要点商法 602 条は、倉庫営業者が倉荷証券を交付したとき、寄託物の記載事項と証券番号・作成年月日を帳簿に記載する義務を定める。この帳簿が流通する倉荷証券の信用を支える台帳となる。
Q · 倉庫に荷物を預けて倉荷証券をもらったら、倉庫側は何を記録しておく義務があるの?
商法602条で、証券の記載事項と番号・作成日を帳簿に記載する義務があります
商法 602 条により、倉庫営業者は倉荷証券を寄託者に交付したとき、前条 601 条 1 号・2 号・4 号から 6 号の記載事項(寄託物の種類・品質・数量、寄託者名、保管料・保管期間、保険の有無)に、倉荷証券の番号および作成年月日を加えて帳簿に記載しなければなりません。この帳簿は、現物を動かさず流通する倉荷証券と現物寄託物とをつなぐ唯一の台帳です。記載が証券や現物と食い違うと、604 条により善意の所持人へ対抗できず、証券の文言どおりの引渡し責任を負います。
ワインのコレクションを専門倉庫に預けたとする。倉庫営業者は引き換えに倉荷証券という紙を一枚くれる。この瞬間、あなたのワインは『紙』になる。現物を一本も動かさずに、その紙を他人へ売れるし、銀行に差し入れて融資の担保にもできる(質入れ)。では、その紙を受け取った見ず知らずの第三者は、なぜ中身を信用できるのか。答えが本条だ。倉庫営業者は倉荷証券を発行したら、預かった物の種類・品質・数量、寄託者の名前、保管料、保管期間、保険の有無、そして証券の番号と作成日を、必ず自分の帳簿に記載しなければならない(前条601条の記載事項を引き継ぐ)。この帳簿が、紙と現物をつなぐ唯一の台帳になる。証券が五人の手を渡り歩いた後でも、最後の所持人が荷物を取りに来たとき、真実を語るのはこの帳簿だ。記帳がずさんな倉庫は、紛争が起きた瞬間に自分の首を絞める。
商法 602 条は、倉庫営業者の帳簿記載義務を定める規定である。倉荷証券を寄託者へ交付した場合、前条 601 条 1 号・2 号・4 号から 6 号の記載事項に、倉荷証券の番号および作成年月日を加えて帳簿に記載することを義務づける。流通する倉荷証券と現物寄託物とを結ぶ台帳としての機能を担い、証券の信用の基礎を構成する。
倉庫に寄託した荷物を表章する有価証券です。証券自体を売買・質入れすることで現物を動かさず荷物の権利を移転でき、その記載の裏付けが商法602条の帳簿です。
商法602条により、倉荷証券を交付したら寄託物の種類・品質・数量、寄託者名、保管料・期間・保険の有無に加え、証券番号と作成年月日を帳簿に記載する義務です。
商法601条が記載事項を定めます。寄託物の種類・品質・数量、寄託者氏名、保管場所・保管料・保管期間、保険の有無などで、帳簿にもこれらを記載します。
できます。倉荷証券を質入れすることで荷物を現物のまま担保化でき、銀行融資にも利用されます。審査では帳簿に保険・保管期間の記載があるかが重視されます。
倉荷証券は倉庫に寄託した荷物、船荷証券は海上運送中の荷物を表章します。どちらも有価証券ですが、根拠条文と発行主体(倉庫営業者と運送人)が異なります。
倉庫業法に基づく登録倉庫だけが倉荷証券を発行できます。発行を断られた倉庫は証券を出せず、その倉庫に預けた在庫は証券による資金化ができません。
有価証券のため、紛失すると公示催告・除権決定の手続を経なければ権利行使や再発行が難しくなります。番号と作成年月日の帳簿記録が照合の起点になります。
商法602条は記載を義務づけますが寄託者の閲覧請求権の明文はありません。紛争時は訴訟で文書提出命令(民訴220条)により帳簿の開示を求められます。
預かり証は単なる受領の証明ですが、倉荷証券は有価証券で、それ自体を売買・質入れすることで荷物の権利が移転します(商法600条・606条)。だからこそ営業者は602条で帳簿への記載を義務づけられます。業界裏話ヒント:倉荷証券を発行できるのは倉庫業法に基づく登録倉庫だけ。発行を頼んで断られたら、その倉庫は『証券を出せない倉庫』であり、在庫の資金化はできないと判断材料になる。
商法602条は営業者に記帳を義務づけますが、寄託者に当然の閲覧請求権を与える明文はありません。ただし紛争になれば、訴訟で文書提出命令(民事訴訟法220条)により帳簿の開示を求められます。業界裏話ヒント:実務では、寄託契約書に『帳簿の閲覧に応じる』旨を入れておくと、揉めたときに訴訟を待たず確認できる。契約段階でこの一文を交渉できるかが分かれ目。
原則として倉庫営業者の責任です。倉荷証券の記載が事実と異なっても、営業者は善意の所持人にそれを対抗できません(商法604条)。つまり証券を信じた第三者には、記載どおりの引渡し責任を負います。業界裏話ヒント:だから証券を取得する側は『記載が多めなら得』ではなく、記載と現物の整合まで確認するのが安全。空証券をつかむと、相手の倉庫が倒産した瞬間に泣くことになる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 602条:倉庫営業者の帳簿への記載義務(裏側の台帳) | — |
| 記載先 | 倉庫営業者の帳簿 | — |
| 違反・不実の効果 | 記帳不備は紛争時に営業者を不利にし、604条と相まって責任問題化 | — |
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