不動産登記法 第159条(秘密を漏らした罪)
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第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
秘密を漏らした罪とは何ですか?
定義秘密を漏らした罪とは、不動産登記法第159条に定められた規定で、「第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 不動産登記法第159条(秘密を漏らした罪)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
- 不動産登記法第159条の条文原文は「第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 不動産登記法第159条は第八章 罰則に置かれています。
- 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
- 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 不動産登記法第159条の前の条は不動産登記法第158条です。
- 不動産登記法第159条の次の条は不動産登記法第160条です。
- 不動産登記法第159条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第159条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123 - 本サイト収録
不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第159条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/159
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点不動産登記法159条は、登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした登記官等を二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する規定。対象は法務省の職員と元職員に限られる。
Q · 登記識別情報が漏れたら、159条で相手を刑事責任に問えますか?
漏らしたのが法務局職員かどうかで結論が変わります
不動産登記法159条が処罰するのは、同法152条2項の名宛人、つまり登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員と、すでに退職した元職員だけです。法定刑は二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金。司法書士事務所や不動産会社、金融機関からの漏えいは本条の対象外で、司法書士法24条の守秘義務違反や個人情報保護法、民法709条の不法行為という別の回路で処理されます。まず「何が漏れたか」ではなく「誰の立場の人間が漏らしたか」を特定することが、使える条文と駆け込む窓口を決めます。
解説
不動産を買うと法務局から12桁の英数字が渡される。登記識別情報、かつての権利証の後継だ。この符号が漏れれば、理屈のうえではあなたの名義を書き換える入口が一つ開く。159条は、その符号を作り管理する側が秘密を漏らした場合に、二年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金を科す。注意すべきは射程だ。この罪が捕まえるのは152条2項の名宛人、つまり登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員と、すでに辞めた元職員だけである。あなたが依頼した司法書士や不動産会社の担当者が符号を流出させても、159条では一切裁けない。守秘義務の根拠法そのものが別だからだ。「何が漏れたか」ではなく「誰の立場の人間が漏らしたか」で、あなたが振り回せる条文も、駆け込む窓口も根本から変わる。
法的な位置づけ
不動産登記法159条は、登記識別情報の作成又は管理に関する秘密の漏示を処罰する罰則規定である。名宛人は同法152条2項が守秘義務を課す者、すなわち登記事務に従事する法務省の職員およびその職にあった者に限定される。法定刑は二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金であり、登記識別情報制度の内部者統制を刑罰で担保する。
よくある質問 AI による整理
Q1登記識別情報とは何ですか?
不動産の登記名義人に法務局から通知される12桁の英数字です。かつての登記済証(権利証)に代わる本人確認手段で、登記申請時に提供します(不動産登記法21条、22条)。
Q2登記識別情報が漏れたら再発行できますか?
できません。再発行制度は存在せず、失効の申出をすればその符号は永久に使えなくなります。次回の登記は事前通知(法23条)か資格者代理人の本人確認情報で代替します。
Q3不正登記防止申出はどうやって出しますか?
不動産の所在地を管轄する法務局に本人が出向いて申し出ます。申出から3か月間、その不動産に登記申請があれば申出人に通知が届き、3か月ごとに出し直すことができます。
Q4登記識別情報の失効の申出とは何ですか?
通知された登記識別情報を自分の意思で無効にする手続です(不動産登記規則65条)。漏えいが疑われるときの止血策ですが、失効後は再発行がなく代替手段の費用と時間がかかります。
Q5不動産登記法159条の公訴時効は何年ですか?
3年です。法定刑が長期5年未満の拘禁刑又は罰金にあたるため、刑事訴訟法250条2項6号により3年となります。起算点は漏えい行為の時です。
Q6元法務局職員も159条の対象になりますか?
なります。152条2項は「その職にあった者」も名宛人に含めているため、退職後に在職中の案件を語れば本条の射程内です。退職から年数が経っても義務は消えません。
Q7登記官の情報漏えいで損害賠償はできますか?
国家賠償法1条により国に対して請求できます。刑事が不起訴でも国賠は独立して成立するため、刑事告発の結果を待たずに民事の組み立てを先行させる余地があります。
Q8不動産登記法164条の過料と159条の違いは何ですか?
