民事再生法 第229条(再生計画による権利の変更の内容等)
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- 小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第八十四条第二項に掲げる請求権について別段の定めをする場合を除き、再生債権者の間では平等でなければならない。
- 2.再生債権者の権利を変更する条項における債務の期限の猶予については、前項の規定により別段の定めをする場合を除き、次に定めるところによらなければならない。
- 一弁済期が三月に一回以上到来する分割払の方法によること。
- 二最終の弁済期を再生計画認可の決定の確定の日から三年後の日が属する月中の日(特別の事情がある場合には、再生計画認可の決定の確定の日から五年を超えない範囲内で、三年後の日が属する月の翌月の初日以降の日)とすること。
- 3.第一項の規定にかかわらず、再生債権のうち次に掲げる請求権については、当該再生債権者の同意がある場合を除き、債務の減免の定めその他権利に影響を及ぼす定めをすることができない。
- 一再生債務者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
- 二再生債務者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
- 三次に掲げる義務に係る請求権
- 一民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
- 二民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
- 三民法第七百六十六条及び第七百六十六条の三(これらの規定を同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
- 四民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
- 五イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
- 4.住宅資金特別条項によって権利の変更を受ける者と他の再生債権者との間については第一項の規定を、住宅資金特別条項については第二項の規定を適用しない。
この条文の基本情報
再生計画による権利の変更の内容等とは何ですか?
定義再生計画による権利の変更の内容等とは、民事再生法第229条に定められた規定で、「小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第八十四条第二項に掲げる請…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第229条(再生計画による権利の変更の内容等)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第229条の条文原文は「小規模個人再生における再生計画による権利の変更の内容は、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合又は少額の再生債権の弁済の時期若しくは第八十四条第二項に掲げる請…」で始まります。
- 民事再生法第229条は第一節 小規模個人再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第229条の前の条は民事再生法第228条です。
- 民事再生法第229条の次の条は民事再生法第230条です。
- 民事再生法第229条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第229条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第229条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/229
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法229条は、小規模個人再生の再生計画で再生債権を平等に減額する一方、養育費・悪意の損害賠償・人身損害賠償は非減免債権とし、弁済は原則3年・最長5年と定める。
Q · 個人再生をすれば、借金は全部同じように減らせるんですか?
養育費・悪意の損害賠償・人身損害賠償は減らせません
民事再生法229条により、小規模個人再生では再生債権を債権者間で平等に減額するのが原則です。しかし3項で、悪意の不法行為に基づく損害賠償請求権、故意又は重大な過失による人の生命身体を害する損害賠償請求権、養育費など扶養義務に係る請求権は、本人の同意がない限り1円も減免できない非減免債権とされています。弁済は3か月に1回以上の分割で、原則3年、特別の事情があれば最長5年です。住宅資金特別条項で守る住宅ローンも平等原則の外にあります。
解説
