民事再生法 第244条(小規模個人再生の規定の準用)
クイックジャンプ
第二百二十一条第三項から第五項まで、第二百二十二条から第二百二十九条まで、第二百三十二条から第二百三十五条まで及び第二百三十七条第二項の規定は、給与所得者等再生について準用する。
この条文の基本情報
小規模個人再生の規定の準用とは何ですか?
定義小規模個人再生の規定の準用とは、民事再生法第244条に定められた規定で、「第二百二十一条第三項から第五項まで、第二百二十二条から第二百二十九条まで、第二百三十二条から第二百三十五条まで及び第二百三十七条第二項の規定は、給与所得者等再生…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第244条(小規模個人再生の規定の準用)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第244条の条文原文は「第二百二十一条第三項から第五項まで、第二百二十二条から第二百二十九条まで、第二百三十二条から第二百三十五条まで及び第二百三十七条第二項の規定は、給与所得者等再生…」で始まります。
- 民事再生法第244条は第二節 給与所得者等再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第244条の前の条は民事再生法第243条です。
- 民事再生法第244条の次の条は民事再生法第245条です。
- 民事再生法第244条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第244条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第244条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/244
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法244条は、給与所得者等再生に小規模個人再生の規定を準用すると定める。ただし債権者の決議を定めた230条・231条は準用されず、債権者の反対があっても手続を進められる。
Q · 給与所得者等再生って、小規模個人再生と何が違うの?
債権者の決議規定を除いて小規模個人再生を準用します
民事再生法244条は、給与所得者等再生に小規模個人再生の規定(221条3項〜5項、222〜229条、232〜235条、237条2項)を準用すると定めます。ポイントは、債権者の書面決議を扱う230条・231条をあえて準用していない点です。このため給与所得者等再生は債権者が反対しても手続を進められます。その代償として241条が「可処分所得の2年分以上」という最低弁済ラインを課すため、収入が安定して高いほど返済額が上がる仕組みになっています。
解説
毎月の手取りからカードローンと消費者金融の返済を引くと、生活費がほとんど残らない。だが自己破産はしたくない、家も仕事も手放したくない。そんな給与所得者に用意された出口が「給与所得者等再生」である。民事再生法244条は、この手続のルールの大半を、隣にある「小規模個人再生」(221条以下)からそっくり借りてくると定めている。一見すると味気ない条文番号の羅列だが、ここにあなたが知るべき秘密が二つ隠れている。第一に、借りてくる条文の中に「債権者の決議」を扱う230条231条が入っていない。つまり給与所得者等再生は、債権者が反対しても通せる。第二に、その代償として241条が「可処分所得の2年分以上を返済せよ」という別の関門を課す。安定収入があるあなただからこそ使える道であり、同時にその収入が返済額を吊り上げる。どちらの個人再生を選ぶかで、最終的な返済総額が百万円単位で変わる。
法的な位置づけ
民事再生法244条は、給与所得者等再生における手続規定を、小規模個人再生の諸規定の準用によって定める規定である。準用の対象から債権者の決議に関する230条・231条を除外することで、債権者の同意を要さない再生手続としての性格を条文構造の上で明らかにしている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.収支を書き出して可処分所得を把握する 毎月の手取り、税・社会保険料、生活費を書き出し、可処分所得(手取り − 税社会保険料 − 最低生活費)の2年分をざっくり計算する。これが給与所得者等再生の最低弁済額の目安になる
- 2.小規模と給与所得者等再生の最低弁済額を両方試算させる 個人再生に強い弁護士・司法書士に相談し、小規模個人再生と給与所得者等再生の最低弁済額を両方試算してもらう。無料相談で概算が出ることが多い。数字を見てから手続を選ぶ
- 3.債権者の反対が見込めるかを確認して手続を選ぶ 大口債権者が反対しそうなら、決議のない給与所得者等再生が有利。反対が見込めず返済額を抑えたいなら小規模個人再生を選ぶ。この見極めが返済総額を左右する
- 4.住宅を残すなら住宅資金特別条項の可否を確認する 自宅を残したい場合は、住宅資金特別条項を併用できるか(住宅ローンの滞納状況・抵当権の設定状況)を弁護士に確認する。併用できれば家を残しつつ他の借金を圧縮できる
- 5.再生計画を作成し裁判所に申し立てる 弁護士とともに再生計画案を作成し、申立書・債権者一覧・財産目録を裁判所に提出する。認可後は原則3年(最長5年)で計画どおり弁済する
よくある質問 AI による整理
Q1給与所得者等再生とは何ですか?