159条は刑罰(拘禁刑・罰金)で前科がつき刑事手続に乗ります。164条は秩序罰である過料で、行政的な制裁にとどまり前科にはなりません。手続の入口が根本的に異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記識別情報って、漏れたら不動産を取られちゃうんですか?
符号だけでは登記できない。所有権移転には実印による委任状と印鑑証明書、本人確認が揃う必要がある(不動産登記法22条、23条)。ただし地面師事件ではその書類側が偽造される。実務のポイント:不安なら法務局に不正登記防止申出を出す。申出から3か月間、その不動産に登記申請があれば通知が届く。3か月ごとに出し直せば実質的な見張りになるが、この制度は窓口から積極的には案内されない。
Q2司法書士が私の登記識別情報を漏らしたら、159条で訴えられますか?
できない。159条が処罰するのは152条2項の名宛人、登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員と元職員に限られる。司法書士は司法書士法24条の守秘義務違反として懲戒の対象になり、民事は債務不履行および不法行為(民法709条)で攻める。実務のポイント:司法書士への懲戒請求は法務局に対して行い、処分は官報に載る。刑事より懲戒の方が相手に効く場面は、実務では珍しくない。
Q3二年以下の拘禁刑って、実際に適用された例はあるんですか?
公表された起訴事例はほとんど見当たらず、現実には国家公務員法上の懲戒処分で処理される場合が多い。159条は最後の抑止線として置かれている。実務のポイント:使われていない条文であること自体が交渉材料になる。法務局への苦情申立てで刑罰規定の存在に触れると、組織内部の事実調査の優先度が上がる。刑事告発が実際に通るかどうかとは、別の効き方をする。
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記識別情報が漏れたから159条で告訴できる」という問いの立て方が、そもそも外れている。159条の主語は登記官と法務局職員(元職員を含む)だけだ。司法書士事務所からの流出、不動産会社の書類管理ミス、あなた自身の郵便物の紛失、いずれもこの条文の外側にある。問うべきは「何が漏れたか」ではなく「誰が漏らしたか」である
- 符号が漏れても実印と印鑑証明書がなければ登記はできない、ここまでは多くの人が知っている。知られていないのは、いわゆる地面師事件で偽造されるのは、まさにその印鑑証明書と本人確認書類の側だという点だ。符号の流出は単独では無害でも、偽造書類とセットになった瞬間、最後のロックが外れる。深刻なのは符号の漏えいそのものではなく、それが揃ってしまう組み合わせである
- あなたから見れば「役所のミスで情報が漏れた」一件だが、法律から見れば159条(刑事)、国家賠償法1条(民事)、国家公務員法上の懲戒(行政)という三本の別々の手続だ。刑事が不起訴に終わっても国賠は独立して生きている。三つを同じ土俵だと思い込むと、不起訴通知を見た瞬間に民事まで諦めることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人(誰を縛るか) | 不動産登記法159条:登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員および元職員 | 国家公務員法100条:一般職の国家公務員全般 司法書士法24条:司法書士および司法書士であった者 |
| 制裁の内容 | 二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(刑罰・前科あり) | 秘密漏示は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金(国公法109条)、加えて懲戒 法務局による懲戒処分(戒告・業務停止・業務禁止)、処分は官報に掲載 |
| 被害者側の入口 | 刑事告発+国家賠償法1条による対国家請求 | 刑事告発+国家賠償法1条による対国家請求 法務局への懲戒請求+債務不履行・不法行為(民法709条)による対個人請求 |
| 保護対象の情報 | 登記識別情報の作成又は管理に関する秘密(符号そのもの+生成・保管の仕組み) | 職務上知り得た秘密一般 業務上取り扱った事件について知り得た秘密 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には登記識別情報に相当する符号制度がなく、権利書状と印鑑証明による本人確認が中心。公務員の漏えいは刑法の一般規定で処理され、登記法固有の罰則を置く日本とは構造が異なる
韓国も2011年の不動産登記法改正で登記必情報(등기필정보)を導入し、日本の登記識別情報と最も近い制度を持つ。守秘と不正取得に対する罰則規定を同法内に置く点も共通する
ドイツは登記に公信力を認める一方、本人確認は公証人の関与によって担保するため、符号型の識別情報を用いない。職員の漏えいは刑法典の職務秘密漏示罪で一般的に処理される
