民事再生法 第221条(手続開始の要件等)
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- 個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び再生手続開始前の罰金等の額を除く。)が五千万円を超えないものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「小規模個人再生」という。)を行うことを求めることができる。
- 2.小規模個人再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならない。
- 3.前項の申述をするには、次に掲げる事項を記載した書面(以下「債権者一覧表」という。)を提出しなければならない。
- 一再生債権者の氏名又は名称並びに各再生債権の額及び原因
- 二別除権者については、その別除権の目的である財産及び別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる再生債権の額(以下「担保不足見込額」という。)
- 三住宅資金貸付債権については、その旨
- 四住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思があるときは、その旨
- 五その他最高裁判所規則で定める事項
- 4.再生債務者は、債権者一覧表に各再生債権についての再生債権の額及び担保不足見込額を記載するに当たっては、当該額の全部又は一部につき異議を述べることがある旨をも記載することができる。
- 5.第一項に規定する再生債権の総額の算定及び債権者一覧表への再生債権の額の記載に関しては、第八十七条第一項第一号から第三号までに掲げる再生債権は、当該各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額の債権として取り扱うものとする。
- 6.再生債務者は、第二項の申述をするときは、当該申述が第一項又は第三項に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合においても再生手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならない。ただし、債権者が再生手続開始の申立てをした場合については、この限りでない。
- 7.裁判所は、第二項の申述が前項本文に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が前項本文の規定により再生手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。
この条文の基本情報
手続開始の要件等とは何ですか?
定義手続開始の要件等とは、民事再生法第221条に定められた規定で、「個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けること…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第221条(手続開始の要件等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第221条の条文原文は「個人である債務者のうち、将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、かつ、再生債権の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けること…」で始まります。
- 民事再生法第221条は第一節 小規模個人再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第221条の前の条は民事再生法第220条です。
- 民事再生法第221条の次の条は民事再生法第222条です。
- 民事再生法第221条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第221条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第221条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/221
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法221条は小規模個人再生の要件を定める。将来も継続・反復して収入を得る見込みがあり、再生債権の総額が5000万円以下の個人が、借金を圧縮して分割返済する再建手続を選べる。
Q · 借金で行き詰まったら、自己破産するしかないんですか?
将来の収入見込みがあり債務総額5000万円以下の個人は破産以外も選べます
民事再生法221条により、将来において継続的・反復的に収入を得る見込みがあり、住宅ローンや別除権で回収される分などを除いた再生債権の総額が5000万円以下の個人は、小規模個人再生を選べます。これは借金をゼロにする破産と違い、債務を圧縮したうえで原則3年(最長5年)で分割返済する再建型の手続です。住宅資金特別条項(198条)を併用すれば自宅を残せ、破産で資格制限を受ける士業や警備員も職を失いません。ただし申述は再生手続開始の申立ての際にしかできず(2項)、後からの切替はできません。
