要点民事再生法 251 条は、再生手続の廃止・不認可等があった場合に、裁判所が職権で破産法上の保全処分や保全管理命令を発令し、移行期の財産流出を防げることを定める。
Q · 取引先の民事再生が失敗したら、破産が始まるまでの間、財産は誰が守るの?
裁判所が職権で保全処分を出し財産を凍結できます
民事再生法 251 条により、再生手続の廃止・不認可・取消し等があった場合、裁判所は債権者の申立てを待たずに職権で破産法上の中止命令、包括的禁止命令、保全処分、保全管理命令等を発令できます。再生手続の終了から破産手続の開始までの数日は誰も財産を管理しない空白期間となるため、この間の財産流出を職権で防ぐのが本条の役割です。ただし裁判所が破産手続を開始しないと判断した場合は、遅滞なく保全処分を取り消さなければなりません(2 項)。
取引先が民事再生を申し立て、その再生計画が裁判所に認可されなかった。あるいは認可後に取り消された。多くの人はここで「では破産だな」と考えて思考を止める。だが、その瞬間から破産手続が正式に始まるまでには、誰も財産を管理しない空白期間が口を開ける。この数日間、債務者は理屈の上では残った現金を特定の取引先に払い、在庫を流し、口座を空にできてしまう。民事再生法251条は、その穴を裁判所が職権で塞ぐための条文だ。債権者の申立てがなくても、裁判所は破産法の中止命令、包括的禁止命令、保全処分、保全管理命令を先回りで発動できる。あなたが債権者なら、この空白を放置すれば破産配当はほとんど残らない。逆に債務者なら、この期間の財産処分は後の破産で否認の標的になる。空白は自由ではなく、最も監視された時間だと知る者だけが正しく動ける。
民事再生法 251 条は、再生手続が終了し破産手続へ移行するまでの空白期間における債務者財産の保全を定める規定である。裁判所は職権で、破産法上の中止命令、包括的禁止命令、保全処分、保全管理命令、否認権のための保全処分を発令でき、破産手続を開始しないと決したときは遅滞なくこれを取り消す義務を負う。牽連破産の移行期に生じる管理者不在の間隙を埋める橋渡し規定である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
再生手続が失敗して破産手続へ移行する場合の破産を牽連破産といいます。民事再生法 251 条は、その移行期に裁判所が職権で財産を保全できると定めています。
申立ては不要です。裁判所が職権で発令できます。ただし実務では債権者が廃止・不認可の情報を裁判所へ上申することが発令の引き金になります。
再生計画が遂行できない等の理由で再生手続を打ち切る裁判所の決定です。認可前廃止と認可後廃止(民再 193 条・194 条)があり、いずれも 251 条の保全の前提になります。
全ての債権者に対し個別の強制執行や仮差押えを一律に禁止する命令です。破産法 25 条が根拠で、251 条により再生から破産への移行期にも発令できます。
裁判所が選任した保全管理人が債務者財産の管理処分権を掌握します。債務者は自ら財産を動かせなくなり、駆け込み弁済や資産隠匿が封じられます。
裁判所が破産手続を開始しないと決したとき(2 項)、または前提となる廃止・取消しの決定自体が取り消されたとき(3 項)に失効します。
できません。4 項が破産法の即時抗告規定の適用を排除しており、取消決定に対する即時抗告の道は閉ざされています。
廃止・不認可の情報を掴んだその日に裁判所へ上申し職権保全を促すこと、自ら債権者破産を申し立てる準備、民事保全法の仮差押えを並行検討することが有効です。
本条で裁判所は職権で財産を保全できますが(251条1項)、裁判所が全債務者の資産を自動で監視しているわけではありません。あなたが廃止や不認可の情報を裁判所に上げてはじめて保全が動くケースが実務では多い。業界裏話ヒント:弁護士は再生が傾いた段階で官報と裁判所掲示を張り込み、廃止決定が出たその日に保全の上申と債権者破産申立てを同時に打つ。待っていた債権者と動いた債権者では、配当率が桁で変わる
第2項により裁判所が破産開始の決定をしないと判断したときは、保全処分等を取り消さなければなりません。そしてこの取消決定に対しては第4項で即時抗告ができません。つまり解除そのものを覆す不服申立ての道は閉ざされています。業界裏話ヒント:だからこそ、保全が解除される前提となる「破産にしない」という裁判所の判断を防ぐため、債権者は破産すべき事情を早期に裁判所へ提出しておくことが効いてくる。解除後に争うより、解除させない働きかけが本筋だ
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| 発動の場面 | 民再 251 条:再生手続の廃止・不認可等による破産移行期の空白 | — |
| 申立ての要否 | 職権発動(申立て不要、実務は債権者上申が引き金) | — |
| 保全の内容 | 中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令・否認保全を横断的に発令 | — |
| 失効・取消し | 破産不開始を決したら遅滞なく取消し(2 項)、前提決定取消しで失効(3 項)、取消決定に即時抗告不可(4 項) | — |
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