民事再生法 第243条(再生手続の廃止)
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- 給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
- 一第二百四十一条第二項各号のいずれにも該当しない再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
- 二裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出された再生計画案に第二百四十一条第二項各号のいずれかに該当する事由があるとき。
この条文の基本情報
再生手続の廃止とは何ですか?
定義再生手続の廃止とは、民事再生法第243条に定められた規定で、「給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第243条(再生手続の廃止)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第243条の条文原文は「給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。」で始まります。
- 民事再生法第243条は第二節 給与所得者等再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第243条の前の条は民事再生法第242条です。
- 民事再生法第243条の次の条は民事再生法第244条です。
- 民事再生法第243条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第243条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第243条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/243
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法243条は、給与所得者等再生で可処分所得二年分の要件を満たす計画案の見込みがない、または期限内に適法な計画案が出ないとき、裁判所が職権で手続を廃止すると定める。
Q · 給与所得者等再生で再生計画案が出せなかったら、借金はどうなるの?
243条で職権廃止され、借金は全額復活する
民事再生法243条により、給与所得者等再生で可処分所得二年分の要件(241条2項)を満たす再生計画案の作成見込みがないとき、または裁判所の定めた期間内に適法な計画案が提出されないときは、裁判所が職権で再生手続を廃止します。廃止されると、減額されるはずだった債務は一円も減らず全額が復活し、止まっていた期間の遅延損害金まで加算されます。崖は手続の途中ではなく、最初のタイプ選択の地点にあります。
解説
借金を抱えて個人再生を選んだ人の多くは、「自分はサラリーマンだから給与所得者等再生だ」と思い込む。そこに落とし穴がある。給与所得者等再生は債権者の同意が要らない代わりに、可処分所得の二年分以上を返さなければならない。この金額が、小規模個人再生で求められる最低弁済額より高くなることが実に多い。243条は、その条件を満たす再生計画案が作れる見込みがないと明らかになったとき、あるいは裁判所が定めた期限内に計画案を出せない、出しても認可要件(241条2項)を満たさないときに、裁判所が職権で手続を廃止すると定める。廃止になれば、減るはずだった借金は一円も減らず、全額がそのまま復活する。あなたがどちらのタイプを選ぶか、その入口の判断こそが、廃止という崖から落ちるかどうかを決めている。
法的な位置づけ
民事再生法243条は、給与所得者等再生における職権廃止を定める規定である。可処分所得二年分の要件(241条2項)を満たす再生計画案の作成見込みがないことが明らかになったとき、または裁判所の定めた期間内に適法な計画案の提出がないときは、裁判所は職権で再生手続廃止の決定をしなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立て前に両タイプの最低弁済額を試算 給与所得者等再生と小規模個人再生の最低弁済額を両方計算する。可処分所得二年分と、小規模の最低弁済基準額を並べ、返済額が低い方を選ぶ。この一手間が243条の廃止リスクが高い道を避ける最大のレバー
- 2.債権者構成を確認しタイプを確定 反対しそうな大口債権者がいなければ小規模個人再生を選ぶ。頭数または債権額の過半数が反対しそうな場合のみ、同意不要の給与所得者等再生を検討する。この見極めを飛ばさない
- 3.計画案の提出期限を厳守する 裁判所が定めた再生計画案の提出期間(240条)を絶対に徒過しない。間に合わない見込みなら早めに期間伸長を申し立てる。徒過すれば243条2号で職権廃止が確定する
- 4.払えないと判明したら早期に切替を協議 可処分所得二年分が捻出不可能と分かった時点で、期限を過ぎる前に小規模個人再生への切替を弁護士と協議する。期限徒過後は選び直す機会そのものが消える
よくある質問 AI による整理
Q1給与所得者等再生とは何ですか?
定期収入のある個人が、債権者の同意なしで借金を圧縮できる個人再生の一類型です。代わりに可処分所得二年分以上の弁済が求められ、小規模個人再生より返済額が高くなりがちです。
Q2再生手続が廃止されるとどうなりますか?
