民事再生法 第248条(再生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送)
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裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。)は、破産手続開始の前後を問わず、同一の債務者につき再生手続開始の決定があった場合において、当該破産事件を処理するために相当であると認めるときは、職権で、当該破産事件を再生裁判所に移送することができる。
この条文の基本情報
再生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送とは何ですか?
定義再生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送とは、民事再生法第248条に定められた規定で、「裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第248条(再生手続開始の決定があった場合の破産事件の移送)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第248条の条文原文は「裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。」で始まります。
- 民事再生法第248条は第二節 再生手続から破産手続への移行に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第248条の前の条は民事再生法第247条です。
- 民事再生法第248条の次の条は民事再生法第249条です。
- 民事再生法第248条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第248条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第248条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/248
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法248条は、破産事件を扱う裁判所が、同一債務者に再生手続開始決定があり相当と認めるとき、破産手続開始の前後を問わず職権で破産事件を再生裁判所へ移送できると定める。
Q · 同じ会社に破産と再生が同時に係属したら、どちらの裁判所で手続が進むの?
職権で破産事件を再生裁判所へ移送し、一人の裁判官に集約できます
民事再生法248条により、破産事件を扱う裁判所は、同一債務者について再生手続開始の決定があり、その破産事件を処理するため相当と認めるときは、破産手続開始の前後を問わず、職権で破産事件を再生裁判所へ移送できます。これにより破産と再生を同一の裁判官が一体的に判断でき、再生を優先する中止命令(39条)や、再生失敗時に破産へ切り替える牽連破産の判断が連動して動きます。移送は当事者の申立てではなく職権によるため、当事者にできるのは移送を促す上申にとどまります。
解説
同じ債務者について、破産手続と再生手続が同時に係属することがある。債権者が破産を申し立てた後、債務者本人が「会社を畳むのではなく立て直したい」と再生を申し立てる、あるいはその逆。問題は、二つの事件が別の裁判官、時には別の裁判所に分かれて進む点だ。民事再生法248条は、破産事件を扱う裁判所が、同一債務者に再生手続開始の決定があった場合、その破産事件を再生裁判所へ職権で移送できると定める。なぜこれが効くのか。同じ裁判官が両方を握れば、再生を優先して破産手続を止める判断(39条の中止命令)も、再生が失敗したときに破産へ切り替える判断(牽連破産)も、一本の手で滑らかに動かせる。つまりこの一条は、あなたの会社が「解体される」か「立て直される」かの交通整理を、どの裁判官の机の上でやるかを決めている。
法的な位置づけ
民事再生法248条は破産事件の移送を定める規定であり、破産事件を取り扱う裁判所が、同一債務者につき再生手続開始の決定があった場合に、当該破産事件を処理するため相当と認めるときは、破産手続開始の前後を問わず、職権で破産事件を再生裁判所へ移送できる旨を規定する。破産と再生を一人の裁判官に集約する手続的調整規範として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.既存の破産事件の係属を確認する 同一債務者について既に破産事件が係属していないかを確認し、係属裁判所と担当裁判官・事件番号を特定する。並走の有無を把握することが起点になる
- 2.再生手続開始の申立てを行う 会社を立て直す方針であれば、破産手続開始の決定前に民事再生を申し立てる。再生手続開始の決定が出れば248条の移送の前提が整う
- 3.破産事件の再生裁判所への移送を上申する 248条は職権移送のため申立権はない。再生申立てと同時か直後に、破産事件を再生裁判所へ移送するよう促す上申書を提出し、職権発動を働きかける
- 4.39条の中止命令を併走させる 移送は確約されないため、あわせて民事再生法39条の破産手続中止命令を申し立て、再生優先の時間を確保する。移送されない前提でも再生の実効性を保つ
よくある質問 AI による整理
Q1民事再生法248条とは何ですか?
破産事件を扱う裁判所が、同一債務者に再生手続開始決定があり相当と認めるとき、職権で破産事件を再生裁判所へ移送できると定める規定です。破産と再生を一人の裁判官に集約します。
Q2牽連破産とは何ですか?
再生手続が廃止・不認可・取消しなどで失敗した場合に、裁判所が職権で破産手続開始を決定できる制度です。再生から破産への切り替えを円滑にする仕組みで、248条の移送と連動します。
Q3破産と民事再生は同時に進められますか?
申立ては債権者と債務者が別々にできるため、同一債務者に両手続が並走する場面は現実に存在します。248条はそのねじれを移送で解消するための規定です。
Q4破産事件の移送は誰が決めるのですか?
裁判所の職権で決まります。当事者に正式な申立権はなく、できるのは移送を促す上申にとどまります。動かすのは裁判官の判断です。
Q5個人再生に切り替えると住宅は残せますか?
自己破産を申し立てた後でも個人再生に切り替えれば破産事件は再生裁判所へまとまり、住宅資金特別条項を使って住宅を残す道が開ける場合があります。
Q6民事再生の中止命令とは何ですか?
民事再生法39条に基づき、再生手続開始の申立てがあった場合に既存の破産手続等を一時停止させる命令です。再生優先の流れを作る措置で、移送と連動して機能します。
Q7破産事件が移送されると債権はどうなりますか?
移送は事件を別の裁判所へ移すだけで、届出済みの債権や既往の手続は引き継がれます。移送自体が債権を消すことはありません。
Q8民事再生が失敗したらどうなりますか?
再生計画が不認可・取消しなどになった場合、牽連破産により裁判所が職権で破産手続へ移行させることがあります。同一裁判官が握っていれば切り替えが円滑です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1破産を申し立てられたのに、後から民事再生なんてできるんですか?
