要点民事再生法 232 条は、小規模個人再生で再生計画認可決定が確定すると再生債権が 156 条の一般的基準で変更されると定める。ただし養育費や悪意の損害賠償は減免されない。
Q · 個人再生の計画が認可されたら、借金は全部減るんですか?
減るのは普通の借金だけ。養育費と罰金等は減りません
民事再生法 232 条により、小規模個人再生で再生計画認可の決定が確定すると、再生債権は第 156 条の一般的基準に従って一律に変更(減額)されます。しかし第 229 条第 3 項各号の請求権(養育費、悪意で加えた不法行為の損害賠償、故意・重過失による生命身体侵害の損害賠償等)と、再生手続開始前の罰金等は、この変更の対象から外れます。これらは同条第 4 項・第 5 項により、弁済期間の満了時に残額を弁済する義務が残ります。減額される債権と残る債権の仕分けが、計画完走後の家計を決めます。
カードローン、リボ払い、複数の消費者金融。気づけば総額が膨らみ、毎月の返済で給料がそのまま消えていく。この条文は、その状況に一本の出口を開ける。小規模個人再生で再生計画が裁判所に認可され確定した瞬間、あなたの借金は §156 の一般的基準に従って一律に減額される。多くのケースで元本が大きくカットされ、残りを原則 3 年で分割返済する。自己破産と違い、家や車を当然に手放すわけではなく、職業制限もない。だが落とし穴がある。減るのは普通の借金だけだ。養育費、悪意で与えた損害の慰謝料、税金。これらは §229 で別枠にされ、第 4 項・第 5 項により一円も減らないどころか、計画期間の満了時に残額を払う義務が残る。あなたが本当に知るべきは、何が減って何が残るか。その線引きこそが、計画を終えた後のあなたの家計を決める。
民事再生法 232 条は、小規模個人再生における再生計画認可決定の確定の効力を定める規定である。第 87 条第 1 項第 1 号から第 3 号までの債権は各号所定の金額の再生債権に変更され、その他のすべての再生債権者の権利は第 156 条の一般的基準に従って変更される。第 229 条第 3 項各号の請求権および再生手続開始前の罰金等は、変更の対象から除外される。
小規模個人再生で再生計画認可の決定が確定したときの効力を定める条文です。再生債権が 156 条の一般的基準に従って変更され、非減免債権と罰金等は対象外になります。
232 条により「再生計画認可の決定が確定したとき」です。認可決定が出ただけでは足りず、即時抗告期間の経過等により確定して初めて権利変更の効力が生じます。
民事再生法 229 条 3 項各号の請求権です。悪意で加えた不法行為の損害賠償、故意・重過失による生命身体侵害の損害賠償、養育費等の扶養義務に係る請求権が該当します。
小規模個人再生は債権者の書面決議があり、232 条が直接効力を定めます。給与所得者等再生は決議が不要な代わりに可処分所得要件が課され、244 条で 232 条が準用されます。
減りません。232 条 2 項は「再生手続開始前の罰金等」を権利変更の対象から明文で除外しています。交通反則金や科料も原則そのまま残ります。
できません。232 条 3 項は、弁済期間満了までの間、変更後の再生債権について弁済その他これを消滅させる行為(免除を除く)を禁じています。抜け駆け弁済は封じられます。
住宅資金特別条項を定めた場合、232 条 7 項の読替えにより住宅資金貸付債権は圧縮の枠外に置かれます。住宅ローンは従来どおり払い続け、家を維持できます。
232 条 8 項により、権利変更の効力は租税条約等実施特例法 11 条 1 項の共助との関係でのみ主張できます。外国での徴収に対しては減額を主張できません。
小規模個人再生では、法律で決まる最低弁済額か、財産を清算した場合の価値(清算価値)の、いずれか高い方まで圧縮されます。借金総額に応じて最低弁済額が定まります(民事再生法 231 条等、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:財産が多いと清算価値保障原則で弁済額が跳ね上がります。退職金見込み額や保険の解約返戻金も清算価値に算入されるので、申立て前に自分の財産を棚卸しした人としない人で、最終的な返済総額が数百万円変わることがある
減らせません。養育費は民事再生法 229 条 3 項・232 条 4 項により非減免債権とされ、計画でも減額されず、計画期間の満了時に残額を全額払う義務が残ります。業界裏話ヒント:逆に言えば、養育費を受け取る側にとって個人再生は怖くない。相手が個人再生をしても、養育費債権は別枠で守られる。受け取る側が、この保護を知らずに『もう取れない』と泣き寝入りしてしまう例が多い
住宅資金特別条項(民事再生法 198 条)を再生計画に組み込めば、住宅ローンはそのまま払い続けて家を守れます。232 条 7 項は、この住宅ローン分を他の借金の圧縮対象から外す仕組みを定めています。業界裏話ヒント:この特別条項が使えるかは、住宅ローン以外の抵当権が付いていないか等の条件次第。ペアローンや二番抵当があると組めないことがあるので、申立て前に登記簿を確認したかどうかが分かれ目になる
再生計画が取り消されると、232 条で圧縮されたはずの債権が元の額に戻り、債権者は減額前の全額を請求できます(第 3 項参照)。業界裏話ヒント:ただし支払いが厳しくなった段階で、弁済期間の延長による計画変更やハードシップ免責という救済策があります。取消しを待つのではなく、滞る前に弁護士へ相談すれば、計画を立て直して圧縮を守れる可能性が残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 232 条:小規模個人再生における認可決定確定の効力(権利変更の発動条項) | — |
| 効力の発生時期 | 再生計画認可の決定が確定したとき(1 項・2 項) | — |
| 弁済期間満了時の扱い | 変更後の再生債権は 3 項により期間中の消滅行為を禁止(免除を除く) | — |
| 住宅ローンとの関係 | 7 項の読替えで住宅資金貸付債権を圧縮の枠外に置く | — |
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