解説
借金が膨らんで、毎月の返済が手取りを超えた。多くの人はここで「もう自己破産しかない」と思い込む。だが民事再生法221条は、その手前にもう一つの扉を開ける。将来も継続的または反復して収入を得る見込みがあり、住宅ローンや担保で回収される分などを除いた再生債権の総額が5000万円を超えない個人であれば、小規模個人再生という手続を選べる。これは借金をゼロにする破産とは違い、借金を圧縮したうえで原則3年(最長5年)かけて分割返済する再建型の手続だ。最大の魅力は、住宅資金特別条項を併用すれば自宅を手放さずに済む点。破産なら家を失うが、こちらは住み続けられる。さらに破産で一時的に資格制限を受ける士業や警備員も、個人再生なら職を失わない。221条はその入口の鍵であり、誰がこの扉を通れるのかを定めている。
法的な位置づけ
小規模個人再生とは、民事再生法第221条以下が定める個人債務者向けの簡易な再建型倒産処理手続である。将来において継続的又は反復的に収入を得る見込みがあり、住宅資金貸付債権や別除権の回収見込額等を除いた再生債権の総額が5000万円を超えない個人が対象となる。債務を圧縮したうえで原則3年(最長5年)で分割弁済する点に特色があり、清算型の破産とは異なる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.債務総額を5000万円基準で計算する 再生債権の総額を、住宅ローン・別除権で回収できる見込み分・再生手続開始前の罰金等を除いて計算し、5000万円以内かを確認する(221条1項)。この除外を正しく行うと基準内に収まる場合がある
- 2.将来の継続的・反復的収入を裏付ける 給与明細、確定申告書、源泉徴収票などで「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」を客観的に裏付ける資料を集める。正社員でなくても、安定した副業・パート収入で要件を満たす場合がある
- 3.給与所得者等再生との有利不利を比較する 申述前に、小規模個人再生(221条)と給与所得者等再生(222条)で最終的な弁済総額がどちらが少ないかを試算する。申述は一回きりで後からの切替ができないため、この比較が結果を左右する
- 4.再生手続開始の申立てと同時に申述する 小規模個人再生を行う旨の申述は、再生手続開始の申立ての際に行う(221条2項)。住宅資金特別条項を使う意思があるなら債権者一覧表にその旨も記載する(221条3項)
- 5.債権者一覧表を漏れなく正確に作成する 全債権者の氏名・各債権額・原因、別除権者の担保不足見込額を漏れなく記載する(221条3項)。記載漏れや過大記載は再生計画に穴を開けるため、債権額に異議がある場合はその旨も記載する(4項)
よくある質問 AI による整理
Q1小規模個人再生とは何ですか?
返済能力のある個人が、債務を圧縮して原則3年で分割返済する再建型の倒産処理手続です。民事再生法221条が利用要件を定め、自己破産と違い財産を残せる点が特徴です。
Q2個人再生の5000万円の基準はどう計算しますか?
再生債権の総額で判断しますが、住宅ローン、別除権で回収できる見込み分、再生手続開始前の罰金等は除いて計算します(221条1項)。この除外で5000万円以内に収まる人もいます。
Q3小規模個人再生と給与所得者等再生の違いは?
小規模は債権者の書面決議が必要で収入要件が緩やか、給与所得者等再生(222条)は決議不要だが可処分所得2年分以上の弁済が求められます。弁済総額が変わるため事前比較が重要です。
Q4個人再生はいつまでに申し立てればいいですか?
小規模個人再生の申述は再生手続開始の申立ての際にしかできません(221条2項)。債権者が先に申し立てた場合は開始決定があるまで。後からの切替は不可です。
Q5住宅資金特別条項とは何ですか?
住宅ローンはこれまで通り払い続け、それ以外の借金だけを圧縮する特則(198条)です。これにより自宅を手放さずに再生できます。
Q6別除権とは何ですか?
抵当権など担保権を持つ債権者が、再生手続によらず担保から優先的に回収できる権利です。担保で回収できない不足分(担保不足見込額)だけが再生債権として扱われます。
Q7個人再生のデメリットは何ですか?
信用情報に5〜10年登録され新規借入が難しくなる、官報に氏名が載る、保証人付き債務は保証人に請求が回る、などです。返済原資がなければ計画が認可されません。
Q8個人再生の計画が認可されないのはどんな場合ですか?
継続的収入の見込みが立証できない、清算価値を下回る弁済しかできない、債権者の反対が頭数・債権額の要件を満たすなどの場合、認可されず破産に移行することがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生をすると、借金はどのくらい減るんですか?
債務総額に応じた「最低弁済基準額」(民事再生法231条)と、あなたの財産額のいずれか多い方まで圧縮されます。たとえば500万円の借金なら100万円程度まで減ることもあります。実務のポイント:実は「清算価値保障原則」があり、破産したら配当される額より少なくはできません。手元に高価な財産や解約返戻金の大きい保険があると、その分だけ弁済額が跳ね上がる。だから申立て前の資産状況の把握が結果を大きく左右します(最新の弁済基準をご確認ください)。
Q2自宅を残せると聞きましたが、本当ですか?
