民事再生法 第231条(再生計画の認可又は不認可の決定)
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- 小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、第百七十四条第二項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは、第二百二条第二項)又は次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。
- 2.小規模個人再生においては、裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合にも、再生計画不認可の決定をする。
- 一再生債務者が将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがないとき。
- 二無異議債権の額及び評価済債権の額の総額(住宅資金貸付債権の額、別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権の額及び第八十四条第二項に掲げる請求権の額を除く。)が五千万円を超えているとき。
- 三前号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円を超え五千万円以下の場合においては、当該無異議債権及び評価済債権(別除権の行使によって弁済を受けることができると見込まれる再生債権及び第八十四条第二項各号に掲げる請求権を除く。以下「基準債権」という。)に対する再生計画に基づく弁済の総額(以下「計画弁済総額」という。)が当該無異議債権の額及び評価済債権の額の総額の十分の一を下回っているとき。
- 四第二号に規定する無異議債権の額及び評価済債権の額の総額が三千万円以下の場合においては、計画弁済総額が基準債権の総額の五分の一又は百万円のいずれか多い額(基準債権の総額が百万円を下回っているときは基準債権の総額、基準債権の総額の五分の一が三百万円を超えるときは三百万円)を下回っているとき。
- 五再生債務者が債権者一覧表に住宅資金特別条項を定めた再生計画案を提出する意思がある旨の記載をした場合において、再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき。
この条文の基本情報
再生計画の認可又は不認可の決定とは何ですか?
定義再生計画の認可又は不認可の決定とは、民事再生法第231条に定められた規定で、「小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、第百七十四条第二項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは、第二百二条第二項)…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第231条(再生計画の認可又は不認可の決定)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第231条の条文原文は「小規模個人再生において再生計画案が可決された場合には、裁判所は、第百七十四条第二項(当該再生計画案が住宅資金特別条項を定めたものであるときは、第二百二条第二項)…」で始まります。
- 民事再生法第231条は第一節 小規模個人再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第231条の前の条は民事再生法第230条です。
- 民事再生法第231条の次の条は民事再生法第232条です。
- 民事再生法第231条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第231条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第231条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/231
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法231条は、小規模個人再生の再生計画案が可決された場合の認可決定と、継続収入なし・基準債権5000万円超・最低弁済額不足など5つの不認可事由を定める。
Q · 個人再生って、どんな条件を満たせば裁判所に認めてもらえるの?
継続収入・債務5000万円以下・最低弁済額の確保が要件です
民事再生法231条により、小規模個人再生で再生計画案が可決されると、裁判所は原則として認可決定をします。ただし、①将来の継続的・反復的な収入見込みがない、②住宅ローンを除く基準債権が5000万円を超える、③計画弁済総額が法定の最低弁済額(基準債権500万円なら100万円など)を下回る、④住宅資金特別条項を定める意思があるのに計画に定めがない、といった場合には不認可決定となります。さらに清算価値保障原則(174条2項)を満たすことも必要です。
解説
自己破産すれば家を失う、それが嫌なら借金は全額返すしかない。多くの人がそう思い込んでいる。だが民事再生法231条は、その両極端のあいだに一本の道を引いている。小規模個人再生という手続だ。住宅ローンを除いた借金が5000万円以下なら、裁判所の認可を受けて元本そのものを圧縮できる。しかも返す最低額は法律が決めている。基準となる借金が500万円なら最低100万円、1500万円なら300万円、3000万円を超えれば10分の1。3000万円が300万円まで縮む計算だ。条件は、将来も継続的または反復して収入を得る見込みがあること。この一点を満たせるかどうかで、あなたが破産者になるか、家を残して再起する人になるかが分かれる。
法的な位置づけ
民事再生法231条は、小規模個人再生における再生計画の認可・不認可の要件を定める規定である。再生計画案の可決を前提に、裁判所は原則として認可決定をするが、継続的・反復的な収入見込みの欠如、住宅ローンを除く基準債権が5000万円超、計画弁済総額が法定の最低弁済額を下回る場合などには不認可決定をする。最低弁済額は基準債権の総額に応じて段階的に法定されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.基準債権を算定する 借金を住宅ローンとそれ以外に分け、別除権(担保)で回収される見込み額と一部の請求権を控除して「基準債権」を出す。これで法定の最低弁済額の見当がつき、5000万円の天井を下回るかも判定できる
- 2.継続的・反復的な収入見込みを証明する 過去2年分の源泉徴収票・確定申告書を揃え、231条2項1号の継続収入要件を書面で示せるか確認する。自営業や副業でも反復性を客観的資料で示せれば足りる場合がある
- 3.住宅資金特別条項の要件を最優先で確認する 家を残したいなら、保証会社の代位弁済から6か月以内など住宅資金特別条項の要件(198条)を最優先でチェックする。231条2項5号は意思があるのに定めがない場合を不認可事由とする
- 4.受任通知で取立てを止める 弁護士または認定司法書士に依頼して受任通知を出してもらう。貸金業者からの直接の取立ては法律で止まり(貸金業法21条)、返済を一旦止めて書類を整える時間が生まれる
- 5.再生計画案を提出し最低弁済額を守る 計画弁済総額が最低弁済額と清算価値のいずれも上回る再生計画案を裁判所の定める期限内に提出する。認可後は3年(最長5年)にわたり一度も弁済を破綻させない
よくある質問 AI による整理
Q1個人再生の最低弁済額はいくらから?