借金が膨らんで個人再生という言葉にたどり着いたとき、多くの人は「裁判所が認めれば借金が5分の1や10分の1になる」という話だけを握りしめる。だが229条は、その圧縮ルールに二つの但し書きを差し込む。第一に、減額された再生債権は債権者の間で平等でなければならない。誰か一人にだけこっそり全額返す、という約束は原則として通らない。第二に、悪意で負わせた損害賠償、故意や重過失で人の命や体を傷つけた賠償、そして養育費などの扶養義務、この三種類は本人の同意がない限り1円も減らせない。さらに弁済は3か月に1回以上の分割で、原則3年、特別の事情があっても最長5年で払い切らなければならない。あなたが個人再生で人生をやり直せるかどうかは、この条文が引く減らせる線と減らせない線の上に立っている。
法的な位置づけ
民事再生法229条は、小規模個人再生における再生計画の内容規制を定める規定である。再生債権の減額は債権者間で平等であることを原則とし、悪意の不法行為に基づく損害賠償請求権、故意又は重過失による人身損害の賠償請求権、扶養義務に係る請求権を非減免債権として本人の同意なき減免を禁じる。弁済期間は3か月に1回以上の分割で原則3年、特別の事情があれば最長5年とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の負債を非減免債権かどうかで棚卸しする まず全負債を一覧化し、養育費・悪意の不法行為賠償・故意重過失の人身損害賠償が含まれていないかを確認する。これらは229条3項の非減免債権で計画後も満額残るため、圧縮対象と分けて把握する
- 2.非減免債権を含めて再生後の家計を試算する 圧縮される一般債権と、満額残る非減免債権を合算し、再生後に月々いくら残るかをシミュレーションする。3年で払い切れるか、5年延長が必要かをこの段階で見極める
- 3.5年延長が必要なら特別の事情を計画案に書き込む 3年で苦しい場合、扶養家族の多さや収入の不安定さなど229条2項の特別の事情を再生計画案に具体的に記載し、最長5年での弁済を申し立てる。認可決定確定後は延長できないため申立て段階が勝負
- 4.住宅を残すなら住宅資金特別条項を選択する マイホームを守るなら住宅資金特別条項付き個人再生を検討する。ただし229条4項により住宅ローンは平等原則の外で約定どおり払い続ける必要がある。二階建て構造を前提に返済計画を立てる
よくある質問 AI による整理
Q1個人再生とは何ですか?
裁判所の関与のもとで借金を大幅に圧縮し、原則3年で分割弁済していく債務整理手続です。自己破産と違い、財産を残しながら再出発できるのが特徴です。
Q2個人再生で借金はどれくらい減りますか?
多くは5分の1程度まで圧縮されますが、最低弁済額と清算価値保障が下限になります。ただし養育費や悪意の損害賠償など非減免債権は減りません。
Q3個人再生の弁済期間は何年ですか?
229条2項により原則3年です。特別の事情があれば最長5年まで延長でき、月々の負担を下げられます。弁済は3か月に1回以上の分割が必要です。
Q4非減免債権とは何ですか?
個人再生でも本人の同意なしに減らせない債権です。悪意の不法行為賠償、故意重過失の人身損害賠償、養育費など扶養義務に係る請求権が該当します。
Q5個人再生と自己破産の違いは何ですか?
自己破産は原則すべての債務が免責される代わりに財産を処分します。個人再生は借金を圧縮して分割弁済しますが、住宅などの財産を残せる点が大きな違いです。
Q6個人再生の弁済は毎月払いですか?
229条2項は「3か月に1回以上の分割払」を要件とします。毎月払いでも3か月ごとの払いでも構いませんが、間隔が3か月を超える計画は認められません。
Q7小規模個人再生と給与所得者等再生の違いは何ですか?
小規模個人再生は再生債権者の消極的同意を要しますが、給与所得者等再生は同意不要な代わりに可処分所得の2年分以上の弁済が必要です。229条は244条で後者に準用されます。
Q8個人再生が認可されないのはどんな場合ですか?
再生計画が平等原則に反する、最低弁済額や清算価値保障を満たさない、弁済見込みがない、非減免債権を無断で減額したなどの場合、認可されないことがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生したら養育費も減らせるんですか?
減らせません。民事再生法229条3項により、扶養義務に係る請求権は本人の同意がない限り減免できないと定められています。借金が大幅にカットされても、未払い養育費は満額残ります。実務のポイント:逆に言えば、養育費を受け取る側にとって個人再生は脅威ではありません。相手が個人再生を理由に減額を迫ってきても法的根拠がない。応じる前に専門家へ確認を。
Q2悪意の不法行為って、普通の借金とどう違うんですか?
229条3項1号の悪意の不法行為は、単なる返済不能ではなく、詐欺や横領など相手を害する意図で生じさせた損害賠償債務です。これは個人再生でも減額されません。実務のポイント:悪意の立証は債権者側の責任で、認められるかは証拠次第。詐欺の刑事告訴や判決があると有利です。何もせず一般債権として届け出ると、性質を主張する機会を失い減額の波に飲まれます。
Q33年で払えない場合、個人再生はあきらめるしかないですか?