住宅資金特別条項(民事再生法198条)を使えば、住宅ローンはこれまで通り払い続けながら、それ以外の借金だけを圧縮できます。だから自宅を手放さずに済みます。実務のポイント:ただし、住宅ローンの滞納が長期化して保証会社が代位弁済し、そこから6か月を過ぎると、この特則による巻戻しが使えなくなります。家を守りたいなら、滞納が深刻化する前に動くのが鉄則。多くの人がこの6か月の壁を知らずに自宅を失います。
Q3ブラックリストに載って、もう二度とローンが組めなくなりますか?
信用情報機関に事故情報として登録され、おおむね5年から10年は新規借入やクレジットカード作成が難しくなります。これは破産でも同じです。実務のポイント:実は登録期間が過ぎれば情報は消え、再びカードも作れます。さらに自分の信用情報は CIC や JICC への開示請求で確認でき、期間が過ぎたのに消えていない誤登録を見つけて訂正させることもできる。期間満了後すぐ動くかどうかで、生活再建の速さが変わります。
Q4個人再生は弁護士と司法書士、どちらに頼むべきですか?
借金額や事案の複雑さによります。司法書士は申立書類作成の専門家として比較的低コストで支援でき、簡易なケースに向きます。複雑な事案や訴訟が絡む場合は弁護士が有利です。実務のポイント:司法書士は代理権に金額の上限(簡裁の範囲)がありますが、個人再生の「申立書類の作成」は金額制限なく扱えます。だから費用を抑えたいなら、まず司法書士に相談して自分のケースが対応範囲かを確認するのが賢い順番です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「借金で困ったら自己破産しかない」と思い込んでいる人が大半だが、実は個人再生という選択肢がある。破産と違って自宅を残せ、職業上の資格制限もない。この扉の存在を知らないまま破産を選ぶ人が後を絶たない
- 「個人再生をすれば借金がゼロになる」と理解している人がいるが、それは誤りだ。個人再生はあくまで圧縮であって免除ではない。最低弁済基準額(民事再生法231条)以上は、必ず3年から5年かけて返し続ける義務が残る。返済原資の見込みを甘く見積もると、計画が認可されない、あるいは途中で頓挫して結局破産に逆戻りする。返済能力がまったくないなら、むしろ破産が正しい選択になる
- 「個人再生は弁護士に頼まないと無理」という前提で諦める人がいるが、問いの立て方そのものが違う。個人再生の申立書類作成は司法書士の主戦場であり、金額制限なく扱える。あなたが最初に比較すべきは「弁護士か否か」ではなく、「誰に頼めば自分のケースで総コストが最小になるか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 221条 小規模個人再生:債務を圧縮し原則3年で分割返済(再建型) | 222条 給与所得者等再生:可処分所得2年分以上の弁済(再建型) 破産法:財産を清算し残債務を免責(清算型) |
| 収入・利用要件 | 継続的・反復的収入の見込み + 再生債権総額5000万円以下 | 給与等の定期的収入 + 変動の幅が小さい + 5000万円以下 支払不能であること(収入の安定は不要) |
| 債権者の同意 | 債権者の書面による決議が必要(消極的同意、232条) | 債権者の決議は不要(裁判所の認可で足りる) 債権者の同意は不要(免責は裁判所が判断) |
| 自宅・資格制限 | 住宅資金特別条項(198条)で自宅維持可、資格制限なし | 住宅資金特別条項で自宅維持可、資格制限なし 自宅は原則喪失、士業等は一時的に資格制限あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2008年施行の消費者債務清理条例で、清算(破産類似)と更生(再建類似)の二本立てを採用。更生は債務を圧縮して分割弁済する点で個人再生に近い
韓国の個人回生は、一定の所得がある個人が最長3年(特別の事情で5年)で弁済計画を履行する点で日本の個人再生と類似する
ドイツの消費者倒産手続は、弁済計画後の残債務免責(Restschuldbefreiung)を中核とし、免責までの期間短縮の改正が進む。再建より免責に重心がある
