権額の過半数が反対すると否決されます。一方、給与所得者等再生(240条)には決議そのものがなく、債権者は意見を述べられるだけで計画を潰せません。業界裏話ヒント:安定収入があるのに『反対されたら終わり』と思い込んで申立てをためらう人が多い。だが収入が定期的なら、最初から債権者の拒否権が効かない手続を選べる。どちらを使うかは申立て前に決まる
返済額だけ見れば小規模個人再生が有利なことが多いです。給与所得者等再生は可処分所得2年分(241条2項7号)という追加の最低弁済基準が課され、収入が高い人ほど返済総額が膨らみます。業界裏話ヒント:実務では多くの弁護士がまず小規模個人再生を勧めます。返済額が抑えられるからです。給与所得者等再生は、特定の債権者の反対が確実視される場合の保険的な選択肢という位置づけ。最初から給与所得者等再生ありきで進める専門家は、むしろ警戒した方がいい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 債権者の関与 | 240条:意見聴取のみ。債権者に決議権なし、反対しても否決できない | — |
| 最低弁済基準 | 可処分所得2年分(241条2項7号)が追加され、返済総額が膨らみやすい | — |
| 利用要件 | 定期収入があり変動幅が小さいこと(239条)。要件がやや厳しい | — |
| 計画が潰れるリスク | 債権者の反対では潰れない。不認可事由があれば裁判所が不認可 | — |
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