あきらめる必要はありません。229条2項により、特別の事情があれば最長5年まで弁済期間を延長でき、月々の負担を下げる余地があります。実務のポイント:特別の事情は扶養家族の多さや収入の不安定さなどで主張しますが、裁判所の運用は地域や事案で差があります。最初から5年で組むより3年を基本に余裕を持たせる組み方もあり、専門家の戦略選択が効く部分です。
Q4住宅ローンも他の借金と一緒に減らせますか?
減らせません。229条4項により、住宅資金特別条項で守られる住宅ローンは平等原則の外にあり、約定どおり払い続けます。そのかわり家を残せます。実務のポイント:住宅を残す代償として住宅ローンは1円も減らず、他の借金だけが圧縮される二階建て構造です。家を残すか手放して全体を軽くするか、ここが個人再生の最大の分岐点。シミュレーションを必ず両方やること。
間違えやすい点 AI による整理
- 「個人再生をすれば全部の借金が同じ割合で減る」と思われているが、養育費や悪意の損害賠償、故意重過失で人を傷つけた賠償は、本人の同意がなければ1円も減らない。すべてが平等に薄まるわけではない。
- 養育費が減らないことは知っていても、その深刻度を分かっていない人が多い。借金が5分の1になって生活が楽になったと思った瞬間、満額残った未払い養育費の取り立てが正面から来る。減らせない債権ほど、再生後の家計を真っ先に圧迫する。
- 「3年で払えないなら個人再生は無理」という問いそのものがずれている。229条は特別の事情があれば最長5年まで延ばせる。問うべきは、無理かどうかではなく、どんな事情を5年延長の根拠として主張できるかだ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 非減免・非免責の範囲 | 民訴再生229条:悪意の不法行為・故意重過失の人身損害・扶養義務は減免不可 | 破産法253条:非免責債権として同種の債権が免責されない 民事再生244条:給与所得者等再生へ229条を準用 |
| 弁済の要否 | 圧縮後の再生債権を原則3年で分割弁済する | 破産は原則弁済なし(財産は換価・配当) 給与所得者等再生は可処分所得2年分以上の弁済が必要 |
| 手続開始・認可の条件 | 229条は計画内容の平等原則と弁済期間の枠を定める | 破産は支払不能が要件、免責は不許可事由なきこと 再生231条:最低弁済額・清算価値保障を満たす計画であること |
| 財産・住宅の扱い | 住宅資金特別条項付きなら住宅を残せる(229条4項) | 破産は原則として住宅を含む財産を処分 再生198条:住宅資金特別条項を定めうる場合を規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の消債条例の更生も裁判所認可のもとで債務を圧縮し分割弁済する点で個人再生に近い。日本のように扶養義務等を明文で非減免とする列挙の作り込みは異なる
韓国の個人回生も変済計画に基づく圧縮・分割弁済制度で、日本の個人再生を強く参照している。弁済期間や可処分所得基準に類似の設計がある
ドイツは残余債務免責(Restschuldbefreiung)を軸とし、悪意の不法行為債権等は免責から除外される。減額計画型というより免責型に近い構造
米国 Chapter 13は定期収入者が3〜5年の弁済計画で債務調整する制度で、日本の個人再生のモデル的存在。§523が養育費や悪意の加害債権を免責除外とする点も共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もしあなたが離婚して養育費を滞納したまま借金で首が回らなくなり、個人再生を申し立てたら、養育費はどうなる? 答えは、減らない。229条3項により、子どもへの扶養義務に係る請求権は本人の同意なしに減免できない。借金は5分の1になっても、未払い養育費は満額そのまま残る。
- あなたが知人に300万円を貸していて、その知人が個人再生を申し立てた。普通の貸金なら大幅カットだが、もしその金が相手の悪意ある詐欺で奪われたものなら話は別。悪意の不法行為に基づく損害賠償として、あなたの債権は減額対象から外れる。問題は、それを再生手続の中でどう主張し、認めさせるかだ。