243条で職権廃止されると、減額されるはずだった債務は一円も減らず全額が復活します。さらに手続で止まっていた期間の遅延損害金まで加算され、取り立てが再開します。
Q3可処分所得2年分はどうやって計算しますか?
収入から所得税・住民税・社会保険料と政令が定める生活費基準額を差し引いた額の2年分です。この額が最低弁済額の下限となり、給与所得者等再生では避けられません。
Q4再生計画案の提出期限を過ぎたらどうなりますか?
240条で裁判所が定めた提出期間を過ぎると、243条2号により職権で廃止されます。期間の伸長は申立てできますが、伸長後の期間も徒過すれば廃止が確定します。
Q5小規模個人再生から給与所得者等再生に途中で変更できますか?
手続開始後のタイプ変更は原則できず、入口での選択が結末を左右します。だからこそ申立て前に両方の最低弁済額を試算しておくことが重要です。
Q6個人再生の廃止と不認可の違いは何ですか?
廃止は計画案の見込みなし・期限徒過などで手続そのものを打ち切る決定(243条)、不認可は提出された計画案を認めない決定(241条)です。いずれも債務は減りません。
Q7住宅ローンがある場合、再生手続廃止のリスクは高いですか?
住宅資金特別条項を組んだ計画案が認可要件を満たせず廃止されると、家を守るはずの手続が逆にマイホームを失う引き金になり得ます。試算と履行可能性の確認が不可欠です。
Q8再生手続が廃止された後、もう一度申し立てられますか?
再申立て自体は可能ですが、収入や債権者構成を見直し、廃止に至った原因(返済額の過大・書類遅延)を解消しなければ再び廃止されます。弁護士と再設計が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生って一度始めたら、絶対に借金は減るんですよね?
減るとは限りません。243条で再生手続が廃止されると、減額されるはずだった借金は一円も減らず全額が復活し、止まっていた期間の遅延損害金まで加算されます。実務のポイント:弁護士が安易に給与所得者等再生を勧めない理由は、可処分所得二年分の要件で返済額が高くなりがちで、廃止リスクが上がるから。多くのケースは小規模個人再生の方が有利で、最初のタイプ選択で結末が分かれます
Q2給与所得者等再生と小規模個人再生、どっちを選べばいいんですか?
原則は返済額の低い小規模個人再生が有利です。ただし債権者の頭数または債権額の過半数が反対しそうな場合(再生に否定的な大口債権者がいる等)は、同意不要の給与所得者等再生が選択肢になります(241条)。実務のポイント:弁護士はまず債権者構成を見ます。反対しそうな大口がいなければ小規模一択。この見極めを飛ばして給与所得者等再生を選ぶと、243条の廃止に近づきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「サラリーマンなら給与所得者等再生」という前提そのものが誤り。サラリーマンも小規模個人再生を選べるし、多くの場合そちらが返済額は低い。立てるべき問いは『どちらのタイプか』ではなく『大口債権者が反対しそうか』である。問いを間違えた時点で、243条の廃止リスクが高い道を自分から選んでしまう
- 個人再生を申し立てれば取り立てが止まることは知っていても、243条で廃止されると止まっていた取り立てが一斉に復活し、しかも止まっていた期間の遅延損害金まで加算されることは知られていない。廃止の深刻度は『元に戻る』ではなく『悪化して戻る』だ
- 「計画案さえ提出すれば認可される」と思われがちだが、出しても241条2項の不認可事由があれば243条2号で廃止になる。提出はゴールではなくスタートラインに過ぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 債権者の同意 | 給与所得者等再生:同意不要(243/241条の枠組み) | 小規模個人再生:不同意が過半数だと不認可(244条準用) 通常再生:債権者集会の決議が必要 |
| 最低弁済額 | 可処分所得二年分以上(241条2項)で高くなりがち | 最低弁済基準額または清算価値の高い方で相対的に低い 個別の再生計画による |