米国は登記(recording)が対抗要件にとどまり、権原保険(title insurance)が実質的なリスク移転手段。識別符号の秘匿より保険と title search による事後救済に重心がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 決済当日、司法書士から「登記識別情報の中身を第三者に見られた可能性がある」と告げられたら、あなたが最初に確認すべきことは何か。見たのが法務局の窓口職員なのか、事務所の派遣スタッフなのか。前者なら159条、後者なら司法書士法24条の守秘義務違反。刑罰の有無も、通報先も、交渉の重さも別物になる
- 法務局を退職して不動産テック企業に移ったあなたが、在職中に扱った案件について会食で口を滑らせる。152条2項は「その職にあった者」も名宛人に含めている。退職から五年経っていても、159条の射程は切れていない
- 固定資産税の納税通知が来ない年があり、不審に思って登記簿を取ったら、所有者欄が知らない法人になっていた。登記識別情報が使われている。だが誰がどこから漏らしたかを特定できなければ、159条の刑事責任も国家賠償も一歩も動かない。最初に動かすのは登記簿の閲覧ではなく、その申請書類を誰が作ったかの調査だ
- 流出を疑ってから次の決済まであと三日。登記識別情報の失効の申出(不動産登記規則65条)を出せばその符号は永久に死ぬが、再発行という制度はない。次回は事前通知(法23条)か資格者代理人の本人確認情報で代替することになり、買主側の金融機関が渋る可能性がある。止めるか走るかを三日で決める
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏えい源の立場を先に特定する。法務局職員なら159条、司法書士なら司法書士法24条、不動産会社なら個人情報保護法と、入口が完全に別。2. 法務局に不正登記防止申出を出す(申出から3か月間、登記申請があれば通知が届く)。3. 並行して登記識別情報の失効の申出(不動産登記規則65条)を検討する。ただし失効させると再発行はなく、次回は事前通知または本人確認情報での代替になる。4. 職員の関与が裏付けられたら、刑事告発と国家賠償法1条の請求を別建てで進める。
訴えられた側:1. まず自分が152条2項の名宛人(登記事務に従事する法務省の職員および元職員)に該当するかを確認する。該当しなければ159条は適用されない。2. 処罰対象は「登記識別情報の作成又は管理に関する秘密」であり、符号そのものだけでなく生成・保管の仕組みも含む。何を語ったかを時系列で正確に整理する。3. 職務上知り得た情報かが分水嶺で、公開情報からの推測は該当しない。4. 退職者も射程内なので、在職案件に触れる場面は相手・日時・内容の記録を残す。
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑が長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたるため、刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は漏えい行為の時。被害者側の国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年、行為の時から20年(国家賠償法4条、民法724条)。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 不動産登記法の全部改正により新設。登記済証(権利証)に代わる登記識別情報制度の導入に伴い、登記官等の秘密保持義務(152条2項)とその違反に対する本罪が同時に設けられた
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮を統合する拘禁刑の新設に伴い、法定刑の表記が「二年以下の懲役」から「二年以下の拘禁刑」に改められた。上限期間と罰金額に変更はない
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:不動産登記法の全部改正により新設。登記済証(権利証)に代わる登記識別情報制度の導入に伴い、登記官等の秘密保持義務(152条2項)とその違反に対する本罪が同時に設けられた
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役と禁錮を統合する拘禁刑の新設に伴い、法定刑の表記が「二年以下の懲役」から「二年以下の拘禁刑」に改められた。上限期間と罰金額に変更はない
- 不動産登記法 第152条本罪の義務規定、処罰対象者を画定
- 不動産登記法 第21条登記識別情報の通知、保護対象の発生源
- 不動産登記法 第22条登記申請時の登記識別情報の提供義務
- 不動産登記法 第23条提供できない場合の事前通知等の代替手段
- 不動産登記法 第164条同章の過料規定、秩序罰と刑罰の区別
- 国家公務員法 第100条一般的守秘義務、本条はその加重特則
- 国家賠償法 第1条漏えい被害者の民事救済経路
- 司法書士法 第24条司法書士の守秘義務、本条の射程外
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