個人再生の一種で、給与など安定した収入がある人が借金を圧縮する手続です。民事再生法244条が小規模個人再生の規定を準用して手続の骨格を定めています。
Q2給与所得者等再生の利用条件は?
継続的で変動の幅が小さい収入があること、住宅ローンを除く借金総額が5,000万円以下であることなどが必要です。過去7年以内の給与所得者等再生・免責歴があると使えません。
Q3可処分所得の2年分はどう計算しますか?
手取り収入から税・社会保険料と政令の最低生活費を引いた額が可処分所得で、その2年分が最低弁済額の基準になります。241条が定めています。
Q4給与所得者等再生の返済期間は何年ですか?
再生計画による弁済期間は原則3年です。特別の事情があれば最長5年まで延ばせます(最新の運用をご確認ください)。
Q5給与所得者等再生にデメリットはありますか?
可処分所得2年分の縛りで、小規模個人再生より返済額が高くなりやすい点です。収入が安定して高い人ほど不利になることがあります。
Q6給与所得者等再生で住宅は残せますか?
住宅資金特別条項を併用すれば、住宅ローンを従来どおり払い続けて自宅を残しつつ、その他の借金を圧縮できます。
Q7個人再生の費用はいくらかかりますか?
弁護士費用と裁判所費用を合わせて40〜60万円程度が目安です。事務所や個人再生委員選任の有無で変動します(金額は事務所にご確認ください)。
Q8244条はどの条文を準用していますか?
221条3項〜5項、222〜229条、232〜235条、237条2項を準用します。債権者の決議を定めた230条・231条は準用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1結局、小規模個人再生と給与所得者等再生、どっちを選べばいいんですか?
多くのケースで小規模個人再生のほうが返済額を抑えられます。給与所得者等再生は債権者の同意が不要な代わりに、241条で可処分所得2年分以上の返済が求められ、収入が安定して高めの人ほど返済額が膨らむためです。実務のポイント:実務では、大口債権者が反対しそうな案件だけ給与所得者等再生を使い、それ以外は小規模で進めるのが定石。弁護士に両方の試算を出させ、数字を見てから選ぶのが鉄則です
Q2債権者が反対しても本当に通るんですか?
通ります。244条は小規模個人再生のルールを準用しますが、債権者の決議を定めた230条231条はあえて準用していません。給与所得者等再生に債権者の議決権行使という手続自体が存在しないからです。実務のポイント:その代わり裁判所は可処分所得要件を厳格に審査します。家計収支の届出を甘く出すと不認可リスクが上がるので、収入と支出は正確に。同意がいらない分、書類の精度が勝負を分けます
Q3一度個人再生をしたら、もう二度と使えないんですか?
給与所得者等再生については、前回の認可確定や破産免責から7年経たないと再申立てできません(239条5項関連)。ただし小規模個人再生にはこの7年制限がないため、再度苦しくなったときの選択肢として残ります。実務のポイント:この7年ルールがあるため、最初の一回をどちらの手続で使うかは将来の保険にもなる。安易に給与所得者等再生を選ぶと、次に困ったとき小規模しか残らない、という長期の視点で考える弁護士は意外と少ない
間違えやすい点 AI による整理
- 「個人再生は一種類」と思っている人が大半だが、実は小規模個人再生と給与所得者等再生の二種類がある。244条はこの二つをつなぐ蝶番で、給与所得者だからといって自動的に「給与所得者等再生」が有利になるわけではない。多くの実務家は、可処分所得2年分の縛りがない小規模個人再生をまず検討する
- 「給与所得者等再生は債権者の同意がいらないから絶対こっちが得」と早合点しがちだが、その認識は深刻さの半分しか見ていない。同意不要の代償として241条が課す「可処分所得2年分以上」という最低弁済ラインは、安定した高めの収入があるほど跳ね上がる。同意は要らないが、財布はより痛む。この落差を知らずに選ぶと損をする
- そもそも「自己破産か、現状維持か」の二択で悩んでいるなら、立てた問い自体が間違っている。給与所得者等再生はその二つの間にある第三の道で、財産を残しながら借金を最大5分の1程度まで圧縮できる。問いを「破産か否か」から「どの再生手続か」に変えた瞬間、選択肢の地図が一気に広がる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 債権者の決議 | 給与所得者等再生(244条):決議なし、債権者は反対できない | 小規模個人再生(221条):書面決議あり、半数以上の反対で不認可 自己破産(破産法252条):免責は裁判所判断、債権者の同意不要 |
| 最低弁済額の基準 | 可処分所得2年分・最低弁済基準額・清算価値の最も高い額(241条) | 最低弁済基準額・清算価値の高い方(229条) 原則ゼロ(免責されれば返済不要、財産は原則処分) |
| 向いている人 | 安定収入があり、大口債権者の反対が見込まれる人 | 収入があり、債権者の反対が見込まれない人(返済額を抑えたい) 収入が乏しく、財産も少なく、再起を優先したい人 |