基準債権の総額で段階的に決まります。500万円までは100万円、500万〜1500万円は5分の1、1500万〜3000万円は300万円、3000万〜5000万円は10分の1が下限です(231条2項)。
Q2個人再生で借金5000万円は無理?
住宅ローンを除く基準債権が5000万円を1円でも超えると小規模個人再生は使えません(231条2項2号)。別除権で回収される担保付債権を控除して天井を下回るか計算し直す価値があります。
Q3個人再生 認可されないのはどんなとき?
継続収入の見込みなし、基準債権5000万円超、計画弁済総額が最低弁済額を下回る、住宅資金特別条項の意思があるのに定めがない、清算価値保障原則違反などです。
Q4小規模個人再生 給与所得者でも使える?
使えます。要件は継続的・反復的な収入見込み(2項1号)で雇用形態は問いません。可処分所得基準の給与所得者等再生より弁済総額を抑えられる場合が多く、あえて選ぶ実務家もいます。
Q5個人再生 清算価値保障原則とは?
自己破産したときに債権者へ配当される額(清算価値)を、再生計画の弁済総額が必ず上回らなければならないという原則です(174条2項)。財産が多いと最低弁済額より弁済額が上がります。
Q6個人再生 継続収入の証明はどうする?
過去2年分の源泉徴収票・確定申告書などで示します。フルタイムでなくても、副業や複数の反復収入の継続性を客観的に示せれば要件を満たせる場合があります。
Q7個人再生 家を残す条件は?
住宅資金特別条項を再生計画に定めることです。保証会社の代位弁済から6か月以内など要件があり(198条)、231条2項5号は意思があるのに定めがない場合を不認可事由とします。
Q8個人再生 認可後に払えなくなったら?
再生計画が取り消され圧縮前の元本が復活しうる一方、弁済期間の延長(計画変更)や一定要件でのハードシップ免責(235条)という救済もあります。滞納前の早期相談が鍵です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生って自己破産と何が違うんですか?
最大の違いは、財産を手放さずに済む点です。自己破産は原則として一定額以上の財産を処分しますが、個人再生は元本を法定の下限(基準債権500万円なら100万円など、231条2項)まで圧縮し、3年かけて返済しながら家も車も資格も残せます。実務のポイント:保証人がいる借金は、自己破産でも個人再生でも保証人に全額請求がいきます。保証人を守りたいなら、その分を別枠で処理する戦略を最初に組まないと、家族を巻き込んで関係が壊れることがある
Q2借金が100万円くらいなら、個人再生で減らせますか?
ほぼ減りません。基準債権が100万円以下なら最低弁済額は全額(231条2項4号)、100万円を超えても下限は100万円なので、100万円前後の借金は圧縮メリットがほとんどない。実務のポイント:この水準なら任意整理(利息をカットして元本を分割)の方が手続費用も安く現実的です。個人再生は専門家費用だけで数十万円かかるので、減額幅が費用を上回らないと意味がない。総額が小さい人ほど、安易に個人再生を勧める事務所には警戒した方がいい
Q3給与所得者じゃないと個人再生は使えないんですか?
小規模個人再生(231条)なら自営業者でも使えます。要件は「将来において継続的に又は反復して収入を得る見込み」(2項1号)で、雇用形態は問いません。一方、給与所得者等再生(民事再生法239条以下)はサラリーマン向けで債権者の決議が不要な代わり、可処分所得2年分以上の弁済が必要です。実務のポイント:サラリーマンでもあえて小規模個人再生を選ぶ実務家が多い。可処分所得基準だと弁済額が跳ね上がることがあり、債権者の反対が見込めないなら小規模の方が返済総額を抑えられるからです
Q4途中で払えなくなったらどうなりますか?
