(停船検査)
第16条
艦長等は、武力攻撃が発生した事態又は存立危機事態において、実施区域を航行している船舶が外国軍用品等を輸送していることを疑うに足りる相当な理由があるときは、この節の定めるところにより、当該実施区域において、当該船舶について停船検査を行うことができる。ただし、当該船舶が軍艦等に警護されている場合は、この限りでない。
(停船検査)
艦長等は、武力攻撃が発生した事態又は存立危機事態において、実施区域を航行している船舶が外国軍用品等を輸送していることを疑うに足りる相当な理由があるときは、この節の定めるところにより、当該実施区域において、当該船舶について停船検査を行うことができる。ただし、当該船舶が軍艦等に警護されている場合は、この限りでない。
(停船命令)
艦長等は、停船検査を行おうとするときは、あらかじめ、無線その他の通信手段を用いて、当該船舶に対し、進行の停止を命ずるものとする。
2艦長等は、前項の規定により進行の停止を命じた場合において、当該船舶がこれに従わないときは、接近、追尾、伴走又は進路前方における待機を行って、繰り返し進行の停止を命ずるものとする。
3前二項の場合において、艦長等は、自衛艦旗を掲げるほか、必要に応じ、呼びかけ、信号弾及び照明弾の使用その他の適当な手段により、自己の存在を示すものとする。
(船上検査の実施)
艦長等は、前条第一項又は第二項の規定による命令を受けた船舶が停止したときは、海上自衛隊の三等海尉以上の自衛官(共同の部隊の使用する船舶に乗り組んでいる三等陸尉、三等海尉又は三等空尉以上の自衛官を含む。第三十条において同じ。)を当該船舶に乗り込ませ、第二十条から第二十二条までの規定による検査(以下「船上検査」という。)を行わせるものとする。
(船長等に対する告知)
前条の自衛官(以下「船上検査官」という。)は、船上検査を行う船舶に乗船したときは、その船長等に対し、船上検査を行う旨及び船上検査の手続に関し苦情があるときは艦長等に対し理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる旨を告知するものとする。
(船舶書類の検査)
船上検査官は、船長等に対し、次に掲げる書類(以下「船舶書類」という。)の提示を求めることができる。
一船舶国籍証書その他の船舶の国籍を証明する書類
二乗組員等の名簿
三航海日誌その他の航行の状況を記録する書類
四船荷証券その他の積荷に関する書類
(乗組員等への質問)
船上検査官は、必要があると認めるときは、乗組員等に質問をすることができる。
(積荷の検査)
船上検査官は、前二条の規定による検査を行った場合においても、なお当該船舶が外国軍用品等を輸送している疑いがあると認めるときは、船長等を立ち会わせて、積荷を検査することができる。
(出入禁止)
船上検査官は、船上検査を行う間は、乗組員等(船長等を除く。)に対し、許可を得ないでその場所に出入りすることを禁止することができる。
(身分証明書の提示等)
船上検査官は、船上検査を行うときは、その身分を示す証明書を携帯し、船長等の請求があるときは、これを提示しなければならない。
2第二十条から前条までの規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(艦長等への報告)
船上検査官は、船上検査を行ったときは、直ちにその結果を艦長等に報告しなければならない。
(停船検査の終了)
艦長等は、前条の報告を受けたときは、次条第一項の規定による引渡しの求め又は第二十八条第一項の規定による命令をするときを除き、速やかに、停船検査を終了しなければならない。
(外国軍用品の引渡し)
第二十五条の報告を受けた艦長等は、当該報告に係る船舶の積荷が外国軍用品であると認められ、かつ、当該積荷をその自衛艦に収容することができる場合において、第六条第四項各号のいずれにも該当しないと認めるときは、当該船舶の船長等に対し、当該積荷の引渡しを求めることができる。
2艦長等は、前項の引渡しを受けたときは、調書を作成し、当該船舶の船長等に交付しなければならない。
3艦長等は、第一項の引渡しを受けたときは、速やかに、書類及び当該積荷とともに事件を外国軍用品審判所に送致しなければならない。
(回航命令)
第二十五条の報告を受けた艦長等は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該報告に係る船舶の船長等に対し、我が国の港へ回航すべきことを命ずることができる。
一当該船長等が前条第一項の規定による外国軍用品の引渡しの求めに応じないとき。
二当該船舶が外国軍用品等を輸送していると認めるとき(前条第一項の規定により外国軍用品の引渡しを求めることができる場合を除く。)。
