要点民事再生法 252 条は、再生が破産へ移行した際、否認権や期間制限の起算点を再生手続開始の申立ての日まで遡らせる牽連破産の特則を定める。
Q · 再生手続中に受け取った弁済、破産に切り替わったら否認の時計はゼロから数え直しですか?
いいえ、時計は再生申立ての日まで巻き戻ります
民事再生法 252 条により、再生手続が破産へ移行すると、否認権(破産法 160 条以下)・相殺禁止(71・72 条)・否認権の 2 年の行使期間(176 条)の適用上、破産手続開始の申立ては再生手続開始の申立ての時にあったものとみなされます。つまり否認の対象期間も期間制限も再生申立ての日を起点に計算されます。再生中に受けた弁済は安全とは限らず、逆に共益債権は財団債権へ格上げされ(6 項)、給料の 3 か月優先枠も再生開始前から数えられます(5 項)。
取引先が民事再生を申し立てた。その手続の最中にあなたは売掛金の一部弁済を受けた、あるいは資金を出して再生を支えた、あるいは従業員として未払い給料を抱えていた。やがて再生計画が認可されず、手続は破産へ切り替わる。多くの人は「新しい破産が始まったのだから時計もそこから動く」と考える。だが民事再生法 252 条は時間を巻き戻す装置だ。否認権(破産法 160 条以下)、相殺禁止(71 条、72 条)、否認の 2 年の期間制限(176 条)を適用するとき、破産手続開始の申立ては「再生手続のあの日」にあったものとみなされる。安全圏だと思った弁済が、再生申立ての日まで遡って否認の射程に入る。逆に給料の財団債権の 3 か月(149 条)も再生開始から数えられ、再生を支えた共益債権は破産でも財団債権に格上げされる。誰の立場かで、この巻き戻しは武器にも刃にもなる。
民事再生法 252 条は牽連破産の特則を定める規定であり、再生手続が廃止・不認可等により破産へ移行した場合に、否認権・相殺禁止・否認権行使期間の起算点を再生手続開始(またはその申立て)の時点まで遡らせる。手続の乗り換えによる否認逃れを防ぎ、倒産処理の連続性と債権者間の公平を確保する機能を持つ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生手続や特別清算などが頓挫し、そのまま破産手続へ移行することを牽連破産といいます。民事再生法 252 条が、否認権などの起算点を前の手続まで遡らせる特則を置いています。
破産手続開始の申立てを再生手続開始の申立ての時にあったものとみなします。つまり否認の対象期間は新たな破産申立てではなく、再生申立ての日を起点に計算されます。
252 条 6 項により、再生手続中に生じた共益債権は破産に移行しても財団債権へ格上げされ、一般の破産債権者より先に弁済を受けられます。
はい。252 条により破産法 160 条以下・162 条の適用上、破産開始の申立てが再生申立て時にあったとみなされ、否認の対象期間は再生申立ての日から数えます。
再生計画の不認可・再生手続廃止・再生計画取消しの確定に伴い、249 条前段や 250 条により職権等で破産手続開始の決定がなされます。この移行が牽連破産です。
252 条 2 項により、破産法 176 条前段の「破産手続開始の日」は再生手続開始の決定の日とみなされます。再生開始から 2 年経過後は否認権を行使できません。
249 条は牽連破産で破産手続を開始する手続規定、252 条はその破産で否認権や期間の起算点を再生段階まで遡らせる効果規定です。役割が異なります。
252 条 5 項により、破産法 149 条の「破産手続開始前 3 月間」は、再生手続開始の決定があるときは再生手続開始前 3 月間と読み替えられ、優先枠が前へずれます。
再生申立ての前後で受けた弁済が偏頗弁済(破産法 162 条)に当たれば、否認されて返還を求められます。252 条で否認の起算点は再生開始の日まで遡るので、再生中の回収こそ狙われやすい。業界裏話ヒント:管財人も否認には破産法 176 条の 2 年の期間制限という壁がある。再生開始からその期間が過ぎていれば否認はできない。請求が来たら、まず再生開始日と現在の日付を照合する。日付一つで結論がひっくり返る
再生手続中の支援で生じた債権は共益債権になり、252 条 6 項で破産に移っても財団債権へ格上げされ、一般の破産債権者より先に弁済を受けられます。支援が無駄になるとは限りません。業界裏話ヒント:ただし共益債権と認められるには手続上の位置づけが要る。場当たり的に出した金は単なる破産債権で後回しになる。支援前に監督委員や裁判所の関与のもとで共益債権として整理しておくかどうかで、回収順位がまるで違う
諦める必要はありません。破産法 149 条で破産手続開始前 3 か月の給料は財団債権として優先弁済され、252 条 5 項でこの 3 か月は再生開始前から数えられます。再生が長引いて給料が止まっていても優先枠は守られます。業界裏話ヒント:それでも会社に財産が乏しいときは、独立行政法人労働者健康安全機構の未払賃金立替払制度で一定割合が国から立て替えられる。財団債権の届出と立替払の申請、両方を並行して動かすのが実務の定石
| dimension | thisArticle | alternatives |
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| 条文の役割 | 252 条:牽連破産における否認権・期間・優先枠の起算点をみなす効果規定 | — |
| 適用の場面 | 破産へ移行後、否認権・相殺禁止・176 条の期間を適用するとき | — |
| 起算点の効果 | 破産開始の申立てを再生申立て時にあったものとみなす | — |
| 共益債権の扱い | 6 項で共益債権を財団債権へ格上げ | — |
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