要点商法823条は、被保険者が発航や航海継続を怠り、航路を変更し、又は危険を著しく増加させた場合、保険者はその後に発生した事故の損害を塡補しないと定める。ただし因果関係がない等のときは免責されない。
Q · 船が予定の航路を外れた後に貨物が壊れたら、海上保険は出ないの?
原則は免責。ただし事故と無関係なら出る余地あり
商法823条により、被保険者が発航・航海継続を怠り、航路を変更し、又は危険を著しく増加させた場合、保険者はその事実発生後の事故による損害を塡補する責任を負いません。ただし但書には逃げ道が二つあります。その事実が事故に影響を及ぼさなかったとき、又は保険契約者・被保険者の責めに帰せない事由によるときは、なお塡補されます。海賊・戦乱の回避によるやむを得ない迂回で、しかも沈没原因が迂回と無関係なら、保険金は生き返る余地があります。
貨物を船便で輸入する、自社の船を運航する、どちらの立場でも海上保険には共通の地雷が埋まっている。商法823条は、被保険者が発航や航海の継続を怠ったとき、勝手に航路を変えたとき、その他で危険を著しく増加させたとき、保険者はその事実が生じた後に発生した事故の損害を塡補しなくてよいと定める。つまり「寄り道したら保険金は出ない」。多くの荷主や船主はここで諦める。だが条文を最後まで読むと、但書にあなたの逃げ道が二つ用意されている。第一に、その航路変更や危険増加が事故の発生に影響しなかったとき。第二に、保険契約者や被保険者の責めに帰することができない事由によるとき。たとえば海賊や戦乱を避けるためのやむを得ない迂回で、しかも沈没原因が迂回と無関係な機関故障だった、と示せれば、保険金は生き返る。免責されるか否かは、危険増加と事故の因果関係をどちらが立証できるかにかかっている。
商法823条は海上保険における危険増加免責を定める規定であり、被保険者が発航若しくは航海の継続を怠り、航路を変更し、又はその他危険を著しく増加させた場合に、保険者がその事実発生後の事故による損害について塡補責任を免れる旨を規定する。但書により、因果関係の不存在又は非帰責の事由がある場合には、なお免責は及ばないとされる。
契約時に保険者が想定したリスクが、発航の遅延・航路変更などで著しく高まることを指します。商法823条はこの場合の保険者免責を定めます。
免責の例外です。危険増加が事故に影響しなかったとき、又は保険契約者・被保険者の責めに帰せない事由によるときは、保険者はなお損害を塡補します。
発航・航海継続の懈怠、航路変更、その他危険の著しい増加が代表例です(商法823条)。ただし約款が商法を修正している場合は約款が優先します。
想定外の海域・気象・寄港でリスクが跳ね上がるためです。航路変更後の事故は商法823条で免責対象となり得ますが、因果関係がなければ争えます。
保険者が危険の著しい増加と事後の事故発生を立証します。但書の反証(無関係・非帰責)は被保険者側が主張・立証するのが原則です。
保険証券に綴じ込まれた約款が原則優先します。商法の海上保険規定の多くは任意規定で、ICCなどの約款で危険増加の扱いを修正できるためです。
拒否通知の根拠条項を確認し、危険増加と事故の因果関係を切り分けます。航海日誌・機関記録・気象データを早期に確保し但書で争う余地があります。
保険給付請求権は行使できる時から3年で時効消滅します(保険法95条1項)。ただし約款で別途期限が定められる場合があるため証券の確認が必要です。
いいえ。商法823条は航路変更後の事故を免責しますが、但書で逃げ道が二つあります。その変更が事故に影響しなかったとき、または契約者・被保険者の責めに帰せない事由によるときです。業界裏話ヒント:保険会社はまず『免責』の一言で拒否してくることが多い。だが因果関係の有無は別問題で、迂回と全く無関係な原因で起きた損害なら、但書を主張して請求を生き返らせる余地がある。拒否通知で諦めるのが一番もったいない
本来おかしな話で、そこが823条但書の出番です。航路変更があなた(保険契約者・被保険者)の責めに帰することができない事由によるものなら、免責は及びません。あなたが同意も指示もしていない船会社独自の判断であれば、その点を主張できます(823条但書)。業界裏話ヒント:荷主は『自分は何もしていない』ことを示す通信記録(船会社との契約書、運送指示書)が決定的な武器になる。船会社の独断だったと立証できれば、保険金は出る方向に動く
原則として保険証券の約款が優先します。海上保険に関する商法の規定の多くは任意規定で、当事者の合意(約款)で修正できるからです。実務では英国法系の協会貨物約款(Institute Cargo Clauses)などが使われ、危険増加や航路変更の扱いが商法823条と異なることがあります。業界裏話ヒント:トラブルになったら、まず商法の条文ではなく自分の保険証券に綴じ込まれた約款を先に読むこと。商法823条はあくまで約款に定めがない場合の補充ルールで、現実の勝敗は約款の文言で決まることが多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用領域 | 商法823条:海上保険における危険の著しい増加 | — |
| 効果 | 事実発生後の事故による損害を塡補しない(免責) | — |
| 救済・例外 | 因果関係なし、又は被保険者の非帰責なら免責せず(但書) | — |
| 任意規定性 | 多くが任意規定、ICC等の約款で修正可能 | — |
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