再生計画どおりの弁済を怠ると再生計画が取り消され、圧縮されていた元本が復活しうる。ただし、やむを得ない事情があれば弁済期間を延長する「再生計画の変更」や、一定要件を満たせば残りを免除する「ハードシップ免責」(民事再生法235条)という救済もあります。実務のポイント:滞納しそうになったら、滞納してから動くのではなく、滞納する前に専門家経由で裁判所に変更や免責を申し立てる。事後では救済の選択肢が一気に狭まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「借金を減らすなら自己破産」という前提で、そもそもの問いが間違っている。本当に問うべきは「家や車や資格を残したいか」だ。残したいなら、減額幅は自己破産に劣っても個人再生が答えになる。問いの立て方そのものが、あなたの選択肢を狭めている
- 個人再生で借金が減ることは知っていても、その後3年(最長5年)にわたり一度も支払を破綻させてはいけない重みを軽く見ている人が多い。途中で滞れば再生計画は取り消され、圧縮前の元本が復活しうる。減額はゴールではなくスタートラインだ
- 「小規模個人再生は債権者の同意がいるから、反対されたら終わり」と思われがちだが、実際は逆。書面決議で積極的に「反対する」と答えた債権者が、頭数の半分未満かつ債権額の半分未満なら可決される。沈黙は事実上の同意として扱われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の種類 | 231条:小規模個人再生(債務者一般・自営業含む) | 239条:給与所得者等再生(収入が安定した給与所得者) 174条:通常の再生(法人・個人一般) |
| 債権者の決議 | 書面決議が必要(過半数の反対がなければ可決) | 債権者の決議は不要 債権者集会または書面決議が必要 |
| 弁済額の基準 | 基準債権に応じた法定の最低弁済額 + 清算価値保障 | 最低弁済額に加え可処分所得2年分以上も必要 清算価値保障原則(174条2項) |
| 向いているケース | 反対する債権者が少ない見込み・弁済総額を抑えたい | 収入変動が小さく債権者の反対が見込まれる 個人再生の要件を満たさない大規模・法人事案 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2008年施行の消費者債務清理条例で更生(再建型)と清算(破産型)を用意。日本の個人再生に相当する更生程序は債務総額の上限と最低弁済の枠組みを持つ点で共通する
韓国の個人回生は日本の個人再生を強く参照。継続収入を前提に元本を圧縮し原則3年(最長5年)で弁済する枠組みは日本とほぼ同型
ドイツは消費者倒産手続を経て免責(Restschuldbefreiung)に至る免責主義。元本圧縮というより誠実な弁済努力後の残債務免除に重点がある点で発想が異なる
米国チャプター13は定期収入のある個人が3〜5年の弁済計画で債務を調整する手続で、日本の小規模個人再生が発想の範とした制度
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- リボ払いと住宅ローンで首が回らなくなった。あと半年で住宅ローンの返済まで滞りそう。自己破産しか道はないのか。いや、住宅資金特別条項付きの個人再生なら、家を残したまま他の借金だけを圧縮できる。ただし継続収入の見込みを書類で示せるかが分水嶺になる
- 奨学金とカードローンで総額480万円。手取りは月22万。基準債権480万円なら最低弁済額は100万円。3年で割れば月2万8千円。生活が立て直せる
- あなたが知人に300万円を貸していて、その相手が小規模個人再生を申し立てた。あなたの債権は他の債権者と同じ割合でしか戻ってこない。しかも書面決議で反対しても、頭数の半分以上かつ債権額の半分以上の反対が集まらなければ可決される。あなた一人では止められない
- 個人事業主のあなた。売上が落ちて事業資金の返済が滞った。残された時間は数か月。継続的・反復的な収入見込みを証明できなければ、231条2項1号で不認可になる。確定申告書と受注見込みを今から揃えるかどうかで、結果がそのまま変わる
- 事業の連帯保証で膨らんだ債務が、住宅ローン以外で5000万円を1円でも超えると、小規模個人再生はそもそも使えない(231条2項2号)。別除権で回収される担保付債権を控除すれば天井を下回るかどうか、計算をやり直す必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 借金の総額を住宅ローンとそれ以外に分け、別除権で回収される分を控除して「基準債権」を出す。これで最低弁済額の見当がつく2. 過去2年分の源泉徴収票・確定申告書で、継続的・反復的な収入を証明できるか確認3. 家を残したいなら住宅資金特別条項の要件(保証会社の代位弁済から6か月以内など)を最優先でチェック4. 弁護士または認定司法書士に受任通知を出してもらい、取立てを止めてから書類を整える
訴えられた側:あなたが債権者側なら、1. 債権届出を期限内に必ず提出する。怠ると配当から漏れる2. 再生債務者の財産・収入が過少申告されていないか、清算価値(破産したらいくら配当されるか)と比較する。清算価値保障原則(174条2項)違反なら不認可を求められる3. 小規模個人再生では書面決議で「反対」を明示する。ただし頭数・債権額の過半数の反対がなければ可決される現実を踏まえ、回収最大化なら別除権の実行も並行して検討する
時効(請求できる期限):231条自体に申立期限はないが、住宅資金特別条項は保証会社の代位弁済から6か月以内が要件(民事再生法198条2項)。再生手続開始後の再生計画案の提出期限は裁判所が定め、徒過すると手続が廃止される。差押えや競売が進む前の早期着手が実質的なリミットになる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:231条2項の最低弁済額要件と174条2項の清算価値保障原則は併存し、実際の弁済額は両者のいずれか高い方を下回れないと解される。継続収入要件(2項1号)は雇用形態を問わず、反復性・安定性を客観的資料で判断するのが実務の通説的運用である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法が制定され、和議法に代わる再建型倒産処理の一般法として成立。この時点では個人再生手続はまだ含まれていなかった。
- 2.平成12年(2000年) 改正:民事再生法の一部改正により小規模個人再生・給与所得者等再生の各手続が新設され、231条を含む個人再生の規定が追加された(平成13年4月1日施行)。
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