要点民事再生法243条は、給与所得者等再生で可処分所得二年分の要件を満たす計画案の見込みがない、または期限内に適法な計画案が出ないとき、裁判所が職権で手続を廃止すると定める。
Q · 給与所得者等再生で再生計画案が出せなかったら、借金はどうなるの?
243条で職権廃止され、借金は全額復活する
民事再生法243条により、給与所得者等再生で可処分所得二年分の要件(241条2項)を満たす再生計画案の作成見込みがないとき、または裁判所の定めた期間内に適法な計画案が提出されないときは、裁判所が職権で再生手続を廃止します。廃止されると、減額されるはずだった債務は一円も減らず全額が復活し、止まっていた期間の遅延損害金まで加算されます。崖は手続の途中ではなく、最初のタイプ選択の地点にあります。
借金を抱えて個人再生を選んだ人の多くは、「自分はサラリーマンだから給与所得者等再生だ」と思い込む。そこに落とし穴がある。給与所得者等再生は債権者の同意が要らない代わりに、可処分所得の二年分以上を返さなければならない。この金額が、小規模個人再生で求められる最低弁済額より高くなることが実に多い。243条は、その条件を満たす再生計画案が作れる見込みがないと明らかになったとき、あるいは裁判所が定めた期限内に計画案を出せない、出しても認可要件(241条2項)を満たさないときに、裁判所が職権で手続を廃止すると定める。廃止になれば、減るはずだった借金は一円も減らず、全額がそのまま復活する。あなたがどちらのタイプを選ぶか、その入口の判断こそが、廃止という崖から落ちるかどうかを決めている。
民事再生法243条は、給与所得者等再生における職権廃止を定める規定である。可処分所得二年分の要件(241条2項)を満たす再生計画案の作成見込みがないことが明らかになったとき、または裁判所の定めた期間内に適法な計画案の提出がないときは、裁判所は職権で再生手続廃止の決定をしなければならない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
定期収入のある個人が、債権者の同意なしで借金を圧縮できる個人再生の一類型です。代わりに可処分所得二年分以上の弁済が求められ、小規模個人再生より返済額が高くなりがちです。
243条で職権廃止されると、減額されるはずだった債務は一円も減らず全額が復活します。さらに手続で止まっていた期間の遅延損害金まで加算され、取り立てが再開します。
収入から所得税・住民税・社会保険料と政令が定める生活費基準額を差し引いた額の2年分です。この額が最低弁済額の下限となり、給与所得者等再生では避けられません。
240条で裁判所が定めた提出期間を過ぎると、243条2号により職権で廃止されます。期間の伸長は申立てできますが、伸長後の期間も徒過すれば廃止が確定します。
手続開始後のタイプ変更は原則できず、入口での選択が結末を左右します。だからこそ申立て前に両方の最低弁済額を試算しておくことが重要です。
廃止は計画案の見込みなし・期限徒過などで手続そのものを打ち切る決定(243条)、不認可は提出された計画案を認めない決定(241条)です。いずれも債務は減りません。
住宅資金特別条項を組んだ計画案が認可要件を満たせず廃止されると、家を守るはずの手続が逆にマイホームを失う引き金になり得ます。試算と履行可能性の確認が不可欠です。
再申立て自体は可能ですが、収入や債権者構成を見直し、廃止に至った原因(返済額の過大・書類遅延)を解消しなければ再び廃止されます。弁護士と再設計が必要です。
減るとは限りません。243条で再生手続が廃止されると、減額されるはずだった借金は一円も減らず全額が復活し、止まっていた期間の遅延損害金まで加算されます。業界裏話ヒント:弁護士が安易に給与所得者等再生を勧めない理由は、可処分所得二年分の要件で返済額が高くなりがちで、廃止リスクが上がるから。多くのケースは小規模個人再生の方が有利で、最初のタイプ選択で結末が分かれます
原則は返済額の低い小規模個人再生が有利です。ただし債権者の頭数または債権額の過半数が反対しそうな場合(再生に否定的な大口債権者がいる等)は、同意不要の給与所得者等再生が選択肢になります(241条)。業界裏話ヒント:弁護士はまず債権者構成を見ます。反対しそうな大口がいなければ小規模一択。この見極めを飛ばして給与所得者等再生を選ぶと、243条の廃止に近づきます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 債権者の同意 | 給与所得者等再生:同意不要(243/241条の枠組み) | — |
| 最低弁済額 | 可処分所得二年分以上(241条2項)で高くなりがち | — |
| 廃止・不認可の主因 | 可処分所得二年分の計画案が作れない/期限徒過(243条) | — |
| 向く人 | 反対しそうな大口債権者がいる定期収入者 | — |
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