- 飲酒運転で人をはねて重い後遺障害を負わせた。その賠償債務を抱えたまま個人再生を申し立てても、この債務は消えない。故意や重過失で人の生命身体を害した賠償は、減免できないからだ。
- 再生計画が認可されてあと数日で確定する。だがあなたの収入では、3年で払い切る分割額が現実的に厳しい。特別の事情を主張して5年に延ばせるのは、この認可確定までが勝負。確定後にやっぱり払えないとなれば、計画取消しと一括請求の悪夢が待っている。
- マイホームを手放したくない一心で住宅資金特別条項付きの個人再生を選んだ。だが4項により、住宅ローン部分は他の債権者との平等原則の外側にある。住宅ローンは約定どおり払い続け、それ以外の借金だけが圧縮される。この二階建ての構造を理解しないと、毎月の支払計画を立て間違える。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手があなたへの債務を抱えたまま個人再生を申し立てたら、まず自分の債権が229条3項の非減免債権(悪意の不法行為、故意重過失の人身損害、養育費等)に当たるか確認2. 当たるなら、再生債権の届出で債権の性質と原因を明示し、判決や公正証書、示談書など証拠を添える3. 一般の再生債権として処理されそうなら、異議や意見を述べて性質を争う4. 養育費なら認可後も満額請求できるので、相手の再生計画に飲み込まれないよう履行を監視する
訴えられた側:1. 申立て前に自分の負債を棚卸しし、養育費や悪意の損害賠償、人身損害賠償など減らせない債権を先に把握する2. それらは計画でも満額残ると前提に、再生後の家計が回るか試算する3. 3年で苦しいなら、収入や扶養家族など特別の事情を計画案に書き込み5年延長を狙う4. 住宅を残すなら住宅資金特別条項を検討、ただし住宅ローンは平等原則の外で約定どおり払い続ける必要がある
時効(請求できる期限):弁済期間は再生計画認可決定の確定日を起算点として原則3年、特別の事情があれば最長5年。弁済は3か月に1回以上の分割でなければならない。申立て自体は破産原因(支払不能のおそれ)が生じた段階で可能だが、認可後に履行できないと計画取消しと残債務の一括請求リスクがある(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:229条3項の非減免債権は、破産法253条の非免責債権と対をなす政策的例外であり、悪意の不法行為・故意重過失の人身損害・扶養義務に係る請求権を、債務者の経済的更生よりも被害者・扶養権利者の保護を優先して減免対象から外したものと解される。平等原則の例外は限定列挙で厳格に解すべきとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正、平成13年(2001年4月)施行 民事再生法に個人再生手続(小規模個人再生・給与所得者等再生)を新設した際にゼロから設けられた条文。再生計画による権利変更の平等原則、非減免債権、3年(最長5年)の弁済期間枠を定めた
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:民事再生法に個人再生手続(小規模個人再生・給与所得者等再生)を新設した際に設けられた条文。平成13年(2001年4月)施行。再生計画の平等原則、非減免債権、3年(最長5年)の弁済期間枠を定めた
- 民事再生法 第221条小規模個人再生の手続開始要件と申立適格
- 民事再生法 第84条再生債権の範囲、3項が引く84条2項劣後請求権
- 民事再生法 第231条再生計画認可の要件、最低弁済額と清算価値保障
- 民事再生法 第244条給与所得者等再生への本条の準用
- 民事再生法 第198条住宅資金特別条項を定めうる場合、4項の前提
- 破産法 第253条破産免責における非免責債権の対応規定
- 民法 第766条非減免対象となる養育費請求権の実体的根拠
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