| 財産・住宅 | 住宅資金特別条項で自宅を残せる | 住宅資金特別条項で自宅を残せる 自宅は原則競売、財産は換価処分 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は消費者債務清理条例で更生と清算の二本立てを用意。更生は日本の個人再生に近く、収入に応じた計画弁済で借金を圧縮する点が共通する
韓国の個人回生は将来収入から一定期間弁済する点で給与所得者等再生に近い。可処分所得を基礎に最低弁済額を算定する構造も類似する
ドイツの消費者倒産手続は残債務免責(Restschuldbefreiung)を軸に据える。計画弁済より免責までの誠実義務期間を重視する点で設計思想が異なる
米国 Chapter 13は『wage earner's plan』と呼ばれ、給与所得者が3〜5年の計画で弁済する。可処分所得基準(disposable income test)を用いる点が日本の241条と発想を共有する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが住宅ローンを抱えたまま他の借金が膨らんでしまったら? 給与所得者等再生なら「住宅資金特別条項」を併用して家を残しつつ、それ以外の借金を圧縮できる。自己破産だと家は競売、この一点だけで人生の分岐が変わる
- 自営業から会社員に転職して収入が安定したあなた。小規模個人再生でいくか給与所得者等再生でいくか、両方の最低返済額を弁護士に計算してもらうと、可処分所得2年分の縛りで給与所得者等再生のほうが返済額が高く出た。多くの人が結局「小規模」を選ぶ理由がここにある
- あなたが取引先に金を貸している債権者の立場だとする。相手が給与所得者等再生を申し立てた。あなたは「反対してやる」と思うが、この手続では債権者の決議そのものが存在しない。あなたの一票は最初から盤上にない
- 5年前に一度個人再生で借金を整理した。また苦しくなって再び給与所得者等再生を考えるが、前回の再生計画認可から7年経っていないと、この手続は使えない。あと2年待つか、別の道を探すか、今夜決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず借金総額と毎月の手取り、生活費を書き出して可処分所得をざっくり把握する2. 個人再生に強い弁護士または司法書士に相談し、小規模個人再生と給与所得者等再生の最低弁済額を両方試算してもらう(試算は無料相談で出せることが多い) 3. 債権者の反対が見込めるかを確認、見込めるなら給与所得者等再生、見込めず返済額を抑えたいなら小規模を検討4. 住宅を残したいなら住宅資金特別条項の併用可否を必ず確認する
訴えられた側:1. 取引先や貸付先から給与所得者等再生の通知が来たら、まずこの手続には債権者の決議がないことを理解する、反対しても計画は止められない2. ただし再生計画の認可要件(可処分所得2年分を満たすか等)は裁判所が審査するので、債権額や財産評価に異議があれば届出と意見書で主張する3. 否認対象になりうる直前の偏頗弁済がないか確認4. 全額回収は難しいと割り切り、計画弁済を確実に受ける方針に切り替えるのが現実的
時効(請求できる期限):民事再生の申立て自体に時効はないが、給与所得者等再生には再利用の制限がある。前回の給与所得者等再生の再生計画認可確定日、または破産免責許可確定日から7年を経過していないと申立てができない(民事再生法239条5項関連)。再生計画の弁済期間は原則3年、特別の事情があれば最長5年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:244条は小規模個人再生の諸規定を準用する立法技術を採り、条文の重複を避けている。準用対象から債権者の決議規定(230条・231条)を除外した点に、給与所得者等再生を『債権者の同意を要しない簡易型』として位置づける立法者意思が表れていると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正・平成13年(2001年)施行 民事再生法等の一部を改正する法律により個人再生手続(小規模個人再生・給与所得者等再生)が新設され、本条もこの章とともに新たに設けられた。準用形式により小規模個人再生の規定を給与所得者等再生に取り込む構造が採用された。その後の改正有無・条番号異動については人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成12年(2000年)改正・平成13年(2001年)施行 新設:民事再生法等の一部を改正する法律により個人再生手続(小規模個人再生・給与所得者等再生)が新設され、本条も同章とともに設けられた。小規模個人再生の規定を準用する構造を採用。以後の条番号異動については人的検証が必要。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める