| 廃止・不認可の主因 | 可処分所得二年分の計画案が作れない/期限徒過(243条) | 債権者の過半数反対・清算価値保障違反(244条準用) 決議不成立(191条系) |
| 向く人 | 反対しそうな大口債権者がいる定期収入者 | 大口の反対がない大多数の給与所得者 事業者・大規模債務者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も定期収入者向けの更生(再建)と清算を分け、更生方案が不認可・履行不能なら程序を終止する点で機能的に類似。
韓国の개인회생は日本の個人再生を参照して2004年に整備され、弁済計画(변제계획)不認可・履行不能で폐지される構造が近い。
ドイツは弁済計画型ではなく残債務免責(Restschuldbefreiung)を中核とし、誠実弁済期間の遵守を条件とする点で設計思想が異なる。
米国チャプター13は継続収入からの弁済計画型で日本の個人再生の母型の一つ。計画不履行等でdismissalまたはチャプター7へ転換される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 裁判所から再生計画案の提出期限を告げられた。あと2週間。可処分所得の二年分を計算したら、毎月の返済額が今の手取りでは到底払えない金額になった。このまま期限を過ぎれば243条2号で職権廃止、止まっていた借金が全額復活する。今すぐ小規模個人再生への切り替えを弁護士と詰めるべき局面
- もし可処分所得の二年分があなたの収入からは捻出不可能だと判明したら、どうなる? 認可要件を満たす計画案が作れず243条1号で廃止。せっかく止まっていた取り立てが再開し、債権者は遅延損害金まで上乗せして請求してくる
- 申立て後、必要書類の提出を後回しにした。裁判所の定めた期限を一日過ぎた。243条2号、廃止。それだけで終わる
取るべき行動
被害を受けた側:債務者(申立人)として廃止を避ける側の動き。1. タイプ選択を入口で確定:大口債権者が反対しそうでなければ、まず小規模個人再生で返済額を試算2. 給与所得者等再生を選ぶなら、可処分所得二年分(241条2項)を正確に計算し、生活費基準額を定める政令も確認3. 裁判所が定めた計画案提出期限(240条)を絶対に徒過しない、無理なら期間伸長を申し立てる4. 払えないと判明したら早期に小規模への移行を弁護士と協議。最新の運用状況をご確認ください
訴えられた側:債権者側の動き。1. 給与所得者等再生は同意不要だが、計画案が可処分所得二年分を下回ると判断したら裁判所に意見を述べる2. 241条2項の不認可事由(計画の履行可能性なし、可処分所得要件未達など)を具体的に指摘3. 該当事由があれば243条により職権で廃止される4. 廃止後は債権が全額復活するため、遅延損害金を含めた請求額を再計算しておく
時効(請求できる期限):特定の消滅時効ではなく手続上の提出期限。裁判所が定めた再生計画案の提出期間(240条)が起算の基準。期間の伸長は可能だが、伸長後の期間も徒過すれば243条2号により職権で廃止される。なお廃止後に復活する各債権の時効は、それぞれの債権ごとに別途進行する
学説
通説:243条は給与所得者等再生特有の職権廃止規定であり、債権者の同意を不要とする恩恵に対する対価として課される可処分所得二年分の最低弁済水準(241条2項)を満たせない手続を打ち切ることで、債務者の再生と債権者の公平な弁済の均衡を担保するものと解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正、平成13年(2001年)施行 民事再生法に個人再生手続(第13章)が新設された際、給与所得者等再生における職権廃止規定として新設された条文。給与所得者等再生制度そのものがこの改正で創設された
改正の年表
- 1.平成12年(2000年)改正・平成13年(2001年)施行 新設:民事再生法に個人再生手続(第13章)が新設された際、給与所得者等再生制度とともに、その職権廃止事由を定める規定として本条が創設された。
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