第百五十二条第二項の規定に違反して登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
要点不動産登記法159条は、登記識別情報の作成又は管理に関する秘密を漏らした登記官等を二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する規定。対象は法務省の職員と元職員に限られる。
Q · 登記識別情報が漏れたら、159条で相手を刑事責任に問えますか?
漏らしたのが法務局職員かどうかで結論が変わります
不動産登記法159条が処罰するのは、同法152条2項の名宛人、つまり登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員と、すでに退職した元職員だけです。法定刑は二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金。司法書士事務所や不動産会社、金融機関からの漏えいは本条の対象外で、司法書士法24条の守秘義務違反や個人情報保護法、民法709条の不法行為という別の回路で処理されます。まず「何が漏れたか」ではなく「誰の立場の人間が漏らしたか」を特定することが、使える条文と駆け込む窓口を決めます。
不動産を買うと法務局から12桁の英数字が渡される。登記識別情報、かつての権利証の後継だ。この符号が漏れれば、理屈のうえではあなたの名義を書き換える入口が一つ開く。159条は、その符号を作り管理する側が秘密を漏らした場合に、二年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金を科す。注意すべきは射程だ。この罪が捕まえるのは152条2項の名宛人、つまり登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員と、すでに辞めた元職員だけである。あなたが依頼した司法書士や不動産会社の担当者が符号を流出させても、159条では一切裁けない。守秘義務の根拠法そのものが別だからだ。「何が漏れたか」ではなく「誰の立場の人間が漏らしたか」で、あなたが振り回せる条文も、駆け込む窓口も根本から変わる。
不動産登記法159条は、登記識別情報の作成又は管理に関する秘密の漏示を処罰する罰則規定である。名宛人は同法152条2項が守秘義務を課す者、すなわち登記事務に従事する法務省の職員およびその職にあった者に限定される。法定刑は二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金であり、登記識別情報制度の内部者統制を刑罰で担保する。
不動産の登記名義人に法務局から通知される12桁の英数字です。かつての登記済証(権利証)に代わる本人確認手段で、登記申請時に提供します(不動産登記法21条、22条)。
できません。再発行制度は存在せず、失効の申出をすればその符号は永久に使えなくなります。次回の登記は事前通知(法23条)か資格者代理人の本人確認情報で代替します。
不動産の所在地を管轄する法務局に本人が出向いて申し出ます。申出から3か月間、その不動産に登記申請があれば申出人に通知が届き、3か月ごとに出し直すことができます。
通知された登記識別情報を自分の意思で無効にする手続です(不動産登記規則65条)。漏えいが疑われるときの止血策ですが、失効後は再発行がなく代替手段の費用と時間がかかります。
3年です。法定刑が長期5年未満の拘禁刑又は罰金にあたるため、刑事訴訟法250条2項6号により3年となります。起算点は漏えい行為の時です。
なります。152条2項は「その職にあった者」も名宛人に含めているため、退職後に在職中の案件を語れば本条の射程内です。退職から年数が経っても義務は消えません。
国家賠償法1条により国に対して請求できます。刑事が不起訴でも国賠は独立して成立するため、刑事告発の結果を待たずに民事の組み立てを先行させる余地があります。
159条は刑罰(拘禁刑・罰金)で前科がつき刑事手続に乗ります。164条は秩序罰である過料で、行政的な制裁にとどまり前科にはなりません。手続の入口が根本的に異なります。
符号だけでは登記できない。所有権移転には実印による委任状と印鑑証明書、本人確認が揃う必要がある(不動産登記法22条、23条)。ただし地面師事件ではその書類側が偽造される。業界裏話ヒント:不安なら法務局に不正登記防止申出を出す。申出から3か月間、その不動産に登記申請があれば通知が届く。3か月ごとに出し直せば実質的な見張りになるが、この制度は窓口から積極的には案内されない。
できない。159条が処罰するのは152条2項の名宛人、登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員と元職員に限られる。司法書士は司法書士法24条の守秘義務違反として懲戒の対象になり、民事は債務不履行および不法行為(民法709条)で攻める。業界裏話ヒント:司法書士への懲戒請求は法務局に対して行い、処分は官報に載る。刑事より懲戒の方が相手に効く場面は、実務では珍しくない。
公表された起訴事例はほとんど見当たらず、現実には国家公務員法上の懲戒処分で処理される場合が多い。159条は最後の抑止線として置かれている。業界裏話ヒント:使われていない条文であること自体が交渉材料になる。法務局への苦情申立てで刑罰規定の存在に触れると、組織内部の事実調査の優先度が上がる。刑事告発が実際に通るかどうかとは、別の効き方をする。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人(誰を縛るか) | 不動産登記法159条:登記官その他の登記事務に従事する法務省の職員および元職員 | — |
| 制裁の内容 | 二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(刑罰・前科あり) | — |
| 被害者側の入口 | 刑事告発+国家賠償法1条による対国家請求 | — |
| 保護対象の情報 | 登記識別情報の作成又は管理に関する秘密(符号そのもの+生成・保管の仕組み) | — |
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