三当該報告のほか、当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の異常な挙動その他周囲の事情等から判断して、なお当該船舶が外国軍用品等を輸送している疑いがあると認めるとき(前二号に該当するときを除く。)。
2艦長等は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、船長等に対し、弁明を記載した文書を提出する機会を与えなければならない。
(監視措置)
艦長等は、前条第一項の規定による命令をしたときは、船上検査官に、当該船舶の船舶書類及びその積荷のうち外国軍用品であるもの(外国軍用品の疑いがあるものを含む。)の移動を監視するために必要な封印をさせ、又は装置を取り付けさせることができる。
(回航監督官の派遣)
艦長等は、第二十八条第一項の規定による命令をしたときは、当該命令の履行の確保に必要な監督をさせるため、海上自衛隊の三等海尉以上の自衛官を当該命令に係る船舶(以下「回航船舶」という。)に乗り込ませるものとする。
(船長等に対する告知)
前条の自衛官(以下「回航監督官」という。)は、回航船舶に乗船したときは、その船長等に対し、第二十八条第一項の規定による命令の内容及び回航措置の手続に関し苦情があるときは艦長等に対し理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる旨を告知するものとする。
(回航監督官の権限)
回航監督官は、第二十八条第一項の規定による命令の履行の確保又は航行の安全若しくは船内の秩序維持のため必要があると認めるときは、回航船舶の船長等に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
2回航監督官は、船長等が前項の規定による指示に従わない場合において、やむを得ない必要があるときは、自ら当該指示に係る措置をとることができる。
3艦長等は、回航監督官に、第二十九条に規定する措置を講じさせることができる。
(回航船舶への自衛艦旗の掲揚)
回航監督官は、回航船舶に、当該船舶の旗国(海洋法に関する国際連合条約第九十一条に規定するその旗を掲げる権利を有する国をいう。)の国旗及び自衛艦旗を掲げさせるものとする。
(外国軍用品審判所への送致)
艦長等は、回航船舶が我が国の港に到着したときは、速やかに、書類とともに事件を外国軍用品審判所に送致しなければならない。
(防衛大臣への報告)
艦長等は、停船検査を行ったとき、又は回航措置をとったときは、速やかに、当該停船検査又は回航措置に関する報告書を作成し、防衛大臣に提出しなければならない。
2艦長等は、第二十八条第一項の規定による命令をしたとき、又は船長等から第十九条若しくは第三十一条に規定する苦情の申出があったときは、直ちにその旨を防衛大臣に報告しなければならない。
3防衛大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、必要に応じ、関係機関への連絡その他の措置を講ずるものとする。
(艦長等の配慮義務)
艦長等並びに船上検査官及び回航監督官は、停船検査を行い、又は回航措置をとるときは、その対象となる船舶が必要以上に予定の航路を変更することのないように配慮しなければならない。
(武器の使用)
警察官職務執行法(昭和二十三年法律第百三十六号)第七条の規定は、この章の規定による措置を命ぜられた海上自衛隊の部隊の自衛官の職務の執行について準用する。
2前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により武器を使用する場合のほか、同項に規定する自衛官は、艦長等が第十七条第二項の規定に基づき当該船舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお当該自衛官の職務の執行に抵抗し、又は逃亡しようとする場合において、当該船舶の進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由があるときは、艦長等の命令により、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。
(抑留対象者の取扱い)
停船検査を行う船舶又は回航船舶内に抑留対象者(武力攻撃事態及び存立危機事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成十六年法律第百十七号)第三条第六号に規定する抑留対象者をいう。)がある場合におけるその取扱いについては、同法の定めるところによる。
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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)