米国 Chapter 13は定期収入のある個人が3〜5年の弁済計画で財産を維持しつつ債務整理する制度で、日本の個人再生が参照したモデルの一つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住宅ローンを抱えたまま、カードローンとリボ払いが雪だるま式に膨らんだ。自己破産すれば家を失う。だが小規模個人再生なら、住宅ローンはこれまで通り払い続け、それ以外の借金だけを圧縮できる。マイホームを守りながら生活を立て直す道が、ここにある
- もし債権者の一人が、あなたより先に破産を申し立ててきたら? 第2項により、債権者申立ての場合でも再生手続開始の決定があるまでに小規模個人再生の申述をすれば、清算ではなく再建に切り替えられる。猶予はわずか。決定が出る前に動かなければ、再建の道は閉じる
- 個人事業主として店を畳んだが、将来パート収入の見込みはある。事業で背負った借金は4800万円。5000万円の壁を超えていなければ、まだ間に合う
- あなたが知人に300万円を貸していて、その相手が小規模個人再生を申し立てた。債権者一覧表に名前が載り、再生計画では大幅にカットされる。だが第4項の異議や、後の決議で反対票を投じる権利は残っている。泣き寝入りする前に、一覧表の記載額が正しいかを確認すべきだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 債務総額を、住宅ローンと別除権で回収される見込み分を除いて計算し、5000万円以内かを確認する2. 給与明細や確定申告書で「継続的・反復的な収入の見込み」を裏付ける資料を集める3. 再生手続開始の申立てと同時に小規模個人再生の申述をする(第2項、後からの切替不可) 4. 債権者一覧表(第3項)に全債権者・各債権額・別除権の担保不足見込額を漏れなく記載する。記載漏れは計画に穴を開ける5. 給与所得者等再生(222条)との有利不利を専門家と比較してから選ぶ
訴えられた側:1. 債権者一覧表が届いたら、自分の債権額が正しく記載されているかを即確認する。過少記載なら届出や是正を求める2. 担保(別除権)を持つなら、担保不足見込額の算定が妥当かを精査する3. 再生計画案には書面による決議(232条)で反対できるが、頭数と債権額の要件を満たさなければ可決される4. 大幅カットに不満でも、破産になればさらに回収が減ることが多い。再生計画での回収見込みと破産配当額を冷静に比較する
時効(請求できる期限):小規模個人再生の申述は、再生手続開始の申立ての際に行わなければならない(第2項)。債権者が申し立てた場合は再生手続開始の決定があるまで。この時点を逃すと通常の再生手続となり、本節の特則は使えなくなる。なお消滅時効そのものを止めるには別途手続が必要で、申立てが遅れるほど差押えや訴訟のリスクが高まる
学説
通説:221条の「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」は、正社員に限らず、安定的・反復的な収入があれば足りると解されている。パート・アルバイト・一定の事業収入でも、収入の継続性が客観的に裏付けられれば要件を満たす。
実務上の運用:5000万円の基準は再生債権の総額で判断するが、住宅資金貸付債権・別除権の回収見込額・開始前の罰金等を除外して算定するため、表面的な負債が5000万円を超えても本手続を利用できる場合がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正、平成13年(2001年)4月1日施行 民事再生法に個人再生手続の特則が新設され、小規模個人再生制度(本条)が創設された。それまで個人の再建型倒産処理は通常の民事再生しかなく手続が重かったが、簡易で利用しやすい個人向け手続が整備された。その後の改正の有無・回数は要検証
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(法律第225号)公布。和議法に代わる再建型倒産処理の一般法として制定(翌平成12年4月1日施行)。
- 2.平成12年(2000年) 改正:民事再生法の一部改正により個人再生手続の特則が新設され、小規模個人再生制度(本条)が創設された(平成13年4月1日施行)。簡易で利用しやすい個人向け再建手続が整備された。その後の改正の有無・回数は要検証。
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