できます。破産手続開始の決定が出る前であれば、債務者は民事再生を申し立てられ、再生手続開始の決定が出れば248条で破産事件を再生裁判所へ移送できます(39条で破産手続の中止も可能)。実務のポイント:実務では「破産申立てを受けた=もう終わり」ではなく、開始決定前の数週間が再生へ切り替える勝負どころ。この時間軸を知る代理人とそうでない代理人で、会社が残るか消えるかが分かれる。
Q2移送されると、自分の裁判はやり直しになるんですか?
やり直しにはなりません。248条の移送は事件を別の裁判所へ移すだけで、それまでの手続や提出済みの届出は引き継がれます(民事訴訟法の移送と同じ発想)。実務のポイント:移送で本当に変わるのは「誰が判断するか」。同じ裁判官が破産と再生を握ると、中止命令や牽連破産の判断が連動して速くなる。当事者が体感するのはスピードと一貫性であって、振り出しに戻る話ではない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「破産と再生は二者択一で、同時に走ることはない」と思い込んでいる人が多い。だが申立ては別々の主体(債権者と債務者)ができるため、同一債務者に両手続が並走する場面は現実に存在する。248条が存在すること自体が、その並走がありうる証拠だ。あなたが立てた「どちらか一方」という前提そのものが誤っている。
- 債務者から見れば、移送は「再生に有利な裁判官に寄せる」ありがたい措置に映る。だが裁判所から見れば、これは中立的な事件処理の効率化にすぎず、移送されたからといって再生が認可されやすくなるわけではない。この期待と現実の落差が、移送後に「なぜ再生が通らないのか」という当事者の混乱を生む。
- 「移送は当事者が申し立てるもの」と思われがちだが、248条の移送は裁判所の職権による。当事者にできるのは正式な申立てではなく、移送を促す上申にとどまる。動かすのは裁判官の判断であって、あなたが出す申立書ではない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する事件 | 民事再生法248条:破産事件を再生裁判所へ移送 | 民事再生法7条:再生事件そのものの移送 破産法7条:破産事件側の移送調整 |
| 発動の主体 | 破産事件を扱う裁判所の職権 | 再生裁判所の職権(当事者申立ての契機あり) 破産裁判所の職権 |
| 前提となる決定 | 同一債務者への再生手続開始の決定(33条) | 再生手続の係属 破産手続の係属 |
| 連動する措置 | 39条の中止命令・牽連破産と一体運用 | 再生の一元的処理 破産の一元的処理 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は破産(破產法)と会社更生(公司法上の重整)が別法制で、事件の管轄・調整は別個に規律される。日本の一条完結型の職権移送とは構造が異なる
韓国は再生(回生)と破産を単一の統合倒産法で規律するため、両手続の調整が同一法内で完結し、日本のような別法間の移送規定を必要としない
ドイツは清算と再建(Insolvenzplan)を単一の倒産手続で処理する一体型のため、そもそも破産事件と再生事件を分けて移送する場面が生じにくい
米国はチャプター7(清算)とチャプター11(再建)の相互転換(conversion)と事件の移送(transfer of venue)で調整する。日本の牽連破産・248条移送に機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先に破産を申し立てられた直後、あなたは会社を立て直すべく民事再生を申し立てた。だが破産事件は別の裁判官の手元にある。このまま二人の裁判官が別々に進めたら、再生の認可を待つ間に破産が先行してしまうのか。248条は、まさにこのねじれを解消するための交通整理だ。
- あなたが債権者として破産を申し立てた側だとする。債務者が後から再生を持ち出し、破産事件が再生裁判所へ移送された。これは不利なのか。実は移送自体はあなたの債権を消さない。むしろ同じ裁判官が両手続を見ることで、再生案が非現実的なら早期に破産へ戻る判断も速くなる側面がある。
- 個人事業主のあなたが自己破産を申し立てた後、専門家から個人再生の方が住宅を残せると助言された。再生を申し立てれば、破産事件は再生裁判所へまとめられる。住宅資金特別条項で家を守る道が、ここで開く。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 既に破産事件が係属しているか確認し、係属裁判所と担当裁判官を特定する2. 再生手続開始の申立てと同時か直後に、破産事件の再生裁判所への移送を求める上申書を提出(職権発動を促す) 3. あわせて39条に基づく破産手続の中止命令を申し立て、再生優先の流れを作る4. 移送は職権なので確約はない、移送されない前提でも中止命令で時間を確保する戦略を併走させる
訴えられた側:1. 債務者の再生申立てを把握したら、再生計画の実現可能性をデータで検証2. 両手続が一裁判官に集まる前後で、再生案が非現実的なら破産優先を主張する書面を準備3. 移送自体は債権を消さないので過度に恐れず、再生債権としての届出と破産債権としての届出の両にらみで権利を保全4. 牽連破産(再生失敗時の破産移行)の可能性も見据え、配当見込みを試算しておく
時効(請求できる期限):248条の移送に当事者向けの申立て期限はない。破産手続開始の前後を問わず職権で移送できるため、再生手続開始の決定の前後どちらでも余地がある。ただし再生手続の進行が進むほど移送の実益は薄れるため、再生申立ての初期段階で上申するのが実務上有効(最新の運用は係属裁判所にご確認ください)。
- 民事再生法 第7条再生事件の移送、本条と対をなす移送規定
- 民事再生法 第33条本条の前提となる再生手続開始の決定
- 民事再生法 第39条破産手続等の中止命令、移送後に連動する措置
- 破産法 第7条破産手続側の移送規定、両法の事件処理を調整
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